リメイク前での40話までを消費しましたね~。リメイクと言っても蹴り飛ばしてる話もあるのでほとんど付け加えですけどね。
しかし最近は筆が乗らないのかまとめるのが多少うまくなったのかめんどくさいだけなのか分かりませんが4000文字前後でいつも書き終わりますね。
まぁ、色々詰め込み過ぎた感はあると思いますがどうぞお楽しみください!
シャドーが異変を解決している頃幻想郷の外、現世では大きな問題が起こっていた。
それは何かと言うと白亜紀末に恐竜を絶滅させた隕石衝突のような場面に直面していたのだ。
世界各国の軍が手を取り合いあれやこれやと手を尽くしても軌道を変えることはできていない。
「雪音お嬢、日本とアメリカから弾薬を分けてほしいと言う要請が来ていますが」
「断れ、国に出すような鉛玉はない」
黒づくめの男は恭しく頭を下げて部屋を出る。
「お嬢、ベトナム政府から大麻の輸入要請があるのですが」
「額は?」
「1Kg日本円で200万だそうです」
「分かった、売ってやれ」
その男もさっきの男のように部屋を出る。
「ここ最近我がファミリーは政府に贔屓にされているようですな、お嬢」
「そうですね、でもお父さんやお母さんの頃よりかは品と金の回りが悪いですよ」
「ふふ、またこの場所に立ててうれしい限りですが、少しだけ残念でもあります。京助は何処にいるのでしょうかね」
「仕事大好き人間ではあるからどこかで血反吐一歩前までのハードなお仕事でもしてるんじゃないですか?」
「それはそれで心配ですがね」
愉快そうに笑っていると部下がノックをし、それを服部が通す。
「日本軍から報告がありました。非政府組織を含む人間ならびに一部の動物の保護、そして秘密裏に進めていた火星移住計画を実行するとの事です。火星に移住するかしないかの確認が来ているのです」
「行かん。我々はあくまで地球のギャングだ、故郷を捨ててまで生きるつもりはないと言っておけ」
雪音はやれやれと溜め息を吐いて隣に置いていたオレンジジュースを飲む。
部下は頭を下げ部屋を出ていき服部が雪音に声をかける。
「お嬢、そう言えば今日は20歳のお誕生日ですよね。なのでこれを」
服部はどこに隠していたのか一本のワインを取り出す。
「こっそりと買った1945年代のロマネコンティです」
「わわっ、お酒ですか~。お父さんにおねだりしても一口も飲ませてもらえなかったので気になります、ありがとうございますね服部さん!」
「いえいえ」
その日は雪音は風呂上りにこれを飲み寝てそれから2年がたつともう地球の人口がほとんどなくなっていた。
残っているのは地球に残ると決めた者と宇宙船に乗るほどの財や権利の無い者達だけだ。
そしてそれから4か月が過ぎると地球に隕石が激突し地球は別次元に存在する幻想郷を残して消滅した。
__二年前の幻想郷。
「なぁ、シャドー。私たちは現世のフランスに戻ろうと思うんだ」
唐突にレイラがシャドーに話しかける。
「まぁ、いいと思うぞ。この鍵で幻想郷から出られる」
そう言って鉄製の歪な形の鍵を渡す。
それに続きアザトースも元の場所に戻った。
それからちょうど隕石衝突の一日前。
汐音が度々ミシェルと影が重なって見えることもあったせいか案の定付き合う破目になり、そして結婚し無事子供が生まれ一年で12歳くらいの容姿になった。
男がシャドー似のヴロボロス・スカーレット、女は汐音似の海鳴 靖波。
ヴロボロスは驚異的な戦闘の天才でシャドーの技術をどんどん盗んでいき、互角より少し下の辺りにいる。
その衝突の一日前もヴロボロスとの鍛練にいそしんでいた時だった。
紫に現世の状態を聞かされ、同時に地球が崩壊すると同時に地球が幻想郷に入ると言う可能性があると言う事も聞いた。それにより早速取り掛かったのが船造り。
そして乗員も必要になると言う事で医師として役に立つ蒼痲、そして汐音とヴロボロスと靖波、そして部下のエルドレットをつれて船に乗り込む。
霊夢たちは元の幻想郷を守らなくてはならないとのことで連れて行けなかった。
