東方夕凪録   作:汐入 那月

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どうも鐳波です。
いやぁ一部キャラ作成で心折れてしまいまして投稿が大幅に遅れました、すいません()

まぁ、お楽しみください!


妖王、人間としての初出勤

朝起きてからすぐスーツに袖を通し、自室を出てリビングへと向かうと沙希とメルタがもう起きていた

 

「おはよう間淵先生」

沙希が茶化してくるがそれを気にせずソファに座る

 

「あ、そうそう。私も教師として入るからね?」

メルタがそう言いだす

 

「は?名前どうするんだよ」

 

「もう作ってあるわ」

そう言うと紙に自分の名前と思わしきものを書いていく

 

「間淵 綺音(あやね)...まぁ悪くはないか。で、俺との続柄は?」

 

「一応この世界じゃお姉ちゃんになるかしら?」

 

「で、同じ職場、ねぇ...めんどくさそうだな。あ、沙希。俺の担当学科は?」

 

「科学だ。メルタさんから聞いたが錬金術が出来るそうじゃないか。それを使って上手い事やってみろ」

 

「えぇ...仕方ないか、分かった」

シャドーは溜め息を吐き、タバコを吸い荷物を持って、メルタと一緒に車に乗り込み学校へと向かう

学校に着き、職員室へ入ると教師たちは少なく徹夜で仕事をしていただろう人等がこちらに軽く会釈をして自分の作業に戻っていく。そして一人の女性がこちらに近づいてくる

 

「事務員の渡辺です。あなた方は今日着任の間淵京助さんと間淵綺音さんですね?」

 

「はい。俺が京助で、こっちが姉の綺音です」

と、シャドーが珍しく敬語で話す

それに一瞬驚いた顔をシャドーに向けシャドーが足をつま先で蹴り静める

 

「校長室へ来てください。こっちです」

シャドー達はそれから校長に校の方針など色々聞き、朝礼にて自己紹介を終えいきなり担任を任される

クラスは問題ばかりの2年B組で、メルタはそこの副担任となった

 

「ここの担任になった間淵京助だ。お前ら随分と評判悪いが...見た目通りだな」

見渡すと生徒は全員髪を染め、ピアスをつけている者もいて、クラスのリーダー格らしき奴は机に足を乗せてスマホをいじっている

 

「ここの副担任の間淵綺音です、よろしくね~」

メルタは緩く挨拶をすると声がかかった

 

「女の先生おっぱい何カップですか~?」

ふざけた口調でそう問いをかけられるとクラス全体が笑いに包まれる

 

「私何カップだっけ?京助君覚えてる?」

 

「あのな、俺が知るわけないだろ。とりあえずホームルームは終わるからとりあえず授業は出ておけ」

シャドーはそう言いメルタと一緒に出ようとドアを開くといきなりバールを持ったリーゼントの学生が殴りかかってくる

それを横に動くことでかわし、後頭部を殴り気絶させそのまま職員室へ戻る

 

 

「あ、京助先生と綺音先生。大丈夫でしたか?」

 

「大丈夫です」

 

「私もなんともありませんよ」

 

「ならよかったです。あ、これから転入生の紹介をしていただいてもいいですか?」

 

「それはもっと早めの方が嬉しかったんですが...で、転入生は何処に?」

 

「恐らくもう教室前に居るかと」

 

「分かりました。じゃあ綺音姉さんは俺の仕事やっといて」

シャドーは走って教室前まで行き、転校生の顔を見るなり言葉を見失った

 

 

「あ、シャドー様。今日からこの学校に通うことになりました。よろしくお願いします」

アリアが頭を下げてくる

そこには汐音、アリア、グレイ、レイラ、ヴラディミールが居た

 

「...と、とりあえず人間としての名前で呼んでくれ」

シャドーは扉を開ける

 

「転校生の紹介を忘れていた。入ってくれ」

 

「えっと、間淵 鏡月ですよろしく~」

グレイが当然のように我が家の名字を使う

 

「東雲 汐音です、よろしくお願いします...」

汐音が不良の多さに怯えながらも頭を下げる

汐音は沙希の名字を使うようだ

 

「間淵 蒼依(あおい)です、よろしく」

ヴラディミールは特に興味を示さず適当に挨拶を済ませる

 

「東雲 (あかね)です、よろしくお願いします」

アリアも特に感情を入れずさっさと挨拶を終える

 

鳥羽(とば) (めい)だ、よろしく頼む」

レイラは相変わらずの口調で挨拶をする

 

「じゃあ席は適当に座ってくれ」

シャドーはめんどくさそうに職員室へ向かう

 

「へぇ、女3人と男2人か」

グレイたちが座ろうとすると不良の中でも格上であろう者が道を塞ぐ

 

