この作品が長すぎてやる気でなくてだらだらやってたら二ヵ月近く投稿してませんでした()
いやはや申し訳ない。
今回はなんか色々詰め込み過ぎた感半端ない()
ま、まぁとりあえずお楽しみください!
大和の方へ結構な速度で飛んでいた
二時間ほど飛ぶと陸が見えてくる、恐らくあれが大和だろう
「8億年ぶりだっけかな、さてどんな風に変わってるんだ?」
大和に着く。
辺りを見るとたんぼばかりが連なり床の高い倉庫が所々に建っている。
「今は...縄文か古墳辺りなのか...?俺が居た日本よりも大和の進行が遅いな」
辺りを歩いていると弱い神力を感じる。
気になり神力を辿ってみるとだんだん強くなっていき、神力の元へ着いた。
「ん、人か?」
シャドーに気づき近寄ってくる。
「人じゃない、西洋妖怪の王だ。西洋から渡ってきた」
「へぇ、妖の王か。昔に妖が大勢で海を渡りボロボロになって帰ってきたのはお前の仕業だったのか」
「そう言うことだ」
「あ、名がまだだったな。俺は
「シャドーエッジ・スカーレットだ、よろしく」
こいつがイザナギ...ならイザナミにも会えるかもしれないな。
「気に入った!まぁ中に入れ」
少し強引に中に入れられ、今はイザナミの家の縁側にて飲んでいる。
「なぁ、お前はここに来た目的ってのはあるのか?」
「あるぞ。強くなるためにここに来た」
「強くか。今でも充分強いんじゃないか?」
「いや、まだ足りない。全然足りないんだよ...憎しみも力もな」
「へぇ...憎しみなぁ...」
「さて、俺は住むところ作ってくるからまた来るよ」
「あぁ、住むとこないのかお前」
「そりゃここに今さっき来たばかりだからな」
「じゃあここに住めよ。イザナミも喜ぶだろうしな」
「...じゃあ、言葉に甘えるとしよう」
「じゃあ決まりだな」
「イザナミはどこに?」
「今は飯作ってるぜ」
「へぇ、日本食は久しいな」
「日本食...?」
「あぁ、気にするなこっちの話だ」
「隠し事か。まぁいいや」
今は二人一緒にいるのか...じゃあアマテラス達はまだ生まれてないのか。
シャドーは片膝を抱え座りながら寝る。
「おい、起きろ。起きろシャドー!」
頭に鈍い衝撃が響く。
「いってぇ...何しやがるイザナギ」
「飯だ。もう夜だぞ」
「ん、そんなに寝てたのか」
「寝過ぎだバカ野郎」
「じゃあ飯食べようか」
「おう、イザナミも待ってるぞ」
イザナギと一緒に居間へと向かうと一人正座してこちらを見ている女性が見える
「シャドーだ、これから世話になる」
「君がシャドーくんね?よろしく~」
「あ、あぁよろしく」
印象が全く違うんだが...
「じゃあ早速飯にするか」
卓には日本料理と酒が並んでいた。
「随分豪勢だな」
「これが普通だろ」
「普通ね」
「普通なのか。じゃあいただきます」
箸を持ち次々おかずを口に運んでいく。
「結構うまいな」
「よかった~、西洋の人だから口に合うか心配だったの~」
「しかし...お前酒は飲めるか?見た感じ相当な子供だが...」
「うるせぇ、これでも8億は生きてる。飲めるさ」
「そうかそうか、なら飲むぞ」
器に酒を並々に注いでくる。
まぁ...昔から酒には強かったし大丈夫だろう。
シャドーは夕食と合わせゆっくり飲んでいった。
「ふぅ...ごちそうさま。結構うまかった」
「お粗末様~」
「もう夜か...少し散歩してくるよ」
シャドーが食休みした後立ち上がる。
「あ、あぁ。いいけど大丈夫か?」
「大丈夫だが、なんかあるのか?」
「最近妖たちが妙に統率を持った動きをしてるから心配なんだ」
「ほう...それは興味があるな、行ってみる。お前も来るか?」
「そうだな、国に関わる事件になる前に芽を摘むのも俺の仕事か」
「そうだな、じゃあいくぞ」
「気を付けてね~」
シャドーとイザナギは一番妖力が固まってるところへと向かうがその前に別の妖怪に阻まれる。
「...こりゃ異変確定だな。統率をマジで執ってやがる」
「どうする?シャドー」