「紫、後何時間だ」
「そうね、大体1時間後くらいね」
その一時間を越えてから船を動かす。
船は空を飛ばすときには竜の翼の様な出して舵輪の持ち手に風属性の魔力を流し続けなければならない。
普通の魔法使いが使うのには効率が悪いだろうが、幸いシャドーは辺りの魔素を自身の微弱な魔力によってつなぎ合わせてその魔素の属性の魔力を扱う方法を使っているので、魔力の生成量と消費量とでは生成量の方に天秤が傾く。
故に空気中に漂う風属性の魔素のみを自身の魔力でつなげるだけでいいのだ。
それでシャドーの分身が船全体の縄の調子を見たりしながらもゆったりと船を飛ばしているとすぐに海が見えてくる。
「紫の懸念は当たったようだな、地球丸々幻想郷になってる。とりあえず実家が気になる、そっちに向かうぞ」
高度を調節するための風を吹き出す魔法陣へ風属性の魔力を送り船を低く飛ばす。
舵輪のある足場には広めの正方形の段差があり、その足元に各魔法陣に魔力を送るペダルがあるのだ。
それを各属性の魔力を込めて踏むとシャドーの魔力の練り方で送った魔力は増幅され、高度を変えたり砲撃を行ったりできる。ちなみにペダルを踏む強さによって高度を変える風の強さを変えたりできる。
微調整をしながら進むと徐々に北海道へ近づく。
推進力を上げるため船尾にある魔法陣へ風属性と火属性の魔力を送り火の燃える勢いで加速させる。これはニトロの様な感じだ。
すぐに実家へ着き船から飛び降りて部屋に入ると我が家族は呑気に昼飯を食っていた。
「何で居るんだ...?火星に行かなかったのか?」
「おうよ、地球人はここで死ぬべきなんだよ。つかお前誰だ」
父親が箸をこちらに向ける。
「京助だよ、前に言ったろ人間じゃなくなったと」
「あぁ、そんなこともあったか。で、何の用だバカ息子」
「心配だから見に来たんだよ。とりあえず生きてるならよかったとは言えここは危ない、俺らと一緒に来てもらう」
「あ?いきなりだな。それよりも日本はそんなに危険な所じゃないだろう」
「さっきまで隕石がどうのこうの言ってたこと思い出せ。もう隕石はぶつかり地球は消えている」
「じゃあ何で俺らはこういう風に飯が食えてんだよ」
そう言って漬物を口に運ぶ親父。
「地球はすでに忘れられた場所だからだ。殆どの人間が火星に移住し衝突までは地球を気にしていた物の、衝突を確認したことにより移住した人間全員が『地球は滅んだ』と思ったことにより幻想となった、故に幻想が集まるこの幻想郷へ仲間入りを果たし晴れて残った奴らは地球人として生き永らえているわけだ」
「へ~、よく分からんがそれに何の危険があるんだよ」
「つまりだ。地球は白亜紀の恐竜絶滅の如く特異点を巻き込み全てを初期化して新しい生命を作っている。その過程で俺らが伝説だと、そんなものはいないと思っていたものが現実に現れるようになったんだ。現世では見れなかった妖怪も今ならもう見れるはずだ。そうなると妖怪と人間の共存が約束された幻想郷とて総統が難しくなる。故に人間はまだ捕食者から捕食される側の弱者へ戻ったんだ。そして俺全妖怪を統治する妖王だ。馬鹿か余程の強者以外は俺に喧嘩を売らないから安全、だからついて来いと言ってるんだ、家族は失いたくない」
「だってよ、行くか?」
親父は母や妹、姉に声をかけると頷いてくれる。
父の間淵 裕次郎、母の間淵 弘美、姉の間淵 恵美、妹の間淵 夢羽。それぞれの紹介を終えて船に乗り込ませる。
それから次に浅草の方へ向かう、嫁の沙希が運営しているクリュエルファミリーへ向かうのだ。それを父に報告すると暗い顔をする。
「沙希は死んだ」
「...抗争か?」
「あぁ、中国の叉焼会を傘下に置いていた別の中国ギャング、
「やっぱりか。
「じゃあ今は雪音が?」
「あぁ、意外とうまくやってるぞ」
「どうせ服部さんの助けありだろ。あいつも今日で20だろ、そろそろ仕事の仕方を教えた方がいいかもな」