「おう、それがどうした。さっさと道を開けてくれないかな」

グレイは強めに言ったのが喧嘩を売ったと勘違いしたのだろう、不良は皆立ち上がり机や椅子を放り投げ5人を囲む

 

「茜ちゃんと汐音ちゃんと酩さんは俺と蒼依の後ろに隠れて」

グレイとヴラディミールが女3人を挟む形で喧嘩が始まってしまう

先程道を塞いできた男が殴りかかってくる

 

「これならキリストの方が強いんじゃないかな」

一歩だけ動き男の首を打ち気絶させる

それが狼煙を上げたようで一斉に襲いかかってくるが、二人はそれを物ともせず数分で片付けてしまう

 

「さて、休み時間も終わるし君たち席に戻ったら?」

ヴラディミールは玩具に飽きたように言い、椅子に座る

グレイたちも同様に席に着き、やがて教師が来るのだが不良全員が規律正しく机に足も乗せず、タバコも吸わずただ席に着いているその光景に教師は驚いていた

そしてその日の授業が全て終わると校長がシャドーの元へ訪れた

 

「校長ですか、俺に何か?」

 

「あぁ、君のクラスの前の担任が生徒会の顧問でね。君に引き継いでもらいたいんだ」

校長はふっさり伸びた白い髭を撫で、笑顔で言った

 

「俺がですか?いや、俺新人ですよ?そんな生徒会の顧問なんて...」

 

「まぁまぁ、肩の力を抜いて。ね?」

校長はどうしてもと言う感じだった

 

「...了解です、引き受けます」

 

「おぉ、そうか!じゃあ早速生徒会室へ行ってくれ」

 

「了解です、では」

シャドーは軽く頭を下げ生徒会室へ向かう

扉の前に着いたのだが...明らかにおかしい

何がおかしいかと言うと扉の豪華さがおかしい、金銀などで聖母が彫られたりもしている

 

「これ、頭おかしいだろ...」

 

「それは心外ですね。美しいじゃないですか」

 

「俺には理解できん、こんな実験材料に使えそうな物をわざわざ装飾に使うなんて...」

シャドーは恐る恐る銀で造られた取手を掴み扉を開き中へ入る

 

「待って下さい、ここは生徒会室ですよ?」

 

「あぁ、申し遅れた。今日より生徒会顧問になった間淵京助だ、以後よろしく」

 

「そうでしたか。生徒会会長、神呪寺(かんのうじ) 久代(ひさよ)です」

 

「よろしく、ちなみに。ここ喫煙?」

 

「ダメに決まってるじゃないですか」

 

「そうかそうか」

シャドーは生徒会室の近くにある自販機から缶コーヒーを買い、半分ほど飲むと胸元から煙草を吸い生徒会室の窓を開けそこでタバコを吸う

 

「こんなのがよく生徒会の顧問に...」

 

「この学校をあまり良い学校と思うな、お前の待遇がいいだけだ」

吸殻を缶の中にいれ窓から茂みに落とし窓を閉めてから深く息を吐き部屋を見渡すと部屋の隅に地下に伸びる階段を見つける

 

「地下があるのか?」

 

「あ、はい。と言っても使ってないんですけどね」

 

「ほう、じゃあ俺に使わせてくれないか?」

 

「別にいいですが...何に使うんです?」

 

「なにって、そんなの決まってる、錬金術だ」

 

「そんなのあるわけないじゃないですか」

 

「目の前にいる教師は錬金術師なんだが」

シャドーはスマホをズボンの尻についているスマホを取り出し家に通話する

 

「もしもし、京助だ。倉庫にある坩堝(るつぼ)とか炉とか金床とか蒸留器とか鉱石とか全て俺のいる学校に持ってきて生徒会地下室へ運び込んでくれ」

 

「了解ですっ」

活きのいい声がすると通話は切れる

シャドーは袖をまくり地下室へ入り掃除を始める

それから30分で荷物が届き次々運び込まれる

 

「これで全部か?」

 

「はい!京助さんの倉庫にある私物は全て持ってきました!」

 

「そうか、ご苦労。沙希に話は通しておく」

 

「ホントですか!?ありがとうございます!では失礼しますっ」

白いスーツに柔らかい金髪の青年は小走りで外へ出ていく

 

「さて...ここからは煙突を作らないとだな...ダクトに上手く繋げるか...まずはゴーレムで穴でも掘らせるのが先だな」

シャドーは木箱から札を取り出しペンで札にemethと書き、膠を水で溶き別の木箱から土を取り出しD○シリーズに出てきそうなゴーレムを作り胸に札を貼る

するとゴーレムは動き出す

 

「これで錬金術はあると分かっただろう?」

 

「そんなの魔術的です!イエス様の意思に反します。やめてください」

 

「悪いな、キリストは大嫌いでね。お前の定休日は土日だ。仕事が終わるかそれまでは働いて貰う。お前たちの仕事はまず最初にこの壁に穴をあけそのあとに鉄を貼ってもらう。穴をあけるのは理科準備室にしてくれ。ここだ」

