相変わらず更新遅いですねぇ僕。
あ、今回は2万文字弱書いてるので本当に長文注意です
ではお楽しみください!
それから軽く30年が過ぎた頃に部屋から出てくる。
「ふぅ...不老不死のスペアを作るのが一番きつかったな」
シャドーは一仕事終えたかのような満足そうに部屋から出てきて後からげっそりやつれたシエルとエルザが涙目で出てくる。
「シャドーくんお帰り~、素戔嗚くんきてるよ~」
「へぇ、そういやあいつも少しくらい成長してていい事だよな。天照たちにも後であってみるか...」
シャドーはタバコを吸いながら居間へと進むと上半身裸で長髪でぼさぼさの男がいた
「...美の欠片もないな素戔嗚」
「うるせぇ、あんたが居ない間ずっと山籠もりで見た目を気にしてる暇なんざなかったんだよ」
「じゃあ表出ろ、久々に稽古をつけてやろう」
素戔嗚は走って外へ出るなりシャドーに光り輝く矢を放つ。
「ほう、しっかり修行してたんだな」
シャドーはそれを人差し指と中指で挟み、へし折る。
そして次の瞬間シャドーは素戔嗚に向かって卍固めをきめる。
「あだだだだだだ!!ギブギブ!死ぬ!死んじゃう!」
「おいおい、卍固めくらいで根を上げるな...」
「あんたの卍固めは異常に痛いんだよ...姉さんにもっと鍛えてもらうしかないか...」
「天照も強いのか...まぁいい。今日は帰れ、俺はたった今やることが出来た」
「わかった、じゃあまた来るぜ!じゃなー!」
素戔嗚は手を振ると家がある山から下りる階段を飛び降りる。
「...で、要件は何だ紫。幻想郷絡みの事か?」
「気づいてたのね。そうよ、幻想郷の事」
「妖力が駄々漏れだ、もう少し制御の仕方を覚えろ。で、早く要件を言え」
「色々まとめる物が終わったからそろそろ幻想郷の結界張りを実行しようと思ったのよ、それと幻想郷が出来た瞬間から貴方は早急に幻想郷の妖怪に関するレポートなどを書いて幻想郷担当の閻魔に提出してもらうわ」
「うへぇ...了解だ、結界などは任せろ。で、範囲は決まってるのか?」
「えぇ、全ての場所に行って印をつけに行くわ」
「了解だ」
シャドーは種族を人間に変え紫と共に歩き始める
まず初めに向かったのは天狗たちがたくさん住み着いている山の奥の方に続いている道をひたすら歩いている。
「ここ辺りでいいわね、シャドー。ここに何か印でもつけてもらえるかしら?」
「ここでいいんだな」
シャドーは赤黒い木の苗をそこに植える。
「これでいつでも転移魔法でここに来れるぞ、ついでにここから半径1Km内なら何処にいても監視可能だ」
「へぇ...便利ね。次はここを少し右に逸れながらまっすぐ進んだ所にある広い草原よ。そこまで行ったら今日はそこで野宿しましょう?」
「野宿か、簡易的な家でいいならすぐ創るが」
「ならそれでお願い」
「了解だ、じゃあ早く行くぞ」
シャドー達は少し右に逸れながらまっすぐ進む。
すると奥に森が見えるだけで何もないだだっ広い草原に着く。
「ここか?」
「もう少し進んだ所に森があるのよ、そこの真ん中辺りに印をつけて頂戴。とりあえず今日はここで休みましょう」
「そうだな...だが寝るのは少し早そうだ」
シャドーは後ろに気配を感じ、振り返ると3匹の妖怪が立っていた
「あら、貴方たちは最近色んな村を荒らしてる妖怪たちよね」
「ほう、少しは力があるのか」
「お前ら、妖怪と人間が共存する世界を創ろうとしてるんだって聞いたぜ?」
虎の姿をした妖怪が話を始める
「俺らにとっちゃそれは都合が悪い話なんだよねぇ...その計画、やめてくれないかな?」
烏天狗がキセルを吸い、煙を吐いてからそう言う
「断るわ、貴方たちの話を聞いてる暇はないのよ」
紫は扇子を開き口元にやり厳しい目つきでそういう。
「紫、ここは俺に任せろ。こんなザコ共俺が蹴散らしてやる」
シャドーは吸血鬼に戻り、胸元から短剣を二本取り出し構える
「こりゃ驚いた。なんだよこの話妖王が一枚噛んでるなんて聞いてねぇぞ!おい九尾ふざけるなよ!」
「おいおい、低級が私にそんな口をきいていいとは言ってないが...まぁ確かに困ったな、妖王相手になるとこちらとしても分が悪い」
「九尾が相手と言うのは初めてだな、楽しみだ。お前ら、俺はここから一歩も動かないから攻撃してこい」
「お、まじかよやったぜ。袋叩きにしてやる」
虎の妖怪が寄ってくる。
「よせ
九尾が虎の妖怪にそう忠告をすると虎の妖怪は踏み止まる。
「よく分かってるじゃないか。とは言え九尾、お前生まれてそう年月は経ってないだろう?」
「私の種族は皆頭がいいのだ、そこにいる馬鹿共と違ってね」
「ねぇシャドー?寝る時間が減るから早くしてくれないかしら」
紫が少し不機嫌になった。
「はぁ...とうとうお前らにも寿命が来たようだ。また来世で会おう」
シャドーは地面から少し浮き、じぐざぐに動き虎に詰め寄り首を切り落とし烏天狗の腹を蹴り飛ばす。
「九尾、お前は利口な奴だと思うから言っておく。逃げろ、俺自身お前の種族を減らしたくはない」
「...いいだろう、ただ...九尾一族は貴様に従属しないと言う事を言っておこう」
「構わないさ、俺は別に従属を望んでるわけじゃない」
「それならいい、では私はこれで失礼する」
そう言い九尾は人の姿のままどこかに行ってしまう。
「なんかシャドーみたいな性格してるわね、あの九尾」
「はぁ?俺はあんなバカ丸出しじゃないぞ」
シャドーは地面に魔法陣を展開しながらそう言う。
「そうかもしれないけどいっつも上から目線な所とかそっくりじゃない」
「それは俺の方が立場が上だからな」
「あら、そうかしら?幻想郷を創ったら私がそこの管理人よ?貴方よりも立場が上になるわ」
「だからどうした?俺は幻想郷の創造の助力をして、妖怪の取り締まりもできる。俺が編隊を組んでいったら...わかるよな?」
「や、やらないわよね...?」
「ふっ、どうだかな。まぁそれはさておき、家が出来たぞ」
シャドーが指を鳴らすと魔法陣から現代日本に馴染み深い高級住宅の一軒家がそこに建つ。
「えっと、昔から思うのだけれど...なんであなた普通の家が建てられないの?」
「でかくないと生活しにくい」
シャドーはタバコを吸いながら扉を開け土足で入る
「ちょっと!靴くらい脱ぎなさいよ!」
「え...靴って家の中でも履いてるもんだろ普通」
「貴方の普通はおかしいのよ!」
「だってグレイたちだって普通に靴履いてるし」
「それは貴方たちがこっちの国の人じゃないからよ!イザナギさん達はちゃんと靴脱いでいたでしょう?」
「あ、それもそうだな。郷に入っては郷に従え...か」
シャドーは靴を脱ぎ玄関に向かって靴を投げる。
「さて、軽く飯食ったら少し仮眠をとって直ぐに位置決めに戻るぞ」
「夜も作業続けるの?」
「当たり前だ、むしろ俺たち妖怪からしたら夜の方が都合が良いじゃないか」
「そうだけど...眠いじゃない」
「いち早く幻想郷の創造を実行するのが俺とお前の仕事だろうが、泣き事言ってんじゃねぇよ」
シャドーはテーブルの上に色んな食材を創る。
「さて...何が食いたい?」
「そうねぇ...お肉かしら。昔食べさせてもらったステーキって食べ物、すごく美味しかったわ~」
紫がその頃を思い出し頬に手を当て顔が緩む。