「そりゃやることは一つしかないだろ。この事件を解決...もとい妖怪の殲滅だな」
「俺の力はそこまで強くないから頼んだぞ」
「おう、無駄に神の力だけは強いのにな」
「それを言ってくれるな、俺だって悩んでんだ」
「お話は終わりか?じゃあ行かせてもらうぞ」
鬼が重々しい棍棒を担いで詰め寄ってくる。
「高々鬼風情が俺に敵うはずが無いんだよ」
「...つってもお前武器無いじゃん」
「俺には拳と魔術があるから問題ない」
魔術【アビス・ブレイズ】
辺りに無数の黒い魔法陣が展開され黒い劫火が放たれる。
「これで少しは楽に進めるだろう」
「予想以上にやばい奴かも知れないわお前」
「そりゃどーも」
炎を放ち続けながら森の奥を進むと開けた場所に出る。
辺りを見回すとそこにはたくさんの日本妖怪で賑わっていた。
その賑わいの的は真ん中に置かれた土俵にいる妖怪と...人間だった。
「へぇ...こっちの妖怪ってのは人に手を出すのか」
「人間をさらいそれを肴に酒を飲むのが私らの楽しみさね」
金髪で額に赤い角が一本伸びている大きな女性が寄ってくる。
「私の名前は星熊童子!この騒ぎを収めたいなら組手で私に勝ちな!」
「シャドーエッジ・スカーレット。いいだろう、組手は得意だ」
「条件は二つ、私が酒をこぼすか手か膝をついたら私の負けだ」
「なめるな。戦闘不能になったらでいい」
「おいおい、こいつらは鬼の中でも屈指の強者だぞ。勝てるか?」
「教会の奴らに比べたら可愛いものだろう。上着を持っててくれ」
上着を脱いでイザナギに渡し土俵の上に立つ。
「先手はアンタでいいよ」
「なめやがって、西洋の妖王の力を甘く見るなよ」
回し蹴りを繰り出す。
星熊童子はそれを脛で受け止め片腕で殴ってくる。
それを受け流し腹を殴り、その瞬間に妖力を星熊童子の体内に響かせ吹き飛ばす。
「なかなかやるじゃないか。子供だと思って甘く見てたけど実力は相当な物じゃないのさ」
「この見た目のせいでガキにみられるけどな、これでも8億は生きてんだよ」
勢いよく蹴り上げる。
「へぇ、私より年上だったなんてねぇ」
それを片手で受け止める。
「ちっくしょ、全然攻撃が通らねぇ...だったら...!」
運命【ダイス・ロード】
六面ダイスを創り出し振る
そして出た目は1
シャドーの力がものすごく上がる
「目としては少し残念だが...いいさ」
星熊童子の腹に回し蹴りを食らわし飛び上がり顔を蹴り上げる
「随分と動きにキレが出てきたじゃないか」
「調子が出てきたのさ」
しゃがみながら足に回し蹴りを決め、転んだ星熊童子の腹に足を置く
「俺の勝ちだな」
「へぇ...あんた強いねぇ。気に入ったよ、今から宴会開くんだけどあんたも一緒に呑まないかい?」
「それはいいんだが...その前にだ。人間をむやみに
「あぁ分かった。人間よりも面白い奴来たしこれで退屈も吹き飛ぶもんさね」
「じゃあ、宴会を始めるよ!」
「つーことだ。イザナギ、先に帰っててくれ。それともお前も宴会に混ざるか?」
「イザナミ呼んでくるわ」
「もういるよ~。シャドーくんすごいねぇ」
「まぁ、ここに来る前に少し鍛えたからな」
「じゃあ人はそろったことだし今夜は朝まで飲むよ!」
星熊童子がシャドーの首に腕を回して酒を飲む。
「飲む相手がいると酒が美味いねぇ!」
「うるせぇし酒くせぇよお前...」
「いいんだよ、いいからアンタも飲みな!」
「はぁ...鬼に敵うわけないだろうがよ」
強引に握らされた一升瓶をラッパ飲みする。
「結構いい飲みっぷりじゃないかい?乗り気じゃないわりに」
「乗り気じゃないわけじゃないさ。ただ酒を強引に勧めるな、日本酒はあんま好きじゃない」
「やっぱ西洋の酒が好きなのかい?」
「そう言うことだ」
ワイングラスとワインと栓抜きを創り出す。
「これかい?」
「そうだ」
「私も少し貰っていいかい?」
「まぁ、口に合わないだろうけどいいぞ」
グラスにワインを少し注ぐ
「じゃあ飲んでみろ」
星熊童子は一気に飲む
「そうさねぇ...あの...