そう言うと地図を取り出しそこを指差すと、ゴーレムは動き出す

シャドーは炉などの設置を始めた

それから一時間でシャドーは鉄を使いダクトと同じ形の鉄の筒を作る

一息つくと扉が開く

 

「ども~っス新しい顧問が来たって本当っスか?」

 

「そこにいる先生が新しい顧問ですよ」

神呪寺が手をシャドーに向ける

 

「あ、どもっす!会計の中西 (ひかる)っす。以後よろしくっス!」

 

「よろしく」

と言って首にかけた名札を見せてソファに座り一息つく

それからわらわらと人が入り始める

 

「会長、その方が新しい顧問ですか?」

黒い長髪にすらっとした高身長の眼鏡をかけた女生徒が神呪寺に問う

 

「えぇ、そうです」

神呪寺はいつの間にか紅茶を淹れ始めている

 

「んじゃみんな集まりましたしここらで自己紹介でもしましょうよ~」

中西が読んでいた漫画を閉じて大きな声で言う

 

「そうですね、とりあえず名前だけでも」

 

「じゃあ改めて。間淵 京助、2年B組の担任で化学の分野を担当している」

 

「あれ?間淵ってどこかで...」

中西が思考を何かに巡らせる

 

「恐らくだがクリュエルファミリーと言うギャングのボスの名前が間淵だ」

 

「それだ!確か間淵 沙希ですよね?」

 

「あぁ、そいつは俺の嫁だ。ちなみに俺もクリュエルファミリーに属している」

 

「へぇ...あっ、クリュエルってなんか意味あるんですか?」

 

「フランス語で残忍と言う意味だ。世界は平然と残忍な運命を押し付けてくる、それに歯向かうギャングと言う意味合いでつけられたそうだ。そして脱線しているな、話を戻そう」

シャドーは噛みタバコを鉄の箱の中に吐きだし新しい噛みタバコを口に入れる

 

「生徒会会長の神呪寺 久代です」

 

「生徒会副会長の安藤 智久(ともひさ)です、どうも」

安藤は柔らかい笑みをこちらに向けてくる

短い黒髪に丸眼鏡、身長は小学生と間違えるほど小さい。ぱっとみ140cm後半だろうか?

 

「同じく副会長の杉岡 明見で~す」

眼鏡をかけたポニテの少女が元気そうに自己紹介する

 

「書記の中西 光っス!」

 

「か、会計の椎名 長門です」

長い髪を低いところで結び前に垂らしているパッと見地味な少女が気弱そうに挨拶をする

 

「さて、自己紹介は終わりだな...ん、終わったか。ご苦労」

自己紹介が終わると共にゴーレムが仕事を終え戻ってくる

シャドーはゴーレムを皿の上に乗せemethのeを消し、ゴーレムをただの土人形に戻しごみ箱に捨てる

 

「さて、炉の調子を見てくるか」

地下はもう熱気に包まれていてシャドーはスーツを着て入れず脱ぎ椅子に掛けて、炉にふいごを拭く

何故か他の生徒たちも地下へやってくる

 

「な、なんで脱いでるんですか!」

神呪寺が声を荒げる

 

「お前、このクソ暑い中でなんの対策もせずに続けたら倒れるぞ」

そう言いながら坩堝に砂鉄を坩堝の中が半分埋まるまで入れ、木炭の粉末の量や木炭の量、そして生木の量を計算しゆっくり熱を高めて砂鉄を溶かしていく

 

「お前ら、見たいんなら体育着にでも着替えろ」

シャドーは炉から少し目を離し塩を舐めてから水を飲む

神呪寺は見なかったが他の奴らはすぐに更衣室まで行って着替えてきた

 

「今日の仕事はこれがある程度不純物が取れてからにする」

 

「分かりました、では私が一人で出来ることをしてます」

神呪寺はそう言って上に上がる

 

「先生はもう自分の仕事は終わってるスか?」

 

「当たり前だ、あんなのより沙希の溜めた書類を捌く方がキツい」

いい感じに熔けてきた鉄の上に浮いた不純物を柄杓で掬い、バケツの中に入れる作業を一時間続ける

 

「せんせ~、もう二時間くらいしかないからそろそろ会議始めませんか~?」

上の様子を見に行った杉岡がそう言って戻ってくる

 

「ん、もうそんな時間か。分かった今行く」

シャドーは坩堝を炉の上から退かすが、炉の火は消さないで上に戻る

 

「お前達、炉は基本的に1500度以上を保っている。消えたら大変だし下手して触ったら火傷じゃ済まない。だから地下に入る際は気をつけろ」

生徒たちは返事をして更衣室で着替えてくる

 

 

「今日の議題は部費の削減です」

 

