今回からリメイク前にあった人襲異変篇です!
あの頃はただ技名を叫ぶの身しか能がありませんでしたが今回はしっかり描写等できると思いますのでどうか生暖かい目で見て頂けると幸いです。
アドバイス等も大歓迎ですよ!
一難去ってまた一難、人襲異変開始
朝起きるとシャドーは人間の姿で服を脱ぎ、黒い着物に着替え帯に妖刀を差し、クローゼットから丈の長い赤黒い色の羽織を袖に通し自室を出る。
「わっ、シャドーさんかっこいい!」
汐音はシャドーを見るなり腕に抱きつく。
「久しぶりに着てみようかと思ってな」
そのままリビングに行き、だらだらと寝転がっているアザトースとメルタをどかしてソファに座る
「いった~い!何するのさぁ...」
「ほんとよぉ...痛いわねぇ」
「怠惰になり過ぎだぞ。ともあれ今日は用事があるからお暇させていただく。お前達もだらけ過ぎないようにしろ」
「私もついて行っていい?」
汐音が遊びに行くかのようなテンションで聞いてくる。
「まぁ、いいか。山を登るから動きやすい服装で来るんだ」
「は~い」
汐音は玄関で外の世界で使っていたスニーカーを履く。
シャドーは一枚歯で高めの下駄を履いて外に出る。
道中射命丸と部下と思わしき白狼天狗と出会うが、会釈を交わすだけで通り過ぎ目当ての諏訪大社へと向かう。
「守矢、神社?あぁ、そう言えば改名したんだよな」
懐かしみながら階段を上り鳥居を潜ると緑髪で見覚えのある特徴的な巫女服を着た少女が居る。
「参拝客の方ですか?」
「いや、武甕槌の建御名に会いに来た。ここの二柱だと思うんだが」
「...?ここに祭られてるのは諏訪子様と神奈子様ですよ?」
「ならその二人に会わせてくれ」
「分かりました。こちらです」
少女は訝しげにこちらを見てから案内する
「神奈子様、諏訪子様。お客様です」
「客なんて来る予定はないはずなんだけどね、いいよ通しな」
「はい。ではどうぞごゆっくり」
「あぁ。お、やっぱり武甕槌じゃないか。久しいな」
「なっ、シャドー様!?帰っていらっしゃったのですか!?」
武甕槌と建御名建御名は驚いてシャドーをみる。
「なんだ、天狗の新聞を見ていないのか?最近帰って来たんだ。それよりお前達名前変えたのか?」
「はい、現世から身を引いて神奈子、諏訪子と名を改めました」
「ふむ、それならもう主従関係もクソもないだろう。敬語はやめろ」
シャドーは畳に座り頬杖をつく。
「で、ですが...」
神奈子は困った様に苦笑を浮かべる。
「ですがじゃない。俺はもうイザナギの行う政治には参加していない、どうせ大和の神の中でも俺はもう居ない者扱いだろう?それならもう上下関係も存在しないだろ」
「わ、分かりました...」
「んでさシャドー、その隣にいる子は?」
諏訪子が割って入ってくる。
「こいつは汐音、俺が前面倒を見ていた海波の子孫らしい。前と同じく面倒を見ているわけだ。海波よりは遊びたい盛りだがな」
「へぇ、でもまぁ似てるっちゃ似てるのかなぁ?ねぇ、神奈子」
「確かに、似てることは似てるねぇ。後は時代の変化だねぇ」
「あ、あの...まじまじ見られると恥ずかしいですが...」
「あぁごめん。で、今日来た理由は?」
諏訪子が話を切り替える。
「お前たちの顔を久しぶりに見ようかと思っただけだ」
「暇だねぇ」
「お前らほどじゃないさ。俺には一応仕事がある」
「言ってくれるじゃないか。まぁ、確かに間違ってはないんだけどね。早苗に任せてるし」
「可哀想な娘だな。今度労いの品でも持って来ようか...と、そろそろ戻るぞ汐音」
「は~い」
シャドーは家に戻るとゆっくり紙にペンを走らせ仕事を片付けていきその日を終える。
「ねっねっ、シャドーさん!起きて!!」
朝っぱらから誰かに体を揺らされる。
「なんだよ...まだ起きるには早いだろ...」
シャドーは休日の会社員のようにベッドに張り付いている。
「寝てる場合じゃないの~!人里の人が襲われたんだからぁ!」
「そんなの妖怪が居る限り日常茶飯事だろ...頼むから寝かせてくれ...」
「呑気な事言ってられないの!大勢の人が一斉に大怪我してるんだからね?霊夢さんたちも異変て言って動いてるし」