「ステーキか、了解だ少し待て」
シャドーは小一時間キッチンで料理をして出来上がった物をテーブルに並べる。
「しっかり野菜も食えよ、なんか不規則な生活してそうだからなお前。少し心配だったんだ」
「昔もそんなこと言っていたわね、本当昔を思い出すわ。あの頃のシャドーは純粋な子供だったのにねぇ」
「まぁ、純粋な俺は僅か八億年で消失だ」
「普通なら9年くらいで消えるのよ」
「知るか、俺は人間じゃねぇ」
シャドーはタバコを吸いステーキを口に入れていく紫を見ている。
「お前、昔から肉が好きだよな」
「そうね、なんでかしら。やっぱ普通に美味しいからかしらね?」
「そうかもな、俺も肉は好きだった」
ステーキを食べ終えた紫は水を飲み一息つく。
「食い終ったなら少し食休みしてから仮眠を取れ。2時間くらいしたら行くぞ」
そう言うとシャドーは食器を消し腕を組み寝息を立てる。
「随分と寝つきがいいのね...」
「あ、お前の部屋はそこの通路をまっすぐ行ったとこの扉だ」
シャドーが急に起き出してそう言う
「そう、ありがとね」
紫は自分の部屋に行きシャドーはもう一度寝直す。
それから2時間ほどしてシャドーが目を覚ます。
「時間か」
シャドーはタバコを吸い紫の部屋の扉をノックする。
「紫、起きてるか?」
しかし返事は無く寝息のような音が聞こえる。
シャドーは扉を蹴り開け紫を背におぶりリビングのソファに投げる。
「痛っ!?」
「やっと起きたな」
シャドーは扉にタバコを押し付け二本目を吸う。
「なによ...もう時間?」
「そうだ、早く顔洗ってこい」
「分かったわ、ついでにシャワー浴びてもいいかしら?」
「まぁ...それくらいの時間ならいいか」
シャドーは刀を取り出し外に出て、紫は浴室へと移動する。
外に出たシャドーは自分の分身を3人創り戦闘を始める。
約30分後紫は身支度諸々を済ませて出てきたようだ。
紫が扉を開けるとそこには汗一つ掻かずに自身と戦っているシャドーが見える。
そしてシャドーの足元には2人のシャドーが倒れているのも見えた。
「あらあら、真夜中なのに元気なのね。むしろ真夜中だから元気なのかしら?」
「そう言うことだ。夜は夜帝、我が吸血鬼の時間だからな」
シャドーは刀を剣に創り変えると柄を巧みに扱い八の字に回しながら分身を蹂躙し、シャドーが剣を刀に戻し鞘に入れ、分身の肩に手を置くと分身はバラバラになり地面へ崩れ落ちながら黒い霧となって一瞬辺りを舞い、直に消滅する。
「さて、寝起きの運動も終わった。行こう」
シャドーはタバコを吸いながら家を離れる。
「あ、紫。あの家に忘れ物は無いか?今から消すから持ってきた物で大事なのがあったら取ってこい」
「そんなものはスキマにぶち込んだわ、大丈夫よ」
「そうか、ならいいんだが」
シャドーが指を鳴らした途端家は分身と同じく黒い霧となり消えていく。
そしてシャドー達はまっすぐ進み森に入っても木々を薙ぎ倒しながらまっすぐ進み途中で止める。
「ここよ」
「そうか、分かった」
シャドーはここにも赤黒い木の苗を植える。
「で、次はどこだ」
「この森を東に突切って竹林に入ってそこを南東に向かって頂戴」
「今度は竹林か...骨が折れるな...少し考えがある」
シャドーは赤黒い木の苗を二つ取り出し分身を二人創る
「もう一つの場所を教えろ」
「ここをまっすぐ行った場所よ、大体...ここをシャドーが全速力で飛んで1時間くらいかしら」
「そうか」
シャドーは目の前に大きなモニターを2つ創り分身を竹林へと向かわせる。
「こ、この大きなものは何?」
「俺の分身の見ている景色を映すモニターだ。こいつでどこに結界を貼るのか教えてくれ」
「分かったわ。一つ、素朴な質問いいかしら」
「なんだ」
「分身はどうやって操ってるの...?」
「俺が動かしてる。簡単に説明すると俺は今こうしてお前と喋ってるうちにも、もう二人分の脳を肩代わりしている」
「随分と高度なことやってるのね...」
「なに、慣れれば簡単だ。籠っている30年間の中に習得した。それと分身に自我を持たせることも可能にしてある」
「随分と頑張ってたのねぇ...」
「そうでもない。休憩してる時が暇だったから人形を妖力の糸でいじってたんだが...めんどくさくなって自我持たせて勝手に動くようにしたんだが、それで閃いたから分身でも同じ事が出来るよう作るときに小細工を加えてるだけだ」
「随分楽しそうにしててよかったわ」
紫が皮肉を込めてそう言う。
「お、竹林の南東には着いたみたいだな。そしてここからまっすぐか」
シャドーは二人目の分身をまっすぐ上に全速力で飛ばす。
それから約一時間が経つと紫が止まれと言う。
「どうした、ここか?」
「えぇ、そこらへんでいいわ」
「分かった」
シャドーは二つの場所に紅い木の苗を植える。
「さて...後は結界張りだが。最後に確認だが...結界内の住民や妖怪には許可取ってるんだろうな?」
「当たり前よ、しっかり許可取ってるわ」
「ならいい。とりあえず結界の説明だが...今から張る結界は現実と幻想を隔てる結界だ。忘れ去られたものはここ、幻想郷にやってくる」
「それでいいと思うわ、それなら現実で忘れられた妖怪は消滅せずに幻想郷に留まる事ができるものね」
「そう言うことだ、じゃあ張るぞ」
シャドーは木の苗を植えた四か所の中心に移動し指の皮を食いちぎり血を地面に付けるとそこを中心に大きな魔法陣が木の苗を少し覆う程度の大きさまで広がる。
そして強く両手を打ち合わせると結界が張られる。
「ふず...これで幻想郷の誕生だ。俺は幻想郷の西端に居を構える」
「新しい家作るの?」
「あぁ、まぁ...そこは主に仕事場として使うがな。今住んでる場所は別荘にでもするか。じゃあ俺に用があるときはこいつで呼べ」
シャドーは一つの板切れを創りそれを渡す。
「...これは?」
「スマートフォンと言って、俺が生きてた頃普及していた電子機器だ。主に連絡、娯楽として用いられている」
「そう...」
「充電は必要ない。それと扱い方が書かれている説明書だ」
シャドーは紙を渡すと家に戻ってしまった。
「お前ら!引っ越しだ!」
家に着くなり戸を開けそう大きな声でいう。
「はぁ!?少し前に改築したばかりだろ!?」
レイラの膝枕でまったりしていたグレイが驚いた顔をして駆けつけてくる。
「仕事場兼家を作る。ここはもう大和ではない、幻想郷だ」
「は、はぁ?意味が分からねぇ、説明しろ兄さん」
「分かった、皆揃ってるし今言うのが一番だろう」
シャドーはタバコを吸い今に行き座布団に座る。
「では説明しよう。俺が紫の師匠だったことは知ってるな」
「そりゃね、見てれば分かるよ」
アザトースがそう答える。
「うむ。まぁ紫が俺の弟子になりたがった理由が人と妖怪が共存する世界を作る為なんだ」
「じゃあそれがたった今実現されたって言うことか?」
「そう言うことだ。外からしてみれば地続きにしか見えないから不思議とはだれも思うまい」
「じゃあここはどこなのだ?」
レイラがそう聞いてくる。
「幻想郷と呼ばれる忘れ去られた者たちが集まる楽園と言ったところかな」
「へぇ...で、さっき仕事場とか言ってたよね?お仕事するの?」