「部費の?なんでまたいきなり。部費もそこまで多めに与えてるわけでもないですし」

光が口を挟む

 

「確かに部費の金額に関しては問題ありません、ですが...我が校の不良の多さは知ってしますでしょう?一部の不良集団が商店街で喧嘩したりなどで物を壊すことが多いのです。そしてその弁償金を払わなくてはならないのです」

神呪寺が困った様に目頭を揉む

 

「額はどれほどなんです?」

 

「多めに見て一千万ほどでしょうか...?」

 

「流石にそれは多すぎるな、多少なら俺が負担するが」

 

「し、しかし...」

神呪寺が申し訳なさそうな顔をする

 

「少しくらいはそいつらにバイトをやらせて償わせると言う事にして、な。一千万は子供で何とかできる額じゃない。大人でも危ういくらいだ、幸いうちのギャングは大儲かりだからな、一千万くらいなら負担できる」

 

「部費削減の案は無しだ。俺が払うと言う事により解決だ」

 

「で、では次の議題に...」

神呪寺が次の事を離そうとすると唐突に扉が蹴り開かれる

 

「ここが生徒会か、ここの奴らを潰せばこの学校は逆らえなくなるんだよな、坂本」

丈の長い学ランに黒いTシャツ、そしてだぼだぼのズボン

 

「えぇ、生徒会と言う中枢組織を支配すれば学校側も手を出しにくくなるはず」

 

「何言ってやがる、たかだかガキが運営してる組織だぞ。そこまででかい組織なわけないだろ。つかお前ら名前を言え」

 

「あ?人にものを聞くときはお願いしますだろ?」

 

「はぁ?ガキに使う敬語は持ち合わせていなくてな」

シャドーはほくそ笑みタバコを吸う

 

「亮太さん、こいつはたぶんですが...ギャングのボスの夫の間淵です」

坂本と呼ばれてた腰ぎんちゃくが亮太と言う奴に耳打ちをする

 

「え?ギャング?は、ははっ、俺は優しいから名乗ってやるよ。梅沢 亮太だ!」

 

「坂本 裕一郎です」

 

「じゃあお前ら、減点な。後で校長にも報告した方がいいか...」

メモに名前と減点と書き座ろうとすると放送が流れる

 

『この学校に不審者と思われる者が数名侵入しました、直ちに避難してくださいっ』

放送は荒々しく切られ、校内は騒めく

 

「梅沢と坂本はもう帰れ、危ないから」

シャドーは放送の内容に興味を示さず座りタバコを吸う

 

「あ、あんたはどうするんだよ」

 

「俺は教師だから何とかしないといけないんだよ」

 

「その割には随分のんきですね」

神呪寺が恨めしく睨め付ける

 

「俺は強いから最終兵器ってことで」

するとまた放送が鳴った

 

『この学校は我ら中国ギャング、叉焼会(ちゃーしゅーかい)が占領したアル、間淵 京助早く出てきて我らの相手するネ』

エセ日本語っぽい発音と語尾の少女の声には聞き覚えがあった

 

禁止(ジンチー)恶魔(ウーモー)じゃないか、あの小娘俺が生きてるって情報どこから手に入れやがった」

タバコの煙を深く吐き立ち上がる

 

「やっと行くんですか?」

 

「昔からの付き合いのギャングが来たとあらば出迎えてやらないとな」

にやりと笑ってから放送室へ向かう

 

「やっと来たネ、間淵」

 

「久しぶりだなウーちゃん、前に会ったのは...5年くらい前だったか。でかくなったじゃないか」

ジンチーの頭を撫でてから頭を掴み、窓に向かって投げる

 

「お前ら、これからお前らのボスと戦ってやる、だから学校の奴ら全員を解放しろ。いいな?」

胸元から拳銃を取り出し一人のこめかみにあてがう

そいつは頷き皆に命令をする

シャドーは2階まで降りてから飛び降りて、ジンチーを投げた所まで歩く

 

「いきなり投げるのは反則アル!」

 

「気を抜き過ぎるお前の青さ故だ、自分を責めろ」

シャドーは唐突に回し蹴りをジンチーに喰らわせるがそれはジンチーの華麗な身のこなしにより不発となる

 

「何度も同じ手は喰らわないネ!」

次はジンチーの高速の蹴りを腕で受けきってから顎を真上に蹴り上げ足を掴んで地面に叩きつける

 

「いった!痛い!」

 

「おいおい、これくらいで根を上げるなら俺を呼ばないでくれるか?つまらなくて痛ぶり甲斐も無いんだが」

ジンチーの髪を掴み、自分の顔と同じ高さまで持ち上げてから手を離して蹴り飛ばす

もはや立ち上がる気力も無さそうに地面に突っ伏しているジンチーを横抱きし、保健室に連れて行き手当てをしてからベッドに寝かせる

 

