東方夕凪録   作:汐入 那月

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どうも鐳波です。
ほんの少しの文なのにどうにもモチベが上がらず直ぐに書き終わりませんでしたw
まぁ、短文ですがお楽しみください!


人襲異変二戦目、金剛力の雷鬼

「やいやいやい!!そこの妖怪!あんたをここに通すことは許されてないってよ!」

タバコを吸いながら霊夢たちを案内していると緑と紫のグラデーションでぼさぼさでとがっている長髪を持つ特徴的な奴がいきなり絡んでくる。

 

「何だ、お前も今回の異変に関わってる奴か。さっさとそこを退かないと逆さ吊りして池に沈めるぞ」

そいつは一瞬顔を青くしたが何か決意があるようで首を横に振ってから拳を構える。

 

「あちきは霹榮(へきえい) 蹈鞴(たたら)!さっさとあんたの名前を教えれって!」

 

「俺はシャドーだ。打ちのめしてやるから覚悟しろ」

シャドーは特に気張ることもなく妖刀を抜いて片手で刃先を地面に引きずりながら詰め寄る。

蹈鞴が2、3歩引くとシャドーが刀を振り回す。

それを手甲で防ぐと雷を含んだ拳で殴りつけてくる。

 

「中々な攻撃を出すんだな。流石鬼の子と言ったところか。だが純粋な鬼の血では無いな、勇儀に比べて殺気が緩い。俺も吸血鬼だ、鬼の好で本当のパンチってのを教えてやろう」

シャドーは少し力んで蹈鞴の顔面に本気のパンチをねじ込むと蹈鞴はゴム毬の様に跳ねながら吹き飛び木にぶつかる。

 

「あれ、シャドーじゃないか。こんなところで喧嘩かえ?」

随分と見知った声が耳に入り振り返る。

 

「おぉ、しおりじゃないか久しいな。何年ぶりだ?」

 

「もう云億年になるかねぇ...あ、旦那さまはどうするえ?妾はこいつの喧嘩に加勢するのじゃが」

 

「はぁ?これは喧嘩じゃなくて異変解決だ。邪魔するな阿呆」

 

「なっ、阿呆とはなんじゃ阿呆!」

 

「お前が阿呆だから阿呆と言ったんだ。お前はそのガキと一緒に帰れ」

 

「いやじゃ!!妾も加勢するんじゃ~!」

 

「じゃあ一人でやっててくれ。俺見てるから」

 

「ふん!勝手にしてるといいえ!」

しおりは蜘蛛の手足を出して蹈鞴と取っ組み合う

 

「あ、お前氷室屋の息子じゃないか」

 

「ど、どうもシャドーさん」

少年は頭を掻いて苦笑している。

 

「...なんだお前ら付き合ってんのか」

 

「えぇ、まぁ...はい。そっすね」

 

「よくあいつを口説いたな。あいつは妖怪の中でも一際人間への警戒心が強かったはずなんだが...」

 

「封印されてるましろさんに騙されてそれを解いて、なんやかんやしてその寺から一緒に脱出する過程で惚れちゃって...まぁ色々あったんです」

 

「へぇ、絡新婦つったら種族的にも危険なのに、よくやったなぁ。しかし人間と妖怪のカップルも少し増えてきたな」

 

「そうなんですか?」

 

「あぁ、今日は蚕蛾の妖怪と付き合ってる奴と会った」

 

「あ、彰久さんですか!」

 

「お、知り合いか」

 

「まぁ、異種間交際仲間と言う事で」

 

「ほう、なるほどな。妖怪の彼氏は大変だぞ、主に出産」

 

「らしいですね。しおりさんも言ってました」

 

「なに、お前たちもうそんな所まで行ってるのか?」

 

「最近結婚しました。里の人に内緒で」

 

「へ~...おめでとう。じゃあ祝い品やらないとな」

内ポケットの中を漁り倒して二つのメリケンサックとナイフが一緒になったような不思議な武器を取り出す。

 

「こいつなら使いようによっては上級妖怪レベルになれるぞ。その気があるなら頑張れ」

そう言うと一気にしおりの所まで地面一蹴りで追いつきしおりの頭を掴んで氷室屋の息子の元に投げる。

 

「次は俺だ」

シャドーが入れ替わる瞬間に雷鳴が(とどろ)く。

 

雷拳「荒虎絶突」

拳型の雷球が殴った回数分放たれる。

シャドーは判断が遅れそれをモロに受け、軽く血を吐く。

 