「俺は残念ながら幻想郷でも妖王を任されてるから妖怪の統治、閻魔へ一日のレポート、妖怪の詳細なデータを送らねばならん、そのため幻想郷の西端に大きな館を創るんだ。という訳で急ぐから早く荷物をまとめろ、後10分後くらいで閻魔が家に来るから早めに引っ越ししないとこっちに来てしまうんだ」
「ならすぐやらねぇとな」
シャドー達は急いで荷物をまとめ外に出る。
「そしてその荷物だが...転移魔法で何とかする」
「魔術で?」
「うむ、しかし幻想郷の西端だ、さすがにあと7分で着くわけがない。という訳で魔術の出番だ、お前たちは荷物と一緒に魔法陣の中に入ってくれ」
シャドーが大きな魔法陣を展開する。
「じゃあ、俺はその場所に行ってくる、着いたら転送の開始だ」
そう言うとシャドーは翼を大きく広げ幻想郷の西端へと飛ぶ。
その途中で妖怪が人間と争っていたがそのことをメモに書き特に干渉をせず目的地へ向かう。
「村の残骸が少し邪魔だな...」
シャドーが指を鳴らすと辺り一帯を炎の竜巻が暴れまわり村などの残骸を焼き払い更地に変える。
そしてシャドーはそこに紅くとても大きな館を創る。
パッと見ても大きな都市一つ分はある。
そしてシャドーは手を打ち合わせ地面に叩きつけると魔法陣が展開されグレイたちが転送される。
「はえ~...これまた物凄い大きさの家作ったなぁ」
グレイが見上げて感心したようにいう。
「シャドー、地下室はあるのか...?」
「当たり前だ、この敷地と同じくらいの大きさで図書館っぽくしてある。本棚も完備だしあの家の本の中身はそのまま全部移してある」
「そうか、ありがとう」
「研究するスペースはあるのか?」
「大丈夫、そこも抜かりはない」
「じゃあ、あと必要なのはメイドさんとか?」
「そうだな、確かに使用人がいないとキツイな」
シャドーは即座にメイドを約1万人創る。
「人間も創れんのかよ...」
グレイは呆れたように呟く。
「世界規模までなら余裕だ。お前ら、とりあえず今日からこの屋敷の掃除云々を任せる。メイド長は使える奴見つけたらそいつに任せる、では各自やることを見つけて動け。それと宿舎は左側の部屋を好きに使え全員入ったら範囲を記しておけ、以上」
シャドーはタバコを吸い館に入りメイドたちはグレイたちが入り終わった後にわらわら入ってくる。
「んで、俺らの部屋はどこだ?」
「俺らは真ん中の通路の部屋を使う。まぁ、場所は好きに決めてくれ。真ん中の通路はこの魔法陣に乗れば転移できる」
「この屋敷は魔法陣で移動するのか?」
「いや、歩いてもいいが...お前は国単位の大きさの屋敷を歩いて移動したいのか?外から見たら城一つ分だが中は相当大きい国一つ分は優にあるぞ」
「だから魔法陣で移動しないといけないのか...」
「そう言うことだ。分かったら早く魔法陣に乗れ」
そして中央通路の部屋に入り家具などを自分好みに変え模様替えを一通り済ますと玄関の扉を叩く音が微かに聞こえる。
扉まで転移魔術で移動して扉を開く。
すると緑髪で左の方が少し長い幼い女の子が立っていた。
「...迷子か?」
「違います。本日から幻想郷担当の閻魔となりましたヤマザナドゥ...四季映姫です。とりあえず今日書いてもらう書類を渡しに来ました」
「あぁ...そうかご苦労」
シャドーはタバコを吸い書類を受けとり扉を閉めようとすると四季映姫が止める。
「なんだ、ガキの御守りはごめんだぞ」
「誰がガキですか。まずあなたにお説教をします」
「...はぁ?なんで俺があんたに説教されなければならない」
「あなた、幻想郷を創る前に相当の人間を殺しましたね?」
「それがなんだ、ごみが消えただけだろうに」
「ご...ごみ!?あなた本質から腐ってますね...いいでしょう、あなた一度地獄に来なさい、腐ったその性根を一から叩き直してあげます」
「断る、生憎俺は今の自分が大好きなんでな。分かったら失せろ、それとも今ここで炭となって消えるか...?」
シャドーが不死の炎を纏わせた剣を鞘から抜こうとすると四季映姫は怯えたように帰る。
「所詮はガキだな」
シャドーは部屋に戻り書斎机に書類を置き椅子に座り灰皿を置き黙々と書類の山を片付け始める。
書類が10分の3終わったときに扉が開くと共にうるさい声が聞こえる。
「シャドーく~ん!」
「あぁ、アザトースか。どうした」
「あのね、ここリビングどこ?」
「あぁ、それなら各自室の魔法陣から行けるぞ」
「あれ、そんなのどこにあるの?」
「お前の部屋で教えてやる」
「うん、お願い~」
シャドーはアザトースに部屋に行き本棚にある青色の本を押す。
すると壁に魔法陣が展開される。
「後はこいつに触れればリビングに行ける、移動した後は自動で本は元に戻って魔法陣も消える」
「そっか、ありがと~」
アザトースは魔法陣に触れその場から消える。
それに続きシャドーも魔法陣に触れリビングへ移動する。
「お、兄さんとアザ姉も来たな」
リビングにはグレイやレイラ、シエルなどみんな居た。
「仕事?はいいの?」
海波がそう聞いてくる
「あんなのは後回しだ、今日やらなきゃいけない奴はもう終わらせた」
シャドーはタバコを吸いソファに寄り掛かる。
「後他にはどんなのが残ってんだ?」
グレイが少し興味ありげに聞いてくる。
「あぁ...なんだっけかな...えぇっと...あぁそうだ、幻想郷の妖怪についての詳細と生息地。そんでそれをやる為には紫と一緒に幻想郷の地名を決めなければならん」
シャドーは気怠そうにため息をつく
「あ、お仕事なら現代のスーツ必要だよね!」
アザトースが手をパンと鳴らし合わせる
「スーツねぇ...一々着替えんの怠い」
「え~...ボク、シャドーくんのスーツ姿みたいよ~!」
アザトースが子供見たく駄々をこね始める。
「はぁ...わあったよ、着てやるから黙れ。じゃあ着替えてくる」
シャドーは魔法陣に触れ自室へ戻るとコートを椅子に掛けTシャツとズボンを脱ぎ捨て、指を鳴らしYシャツとスーツを上下一式揃えて創り黒いベストも創る。
それを着た後に髪留めを創り、首の付け根で髪を結い左肩から前に垂らす。
「...少々生前の自分を思い出すな」
シャドーは吸っていたタバコを握りつぶし新しいタバコを吸いリビングへと戻る。
「一応着替えてきた」
「なんかいつものシャドーくんと違うねぇ...なんかやり手の女社長みたいな」
アザトースがシャドーをまじまじ見つめながらそう言う。
「うるさい、俺は女じゃない」
「つってもそんな髪型じゃなぁ、胸に豊胸パッド入れたらマジの女だぞ」
グレイがケタケタ笑いながらそんなことを言ってくる。
「もういい、俺は閻魔に書類を提出してくる」
シャドーは部屋から書き終えた分の書類を取ってきて外へ出る。
そして地面を踏み込み物凄い速さで走り、おどろおどろしい様子の川が流れる場所へ着く。
その川の桟橋では赤髪を二つにまとめた長身の女性が大きな鎌を肩にかけ子船に座りうたた寝している。
「おい、起きろ」
シャドーはその女性を蹴り起こす。
「痛いねぇ...なんだいいきなり蹴るのはよくないよ!」
「仕事サボってるほうが悪いだろ、いいから閻魔の所まで連れてけ」
「あんたは死人じゃないみたいだけど?」
「妖王だ、今日提出する書類を渡しに来た」