「き、君相当強いんだね...」

教頭が苦笑と微量の媚の色を孕み声をかけてくる

 

「これくらい普通ですよ、あいつを泣かせるくらいうちのギャングなら子供一人で充分です」

保健室でジンチーの様子を見てると不意に扉が開く

 

「叉焼会のボスが来てると聞いたんだが本当か?」

沙希が少し焦った顔で扉から飛び出てくる

 

「あぁ、学校を制圧とか戯言言ってたから懲らしめておいたぞ」

シャドーは空き缶を持って窓際に行きタバコを吸い始める

 

「ジンチーとお前って実力はほぼ同等じゃなかったか...?」

 

「いつの話をしている、俺はもう48億年と戦ってきたんだ。もう経験に差が付き過ぎてるんだよ」

シャドーは半笑いを浮かべ煙を吐く

 

「まぁ、そうか」

それからは長い沈黙が続き、それを破ったのはジンチーの呻き声だった

 

「うぅ...容赦ないネ」

 

「弱いぞジンチー修行し直せ

缶のタブで火を消して中にタバコを入れて窓枠に置いてベッド近くの椅子に座る

 

「これでも叉焼会の中じゃ一番なんだぞ!」

 

「それでよくやってこれだな、全体的に戦力を上げろ。そのままじゃいつか消されるぞ」

 

「と言っても鍛練法がもう...」

 

「なら私のギャングと手を組め、そしたら京助が直々に稽古をつけてくれるぞ!」

 

「は!?おまっ」

 

「これも目的の為なんだ許してくれ京助」

沙希は小声でそう言い、にやりと笑みを浮かべる

 

「お前...まだ諦めてなかったのか。ギャングの統一?だっけか」

 

「あぁ、ギャングによる争いを作るのではなく、ギャングが作られた争いを潰すんだ。あの爺さんは今でも私に肩入れしてくれてるよ」

 

「へぇ...」

 

「のうのう京助、それは本当なのか?稽古つけてくれるアルか?」

 

「ぐ...はぁ、分かった。稽古をつけてやる代わりにクリュエルファミリーと共同関係になってもらう。いいな?」

 

「合併ではないアルか...?」

 

「俺と沙希の目的は飽くまでギャングの統一だ。それにお前は親父からそれを受け継いだんだろ、簡単に壊して良い物でもない」

 

「そうか!なら喜んでを貸すヨ!」

ジンチーは笑顔でシャドーの足に抱きつく

 

「あのな、さっきまで敵だったのになんでそんな気を抜ける?」

 

「何を言ってるネ、京助と私は幼なじみアルよ?」

 

「お前だけがな。俺からはただのお前の親父と仲が良かったから面倒を見てやっただけで...」

 

「でも幼なじみネ!」

 

「分かったからそんなムキになるな、めんどくさい。とりあえずお前は本拠地に戻って体制を整えろ、人手が足りないならうちの奴らを貸すが」

 

「じゃあ...12人ほど貸してもらえるネ?」

 

「別にいいが、そんなにどうするつもりだ?」

 

「この前別のギャングに狙われて本拠地ボロボロネ!」

 

「なら護衛の意味も含めて指折りの奴を5人ほど寄越すか...」

 

「あ、私は雪音を...」

沙希が急いで出ようとするところをシャドーが止める

 

「待った、今回は俺が行く。雪音とは全く関わり持ててないからな、これじゃあ父親として悲しい。沙希はこいつらに人を寄越してやってくれ、指折り5人と他7人だ」

シャドーはそう言ってから雪音のいる幼稚園に行く

 

「雪音の父親です」

 

「じゃあ今呼んできますね。雪音ちゃ~ん、お父さん着たよー」

幼稚園の先生が雪音を呼ぶ

雪音はお父さんと言う言葉に反応し走ってくる

 

「お、お父さん」

あまり表情を変えなかった雪音の笑顔を初めて見た

 

「帰るぞ、お母さんも待ってる」

 

「うん。あ、お父さん.あの...ね、肩車してほしい」

雪音がおずおずと口にする

 

「お母さんにはやってもらえなかったんだな、分かった」

シャドーはしゃがんで雪音を首に乗せて立ち上がる

 

「わぁ、高い...」

雪音は怖がる様子もなく眺めを楽しんでいた

 

 

「ただいま」

 

「ただいま~!」

家に着いた頃には雪音はご機嫌だった

 

「おかえり~、わっ。パパシャドーくんだ!!みんなー!シャドーくんがパパになってる!!」

アザトースが出迎えてきたと思ったらいきなり訳の分からないことを言い出して他の奴らの目線が刺さる

 

「おう、なんだお前ら。俺が父親してたらおかしいっていうのか?」

ギャングの部下にも奇異とウザったらしい笑みの視線を向けられる

 

「いや、おかしいですって。間淵さんのキャラじゃないですもん」

 