「間違っちゃねぇな、俺もそう言う感じの味がすると昔は思ってた。美味いワインは美味いんだがなぁ」
「じゃあ私はハズレを掴まされたのかい?」
「そう言うことになるな」
「やっぱ日本酒の方が美味いとしか思えないねぇ」
「鬼は日本酒が合ってるんだろう」
「そうなのかも知れないねぇ」
と、そんな感じでグダグダ喋りながら酒を飲んでいたら夜が明けていた。
「おっと、もう夜明けか」
シャドーは木陰に隠れる。
「ん、なんで隠れるんだい?」
「俺の容姿を見て気づかないか?吸血鬼だから日光には弱いんだよ」
「へぇ、吸血鬼ってのはめんどくさい種族なんだねぇ」
「めんどくさい種族なんだよ。イザナギとイザナミ、帰りは空が曇ったときになりそうだ」
「わかった、気をつけろよ?」
「おう。あ、雨が降ったら帰らないと思ってくれ、流水も弱点なんだ」
「わかった、じゃあな~」
イザナギはイザナミと一緒に自分の神社へと帰っていく。
「あんたはこれからどうするんだい?」
「とりあえず修行だな」
逆立ちしそのまま腕を曲げたり伸ばしたりを繰り返す。
「へぇ...器用なことするねぇ」
星熊童子は少し驚いた様子だった。
「これくらいなら簡単さ、軸を保てばいいだけだからな」
「慣れがないとそんなのは中々大変な物さね」
「そうなのか」
「そうなのさ。...あんた、守りたいものはあるのかい?」
「プライドと仲間、それだけだ。今回は仲間をおいてきてしまったがな」
逆立ちをやめ木によりかかる。
「ならそれは一生曲げずに生きることだね。決めた物を守れない奴は何も守れないと言うのが私の考えさね」
星熊童子はシャドーの頭を優しく撫で額に口付けをする。
「...あまり恥ずかしい事を普通にするんじゃねぇ」
「あっはっは!まだそこら辺は子供だったのかい?」
星熊童子が腹を抱えてケタケタ笑い出す
「とりあえず死ね」
「いきなり死ねだなんて酷くないかい?」
笑いを堪えながら言う。
「酷くないさ。とりあえず星熊、お前本名を言え」
「ありゃ、バレちまったか。...言わなきゃダメかい?」
「おう、俺は本名を名乗ったからな、お前も言わないと不公平じゃないか」
「それもそうさね。私の本当の名は星熊勇儀って名だよ」
「勇儀か、よろしくな」
「あぁ、よろしくね。そうだ、お前さん。あの大きな山に私らの国があるんだけどちょっと来ないかい?」
「いいのか?あくまで俺は西洋の方の妖王であって日本妖怪とは仲違いがある気がするのだが...」
「あっはっは!鬼にそんなめんどくさいこと考える奴は少しもいないさ!居るとしたら天狗当たりさね」
勇儀はまた大笑いする。
「まぁ...いいさ。じゃあ連れてってくれ」
「わかったよ。ちょうどこの森から上手いこと行けるからその道で行こうかね」
「分かった、じゃあ案内頼んだぞ勇儀」
「あぁ、任せな」
そう言うとシャドーを抱え上げ物凄い勢いで森の中を駆けていく
「ちょっ!?普通に歩いていけばいいだろうが!」
「そんな事してたら暇で私が死んじまうよ」
「自分勝手な奴め...」
そのまま抱え上げられながら数分森の中を駆けていくと背中に黒い翼をもった和服の男だったり犬の耳と尻尾をもった女などがいっぱいいる。
「あれみんな妖怪なのか?」
「あぁそうさ。犬っぽいのが白狼天狗で黒い翼をもってるのが烏天狗だよ」
「へぇ...強いのか?」
「力はある方だろうけど...私らよりは弱いね」
「じゃあいいや」
「何するつもりだったんだい?」
「いや、強いなら一回戦ってこようかと思った」
「やめときな、相手が弱すぎて話にもならないからさ」
「そうだな」
勇儀はゆっくり歩くようになりシャドーを下す。
「着いたのか?」
「あぁ、着いたよ」
見回してみると少しだけ天狗が混じってるだけでほとんど鬼ばかりだった。
「鬼ってこんなに多いんだな」
「鬼は結構数多いねぇ。それもみんな酒に強いから呑み相手に困らなくていいもんさね」
勇儀は愉快そうに笑う。
「おぉ姐さん!また珍しいもん連れてきたね...って西洋の妖王じゃないか!」
大きな鬼が酒場から顔だけ出して勇儀に話しかけシャドーに気づくと驚いた様子で出てきて近づいてくる。
「お前は...誰だったか...?」
「まぁ覚えてるわけがないよなぁ...何年か前にお前に喧嘩を売った鬼だよ」
「あぁ、俺が急いでんのに執拗に絡んできた馬鹿か」
「その覚え方はイラつくがそれだ」
「確か両腕を捥いだ筈だが...?」
「通りすがりの医者に治してもらったのさ」
「それは悪運のいい奴だな」
そんなことを話していると周りの鬼が寄ってきた。
「これがお前の事をボロックソにしたって言う吸血鬼か?」
「そうだよ、ほんと強いんだこいつ」
「へぇ...んでも姐さんには敵わねぇやな」
「いいや、こいつは私の事も負かしたよ」
何時移動したのか近くにあった酒場のイスから酒を飲みながらそう言う
「へぇ!姐さんすらも倒すなんてなかなかやるじゃないか!もしかしたら萃香さんにも勝てるんじゃないか?」
「どうだろうねぇ、萃香は結構強いからなぁ」
「そんなに強いのか?」
「私とやり合って勝つ確率が半々ってとこだねぇ。私が負けたら萃香が次勝つみたいな感じさね」
「へぇ...」
「ん~、あたしがなんだって?」
頭から二つ体に不釣り合いに大きい角の生えた少女が酒場の奥から出てきた。
「おぉ萃香じゃないか」
「こいつが萃香なのか?」
「あぁそうだよ。あんたは西洋の妖王だね、話は聞いてるよ」
「噂になる程こっちで俺そんなに知られてんのか...」
「あたりまえじゃないか、こっちの妖怪はほとんどあんたに倒されてるんだから」
「へぇ...あの時の奴らはほとんどここの妖怪だったのか」
「そう言うことだね。で、あたしとやるのかい?」
「そうだな、やってみようか」
「ならどちらかがぶっ倒れるまでが条件でやるよ!」
「おう、分かった」