「えっと、妖王...妖王...あ!シャドーエッジ・スカーレットだね。じゃあ四季様の所だね。じゃあ乗りな!」
シャドーは小船に乗るとナイフの手入れを始め、船が動き出す。
「いやぁ話の出来る相手なんて久しぶりだねぇ...」
「話せる奴いないのか?」
「当たり前さ、だって普通この船に乗るのは死者の魂だけだからね」
「あぁ、だろうな」
シャドーはナイフをコートの留め具にかける。
「それと四季様が涙目で帰って来たんだけどあんた知ってるかい?」
「あぁ、泣かせた張本人だ。少々俺を馬鹿にしてたからな、力の差を言う物を知らせてやったんだ」
「殴ったのかい...?」
「女を殴るのは俺の趣味じゃない。少し脅しただけだ」
「脅しだけで四季様を泣かせるなんて...やっぱ妖王なんだねぇ、そこらへんの妖怪とは訳が違うって訳だ」
「褒めても何も出んぞ」
「そんなつもりはなかったんだけどね、あ、そう言えば四季様に頼まれた書類ってどのくらいの量なんだ?」
「ざっとこのくらいか」
シャドーは魔法陣を展開し中から書類の山を取り出す
「こ、こんなに!?」
「あぁ、これが今日中の物だ。これでも全体の3割程度だな」
「あ、あんたそれをこの短時間でやったのかい!?」
「そうだ」
シャドーはタバコを咥えライターで火をつけ煙を吐いた後そう答える。
「あんた四季様より仕事早いよ...」
「人間だったころに良く働かされたからな」
「え、人間だった頃?」
「あぁ、俺は転生者だ。元は別世界線の地球でとあるギャングのボスの夫と側近をやっていた」
「へぇ...何歳で死んだんだい?」
「確か29歳だ」
「随分と若いねぇ...子供は?」
「嫁の腹ん中にいたんだが、生まれる前に死んでしまってな」
「それは大変だったね...えっと、話が変わるんだけど...あんた今までに何人殺した?」
「数えきれないな、相当殺した」
「あぁ...このままだとほぼ一生着かないんだけど...」
「そうか、なら自分で行く。ありがとう」
シャドーは書類の山を魔法陣の中に戻し魔法陣を消し物凄い速さでまっすぐ飛ぶと数秒で着いた。
前には大きな門が見えその奥には屋敷が見える。
そして門番の鬼に止められる。
「貴様は死者ではないな、生者がここに何の用だ」
「なんだ、閻魔から何も聞かされてないのか。俺は妖王だ、今回は書類を提出しに来た」
「そうだったか、止めて済まなかった」
鬼はその場を退き道を開ける。
シャドーはそのまままっすぐ進むと今朝見た緑髪の少女を見つける。
「四季映姫、だったか。書類を渡しに来た」
「えっ、もう終わったんですか!?」
四季映姫は驚き持っていた書類を落としそうになる。
「今日提出の分だけな。妖怪の詳細はもう少し待て、まだ幻想郷の地名も決まってないんだ」
「こ、こほん...分かりました、では出来次第提出お願いします。それとこれからはここに出向かずともこの籠に入れてくれれば大丈夫です」
「そうか、分かった。俺はもう帰るが要件はそれだけか?」
「そうですね...はい、大丈夫です」
「そうか、では失礼する」
ナイフで何もないところを思いっきり斬り空間を捻じ曲げ船があった所へ戻る。
「お、戻ってきたね。お疲れさん」
船頭の女性がシャドーを見つけ声をかける。
「あぁ、そう言えば名前を聞いていなかったな」
「そう言えばそうだねぇ、あたいは小野塚小町ってんだ」
「そうか、じゃあ縁があったらまた会おう」
シャドーはタバコを吸いそのまま自宅へと戻る。
「ただいま」
シャドーが扉を開けるとメイドが数十人で列を作り頭を下げる
「あぁ、ありがとう。なんとなくギャング時代に戻ったみたいだな」
シャドーが少し笑うとアザトースが走ってこっちに向かってきた。
「お帰り!」
「あぁ、ただいま。グレイたちは?」
「グレイとレイラさんは地下でいちゃいちゃ。シエルちゃんとエリシアちゃんは部屋でなんか新しい回復魔術の研究するってさ~、海波ちゃんはキッチンでメイドさんとお昼作ってる」
「じゃあ久しぶりに二人きりで散歩するか、ついでに妖怪の生態云々も調べておこう」
「うんっ!」
アザトースは嬉しそうにシャドーの腕に抱きつく。
そして向かったのは人間が住む里のある東の方角へ歩き始め森の中に入る。
「ん~...なんかジメジメした場所だね?キノコとか生えてるし」
「それと魔素が異様に濃いな」
シャドーがライターに火をつけようとするが中々つかない。
「またタバコ?」
「おう、湿気ってると本当火がつきにくい」
シャドーは魔術を使い火を
「あ、ねぇねぇシャドーくん。今度新しい下着作ってよ、またおっきくなったみたいで少し窮屈なんだよ」
アザトースが胸を指差しそう言う。
「お前でかくなり過ぎじゃないか?乳袋をそんなにでかくして何の得がある?」
「も~うるさい!ボクだってシャドーくんが揉んでくれない胸なんて要らないんだよ~...」
「まぁ、わかったよ。後で胸のサイズ測っとけ」
「分かった~」
「ふぅ...じゃあ、戦闘だ。さっきから俺らの後をつけてる妖怪が居てな。出て来い」
するといきなり大きな影が襲いかかってくる。
シャドーはそれを蹴り上げ跳びあがりかかと落としで地面に叩きつける。
「いきなりそこまで乱暴なことするかい...?」
よく見ると勇儀が地面に横たわっていた。
「なんだ、お前だったのか」
「いっててて...久しぶりだねぇシャドー」
「そうだな、久しいな」
「それで、今は二人仲良く散歩中かい?」
「あぁ、見ての通りだ」
「そうかいなら暇ってことだね、ちょっと山までおいでよ面白い奴がいるんだ」
そう言うと勇儀はにっこり笑って肩を組むなりぐいぐいひっぱっていく。
そのまま歩いていると大きな山が見えてくる。
「懐かしいな、あれから山に変化は?」
「まず最近は蝦蟇が住み着いてる池に良く人間が祈りに来たり水を取ったり祠を建てたりしたねぇ。後は...変な格好の奴が最近迷い込んだのと山の頂上に大きな建物が建てられ始めたね」
「ふむ...諏訪の土着神か...」
「土着...?なんだいそれ」
「簡約すると祟りを起こす神だ。それを建てる人間の様はどうだった?恐らく怯えていたはずだ」
「おぉ、そうだったよ。よくわかるねぇ」
「一応色々調べたりはしてるのさ」
「引きこもってばかりと思ってたけどそこはしっかり仕事してんだねぇ」
「そうじゃないと閻魔に怒られんだよ...めんどくさい。で、面白い奴ってどこにいるんだ?」
「今酒場で飯食ってるはずだよ、ほらそこの酒場」
勇儀が指差すその先にはデニム生地の上着を着てデニム生地のショートパンツを穿いている少々青白い人型の何かが料理に勢いよくがっついていた。
シャドーはそこの向かいの椅子に座って顔を見る。
「やっぱレイトか、久しいな」
「ん...?未来から来たシャドー?まだ居たの?」
「残念ながら現代のシャドーだ。39年も経ったんだぞ、多少は年を取る」
「わー!久しぶり!」
レイトは口に含んだ料理を酒で流し込む。
「随分と親父臭い食い方をするな...」
「いや喉に詰まっちゃっただけだもん!」
「まぁいい。そんなことより何でここに居る、神父共を蹴散らすとか言ってたじゃないか」
「いやぁそれなんだけど...神父の一人を追ってここまで来たんだけど迷っちゃって...」