「そうそう、間淵さんは敵陣地行って暴れて、家ではボスの尻に敷かれてるのが間淵さんですもん」

部下のうち二人が爆笑する

 

「なんだろう、最近ギャング1の実力者としての威厳が無くなってきた気がするんだが」

シャドーは苛立ちと劣等感を感じながらタバコを吸おうとする

 

「お父さん、タバコは体に悪いから吸っちゃいけないんだよ?」

雪音がむぅとしてシャドーに注意する

 

「はっはっは!子供にも言われてやがらぁ」

 

「お嬢、お父さんは何言ってもタバコはやめないから言っても無駄ですよ」

ギャングの部下の二人は啜り笑う

 

「そうなの?」

 

「ま、まぁ。吸うのをやめるやめないでお母さんとも相当喧嘩したからな」

 

「絶対やめないの?」

 

「あぁ、やめない」

 

「そっか、ならいいや」

 

「じゃあ俺は部屋に戻るけど、雪音はどうする?」

 

「私は~...なにしようかなぁ」

 

「じゃあ雪音ちゃんは私と遊びましょ?」

いきなりメルタが雪音にずいと詰め寄る

 

「シャドーくんの娘さんなんて、ふふっ。可愛いわぁ」

メルタは雪音に頬擦りしたり撫でたりとむちゃくちゃにする

 

「おい、俺の娘は人形じゃないんだが」

 

「でも人形みたいに可愛いわよね!」

 

「...そう?お父さん、私可愛い?」

 

「まぁ、可愛いんじゃないか?俺のストレートの髪にお母さんの綺麗な金髪。顔だちも悪くはないと思う」

 

「いや間淵さん、美男美女からブスは生まれませんって」

 

「褒めても何も出ないしそもそも自分をそう思ったことは無い」

シャドーが部屋に向かって歩こうとするときインターホンが鳴ったらしい

 

「間淵さん、なんか四季映姫って人が呼んでるんですが」

 

「はぁ?四季映姫!?なんであいつここに居るんだよ」

シャドーは軽く取り乱しながらも通せと部下に言う

そして所変わって応接間

 

「こほん、ではここに来た理由を言います。なんでまた幻想郷から姿を消したんですか?」

 

「なに、紫言伝(ことづて)でな。こっちで暴れてるSCPと呼ばれる化け物を何とかしろってことでやったんだが。色々あって一児の父親になって、今は教師として現世で働いている」

 

「色々説明が飛び過ぎですよ?自分で見るのでもういいです」

映姫は手鏡を取り出してそれを見つめる

 

「なるほど、事は分かりました。ですがまたあのように仕事を溜められても困るんです...」

 

「あぁ、この前は済まなかったな。礼を持って来よう」

シャドーは自分の部屋の冷蔵庫から何個か箱を持って戻る

 

「和三盆と言う和菓子と高い茶葉だ。帰ったら食ってみてくれ」

 

「あ、貴方にも謝罪や礼を言えるんですね...少々意外です」

 

「初対面に問題があったが礼などが言えない訳じゃない。仕事の件は...そうだな、俺の所へ執務室へ書類を転送してくれれば出来るんだが」

 

「そうですか?じゃあ転送する籠を持ってきているので...どうぞ」

映姫は持っていたカバンから籠を取り出して渡してくる

 

「分かった。じゃあ週末に幻想郷に帰って状況を見てから書類を埋める感じか」

シャドーは灰皿に手を伸ばし寄せてからタバコを吸う

 

「喫煙を咎めるつもりはありませんが吸い過ぎは体に毒ですよ?」

 

「ただ前から吸ってたものだからなぁ、それにタバコ吸ってないと俺じゃない気がしてならない」

 

「本当の愛煙家ですね...分かりました、そんなに言うならもう言いません。ではお仕事お願いしますね、私はこれで」

 

「待った、今日はもう遅い。泊まってけ、部屋なら腐るほどある」

 

「ですが...家族水入らずで話しては?貴方もこちらには最近来たばかりのようですし」

映姫は本当にそれを気にしているようだった

 

「なに、娘とはもう仲良くなったさ。問題ない」

 

「...で、ではお言葉に甘えて」

少し悩んだ後に笑顔で答える

その日は食事も賑やかになり女性陣は風呂に行き男性陣は各自の部屋でゆったりしていた

シャドーはと言うと、自室で写真立ての中に入っている1枚の写真を見て右手を顔にあてがい涙を流している

 

「ミシェル...守れなくて済まない」

シャドーはその時を思い出して悔やむ

 

「兄さ~ん、風呂空いた...って、またミシェルさんの事?」

 

「まぁ、な。風呂が空いたんだろ?行こう」

シャドーは涙を拭き風呂場へ行く

 

「今度墓参りでもするか...」

グレイたちと風呂に入ってる時に重要な事に気が付く

 