一人の鬼が小石を投げ地面に着いた瞬間萃香とシャドーは取っ組み合っていた
「やっぱ妖王ってのは名ばかりじゃないんだねぇ」
「そりゃ当り前だ」
一旦離れ木の枝を拾い構える。
紅符【Crimson・Lame】
紅の刃が木の枝に宿る
「へぇ...珍しい技を使うねアンタ」
「そうか?西洋にはこれくらい良くあったが...」
萃香に切りかかる。
「西洋ってのはめんどくさい奴が多そうだねぇ」
それをかわしシャドーを蹴り上げる。
「かもしれないなぁ」
人差し指でそれ押さえ萃香の頭を掴み地面すれすれで止める。
「俺の勝ち」
「そのままやればいいのにお人好しだねぇ」
「うるせぇ、少しの慈悲だ」
空を見上げると日が傾き始めていた。
「お、もう少ししたらイザナギたちのところに戻れるな」
「おや、帰るのかい?」
「日が完全に沈んだらな」
酒場に入ろうとすると金に輝く光の十字架が山の
「天狗がなんかおっぱじめたかな?ちょっとあたし行ってくるよ」
「行くな!!」
萃香が走って行こうとするところを腕を掴み止める。
「なんであいつらが...」
「何か知ってんのかい?」
「話は後だ。お前らはここに居ろ、これは俺の仕事だ」
「バカ言うんじゃないよ?ここは私らの家だ。荒らされてただじゃ済ますわけないじゃないか」
酒場の奥から勇儀が出てくる。
「...分かった。着いてきてくれ」
シャドーは勇儀と萃香を抱え上げ山の麓まで飛び降りる。
麓にあった村は崩壊し人間の死体が所々に転がっている。
「キリストめ...ぶち殺してやる...!!」
シャドーが力むと地面は広く深く抉れ込む。
「ちょっ、あんたさっきより強くなってないかい!?」
「お前ら、俺の邪魔にならないように気をつけろ...」
物凄い速さで周りにいたキリスト教徒を薙ぎ倒す。
「こ、これ私ら居る意味あんのかね...?」
勇儀が脂汗をぬぐいそうつぶやく。
「勇儀危ないっ!」
キリスト教徒の一人が勇儀に向かって魔法を放っていた。
次の瞬間それが炸裂する。
「勇儀、ケガはないか?」
勇儀が目を開けると目の前に服が消し飛んだシャドーが居た。
「あ、ありがとな」
「気にするな」
シャドーは指を鳴らし服とパーカーを元に戻し逃げ出したキリスト教徒を消し飛ばす。
「くたばれシャドー!!」
重々しい鎧を着た兵士が後ろから槍を投げてくる。
その槍は見事シャドーの胸に突き刺さる。
「くっ...痛いじゃないか」
「だっはっは!そのままくたばってしまえ!」
「くたばる訳ないだろうが」
槍を引き抜きその兵士に槍を投げ兵士の首をねじりとる。
「こいつで終わりみたいだな...お前たちはもう帰れ...俺も帰る」
シャドーは傷口を抑え吐血しながらそう言う。
「その前にあんたの傷を治さないといけないじゃないか!」
「大丈夫さ...俺は血さえあればなんとでもなる...」
転がっている村人の死体の首筋に噛みつき血を吸う。
「いいから運ばれな!」
勇儀がシャドーを担ごうとするがその手を払う
「...分かった、でも一人で歩けるから案内だけにしてくれ」
「はぁ...こっちだよ」
勇儀たちに医者の所に案内され治療を受け次の日目を覚ますと勇儀が椅子に座りながら寝ていた。
「...心配かけてたみたいで済まない」
「ほんとだよ、イザナギ?とか言う奴たちもここに来てすごく心配してたんだからね?」
「そうか...少し村の様子を見てくる」
「日の光には当たれないんじゃなかったのかい?」
「それを消せばいいのさ」
消すことが出来る能力を創り出し自身への日光の影響を消す
「これで大丈夫。じゃあ行ってくる」
「あぁ、行ってきな。私は家に戻るかな」
「分かった、じゃあな」
服を着て麓へ降りるとやはり昨日と変わらずボロボロになった家などが連なっている。
「...キリストめ、なんで俺に付きまとうんだ」
ぶつぶつ言いながら歩いていると崩れた瓦礫の中から物音が聞こえる。
急いで瓦礫を退けると人間の少女がそこでうずくまっていた。
「人間か...おい、大丈夫か?」
軽く頬を叩く。
すると少女は目を覚ましすぐに怯えた目で体を震わす。
「お、落ち着け。あいつ等なら俺が殺s...いや、やっつけたから」
「...?」
喋ろうとしているが声が出ていない
恐怖で声を失ったのだろう
「よくわからんがここに人間は一人もいない。とりあえずだが...俺ついて来い」
少女はこくこくと頷き少しだけ微笑む。
「じゃあ俺にしっかり掴まれ、空飛ぶから」
少女は背中にしっかり抱きつく。
振り落とさないように気を付けイザナギの神社に戻る。
「イザナギ、ただいま」
「お、やっと戻ってきたか。心配したぞ。つかその子は?」
「村で生き残ってたからとりあえず連れてきた。しばらくの間面倒を見てもらいたい」
「分かった。任せろ」
「お前には任せねぇよ、イザナミと俺でやる」
「なっ...俺って信用無さすぎ...?」
「お前の性格上子育てには向いてねぇんだよ。俺だって子育てする前に死んじまったしよ」
「まぁ...適任はイザナミか...」
「そう言うことだ」
少女を下ろし中に入る。
「シャドーくんお帰り~、話は聞いてたよ、私に任せてね!」
方腕の裾をまくってガッツポーズをする。
「おう、任せた」
そう言い自分の部屋の布団に入ると少女がシャドーにダイブしてくる。
「ちょっ!?」
少女は布団に潜り込みシャドーに頬擦りをしてくる。
「気に入られたか...」
シャドーは少女を撫でながら寝る。
....____それから16年経ち少女は声を取り戻しすくすくと成長していきイザナミたちは神を産み出し続けた。
「シャドー起きて!!もう朝だよ!!」
「うるせぇ...俺は吸血鬼だぞ、夜に起きるんだ...」
布団に潜り込んで起きないという意思を固めるが...腹部に物凄い激痛を覚える
鳩尾を思いっきり殴られたのだ
「寝起きの悪い人にはこれが一番って勇儀さんが言ってた」
「クソが...