「じゃあもう30年前からここに居るのか」
「う、うん...」
「まぁ、神父ならあきらめろ。俺がもう全滅させたしここは現実とは隔離された世界になっている」
「えっ」
「ここは大和じゃない。幻想郷だ」
「え...え?そんなこと言われても分からないって!」
「そうだった、お前バカなんだったな」
「バ、はぁ!?バカじゃないし!」
「うるせぇ、とりあえずここにずっと世話になる訳にはいかないだろ。俺の屋敷にこい」
「うん、分かった!またよろしくねシャドー!」
そう言うと椅子から立ってシャドーに抱きつく。
「う~ん...まためんどくさいのが増えてしまったなぁ...」
シャドーは機嫌悪そうにタバコを吸う。
「勇儀、俺は少々人里に用がある。お前がついてくると妖王だけでも大問題なのにそこに鬼の四天王はヤバい、だからついてくるな」
「はいはいわかったよ、全く人間は臆病だねぇ...そのくせ妖怪を退治とかほざく」
「まぁ、仕方ない。人間なんだからな。じゃあ行くぞアザトース。レイトは俺の家にいけ、分身が案内する」
シャドーが指を鳴らすと分身が創られレイトを抱えて屋敷の方向へ飛んでいきシャドー達は人里へ向かう。
「あ、ねぇシャドーくん。人里に何の用があるの?」
「腕利きの鍛冶職人の娘がいるんだと紫に聞いてな、興味を持ったんだ。俺の刀はこの有り様だからな」
シャドーはコートの内ポケットから鞘に納まった一本の刀を取り出し刀を抜くと酷く刃
「わぁ...随分と使い倒したねぇ」
「いやぁ気に入っててな、何回も使ってたらとうとうこうなってしまった。と、着いたぞ。ここがその鍛冶職人の娘の家だ」
そこにはTHE鍛冶職人と言わんばかりの典型的な鍛冶職人っぽい家だった。
シャドーは何のためらいもなく戸を叩く。
「はいはーい少し待って下さいね~」
すぐにバタバタと
「ここは
「はい、合ってますよ!うちに何か御用ですか?」
「あぁ、少々刀を打って欲しい」
シャドーは親指で鍔の部分を押し出して引き抜く。
「これなんだが...」
シャドーが刀をみせると少女は物凄く驚いた顔をする。
「ど、どうすればこんなぼろぼろに!?戦でもこんなになりませんよ!?」
「い、いやぁ...自分相手に30年くらい戦って気づいたらこんな風になってたんだ」
シャドーが長い髪をかき上げ、ばつが悪そうに掻く。
「自分と...?分身したとかそう言う冗談ですか?」
その子は少し不機嫌そうになった。
「いや、冗談じゃないさ。今ここで見せよう」
シャドーが指を鳴らすと共に分身が創られる。
「え?えっ?」
「状況が掴めてなさそうだから言うが、俺は妖怪だ、さすがに分身くらいならできる」
「妖怪!?見るからに人間じゃないですか!?」
「あまり種族を見た目で判断しないほうがいいぞ、そのうち痛い目見る」
「はい...あ、それより刀の件ですね...そうですね、この際新しい刀を持ってみたらどうです?」
「修復はできないのか?」
「できなくはないですが...部位をばらして新しい鉄で刃を創るなら新しいのを持ってみては?ってことです」
「そうか...確かにそれもいいな。なら何かいい刀を頼んだ」
「私が作るんですか?」
「あぁ、君は腕利きの鍛冶職人の娘だと聞いてな、興味がわいて見に来たのもあるんだ」
「じゃあ...鉄を用意してもらってもいいですか?」
「あぁ、分かった少し待ってくれ」
シャドーは鉄を創り妖力を辺りから集め鉄に流し込むと上から蒼、紅、碧、紫の色がほんのりとつく。
「これでいいか?」
シャドーは鉄を手渡すと少女の手が大きく沈みシャドーが咄嗟に手を支える。
「重過ぎじゃないですか?何でできてるんですかこの鉄...」
「玉鋼を多く練り込んだ純度の高い鉄だ」
「へぇ...じゃあ打ってきますね」
「あぁ、頼んだ」
「時間がかかるんで明日とかにでも来てください」
そう言うと奥に入ってしまった。
「さて...これからどうする?」
「帰ろうよ、そろそろお昼出来ることだしさ」
「それもそうだな」
シャドーはアザトースを抱え屋敷まで跳び門まで着くと門に立っていたメイドが少し驚き跳ねる。
シャドー達はそれを気にせず中に入り魔法陣を介しリビングへ移動する。
「ただいま、今戻った」
シャドーがネクタイを緩めソファに寄り掛かる。
「おかえり~、ご飯出来てるけど食べる?」
「あぁ、頼む」
すると海波とメイドが食堂のテーブルに料理を並べる。
「じゃあ食堂行って~」
「あー...座ったら動くのめんどくさくなってきた」
「んも~、運動しないとおじいちゃんっぽくなるよ?」
「やかましい」
シャドーはタバコを吸いながらアザトースにおぶってもらう。
食堂の内装は日本の喫茶店の様な作りになっている。
アザトースから降りてカウンターの椅子に座り料理に手を付ける。
「お、料理の腕を上げたな」
「ほんとだ~美味しいね~」
二人は勢いよくがっつく。
「イザナミさんに色々教わったんだ~」
「花嫁修業って奴か...」
食べ終わった後シャドーはリビングに移動し、そこから自室に繋がる魔法陣に入る。
「さて...仕事と言っても生態と言っても最初は名前だけしか...」
ぶつぶつ文句を言いながら現在知っている妖の名前を提出用のレポート紙に書いていく。
「星熊勇儀...八雲紫...伊吹萃香...」
とその時誰かが扉を叩く。
「何の用だ...」
めんどくさそうに椅子から立ち扉を開けるとメイドが立っていた
「どうした、何か用だろう?」
「はい、八雲紫と言う方からシャドー様に用があるから呼び出せと」
「そうか、了解だ」
シャドーはネクタイを締め直し、前の手すりのついた柵を飛び降り二階から一階に降り玄関までを走り外に出ると紫が待っていた。
「何の用だ」
シャドーはタバコを吸い始める。
「あなたは空気の代わりに煙を吸わないと死んでしまうのかしら?...まぁいいわ、そんなことよりそろそろ幻想郷の地名を決めましょう?」
「奇遇だな。俺もそろそろそれを提案しようと思ってたんだ」
「やっぱ幻想郷を創った本人だから愛着がわくのかしら?」
紫は嬉しそうに聞いてくる。
「違う、幻想郷の地名など幻想郷の事についての詳細を書類に書き記し閻魔に提出せねばならん。紫はあくまで管理人であり俺は創造者としてそれを書く義務があるんだとさ。さっさと終わらせてしまおう
「そうね、ならまずはこの屋敷に家に名前を付けましょうよ」
「はぁ?なんでだよ」
「創造者の家なのよ?重要じゃない」
「そう言う物なのか...?」
「そう言う物よ、さっさと決めなさい」
「う~ん...紅くて西洋妖怪が住んでて横にも縦にも大きい...」
シャドーがパチンと指を鳴らす
「紅魔楼なんてどうだろう?」
「安直だけど、まぁ悪くないんじゃないかしら」
シャドーは内ポケットをごそごそし始め手帳と万年筆を取り出し自宅、紅魔楼とメモを残す。
「随分と変わった文字を書くのね?」
「あぁ、これは俺が人間だった頃在住していた国の標準的な文字なんだ」
「へぇ...それじゃあ次はどこにしましょうか?」
「ここから南ある草原でいいだろう」
「と言っても...あそこ特に何もないけれど?」
「何とも縁がない草原...無縁塚でいいんじゃないか?」
「あなた名前付けるの上手いわね」