「異変解決は巫女の仕事だろ...俺は妖怪だ」
「で、でも...」
汐音は悲しそうに胸元で両手を強く握っている。
「はぁ...行ってやりたいのは山々なんだがな?俺は妖怪の長。そんな簡単に手を貸してやると人里の人間も妖怪への恐怖心が薄れて妖怪の弱体化につながるんだ。それを防ぐためのやむをえないことなんだ。分かってくれ」
「うぅ...わかった...とりあえずご飯出来てるから早く起きてね?」
そう言うと汐音は落ち込んだ様子で部屋から出ていき、それと同時にシャドーも起き昨日の着物に着替える。
それから飯を食い人里へ向かう。
「確かに
タバコを吸いながら人里を歩いていると急に人に呼び止められる。
「シャドー!」
「なんだ、魔理沙じゃないか。お前も異変の調査か?」
「まぁ、そんな所だ。いきなり人里の人間が大勢重症なんて普通じゃ有り得ないからな。その時は妹紅と蒼痲っていう外来人が永遠亭まで案内したり出張で怪我の治療をしたりしたんだ。多分今でもやってるぞ?」
魔理沙は箒から降りて話し始める。
「思ったより
「なんだ、前みたいに解決してくれないのか?」
「当たり前だ。そんなほいほい妖怪が人間を助けると恐怖心が薄れて弱体化につながるからな」
「めんどくさいんだな」
「そうだ、お前たちが飯を食わんと死ぬようにここでは妖怪による恐怖心が必要なんだ。まぁ、いざと言うときは俺が動くんだがな。人里の人口の3分の1くらい減らしてやるさ。最悪二人だけ残すかもな」
「お、おいおい物騒な事言うなよ」
魔理沙が顔を引きつらせているところをシャドーが楽しそうに見てると声を掛けられる。
「わっ、シャドーくんと魔理沙さんじゃない。どうしたの?」
蒼痲が医療道具持って忙しそうにしてこっちにやってきた。
「なに、今回の異変の事でちょっと話し合いさ。俺は手を出さないがね」
シャドーは吸殻を携帯灰皿の中にいれて新しい物を吸う。
「えぇ~シャドーくんは見てるだけ?」
「そうだ、せいぜい頑張ってくれ。俺は酒でも飲みながら見てるから」
「うわぁ性格悪いなぁ...」
「まぁ、ヤバそうだと思ったら手助けはするさ」
「まぁ、それなら保険にはなるかな。とりあえず僕もこんなところで油売ってると永琳さんに怒られるから行くね~」
「それじゃあ私もお暇するぜ」
蒼痲はそう言うと竹林がある方へ走っていき、魔理沙も箒でどこかに飛んで行ってしまう。
「さて、俺はどうするか...」
顎を持ち考えながら歩いていると人里の近くにある魔法の森とは違う少し大きい林の中に入っていた。
「こんな所もあったんだな」
もっと進むと桑の葉が沢山ある場所に着き、もう少し進むと少し開けた場所に出て少し進んだ所に家が見える。
シャドーは桑の木の元に居る青年に軽く目を移してから気にせず辺りを見回ると、唐突に青年が鉈で襲いかかってくる。
「やっぱり手を出して来たか」
シャドーは身を翻し、妖刀で鉈を受け止める。
「お前も俺たちを殺しに来たのかっ!俺たちはただ静かに暮らしたいだけなのに!」
「落ち着け、俺は別にお前らの事なんて知らんぞ」
乱雑に鉈を振り回してくるが、それ全てに刃を重ねる。
「嘘だっ、今までの奴らだってそう言っては俺たちを殺そうとしてきたんだ!」
「お前にどんな過去があるか知らんが俺は全くの無関係だ。そもそも俺は妖怪だ」
体を大きく地面に近づけ青年の頭を蹴り、青年に馬乗りし両手を縛る。
「一旦落ち着け。俺は敵じゃない」
「じゃあ何でこんな所に...」
青年の目には未だ敵意が残っていた。
「ただの散歩だ。それより、俺たちと言ったな。もう一人いるのか?」
「何故言わなければならない...」
「言いたくないなら言わなくていい」
シャドーは青年の上から退くと妖刀を鞘に納める。
「...俺の家に入ればわかる」
青年は後ろ向きに手を招き扉を開けて中に入る。
「ただいま」
「お帰りなさぁい」
白銀の髪を持つ女性は虫の様な歪な四つの腕で青年を抱きしめる。
「あぁ、それより客が居るんだ、恥ずかしいから離してくれ」
「はぁい」
「驚いた、が合点がいった。お前が人里の人間共に追われ殺しまで来たのはその妖怪と恋仲だからか」