シャドーは海波を抱え上げ池に放り投げる。
「うわ酷ーい!!」
「知るか、早くイザナミの手伝いして来い」
「濡れてるから着替えるっ!」
「その必要はないぞ」
海波を池から出し指を鳴らすと濡れていた服が一瞬にして乾く。
「ほれ、早く行け」
「シャドー嫌い!!」
「はっはっは!喧しい、早く行けっつの」
海波はぶつぶつ文句を言いながら台所へ向かう。
「朝から随分と賑やかだなシャドー」
「そうだな、あいつがあんなに明るい奴だとはなぁ...」
「あの子もそうだがお前も相当成長してるぞ?あの頃は8歳くらいの見た目だったのに今じゃ立派に20歳じゃないか」
「成長期にも程があるっつの」
タバコを咥え火をつける。
「そう言えばお前大きくなってからそればっか吸ってるけど美味いのか?」
「美味いぞ、お前もいつか見ることになるさ。そういえばイザナギの調子はどうだ?」
「あぁ、大丈夫だ。あの子が良くしてくれるしな」
「なら安心だな」
二人で笑いながら居間に入る。
「ごはんできたよ~」
海波とイザナミが卓に料理を並べている。
「よし食うか」
「そうだな、海波こっち来い」
「は~い」
シャドーは海波の首筋に噛みつき血を吸う。
「ご馳走様」
「シャドーも普通のごはん食べたら?」
「う~む...分かった、久しぶりに食べるか。いただきます」
イザナミたちも食事を始める。
「ご馳走様、イザナミこれから西洋にいったん帰ってすぐ戻ってくるが...絶対に家事をするなよ、さっきだって飯作ってただろ」
「ぶぅ...分かりましたよ~だ!」
イザナミは頬を膨らまし自室に戻る。
「さて海波、俺がいない間家事を頼んだ。きっと3時間程度で帰ってこられるはずだ」
「は~い、じゃあ気を付けてね~」
「おう、じゃあ行ってくる。帰ってきたらきっと面白い事になるぞ」
海波はよくわからない顔をしていたがそれを背中に物凄いスピードでフランスへと向かう。
1時間半くらいで自分の家に着くが家と呼べるような物はなくボロボロになった大きな館がそこにあった。
「大和にキリストが来た時点で薄々勘付いてはいたが...本当だったか...」
急いで中に入り見回すが誰もいない
数十分探していると物音が聞こえそこに行くと白銀の髪を持つ少し背の低い女性が居た
「アザトース!」
シャドーは走って抱き着く。
「わっ!?き、君は誰!?」
「俺だ...シャドーだ!」
「しゃ、シャドーくん!?よかった、生きてたんだね...!」
アザトースは泣きながら抱き返してくる。
「勝手に殺さないでくれ。他のみんなは?」
「地下室に居るよ。大丈夫、皆生きてる」
「そうか、よかった。地下室に案内してくれ」
それと同時に後ろにナイフを数本投げる。
「どうかしたの?」
「キリストの犬が潜んでたから殺した」
ナイフの届いた場所はキリスト教徒の目と心臓だった。
「じゃあ案内するね」
館の奥に行くと小さい鉄の扉がある。
「こんなの創った覚えないけどなぁ」
「レイラさんが作ったんだよ」
「へぇ、ちゃんと守ってくれてたか」
その扉を開けると鉄の梯子が下に長く続いている。
それを降りると壊れる前の館の玄関のようなところに出た。
「これは...壊れる前の家に似てるな」
「いや、それそのものだぞシャドー」
「先生か、それはどういうことだ」
「そのままさ、壊れる前にこの家と同じものを下にコピーしただけだ」
「それも魔術か」
「そうだ」
「今から引っ越しをする。グレイたちを呼んでくれ」
「わかった」
レイラはグレイたちを呼んでくる
「で、引っ越しと言うことだがどこか行く宛はあるのか?」
レイラが荷物をまとめながらそう言う。
「あぁ、俺が少し前までいた大和に引っ越す。こっちよりも大和の方が雰囲気が好きなんだ」
「じゃあ早速移ろうぜ!」
グレイがさも楽しそうに言う。
「じゃあ行くか外に出るぞ」
外に出るとキリスト教徒がわんさか居た。
「なに、最近のこの子らはうるさいね」
シャドーは一瞬のうちに全てのキリスト教徒の首を締め上げ炎の魔術で焼く。
「さて、じゃあ少し待ってくれ」
空を見上げると曇り空で日の光は一切通ってこなかった。
「よし、大丈夫だな。最高速度でいけ、少し遠いからな」
そう言い全員超スピードで大和へと向かう。
「へぇ~ここが大和?」
アザトースがシャドーに抱きついて言う
「そうだ。ちょっと進んだ所に俺が居候させてもらってる神社がある」
「神社?神様でもいるの?」
「ここは神様大国だ。神がそこらにうようよ居るんだ」
がやがや大人数で神社に向かっていると勇儀と萃香に出くわした。