「言葉を色々知ってるとこういう時便利なのさ。そう言えばあの森は魔素が充満してるんだ」
「じゃあ魔法の森でいいかしらね?」
「そうだな、それがいいだろう」
「あとあの山は妖怪が沢山住み着いてるから妖怪の山かしらね?」
「だな。あと山の麓から東南に少し行くと湖があるんだ。そこは年中霧に包まれているから霧の湖でいいと思う」
「そうね、人里は単純に人間の里でいいわよね」
「そうだな。後西端に向かうと三途の川が流れてるんだ、そしてそこまでの道がしっかり存在していてだな、底の道の名前を中有の道と名付けたい」
「中有?聞いたことが無い言葉ね」
「人が死んでから、次の生を受けるまでの間を意味する言葉だ」
「ふぅん...いいんじゃないかしら?」
「あと人里から南に少し歩くと向日葵畑がみえてだな、それが太陽のように明るくて綺麗なんだ。だから太陽の畑とかどうだろう?」
「いいと思うのだけれど本当に安直ね」
「まぁ、感じたのを名前のようにしてるだけだからな」
フィルターの所まで燃え始めたのに気づいて急いで火を消しを携帯灰皿に入れ新しいタバコを吸い始める。
「そうそう、あの竹林なのだけれど。あれ入ったら絶対迷うのよ、だから迷いの竹林でいいと思うわ」
「じゃあそれでいいか」
「あとこの結界を見張る人が必要でしょ?」
「確かにそうだが...俺でいいんじゃないか?作った張本人だし」
「シャドーは妖王の仕事とかあるじゃない、あなたが動けないときに結界に何かあったらどうするのよ」
「あぁ...確かに」
「って訳でもう管理人見つけてるのよ。人里にね?人間にしては相当の霊力を持ってる子がいたのよ」
「へぇ...」
シャドーは興味なさげに聞き流している。
「それで結界の管理場所なのだけれど...」
「...人里をまっすぐ行くと獣道しかない小さな山があってだな。そこらへんの結界が他の所と比べて弱いんだ。だからそこに管理人を住まわせる場所を作ろう」
「それでいいと思うわ。とりあえずあなたをその子に会わせたいから今から人里に行くわよ」
「今からかよ、もう夕暮れ時だぞ?」
「だからなによ、まだ誰も寝やしないわよ」
そう言うと紫はスキマの中に入ってしまった。
先に行ってるから来い、これは強制だ。という意味だろう。
シャドーは溜め息を吐くとタバコを地面に落とし踏みつぶしてから力み、身を屈めて大きな土煙が上げて移動する。
「ふぅ...紫はまだ...いや、来たみたいだな」
シャドーは一瞬で人里に走り、着いてから紫がスキマから出てくるのを見つける。
「あら...スキマ移動より早いって一体どうなのかしら...」
「時空間移動を超えるなんて流石俺だな」
「うるさいわね、あなたが桁外れなだけよ。いいからさっさと行くわよ」
「分かった」
シャドーは人間に種族を変えると紫と共に霊力の高い人間とやらの家に案内されその人間の家に上がることになる。
「この女が例の霊力の高い人間なのか...?」
「そうよ、普通に綺麗な子でしょ?」
「確かに綺麗ではあるが...そんなことよりも、だ。強いのか?」
「...これだから戦闘バカは...それよりもまずあなたこの子の名前も聞いてないじゃない」
「あ、忘れてた。お前名前なんて言うんだ?」
「やっと喋らせてもらえるか...私は如月 霊華だ。よろしく頼む」
「あぁ、よろしく。俺はシャドーエッジ・スカーレット、さぁ外に出よう」
シャドーは両方の拳から手首までを包帯を巻く。
「ほんとにやるのか...?流石に妖王相手に戦いたくはないのだが...」
「うるさい、つべこべ言わずに殴れ」
シャドーは霊華のこめかみすれすれに拳を打ち込む。
その牽制で意を決したのか霊華は拳を握りしめシャドーの腹に膝蹴りを喰らわせる。
「それでいいんだ」
シャドーは真上に吹き飛ぶと空中で回り始め体を捻じり霊華の脳天目掛けて蹴る。
霊華がそれを両腕を交差させ受け止めると強い衝撃波が生まれ土煙が舞う。
「はい、もうやめなさい。やめないと人里が終わりを迎えるわ」
紫が溜め息を吐き呆れたように言う。
「霊華と言ったな、お前中々のものだ。力を望むなら西端の紅く大きい屋敷にこい、いつでも歓迎しよう」
シャドーが微かに笑う。
「妖怪相手に手加減されたのは初めてだ、今度また退治しに行ってやる」
霊華もまた微かに笑いながらそう言う。
「ちょっといいかしら?」
「ん、なんだ」
「あのね、それでこの幻想郷の結界の見張り役を馴染み深いものにするために名前を決めたいのよ」
「なら魄霊を少しいじって博麗にしたらどうだろうか?魄霊の意味は亡霊とかなんだが他の意味もあってだな、それが、魄...即ち肉体の魂そして霊...即ち精神の魂。つまり魂の陰陽を表す道教の考えを持つ意味だ」
「ほう、随分と深い意味を持つ言葉を知ってるんだな。流石は妖王、知能も高いという訳か」
「残念、これは俺が人間だった頃学んだものだ。俺の生きていた世界はここよりももっと文明が進んでいてな」
「な、それは本当か紫」
「本当...だと思うわ。なんせ転生後その断片的にしか覚えていなかったのにいきなり思い出したからよくわからないのだけれどね」
「まぁ、博麗でいいのか?」
「えぇ、いいと思うわ」
「結界の制御、補整は巫女辺りがやりそうだしあれだな、見張り役は博麗の巫女とでも名付けよう。それにちなみ霊華、お前の名字を博麗に変える。そして今から見張り場所を創るからお前たちも来い。霊華は飛べ...そうにないな、俺が運ぼう、乗れ
シャドーがしゃがみ霊華に背中を向け、霊華は背中に身を預けると勢いよく立ち上がり翼を広げ山の頂上まで飛ぶ
「やっぱそこまで高さ無いなこの山は。紫、霊華と一緒に少し離れて飛んでろ」
「わかったわ」
紫は頷き霊華を抱え離れる。
「
シャドーがそう叫ぶと地震が起き大きな巨人が奥の山から歩いてくる
「どうしたんじゃシャドー?」
だいだらぼっちが頭を掻いて話しかけてくる。
「悪いんだがこの山を不自然にならないよう平らに均してくれ」
「面倒じゃのぉ...まぁしゃぁない、やっちゃる」
「済まないな、よろしく頼む」
「おう、任しとき!」
そう言うとだいだらぼっちは山の頭を殴り始め数分すると理想の形になった。
「ありがとう、だいだら。また何かあったら頼む」
「困ったときゃぁお互いさまじゃ、またの」
そう言いだいだらぼっちはまた奥へと戻っていく。
「さて、あとは建設だな。この建物は幻想郷と現世の二つに存在すると言う事を忘れないでくれ」
そう言うとシャドーは幻想郷と現世を隔てる結界の中心に神社を創り幻想郷の反対側に鳥居を建てる。
「えっと、なんで鳥居が反対なの?」
「これは現世から来る奴らを迎え入れる場所だ。だからわざわざここの結界だけを緩くしてるんだ。そして俺ら幻想郷内の奴らが外に出るのためでもある」
「私たちが?」
「あぁ、主に俺なんだがな。さて、幻想郷の準備も整ったことだし俺は外を見てくる」
シャドーは鳥居を
すると結界が人一人分通れるくらいに開きシャドーが通るとまた綺麗に元通りになる。
「さて、何か変わった所は...農業が随分と盛んだな」
「そこの人、ちょっといいかな?」
シャドーが適当に歩いていると紫色の髪に胸に下げた鏡に赤い服、そして大きな注連縄を背に背負った女性が肩を掴み声をかけてくる。