「そう言う事だ。俺は
「蚕蛾の妖、まゆるだな。それくらいもう調べがついてる」
シャドーが青年の言葉を遮りその妖怪の名を言う。
「やはり貴様っ...!」
「まぁ、待て。知ってるのには理由がある。俺は妖の王、シャドーエッジ・スカーレットだ。お前も聞いたことくらいあるだろう?」
名を口にした途端にまゆるは震え出す。
「な、何故妖王がこんな所に...戻ってきたとは聞いていたけれど...」
「そう身構えないでくれ。俺はただ散歩をしていただけだ。お前らを殺すつもりなぞないさ。微塵もな」
「そ、それならいいんだが」
彰久は少し安堵して敵意も徐々に消えていった。
「それにしても蚕蛾の妖なんて珍しいなぁ」
「そうなのか?」
彰久が興味を持つ。
「あぁ、珍しいさ。本来蚕蛾は人間に依存して生きている。いや、生かされていると言うのが正しいところだろう。お前達も知っているだろう?育てているんだからな」
「あぁ、だがそれと何が関係するんだ?」
「人間に依存ってところで気づいてくれよ。だから人間に反抗心、ましてや憎悪など負の感情は生まれないはずなんだ、そして人間も蚕蛾なんぞには恐怖を抱かない。だからこそ生まれるはずが無いんだ」
「へぇ。でもまぁそうか。俺なんて蚕蛾可愛いとしか思ってないもんなぁ」
「ただ可能性として改良されきってない蚕蛾の個体が残っていて、自身等の種族を勝手に改造された事に怒りと憎しみを覚え、と言うのもあるがな」
「妖怪ってのはめんどくさいんだな」
彰久はよく理解できてない風に頭を掻くが、まゆるの方は成る程と納得していたようだ。
「まゆるの方は長年生きてきた
「年は言っちゃだめよぉ?せっかく若作りしてるんだからぁ」
大人の女性に良く見る恐怖を感じる笑顔を浮かべてシャドーを脅す。
「別に言うつもりはないが、さっきと態度が大きく変わったじゃないか」
「長く生きた妖怪は活発ではなくならからよぉ、ここに来たのは何か問題を起こしてぇ、殺しにきたと思ったからよぉ」
「ほう、俺に殺される理由でもあるのか?」
「私じゃないけどぉ、彰久君がたぁっくさん人間を殺してしまったからねぇ」
「なんだ、それくらいなら大目に見るさ。致し方ないことだ。人間どもが生き残るために争うのは当たり前だ」
「妖王っていうのは意外と理解があるのねぇ。あ、彰久君。左の24番の蚕そろそろ羽化するわよぉ」
「お、分かった」
彰久は手際よく産卵用の籠に繭を移す。
「同じ種族同士生まれる時期が分かるのか?」
「まぁ、そんな所かしらぁ?たまぁに喋る蚕蛾まで生まれるのよぉ?」
「それはあれか、お前の妖気に
「そんな感じかしらねぇ。もしかしたら遺伝かも知れないわねぇ、最初の二匹は私が産んだからぁ」
「お前蚕産めるのか?」
「当たり前よぉ。まぁ、もう産まないけどねぇ。次に生むのは彰久君の子供じゃないかしらぁ」
「半人半妖、か。虚弱体質が遺伝しそうだな。何かあったらいつでも呼べ。俺は無縁塚、だいたいここからまっすぐ西に向かったところにでかい城がある。そこが俺の家だ」
「分かった。その時は頼んだぞ」
「任せろ。幸い実子は現世で育ててきたし、他にも育児経験はあるんだ」
「現世に居たのか?」
彰久が食い込んで聞いてくる。
「あぁ、そもそも俺は元々現世の人間だったんだ。死後に変な奴に冥界で拾われて、この地球が生まれる時と同時にこの世界で一番目の吸血鬼として転生だよ。そしてこの前の妖王失踪の事件は現世に行っていたんだ」
「へぇ...俺も現世に居たんだ。その時はまゆるに何十年もの間、時を戻され続け、幼い俺は二つの意味で襲われ続けたわけだが」
「そ、そのぉ...こうやって付き合うことになったのはほんとつい最近だったのよぉ?大体百年くらいかしらぁ?そして三年前に例外が起きて私を受け入れてくれたのよぉ」
「そして一年前に紫さんがここを教えてくれて二人で移住してきたんだが、人里の奴らは妖怪と人間が恋仲になっていると言う事で場所を追われ...今に至っている訳だ」
「ふむ、どうとも言えんがご苦労さん」
その時勢いよく乱暴に扉が開く。