「あっ、生徒会室の地下に転移の魔法陣を書くの忘れてた...」

 

「それになんか問題でもあるの?」

グレイが浴槽の縁に顎を乗せてのんきに聞いてくる

 

「あそこに錬金術に使う炉をとか色々置いてあってな...このままだと炉の火が消えてまたつけないと...」

 

「うわ、さっさと上がってふいご吹いて来いよ」

 

「そうする、じゃあさっさと洗わないとな」

シャドーは吸血鬼となり流水に痛みを感じながらも体と髪を洗い学校まで走る

距離はあったが吸血鬼の体では一瞬だった

そして体を黒い霧に変えたりして扉を潜り抜け生徒会の部屋まで来ると人の気配を感じる

コートの裏から短剣を取り出し忍び足で近づきそいつの首元に短剣の刃をあてがう

 

「貴様、何者だ」

 

「俺はここの化学専門の教師、灰梠(はいのき) 冬獅郎だ」

 

「灰梠...なんだ、同僚か。しかしなぜ貴様がここにいる」

 

「こっそりこの学校にダクトを作ろうと思っていたらもうできていたからその先をゴーレムに探させて、案内されたのがここだ」

 

「ふん?貴様も錬金術を扱えるのか」

 

「独学だが一応錬金術師だ、それよりそろそろお前の事も話せ」

 

「あぁ、済まない」

シャドーは短剣をしまい名前を言う

 

「俺は間淵 京助。お前と同じく化学専門教師だ」

 

「間淵?そいつはもっとでかくて...髪も短かったし、第一男だった」

 

「失礼だな、今も男だよ。これならわかるだろ」

シャドーは人間に体を変える

 

「それが俺の知る間淵だな。お前変身できたのか?」

灰梠が少し興味を示す

 

「俺は吸血鬼なんだ、訳合って人間に種族を変えこうして生活しているわけだが」

シャドーはふいごで炉に空気を送り、火の粉を上げる

 

「へぇ...で、お前はどれほどの腕の持ち主なんだ?」

 

「まだ初心者さ。賢者の石の作り方は一応知ってるが...本当かもわからないからな」

 

「へぇ。で、今日は何しに来たんだ?」

 

「転移魔術の魔法陣をここに書くのを忘れて急いで炉にふいごを吹きに来た」

シャドーは大きな本棚を動かし人一人通れる程度の通路を10m程の距離まで妖刀で斬り、そこから12畳程度の間を作り、奥の壁に魔法陣を書く

 

「刀で壁を!?」

 

「静かにしろ。それに普通の刀じゃない、妖刀だ」

妖刀を鞘にしまい別の魔法陣を開き、その中へ投げ入れてタバコを吸う

そしてその通路の入口に木製の扉を付けてそこを本棚で隠す

 

「これで完成だな」

 

「こんな大掛かりな物をこんな短時間で作るってお前...それよかバレないか?」

 

「バレたら金で黙らせるか消せばいいだけだ、問題じゃない。じゃあ俺は帰るけどお前もなるべく早く帰れよ」

シャドーは学校を出てからバイクを創り、それで帰る

 

 

「ただいま...です」

普通に扉を開けて中に入ると意外な人物が目に入ったため、急いで敬語を付け足す

 

「お前は私の上司なんだから敬語はやめにしないか」

大柄な男性は愉快そうに笑って豪快に生えた髭を撫でる

 

「いやいや無理ですよそんなこと。服部さんにタメ口は利けないです、はい」

 

「はっは、戦場では棘だらけの鞠のようなお前でもこんなに俺の前じゃ丸くなるなんてのは面白い物があるな」

 

「とは言っても本当、服部さん服部さんには頭が上がらないですから。戦場での立ち回りを教えてくれたのだって服部さんですしね」

 

「なぁに、あれは沙希さんを危険な目に合わせないためだ。沙希さんは相当お前を気に入ってたからな」

 

「本当、なんで気に入られたのか未だ良く分からないです」

二人は数分話に花を咲かせ、汐音がやってくるまで話していた

 

「京助さん、ちょっと来てくださいよっ」

汐音は何やら嬉しそうな顔でシャドーの手を引っ張る

 

「あ~?」

シャドーはとりあえず引っ張られ、リビングへ着くとジンチーを含めた全員が集まり割り箸の入った缶を中央にして、それ囲うように座っている

 

「お前ら、まじでやるの?つか何で服部さんまで...」

 

「面白そうじゃないか、やろう」

 

「...わかりました。じゃあ」

 

『王様だ~れだ!!』

 

「あっボクだね!」

王様はアザトースだった

 

「じゃあ...」

ここでボクがシャドーくんとムフフな展開にさせられるような命令を...