シャドーはそれを払いのけ振り向く。
「何の用だ
「あぁ、やっぱりシャドーさんだ!」
武甕槌は安心したように溜め息を吐く。
「だからどうした」
「えっと..ですね。あの、イザナギ様とイザナミ様のお姿が見えないのでシャドー様なら知ってるのではと...」
「あぁ、知ってるぞ俺が拉致した」
「...は?」
「だから俺が拉致した。現在イザナギ達は幻想郷と呼ばれる俺の弟子が創造提案をした忘れられた者達の楽園...幻想郷で子育てをしている」
「そ、そうなのですか...」
「なんだ、なにか大切な用でもあったのか?」
「あの...そろそろ神無月ですのでせめてそれには御出席していただきたく...あ、シャドー様にも御出席していただきたいのです、大和の政治に大きくかかわっていただいているので」
「了解だ、イザナギ達にはそのように伝えておく。安心して自分の仕事に戻ってくれ」
「ありがとうございます!あ、一つお願いよろしいですか?」
「なんだ?」
「建御名と言う土着神を見つけたら拘束して私に渡してください」
「国譲りの命令か...俺はそれには賛同出来んのだが...一応見つけたら報告だけはしてやる、恐らく幻想郷の妖怪の山と呼ばれる山の頂上にいる。これから一時間後自動転送されるようにしてやる」
シャドーが一つの札を渡した。
「じゃあ後は勝手にしてくれ」
シャドーはそう言うと幻想郷に戻る。
「あら、速かったわね。まぁな、今から一時間後神と神で喧嘩が起きる、覚悟しておけ。後ここだが博麗神社と言う名前で固定だ」
シャドーは急いで妖怪の山の頂上へ移動する。
鳥居を潜った瞬間鉄の輪が飛んでくるがシャドーに当たるなり錆びて粉々になる。
「建御名方...だな、忠告しに来た。これから約一時間後に武甕槌がお前を捕らえにやってくる」
建御名方は何も言わずに神社の修復にかかる。
シャドーは溜め息を吐くと神社の屋根に乗り時間が経つのを待つ。
約三十分が経った頃建御名が口を開く。
「...あんたは敵、それとも味方なのかい?」
そう問いかける建御名方の目は寂しげだった。
「どちらでもない。俺は飽くまで忠告に来ただけであり害を加える訳でも無ければ得を与えるつもりも無い」
「...そうかい」
「俺は少し出かける、また戻ってくる」
シャドーはその場から人里に向かって跳躍し、入り口で綺麗に着地する。
そして鍛冶屋へ向かい無断で中に入ると依頼を頼んだ少女が汗を流していすにすわっていた。
「あ、シャドーさんいらっしゃい...」
「お疲れ」
シャドーはタオルを創り少女の頭に投げる。
「ありがと...ってこれ何?」
「タオルと言ってな、綿を糸にして編んだものだ。基本的に体を拭くのに使う」
「へぇ...ありがとうございます」
「それで刀の方はどうだ?」
「あ、出来ましたよ!そこに鞘と一緒に置いてあります」
「そうか、ありがとう」
シャドーは鞘を手に取り外に出て戸の前で刀を抜くと何かに意識を刈り取られそうになる。
「お前、才能あるよ。まさかその幼さで妖刀を打つなんてな」
シャドーはここで10万程の貨幣を机に置いて神社に戻る。
「あっ...妖刀...!?ちょっお父さ~ん!あ、シャドーさん。妖刀は心を持ってます、話したり大切にしてあげてください」
「...分かった」
急いで神社へ飛ぶともう武甕槌がいて建御名方と対峙していた。
両者共に敵意丸出しで話し合うつもりじゃないと言う事は簡単に分かった。
シャドーは刀をみて少し不満そうにしていたが一旦は目を二人に向けるともう戦闘が始まっていた。
建御名は鉄の輪を飛ばしたりするが全て刀で防がれている。
武甕槌の持っている刀は恐らく
シャドーは気づくと足が勝手に歩き出していた。
本能が欲しているのだろう、布都御魂剣を。
「悪いな武甕槌、俺はその刀が欲しい」
そう言うと刀の頭と呼ばれる部分で腹を勢いよく殴り気絶させ布都御魂剣を取り上げる。
「この勝負、両者負けだ。俺にな。一つ提案がある、今度の神無月...と言っても明日だが、その時はお前も出席しろ俺が迎えに行く」
「...わかった」
シャドーは指を鳴らして神社を完全に治すと武甕槌を背負って家まで飛ぶ。
扉を開くといつもの如くメイドたちが頭を下げてくる。
なんで帰ってくる時間が分かるんだろう...。
シャドーはそれを気にしながら自室へ戻り武甕槌をベッドへ寝かせシャドーはまた外に出てイザナギの所へ急ぐ。
「イザナギ、入るぞ」
シャドーが戸を開けると天照と素戔嗚が廊下を歩いていてこちらに気づくなり素戔嗚は奥へ行き天照は寄ってきた。
「兄さん!お久しぶりです!!」
笑顔で抱きついてくる。
「あのなぁ、いつ俺が兄になった。今日は通告があってここにきた。明日、神無月により神々の集会が開かれる」
「あぁ、そうだったんですか」
「あぁ。そこでお前たちの正式な神としての登録を行う。これをイザナギにも行ってくるんだ。他にも大切な話がある、天照も一緒に来い」
「わかりました!」
シャドーは天照に抱きつかれながらイザナギの部屋に入る。
「おぉ、久しぶりだなシャドー」
イザナギは少し元気無さげにこちらを見る
「あぁ、久しぶり。イザナミは...休養中か」
「あぁ、よく分かったな」
「あぁ、そりゃ武甕槌がいたら...な」
「で、何の用だ」
「あぁ。明日、神無月に集会がある。お前も出席しろ、そこで天照たちの正式な神の登録を行う」
「そうか、分かった」
「済まないがイザナミにあってくる、お前らはここに居ろ」
シャドーはイザナミの部屋に入る。
「入るぞ」
「あぁ、シャドーくん、いらっしゃい...どしたの?」
「まぁ、イザナギに言うことがあってな、とりあえず治すから」
「治せるの?」
「俺の能力がある」
シャドーはカグツチ出産時の火傷を消す。
「これで治ったはず」
「わっ、すごいすごーい!」
「じゃあお前にも言っておくか、明日に神々の集会がある。イザナギについて行け。さっ、イザナギに顔せてこい」
「うん!ありがと!」
シャドーは庭に出て家まで飛び窓を割って家に入る。
もちろん割った窓は直す。
「どうしたのシャドーくん?反抗期?」
「そうじゃなくてなんか一々出迎えされんの疲れる」
「そう?私どうも思わないけど」
「アザトースはバカだからそんなの気にする頭が無いんだよ、俺は部屋に行ってる」
シャドーが部屋に入ると武甕槌が起きていた。
「...おかえりなさい」
「あぁ、ただいま」
「その...なぜ私の刀を?」
「あぁ、それか。だって刀いいじゃないか」
「そ、それだけですか?」
「あぁ、それだけだ。別にお前を殺すとかそんなことに興味はない」
「それはいいのですが...この件はとても大切な物なんです、邪魔されては困ります」
「それなら俺に考えがある。お前、あいつを手中に収めたとして村民が言う事を聞くと思うか?あいつは土着神の中でも位の高い方だ、そんな神以外の神に従いでもしたら祟りがふりかかるんじゃないかと思い絶対にお前達には従わないだろう」
「でしたらどうすれば...」
「あいつを表側にだしお前が裏で政権を握ればいいじゃないか。ただそれには一つ重要なことがある、それが何か分かるならお前にできるだろう」
「...協力、ですか」