「やい化け物!!今回の異変、お前が犯人だってことは分かってるんだぞ!そんなに俺たちを殺したいか!」
人里の人間が大勢
「おやおや、お客さんだぞ彰久」
シャドーが面白そうに彰久に笑いかけると、彰久はキッとこちらを睨む。
「ここには蚕たちが居るのに...そうだまゆる!」
「はぁい」
まゆるの目が一瞬妖しく光るとその場にいた人間は逆再生したかのように引いていく。
「よし、行ってくる」
「おう、死ぬなよ」
シャドーは笑って椅子に深く座り、彰久は外に飛び出し、人間とまた会うと鉈を構えてから強く振り下ろし一人の肩を斬り落とす。
それを狼煙に一斉に襲いかかる。
「くたばれ化け物ぉ!!」
大きい鉄のスコップで額を叩かれると所々で血液が曲線を描く。
眉間から鼻の脇、そして顎へとそれほど時間もかからずに垂れる。
「いっ
額から血を流しながらも確実に相手を仕留めていくがいきなり後ろから両腕と両足を拘束され身動きが取れなくなる。
「覚悟しろよ化け物...」
ガタイのいい男は拳を固く結び彰久の顔を血塗れにしても辞めずに殴り続け、次第に意識が遠のき失神する。
「へへっ、やったな」
「あぁ、これで異変も無くなるな!」
「おうよ!」
里の人間が愉快そうに笑っているところにシャドーが笑いながらやってくる。
「滑稽な物だな。そいつが異変の元凶だなんて笑わせてくれるじゃないか」
「な、なんだお前!!」
人間は不気味がり一歩下がる。
「博麗の巫女だけでなく金髪の魔女、それに迷いの竹林の奥の屋敷に住んでいる医者でさえ探し回っていると言うのに見つからないんだぞ、こんな所に居るなら気が付かない訳がないだろう?お前達は幻想郷の治安を乱した。よって紫の代わりにこの俺、妖王シャドーエッジ・スカーレットが仕置きをしてやろう」
シャドーは人間の時の姿の短い髪を掻き揚げてから刀の柄に手を回し、峰で右肩の骨を粉砕する。
「これに懲りたら妖怪の差別はしても無駄な争いをするな。それに幻想郷は妖怪と人間が共存する世界、あいつらは幻想郷の存在する理由としては正しい方だ。なにも妖怪だって人を喰うだけが妖怪じゃないことを肝に銘じろ」
そう言うと刀を納めてから彰久を肩に抱えて家に戻る。
「彰久君っ!?」
「案の定やられてたから一応助けた、後で医者の知り合いでも呼んでやる」
そう言うと鷹を作り持っていた手帳とペンで要件を書き足に括りつけて蒼痲へ渡すように言って飛ばす。
「油断した...」
「あんなんじゃ負けるに決まってるだろ。人数的に不利だ、ましてお前は妖怪みたく体が強いとか目立つ能力は無いんだから」
それを言い終えるとまた勢いよく扉が開く。
「シャドー!」
聞き覚えのある声だと思い振り向くと霊夢や魔理沙、それに加え守矢でみた緑髪の巫女もいた。
「...お前ら揃ってなんだよ。今回の異変、俺が主犯とか言うなよ」
「でも一日であんなに大勢の人間に重傷を負わせる奴なんて...」
「おいおい、バカ言うなよ。勇儀でも萃香でも他にもいるだろそんなことできる奴なんて」
「だから手あたり次第聞き回ったけどみんなやってないって確証が持てるのよ。でもあんたは今日の朝からふらついてるし、そもそもあんたは普段から何やってるか分からないから怖いのよ」
そう言い微かに敵意を含んだ視線を刺してくる。
「ならヒントをくれてやろう。俺は少し分かってきてるからな。主犯は人間だ、妖怪を引き連れたな」
「それで自分はやってないって証明したつもり?」
霊夢が一層敵意を強めてくる。
「わかったわかった。ならそいつの元に連れて行けばいいだろ」
溜め息を吐いてから立ち上がりタバコを吸いながら霊夢たちを案内する。
その道中で二人の女性に会う。
「あれあれぇ?時間たっても来ないから気にしてないか身を引いたのかと思っちゃいましたよぉ!」
コバルトブルー色の右サイドアップの女性はそんな事を言って大きく笑う。
「...」
ローズピンク色の左サイドアップの女性は「そんな馬鹿な事があるわけないじゃあないですか」、とカードに書かれた文字で会話を成立させる。
「まぁ、そちらの妖王さんもいますしねぇ!見つからない訳がありませんよねぇ!」