「おや、朝早くどっか行ったから何しに行ったと思ったら仲間でも連れてきたのかい?」
「あぁ、西洋に措いてきた仲間たちだ」
「ボクはアザトース!シャドーくんのお母さんやってます!!」
シャドーに抱きつきながら笑顔でそう言う。
「私はレイラ・ガーネット。シャドーの教師をやっている」
「俺はグレイシア・レヴァリエ!よろしくな!」
勇儀の胸を揉もうとしてレイラに殴られる。
「僕はヴラディミール・ツェペシュ、よろしくね」
「シエル・ワルプルギスですどうも」
深々と頭を下げる。
「エルシア・ルーネント...よろしく」
シエルの後ろに隠れ、顔だけ出して勇儀たちを見ている。
「エルザ・ノスタリカです」
「ん?この子はこの前襲ってきた奴らと同じ匂いがするねぇ?」
勇儀が少し怪しむようにエルザを見る。
「こいつは元キリストだからな、似てる匂いどころかその物だ。キリスト教徒に見放されたからとりあえず保護した」
「へぇ...それでそこにいる金髪で
「久しぶりね、勇儀」
「スキマは完璧に使えるようになったのかい?」
「えぇ、シャドー様のおかげでやっとね」
「こいつは一応俺の弟子なんだ。18年くらい修行の相手なんてしてやれてないけどな」
「ホント酷いですわ。今度こそちゃんと修行に付き合って欲しいものですわね」
紫は少々嫌味っぽく言う
「悪い悪い、俺自身もっと強くならないといけないから中々相手が出来なくてな。明日辺りにでも相手してやる」
「約束ですわよ?」
「おう、とにかく早く行くぞ。イザナギを待たせても悪いからな」
シャドー達は少し急ぎ気味でイザナギたちの神社へ向かう。
「イザナギ~、今帰った」
「おう、やっと戻ってきやがった...ってその人たちは?」
「俺の家族だ。イザナミと海波も呼んできてくれ。まとめて自己紹介した方が楽だからな」
「分かった、少し待ってろ」
イザナギはイザナミたちを集め今へと案内する。
「じゃあ自己紹介またやってくれ」
シャドーが茶を啜ってからそう言う。
勇儀達に言ったように自己紹介をする。
「えっと...アザトース?さんはシャドーのお母さんなの?」
「こいつが勝手にそう言ってるだけだ。確かに母親っぽいけど...」
「じゃあやっぱボクがお母さんポジだね!!」
「わかったわかった、もうそれでいいよ。まぁこういう訳だからどっかに家創ってくる」
シャドーは外に出て適当な山の頂上を真平に切りそこに巨大な和風の館を創る
「懐かしい日本の家だ」
「できたー?ってまた必要以上におっきいお家建てたねぇ」
「大きいに越したことはないさ。大は小を兼ねるとも言うからな」
「シャドーくんは少し極端かなぁ」
アザトースは苦笑しながらシャドーに抱きつき頭を撫でる。
「あまりくっつくな暑苦しい...」
「16年もほったらかしだもん、存分にシャドーくんに触れさせてもらわないとボク怒るもん!」
「もう好きにしろ。とりあえずみんな呼んで来い、あと海波も」
「海波ちゃんも?」
「あぁ、あのガキは俺が面倒を見ることになってるからな」
「じゃあシャドーくんはあの子のお父さん?」
「育て親ではあるが...あいつは俺を親とは見てないからなぁ」
「ふ~ん...まぁいいや、みんなを呼んでくるね~」
アザトースは皆を呼びシャドーは中に入り、畳に寝転がる。
「また随分と大きい家を建てたな...」
レイラが辺りを見回しながらそう言う。
「まぁ...人間の頃も無駄に大きい家しか住んでなかったからなぁ...感覚がおかしくなってるのかも」
「俺たち外で遊んでくる!!」
グレイとヴラディミールが興奮した様子で外に駆け出す。
エルシアやシエルもそれに続く。
「エルザ、心配だから付いてやってくれ」
「わかった、なんかあったら知らせるね」
「あぁ頼んだ」
シャドーはタバコを吸い縁側に座る。
「ねぇねぇシャドー、あの人たちみんな吸血鬼なの?」
「みんなでは無いが...そうだな、ほとんど吸血鬼だ」
海波が後ろから抱きつき話しかけてくる。
「へ~...あ、シャドーが吸ってるそれ美味しいの?」
「お前には分からんだろうが美味いぞ」
「ふ~ん...ねぇシャドー、膝枕して~」
「あ~?男の膝なんかごつごつしてて嫌だろうが」
「いーいーのー!」
「お前もアザトースみたいな奴だな」
「早く早く~!」
「はぁ...分かった分かった」
海波は嬉しそうにシャドーの膝に頭を置く。
「あのさシャドー、私にとってシャドーってどういう関係なのかな」
「拾った人と拾われた人」
「そ、それはそうだけどさ、その...家族...見たいなので...」
「家族?う~む...兄辺りじゃないか?」