「いきなりやってくれるじゃないか」

妖刀を手で3回回し地面に刺し蹈鞴に殴りかかる。

それを何とか外に弾き流しているがそれでも衝撃を殺し切れていないようで苦悶の表情を浮かべる。

それからしばらく二人は殴り合っていたが蹈鞴が動き、回し蹴りで後ろに押しのけ雷を作る。

 

雷槍「瞬狼貫」

蹈鞴はそう叫び稲妻で出来た槍を蹴られた反動で動けないシャドーに投げる。

シャドーは腕を交差させ受け止めるがそれを物ともせず重ねられた日本の腕を貫きさらに奥へと引きずらせる。

 

「くっ、本領発揮と言ったところか」

 

「あきちはお前が思うほど弱くないんだってば!」

機敏に動きシャドーとの距離を一気に詰め槍を引き抜き剣へと形を変え幾重にも斬りつけシャドーは所々に血を流す。

 

「お前の力は認めよう。しかし残念だな、俺はまだ強化できる」

 

【我鬼転生、(ろく)堕烈風(だれっぷう)

黒い風を纏い蹈鞴の腹に飛び膝蹴りをねじ込み、後ろに吹き飛んだ蹈鞴の額にかかと落としを叩き込むが、それは2つの手を重ね防がれる。

 

「やるじゃないか」

 

「甘く見るなって」

蹈鞴は手甲を嵌めると力み始め右手で殴りかかってきた。

いつもどおり手で受け止めようとすると手が綺麗にすっ飛び、手首からは骨が露出し血が流れ出ている。

 

「ほう、面白いじゃないか!」

即座に再生させて殴りかかるとそれに合わせて右手で殴ってくる。

打ちあわされた拳は肉が波立ち骨は軋む衝撃を作りだす。

 

「いって~...」

拳を緩め血が滲み始めた手を見る。

 

「こっちだって痛いってよぉ...」

あっちもあっちで拳を庇っている。

シャドーは溜め息を吐いた後妖刀を抜く。

 

「さて、拳でのどつきあいはお終いだ、頼むから早くやられてくれ」

素早く後ろに回り込み背中に切り傷を作り、蹴り押して峰で頭を殴り頭から出血させる。

それでも機敏に動き反撃してくる。

こちらも顔を数発殴られる。

 

「ちっ、埒が開かねぇぞ...」

作戦を頭の中で幾つも考えながら蹈鞴の攻撃をかわすが一つが当たりそこから空に飛ばされる。

 

雷叫「獅子轟砲」

蹈鞴はそう叫ぶと雷の大砲がシャドー目掛けて進んでいくが目と鼻の先の所でシャドーは何とか横に体を動かし左手と左足のみに獅子轟砲は直撃する。

 

「...つぅ、これ結構痛いな」

痛みに息を少し荒げるも何とか立ち上がる。

 

「まだ動けるなんて化け物だって...」

 

「それはお互いさまだろう?」

シャドーは辺りに人一人程度の岩をたくさん創り、それを足場に飛び回り蹈鞴を一蹴りし、岩に叩きつけ100m程離れた後に魔法陣から黒いワイヤーのような物を円状に束ねた物の先を咥え、それを勢いよく飛ばし蹈鞴を何重にも巻いてからこちらに戻ってきた物をナイフで地面に刺し固定し魔法陣を空中に描いた後、シャドーの咥えたところから2m程度離れた所から火が灯り、素早く燃え進み蹈鞴の所までワイヤーが燃え朽ちていくと蹈鞴に業火が点き身を焼いていく。

 

「瀝青を練りこんだワイヤーを作っておいて正解だったな」

咥えているワイヤーを吐き捨て霊夢たちの所に戻ると汐音とグレイも来ていた。

 

「シャドーさん...そんなに怪我して...」

汐音がすぐ駆け寄ってくるが手で制する。

 

「見た目ほど深刻じゃない。歩いて行けばそのうち治る。行くぞ」

 

「そんなに無理しなくてもいいんじゃない?もっと気楽にいこうよ」

グレイは相変わらず裸に白衣とズボンを着ているだらしない格好でタバコを吸っていた。

 

「あのな、一応人里から被害が出てるんだ。異変を長引かせるわけにもいかないだろ」

 

「だからって無理して日が伸びるよりマシだろ?いいから少しは休みなよ」

グレイは岩を椅子代わりに座る。

 

「なら少し休んだらすぐに行くからな」

タバコを吸い、地面に座り岩に寄り掛かる。

 

「人間の姿なんだからあんまり無茶しちゃいけないよ?」

 

「あぁ、今人間なのか...忘れてた。通りで体が重い訳だよ」

シャドーは血交じりの痰を吐き捨てる。

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