「おいお前、青いの。うるさいぞ」
「うるさくないですよぉ、これはいつも通りですぅ!」
「ちっ埒があかねぇ。俺の仕事はこの異変の首謀者の所まで連れて行くこと、お前にはさっさと退いてもらう」
シャドーは一つ溜め息を吐いてから妖力を解き放つ。
『妖へと零落し、百鬼夜行を誘うその刃。我が身に突き刺せ...妖刀、汐波月』
「久しいな、これから少し気張った戦闘が続く。寝てたからって容赦しないぞ」
鞘から妖刀を抜くと抜いた部分から赤黒い稲妻が弾ける。
『そうは言うけど今のあんた人間じゃん、勝てるの?』
妖刀を通じて声が脳内に響く。
「問題ない、人間の器とて他の妖怪に後れを取る程
「何一人でぶつぶつ言ってるんですかぁ!?」
「あぁすまない、旧友と少々雑談を。私の名前はシャドーエッジ・スカーレット、貴様も名を名乗れ」
今のシャドーの立ち振る舞いからいつもの雰囲気は感じられず、完全に妖王としての仕事としての人格になっていた。
その場は胃に穴が開くでは済まない程の威圧感が支配していた。
「私はアロマナ・ルルシル、こっちは妹のイラマナ・ルルシル。私たちの主の命によって貴女たちをここで倒させてもらいますよぉ!」
「ほざけ」
シャドーは素早く一閃入れるがそれは今、アロマナの手に握られている鎖によって防がれていた。
一つ溜め息を吐いてからタバコを吸い妖刀を右手左手に持ち替えながら猛攻撃を仕掛けるがそれは綺麗に防がれる。
「じゃあ私の番ですねぇ!!」
鎖を指に巻きこちらに殴りかかってくる。
シャドーはそれを拳で受け止め、両手を合わせて拳を作りアロマナの脳天に振り下ろすがそれはイラマナに手首を掴まれ阻止され、続けて拳が綺麗に鳩尾へ入り、その攻撃によりシャドーは顔をしかめて後退する。
「ぐっ...二対一、か。まぁハンデとして丁度いいところか」
タバコを吐き捨てて妖刀を握り直して構える。
イラマナはアロマナに1枚のカードを見せてから動く。
青い
「あっつ...何をした、かはどうでもいいか。コートを脱がせたことを後悔すると良い」
シャドーは翼を広げ先程とは比べ物にならない速さで動き、二人を刀で斬りつけていく。
「確かにコートを脱がせるのいい所をついていると思う。それに金属だから熱して脱がすと言う所もいい。だがお前たちはそれによるリスクを知らなかった」
喋りながら二人に近づくシャドーにいきなり青色の炎が飛んでくる。
それをさりげなく首を傾けてかわすと続けて四角く冷たい物質が投げられ、炎に気が言っていたせいで体に当たる。それは急激にシャドーの熱を奪っていくのだが何も気にしていない様子だった。
「吸血鬼には魂しかない、故に体は飾り。熱とは体を動かすのに必要なエネルギーとして使用されるが吸血鬼の体はまた他の生き物とは違う。有るようで無い、無いようで有る。そういう曖昧な物が吸血鬼の体だ。俺から熱を奪っても俺に不利は無い」
妖刀を鞘に納めて、ボウイナイフのような刃を持つバタフライナイフを自身の腕の皮を破り肉を引き裂いて取り出す。
「こんなもの使うことないと思ってたが用心するに越したことはなかったみたいだな」
両手で格好良く開いてから前後まっすぐに投げる。
「そんながむしゃらな攻撃当たるわけないじゃないですかぁ!」
二人がずいと距離を詰めシャドーの左右の脇腹に蹴りを入れる。
「
シャドーがそう呟くと岩に刺さっていた二つのバタフライナイフがシャドーを軸に時計回りで素早く回転する。
それは二人に髪や肌を掠め、その隙にシャドーが顔に飛び膝蹴りを捻じ込む。
「お前たちは連携は中々だが能力の相性が悪い。だからこそ踏み込んだ連携技を作れないでいる。そこが弱点だ」
そう言い二人の頭を踏み潰そうと瞬間にアロマナが素早く動いて殴ってくる。
「やはり能力使ったりしてややこしい戦いをするより殴り合いの方がたのしいですよぉ!」
そう言って不良の喧嘩よろしく殴る蹴ると攻撃を二人で仕掛けてくる。
それから長い事殴り合っているが飽きたシャドーが二人の両目に妖刀で貫き四肢を縛る。
「済まない、時間がかかった、。進もう」
いつの間にか蒼痲も合流していたが気にせず歩いて先を目指す。