「育てたのに兄?」
「だってお前なんか子供って言うよりは騒がしい妹みたいな感じだし」
「ふ~ん...」
「そろそろ飯の時間か...海波、とりあえずイザナミのところに行くぞ。あいつをほっとくと家事をしだすからな、飯を作ってやらねば」
「は~い」
シャドーは海波をおぶりイザナギたちの家...もとい多賀大社へと飛ぶ。
「ふぅ...やっと着いたか、少し遠いのがめんどくさいな...」
「これくらいちゃんと動かないとダメな人間になっちゃうよ?」
「俺は人間じゃないからいいんだ。それに長生きな妖怪ほど行動が活発ではなくなるんだぞ」
「そうなの?」
「そうなのだ」
「それは自分をおじいちゃんだと主張してるの?」
「それはちがう」
「じゃあちゃんと動いてね?」
「...わかった」
「あ、お前らいいところに。悪いが飯を作ってはくれないか?イザナミが今にも飯を作りそうで...」
「だから俺らが来たんだろうが。お前も飯くらいちゃんと作れるようになれよバカ、これじゃあ生まれてくる子供が可哀想だろうが」
「子供産まれたら子育てはお前らとイザナミに任せるから大丈夫だぜ!よろしくな!!」
「俺は子育てする前に死んだからわかんないんでパス」
「私もわかんない...」
「え、まじで?これ結構やばいんじゃ...」
「まぁいい、とりあえずは飯だ」
シャドー達は料理を作りそれを居間に並べる。
「ありがとね~」
腹を大きくしたイザナミは優しく微笑むがシャドーは目を逸らす。
「ん、どうしたシャドー?」
イザナギが目を逸らしたことに気づく。
「い、いや...悪気はないんだがどうも妊娠中の女を見ると嫁を措いて先に死んでしまったことを思い出してしまってな」
「そうか...」
「まぁ...無事に産めると良いなイザナミ」
「そうね~」
「あ、出産時は力んじゃだめだぞ?力むと中の羊水だけが先に出て後に辛くなる」
「詳しいのね、ありがと~」
「あぁ、じゃあ俺たちは帰るよ」
「イザナミさんまたね~」
海波は手を振ってシャドーの後を追う。
シャドーは海波をまたおぶり家へと帰る。
「ただいま~」
「おかえり~、ご飯出来てるよ~!」
戸を開けるとエプロンを着たアザトースがシャドーに抱きついてくる。
海波はムッと頬を膨らまし対抗するかのようにシャドーに腕に抱きつく。
「あのなぁ、お前らに抱きつかれると熱いし邪魔なんだよ離れてくれ」
シャドーは二人を退け払うと灰皿と茶の入った急須と湯呑みを持ち縁側であぐらをかく。
タバコを吸い庭へ目をやるとグレイが池の水を凍らせて滑って遊んでいた。
「器用な奴だなぁ...」
ヴラディミールはハンモックでごろごろしながらグレイにナイフを投げてすすり笑っている。
「あいつは何だろ、性格悪い」
新しいタバコを吸い始めると背中に人の体温と小さい二つの柔らかい物の感触を覚える。
「紫か、どうした?」
「暇ですわ~」
「海波とアザトースは...奥で喧嘩してるからダメか。じゃあこの辺を少し散歩してみるか?」
「そうですわね、ここなら幻想郷を作れそうですわ」
「幻想郷?紫が前に言ってた人間と妖怪が共存する世界の事か?」
「そうですわ、ここなら幻想郷にぴったりなんです」
「ここらは気の荒い奴も多いし...まぁ、そいつらを力で捻じ伏せて幻想郷を治められる程度にはならないとな」
「そのために修行をお願いしますわ」
「あぁ、しっかり鍛えてやる」
シャドー達は辺りを回り始め約二時間後、二人は深い森の中にいた
「こんなところもあるんだな、面白い。もっと色んなとこを見てみよう」
「え~...もう帰った方がいいんじゃありません?」
「やだ。もうちょっと探索してからだ」
そのまま奥へ進むと底が見えないほど深く大きな穴を見つけた。
「面白そうなの発見、行くぞ紫」
「はぁ...わかりましたわ」
二人はそれを降りようとすると金髪で丸いスカートを着ている少女が現れた。
「ここを通りたいなら私を倒してからね!」
「これまためんどくさい...紫、修行の成果を見せてみろ」
「めんどくさいからって人に押し付けて...はぁ、分かりましたわ」
紫はスキマの中に入り金髪の少女の後ろにスキマを開き高密度の弾幕を浴びせ、金髪の少女の腹を殴り飛ばす。
「はい、お終い。見てるの飽きたからもう俺がやる」
シャドーが戦いに割って入ってきて金髪の幼女の頭を掴み高く飛んで地面に投げつける。
すると投げられた場所は大きく抉れこむ。
「じゃあ行くぞ」
シャドーは目もくれず大穴へ飛び込む。
「そうですわね」
一発KOするシャドーに若干引きながらも後に続き穴に飛び込む。