 

「2番は王様とキス!」

 

「お、おい。まじかよ...」

シャドーは割り箸に書かれた番号を見て震えている

 

「え?ホントにシャドーくんだった!?やった!!」

 

「さ、沙希。今回は許せよ?し、仕方ないんだから」

 

「私の事は気にするな、やれやれー」

沙希は本当に楽しんでいたようだった

 

「あ、いいこと考えた」

シャドーは自分の指に唇をつけ、それをアザトースの唇に重ねる

 

「か、間接キス...えへへぇ...」

 

「た、単純な奴め」

 

「ちっ、つまんねぇなぁ」

グレイが悪態をつく

 

「つ、次だ!」

 

 

『王様だーれだ!』

 

「はーい」

グレイが手を挙げてタバコを咥える

 

「じゃあ...3と6で胸を揉み合う」

 

「私と...」

 

「私アルネ。わ、私揉む胸無いヨ...」

 

「け、形式上揉み合えばいいんだろう」

沙希は特に何の気も見せずジンチーの胸を触るが、ジンチーは恨めしさと羨ましさの混ざった複雑な眼差しで沙希の胸を揉む

 

「じゃあ次」

グレイはレイラに膝枕をせがむ仕草をしてレイラの膝に落ち着く

 

『王様だーれだ!』

 

「おや、僭越ながら私ですな。では...4と7が私と腕相撲を」

ニッコリ笑うと部下が石造りの机を持ってくる

 

「僕と...」

ヴラディミールが割り箸を見て少し震える

 

「ボクだね」

 

「では、始めましょう」

服部は机に2つ腕を置く

 

「二人同時にってことか、折れても知らないからね」

二人は服部の手を掴み力を掛けるが、勝ったのはアザトースだった

 

「ヴラディミール殿は少々力不足ですなぁ、その点アザトース殿は力の使い方を良く知っておられる」

服部は嬉しそうに髭を撫でる

 

『王様だーれだ!』

 

「ほう、俺か。俺の命令はちっとばかしスリリングだぞ。6と7にロシアンルーレットだ」

シャドーは懐にかけていた2つのコルトパイソンを取り出す

 

「比率は各自選ばせよう」

 

「じゃあ私は6分の5で頼むぞ」

服部は面白そうな笑顔で答える

 

「さすが服部さん、分かってらっしゃる」

左側のコルトパイソンの弾を一個だけ抜く

 

「わ、私は...六分の2でお願いします」

右側のを4つ抜く

 

「じゃあいくぜ」

ハンマーをゆっくり引き、ゆっくりトリガーを引くと右側から銃声が聞こえる

すると辺りは静まり返り、映姫のこめかみからは紅い液体が滴り落ちている

 

「ま、まじ?」

グレイが驚き声を絞り出す

周りの部下が手当てしようと近寄るがシャドが制止する

 

「起きろ映姫、芝居は上手くいった」

 

「...へ?芝居?」

 

「この弾薬は血糊が炸裂するように造った弾で実弾ではない。映姫、薬莢を逆さにして振ってみろ」

映姫は言われた通りにすると中から悔悟棒を模った金色のネックレスが入っていた

 

「いつもお疲れって言うことでご褒美だ。さぁ、次でしまいだ」

ネックレスを見て嬉しそうにしている映姫を他所に掛け声を出す準備をする

 

『王様だーれだ!』

 

「は~い」

雪音が手を上げる

 

「じゃあねじゃあねっ7が4を踏む!」

 

「おいクソアマ、お前雪音に何教えたぁ!」

シャドーは驚き沙希の胸倉を掴む

 

「い、いや...別にSМプレイなんて教えてないぞ」

 

「まだ幼稚園児なんだからそう言うのは教えるな馬鹿野郎が!せめて小6からだろうが!!」

 

「しょ、小6でいいのか...?」

服部が突っ込む

 

「性に興味が出るのは仕方ない事なんで、せめて物事をしっかり考えられる年になってからそう言う知識をつけてもらいたいんです。下ネタは時に話題を作るうえで必要ですしね」

 

「じゃ、じゃあ踏むぞ?」

素足のレイラがおずおずとうつ伏せになったヴラディミールの背中の上に足を動かす

 

「どうぞ、別に殺したりとかはしないんで安心してくださいよ」

 

「あ、あぁ...」

レイラはもう投げやりな感じでヴラディミールの背中に足を乗せる

それを見てグレイは羨ましそうにヴラディミールを見ていた

 

「さて、お終いだな。明日も早いぞ」

シャドーは先に自室へ戻りベッドに入る

 

「お父さん、一緒に寝てもいい?」

雪音が兎のぬいぐるみを抱きながら部屋に入ってくる

 

「そうだな、いいぞ来い」

シャドーは雪音が真ん中に来れるように端に寄る

雪音はベッドに潜り込みそれからすぐに寝息が聞こえる

 

「寝つきいいな」

シャドーは雪音を軽く撫でてから目を閉じる

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