「やめとけやめとけ、お前だけじゃ絶対回らんて。昔のクリュエルは沙希の厳しさとお前のやさしさで成り立ってたんだ。今のお前に優しさはないとは言わんが優しさを分けてやれる奴じゃない。雪音ちゃんが優しく、お前が厳しくやればやっと回るんだ」
「...耳が痛いな」
目的の場所の真上にきたから高度を徐々に下げていい感じの所で止まらせて人間の姿になり白いスーツを着て本部の中に入り受付にいく。
「雪音の父の間淵だ。話がしたい」
「アポはとっていますか?」
シャドーはその応答で既に苛立ちを覚えていた。
「俺の頃の受け付けはそんな応対じゃないぞ。お前は間淵京助の顔を知らんのか?」
受け付けは明らかにビビっていたがそれは顔に出さず応答を続ける。
「はぁ...室井 謙之を出せ。お前じゃ話にならん」
受け付けは受話器を取り数分後その室井がエレベーターからでてきて京助の顔を見ると走ってくる。
「京助さん!?今まで何を!?」
「少し別件の仕事をしていてな。この受付の頭じゃどうも雪音に会えなさそうだったからお前を呼んだんだ」
すると受付が懐かしい声を出す。
「ははは、なんだよ釣れないな。ちょっと冗談が通じなくなっちゃったんじゃないか?京助さん」
眼鏡をはずして結んでいた髪を解くと見知った顔になる。
「平野!なんだよまだからかい癖抜けてないのかよ...」
「いやぁ、今の京助さん血の気多いっすね。殺されるんじゃないかって...」
笑ってはいるが本当に怖かったようだ。今度詫びでもしよう。
こいつは昔から女装癖があり自ら志願して女性受付員をやっているのだ。
「すまんな、少し急いでてな。雪音は?」
「最上階で服部さんとお仕事中です」
平野がすぐに教えてくれる。
「分かった。いきなり呼び出してすまんな室井。もういいぞ」
シャドーと同じエレベーターに乗り4階で室井は降りてしまうがこちらは60階まで待たなくてはと思うと気が重い。
そう言う風に思っていたら意外と早かったらしくすぐに60階まで来れた。
エレベーターの扉が開くと見えるのは左右に別れた広い通路と目の前の大きな扉だけだ。
ノックをせずに普通に入ると服部さんは驚いた顔でシャドーを見つめ、雪音は飲んでいたワインをゆっくり置いて立ち上がってから走ってシャドーに抱きついた。鳩尾にタックルするような形でされたので当然後ろに転ぶし痛かった。しかし長い事ほったらかしていたので拒むのは出来ないし嫌ではない。
「待たせたな、一人でよく頑張った」
父親心で雪音を撫でてしまう。
「お母さんが死んだのを知ってるんですか?」
「先程父に会ってきて、その時にな。服部さんも雪音がお世話になってます。これからは俺がいるときは俺が側近として務めます」
「そうか、では私はそれまではゆったり待機だな」
「ですね。本当ありがとうございました。雪音、色々話さないといけない事がある。が、まずは今のクリュエルの状態を教えてくれ」
「分かりました」
雪音からは現在の資材量、貯金、平均の月々の支出と収入、今までの仕事の大まかな説明を受ける。
「なるほど。大体は分かった。じゃあ俺の話だな」
裕次郎にも話した通りのここが幻想郷だと言う事を話し、これからは自分も手伝うとともに裏社会の統一化を図るという旨を説明する。
「何かあったときはこの受話器を取ってくれれば俺に繋がる。そしてこの籠に物を入れると俺の元へそれが届く。書類の受け渡しに使うと良いだろうな」
「じゃ、じゃあ早速この書類...片付けてくれませんか?」
目に涙を浮かべ震えた声で頼んでくる。
「お、おぉう...」
引きつった笑みを浮かべてから胸ポケットに挟んでいた万年筆を手に取りさらさらと書いて処理していく。
妖王の事務がここで役に立ったのか相当早く処理し終わった。
「す、すごい...前の仕事でこれ以上の紙を処理することが多々あったからな。とは言え溜めすぎだ、計画的に処理していくこと。じゃあ俺は行くけど何かあったらすぐ呼んでくれ、じゃあな」
直ぐ船に戻って舵輪を握りさっさと船を遠のかせて次に目指すべき場所へと風を吹かせる。