降りる途中、緑髪で桶に入った少女が襲ってきたがシャドーが威圧で追い払う。
下に着くとそこには繁華街が広がっている。
「ここは...?」
「ここは地獄よ、貴方たちが来るべき場所じゃないわ」
また金髪の髪を結った緑目の少女がめんどくさそうに言う。
「知らん。気になるから少し邪魔するぞ」
その少女を蹴り飛ばし気絶させ奥へ進むと色んな地獄が見える。
また少し進むと金髪に額から赤い角が伸びた長身の女性が現れる。
「あれ、勇儀じゃないか。なんでこんな所に居るんだよ」
「それはこっちの台詞だね、なんでここを知ってる?」
「散歩してたら大きな穴があったから入った」
「えっと...来る前に何人か止めに来た奴いるよな?」
「まぁ、いたな」
「それはどうした?」
「倒した」
「じゃあ侵入者って解釈でいいな。じゃあ今からお前を倒すよシャドー」
「前は負けたが今度はそうはいかないぞ勇儀、全力で来い」
「言われなくてもそのつもりだよ!」
次に勇儀は物凄いパンチを繰り出す。
シャドーはそれを片手で受け止め背負い投げ腹を踏み抜く。
そして勇儀の顔を掴み高く飛んで地面へ押し付ける。
「本当に強くなってるみたいだねぇ...」
勇儀は顔を抑えながら立ち上がる。
「まだ立てるのか...いい機会だ紫、これをもって知ると良い。生き物ってのは殺意のない攻撃は意味を成さない、よく覚えとけ」
シャドーが力を溜めると辺りは震え始めシャドーの体の周りには赤黒い妖気が溢れ出す。
次の瞬間シャドーの姿は消えたかと思うと勇儀の顔に蹴りを食らわせていた。
流れるような足捌きで倒れている途中の勇儀の背中に膝蹴りを決め勇儀の体は空高く跳ね上がる。
「これで終わりだ」
シャドーは空中でかかと落としを腹に決め勇儀の体は回転しながら地面に叩きつけられる。
「こりゃ完璧にあたしの負けだ。行きな、あたしはこのザマだから動けないしどっかで酒でも飲んでるよ」
「そうか。じゃあ紫、お前は帰れ」
「な、なぜです?」
「お前が知る必要はない、いいから早く帰るんだ。そろそろアザトースたちも心配するだろう、俺はもう少し遅くなることを伝えといてくれ」
「...分かりましたわ」
「あぁ、済まないな。ついでに勇儀を酒場に連れて行っといてくれ」
紫はうなずき勇儀を引きずりながら戻っていく。
シャドーはそのまま前に進みしばらくすると大きな館が見える。
中に入ると胸にサードアイを持つピンク色の髪の少女がそこにたたずんでいた。
「...さっきから嫌な妖気を感じていたのですが、まさか貴方が地底に来ているとは」
「なんだ、俺の事を知っているのか」
「当たり前ですよ、この国の妖怪たちの中じゃ専ら噂ですからね。西洋から妖の王が来た、と」
「ほう...お前はここの主か?」
「自己紹介が遅れましたね、ここ地霊殿の主、そして地獄の管理者、覚妖怪の古明地さとりです」
「妖王、シャドーエッジ・スカーレット。覚妖怪なら俺の考え読めるんだろ?」
「当たり前です」
「じゃあ覗いてみろよ、面白い物が見えるぞ」
シャドーは狂気交じりの笑みを浮かべる。
さとりは閉じていたサードアイを開くと次の瞬間時が止まったかのように制止し震え始める。
「凄いだろう?欲望まみれだ」
さとりは何も言えずにただ震えている。
「まぁ安心しろ。今のところはお前たちに危害を加えるつもりはない、途中までの奴らは流石に倒してきたが...」
「ほ、ほんとに何もしないの...?」
「当たり前だ、お前たちに危害を加えても利益があるとは思えないからな」
「そう...」
「まぁ友人とでも思ってくれ、じゃあ俺は帰る。じゃあな」
シャドーは手を振ると黒い霧となり次の瞬間家へと戻っている。
「ただいま」
「おかえり~!大丈夫だった?怪我してない?」
「あぁ大丈夫だ。心配かけてすまなかった」
「ん~、それは海波ちゃんに言ってあげたらどう?怒ってるよ?」
「それは大変だ、行ってくる」
シャドーは少し急いで海波の部屋に入る。
「海波、ただいま」
「...おかえり、怪我なかった?」
海波はあからさまに不機嫌な声でそう言ってくる。
「...怒ってる?」
「怒ってる」
「そうか、何したら許してくれる?」
「...一緒に寝てくれたらいいよ」
「ま、まぁいいだろう」
「じゃあ、機嫌直す」
海波が笑顔になる。
「じゃあご飯食べるわ」
海波がそれを察して首筋を出す。
シャドーは海波の首に噛みつき血を吸う。
「じゃあ俺寝る」
「じゃあ私も」
「「おやすみ~」」
海波はシャドーの部屋の布団にダイブしシャドーは服を脱ぎ捨てて布団に入り眠りにつく。