「その通り。明日の神無月で建御名を正式な土着神として迎え入れる。そしてあの国はあいつの物として認識する」
「ですが...!」
武甕槌が拳を握り絞め立ち上がる。
「従えないのなら俺が反乱を起こす」
シャドーは涼しい顔でそう言い放つ。
武甕槌は悔しそうに座る。
「先に言ったろ、裏側でお前が政権を握ると。つまりは話し合えばいいだけだ」
「...ですがその場合朝廷の命通りに政治が進まないことも...!」
「その時は他の神々が負担するのが常だろう、思考を凝らせばなんとでもなる」
「...この話は明日建御名方も混ぜ、話し合いましょう」
「分かった。しかしその場合イザナギと天照の言葉は絶対となる、それは理解しているな」
「はい、承知しています」
「ならいい。今日はここで寝泊まり、食事を済ましていくと良い」
「ありがとうございます」
「この俺の部屋を好きに使え」
「しかしシャドー様は...」
「いい、客間は腐るほどあるが今日は部屋に戻れる気がしない」
「...?分かりました」
武甕槌が訝し気に思いながらも了承する。
「そろそろ飯が出来るはずだ、飯を食ったら俺はとある部屋にいる。物凄い量の妖力が出てお前も気づくだろうが...何があっても絶対に入らないでくれ」
「わ、分かりました」
すると不意に魔法陣が起動する。
「シャドー、ご飯出来たよ...って誰その人!?彼女!?」
海波が手で口を隠し驚いた顔をする。
「ちげーよバカ、こいつは武甕槌。神で俺とかイザナギの部下だ」
「ど、どうもお邪魔してます。...お嫁さんです?」
「違う、義理の娘だ。廃村で拾った」
「一応娘扱いなんだ?ふーん...まぁ、じゃあご飯一つ増やしとく?」
「いや、これから用事があるから血を吸ったらすぐに行く」
シャドーが海波の首筋に噛みつき血を吸う
「見てるんだからあんま人前でそれやめてほしいなぁ」
「俺は忙しいんだ、ごちそうさま。じゃあ行ってくる」
シャドーが魔法陣を介し地下へ向かう。
「グレイ、先生。少々あの部屋を借りる」
シャドーがネクタイを投げ上着とベスト、Yシャツを脱ぎ捨て半裸になりながら地下図書館の奥の部屋へと向かう。
「ん、分かった」
グレイがそう返事をする。
「何かあったら...その時は扉を壊してくれ」
「...分かった、気をつけて行ってこい」
レイラが溜め息を吐き心配そうにそう言う。
「あぁ、きっと大丈夫だ」
シャドーは扉を開け中に入る。
中は宇宙に居るかのように360度どこを見ても星だらけだ。
シャドーは妖刀を目の前に刺し対峙して胡坐をかく。
すると持った時のように何かに意識を刈り取られそうになるがあえて何もせずに何かに飲み込まれる。
『あんたが私の持ち主?』
いきなり目の前の刀から女の声が聞こえる。
「恐らくそうだ」
『ふぅん...随分強そうね...ならこうしましょ?あんたが私に勝ったなら、その時はあんた従ってあげる』
そう言うと刀は17歳辺りの少女の姿にななりその手には妖刀が握られている。
「刀が女になったりとかやりたい放題だな」
シャドーはタバコを吸い深く息を吐くとコートの裏側から短剣を二本取り出し構える。
少女は何年も刀を使ってきた達人よりも遥かに強く刀の事を完璧に理解しているような扱い方だった。
シャドーは一本の短剣を少女の足元に投げるが、少女はそれを軽い跳躍で回避し短剣は地面に勢い良く刺さる。
するとシャドーは体を地面すれすれまで後ろに倒し、短剣を中心に円を描くように滑り始める。
まるで、刺さっている短剣と手持ちの短剣が糸で繋がっているかのように
「ちょっ、随分と気持ち悪い動きするわね...」
「気持ち悪いとは失礼な」
シャドーはそこから加速し足を引っかけようとするがそれも回避されるが、短剣を掴み取り体勢を整える。
しかし休む間もなく少女が妖刀で斬り付けてくるがそれを短剣の峰で受け止める
それから少女は妖刀で連撃を放ってくるが全てを受け止めた後腹を突き刺すが少女が刃を寸前で握り止めるが手からは血が垂れ落ちる。
シャドーはそのままもう一つの短剣で背中を突き刺し引き抜き少女の顎に飛び膝蹴りを喰らわせる。
少女はそれを喰らいよろけながら後ろに下がり刀の切先をシャドーに向けて突進する。
シャドーはそれを横に避け殴ろうとした瞬間、視界が揺らぎ地面に倒れていた。
「ふぅ...やっと隙を見せたわね...」
「今のは水か...?」
「そうよ、私の力は水。切る時に水圧で切れ味を増したり相手の不意を突いて水の塊で攻撃したり出来るわ。で、今使ったのは後者の方ね」
「ふむ、なら俺も少しは本気を出すか」
【我鬼転生、壱之拳斗】
シャドーが少し力むとシャドーをと中心に強い衝撃波が放たれ時折赤黒い稲妻が走る。
少女は一瞬怯むが斬りかかってくる。
「斬りが甘いから防がれるんだ」
シャドーは手を打ち合わせ右手で棒を掴むように輪を作り引き抜くと布都御魂剣が出てくる。
そして長い刀身を物ともせず身を回しながら少女の斬撃に自分の斬撃を重ねると少女は大きく吹っ飛ばされる。
シャドーは間髪入れずに斬りつけ少女の背に回り自分の腕を少女の首に回し布都御魂剣の刃を首に近づける。
「降参しろ、俺の勝ちだ」
「そうね、私の負けよ。いいわ、あんたを持ち主として認めてあげる。好きに使いなさい?」
「あぁ、そうさせてもらう」
シャドーは布都御魂剣をしまい少女に妖刀を手渡され柄を握ると刀身が伸び始める。
「...虐め?」
「ち、ちがうわよ!一回だけなら自分の好きな長さにして良いっていう私なりの気づかいよ、ありがたく思いなさい」
「そうか、じゃあ好みの形に変えさせてもらうとしよう」
刀身2m、反り2.7cm、柄、1mの大きさを思い浮かべる
「あ、納刀時は1.5mくらいになれるか?」
「えぇ、行けるわよ」
「ならそれで頼んだ」
シャドーがそう言うと妖刀はその形になり目の前に鞘も現れる。
「じゃあ私の名前を教えるわね?私の名前は
「俺はシャドーエッジ・スカーレットだ」
「そう、これからよろしく頼むわね。シャドー」
「あぁ、よろしく」
シャドーは妖刀を鞘に納め外に出る。
するとアザトースやグレイなどが心配して扉の前で見守っていたのかみんなが出てきた瞬間出迎えの言葉を言われる。
「おかえり!大丈夫?怪我とか...ん、女の子の匂いがするんだけど...?」
「あぁ...妖刀と一緒に居たからかもしれん」
「妖刀と一緒にいて女の子の匂いするわけないでしょ?彼女でもいるの?」
「いねぇよ、これが証拠だ。汐波月」
シャドーが妖刀を鞘から抜き地面に刺すと先程の少女の姿になる。
「随分といきなりね...て、何よこの人たち」
「兄妹だったり...色々だ、要件はそれだけだ。戻ってくれ」
「は~い」
汐波月は妖刀に戻り鞘に納める。
「これで分かっただろ?とりあえず今日は寝かせてくれ...」
「シャドーくんの部屋は武甕槌さんが使うから今日はボクの部屋つかお?」
「何でもいいから早く寝かせてくれぇ...」
シャドーとアザトースは少々急ぎ足で部屋に向かう。
「おやすみ...」
シャドーはコートとTシャツを脱ぎ捨てベッドに倒れこむ。
「ん、おやすみなさい♪」
アザトースは相変わらず下着姿になりベッドに入りシャドーを抱いて眠りにつく。