#fcg3rd
ギィィィ………………。
城門が開く、重苦しい音。
不吉な予兆のような、あからさまな響き。
不穏なきしみ、不安な唸り。
悪と不逞の箱が開かれる、最後の断末魔。
数百年の長きに渡り、硬く静かに閉ざしてきたハメランドの城門。
何人をも寄せ付けず、何人をも拒んだ、鉄壁の城門。
しかし、今ここに、ハメガミの不自然な決断により、ついにハメランドの門は開かれたのだった……。
ハメ美「ほらハメ太郎くん、門が開くミィ、ニンゲンさんたちが来るミィ!」
ハメ太郎「不安ハメ、怖いハメ、涙が出るハメ!! ハメハメハメ!!!」
ハメ美「クスクス! ほらぁハメ太郎くん、そんなに泣いてちゃニンゲンさんたちに笑われるミィ!」
ハメ太郎「でも……」
ハメ美「ほらっ、門が開くミィ……ッ!!!」
彼ら妖精たちが次の瞬間に見たのは、城門のわずかなスキマから盛大に漏れ出す、ニンゲンさんたちの真っ黒な怒涛だった。
人間A「ヒャッハー!!!!!! とりあえず消毒だぜぇ!!!!」
人間B「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッッッッッッッッッ!!!!!!」
人間C「ここが探し求めた新天地ッ!!! オレ様の領土!!!!! オレ様がこの世の神になるッ!!!!!!!」
人間D「ワルイ仔いねがぁっ!! ワルイ!仔!!いねがぁっっっっ!!!」
人間E「とりあえずっ! ぶっつぶせっっ!! 悪はどこにいるんだっ!! 俺が、全員、ぶっ殺してやるぜ!! なんつったって英雄だからな!!」
人間F「ハメ妖精と聞きました。ハメ妖精とはなんですか? もしかして危険な、ひょっとすると性的な害悪ではないですか? それならばしょうがないですね、私、スキルランクSSS+相当の能力をもつこのわたくしが、この悪の中枢を瞬くまに滅ぼして上げましょう、それが世界平和とこの世の平穏のためっ、殺戮を重ねる小汚い悪魔を皆殺しにせねばなりませんっっっ!! それがっ、わたしのっ、天命!!!! 女神さまから与えられた真の目的ッ!! わたしはっ! 選ばれしっ!! 勇者ッッッッッッッッッ!」
……
人間Z「殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ!! 皆殺しだッ! とりあえず拷問にかけろ! 後先は考えるなッ! こんなところにひそんでいる奴らっ、何を考えてるか、そんなものは分からないっ! うっていいのは打たれた注射だけだッ!! 注射だっ! クスリだっ! はやくクスリだせっ!! ク☆ス☆リ!!!!」
ニンゲンさんたちは、凶暴だった。
そして、決壊した海のように、人間の波が彼ら妖精を瞬く間に呑み込んでいった。
妖精1 プチッ
妖精2 グチャ
妖精3 ベチャッ
妖精4 マピョーーーーーーーーーーン
妖精5 ペチャッ
妖精6 パチャッ
妖精7 ペチッ
妖精8 ボカッ
妖精9 「たすけてッ、ハメたーーーーーーーーーーーーーーーーーー……」
用意された豪華な飾利も豪華な食事も豪華なお迎えも、とりあえず豪華な全てが、一瞬でわけのわからない、グチャグチャしたゴミへと変化してしまった。そして、次々に、妖精たちの家に火がつけられ、あたり一面は瞬く間に煙と炎が充満する地獄となった。
ハメ太郎がハメ美を見つけたのは、ゴミ箱のウラの茂みだった。轢かれたぬいぐるみだった。
ハメ太郎「ぐすん、ハメ美……」
ハメ美「ハメ、たろうくん……やっぱりわたし、間違ってたミィ……」
ハメ太郎「しゃべるなハメッ! 今、今手当するハメッッッ!」
ハメ美「いいミィ、ハメたろうくん……わたしはもうダメミィ……」
ハメ太郎「そんな、ハメ美…… グスッ……グスッ……」
ハメ美「泣かないでミィ……希望は……希望は……まだ……ある……ミィ」
ハメ太郎「ぐすん、希望???」
ハメ美「でんせつ……の……せんし…… ハーメリア……ミィ……」
ハメ太郎「ハーメリア???」
ハメ美「ハメたろうくん……」
ハメ太郎「何ハメ……」
ハメ美「あなたと……いられて……ほん、とう、に……」
ハメ太郎「ハメ美!?」
ハメ美「……」
ハメ太郎「ハメ美、ハメ美っ、ハメ美っ!!!!!」
そこに唐突に、巨大な影が現れた。
???「あなたたち、大丈夫?!!」
ハメ太郎「誰ハメッ!!!」
???「わたし、人間よ」
ハメ太郎「ニン……ゲン……」
〈次回予告〉
破壊され、燃え盛るハメランド。
そこに平穏は再び訪れるのか。
ハメ太郎の決意とは。
そして、ハメ太郎の前に現れた謎の美少女とは。
次回、「変身! 伝説の戦士、ハーメリア!!!」。
あなたといっしょにハメハメしましょ!