ハメっこ動物☆ハメ太郎!   作:Rohino

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消滅?!ハメランド!!!

成美は、扉をギィィと開いた。そこは、ハメランドの……はずだった。

 

「!! ……ここが、ハメランドハメェ?!」

 

薄暗く、ジメジメしている。さっきまでいた路地の続きのようだった。とめどもない陰鬱だった。夜のような暗さ、生ぬるい風、そして、どこからともなく聞こえてくる、いかがわしい音の群れ。

 

しかし。

 

「まちがい、ないわ……。見て、あれ」

 

遠くに見える、城壁と城門。

 

「ハメェ……。ハメランドのハメェ…… でもちょっと……違うハメ……」

 

城壁と城門のさらに遠くに見える、城。巨大で、高くて、塔のような、禍々しい城。無数に尖っていて、それでいて歪んでいて、ぐにゃりとした建物。尖端には、お約束のような、ドンヨリとした雲が幾重にもかかっている。いかにもな、『悪のお城』だった。

 

「やっぱり……。ここが、ハメランドなのよ……」

「そんなことっ、ないハメッ! ハメランドは、こんな、こんな、こんな…… ハメェ……」

「とにかく、あそこ。あそこに行きましょう。悪の親玉がいるはずよ。さ、行きましょう、ハメ太郎……。ハメランドを、取り戻すんでしょ!」

「ハメェ……。……い、行くハメっ……」

 

しかし、ハメ太郎は、足がすくんで動けなくなった。成美はハメ太郎を、ヒョイと抱え込んだ。

 

「ちょっと、腕の中にいなさい。危ないから」

 

成美は、その平原……のようなところを、静かに、音も立てずに、黙々と歩いて行った。謎植物や、謎動物の跡や、謎の音や、謎の叫び声や、謎のオドロしい風が吹いていた。

 

「おっとっと……」

 

さっきから、ぬかるみに足を取られている。ぐにゃぐにゃした大地は不定形で、二足歩行さえも、ままならない。歩くたびに、ぐちゃぐちゃと音がする。

 

「あれ、何かしら……?」

 

しばらく歩くと、牧場のような柵が見えた。……というよりも、何かの牧場なのだろう。そして、その柵の中には、大量の()()が、養殖されているようだった。

 

「何、ハメェ……。 こ、これは…… 何ハメ……??!!」

 

柵の中では、得体のしれない()()がうごめいていた。そのかたわらで、誰か……が、餌をやっていた。

 

「ホーラ……。オマエラの好きな、肉コップンだぞォ…… イッパイ喰えよォ……」

 

――などと言いつつ、ドロドロした、ピンク色の、謎のエサを、桶からヒシャクでひっきりなしにバラまいていた。ベチャリと落ちたエサは、まるで生きているかのように、数度だけ、ピクピクと動いた。それに群がり、むさぼる()()。ものすごい食欲、ものすごい速さ、あさましい姿で、その不定形の謎エサを、一心不乱に食らい尽くしていく。

 

「キシャー」「キシャー」「キシャー」「キシャー」「キシャー」「キシャー」「キシャー」「キシャー」「キシャー」「キシャー」……

 

何か――が発した、鳴き声とも叫びとも取れない謎の音が、あたり一面に、異様なまでに折り重なる。

 

「うえ…… 吐きそ……」

「これは、……何、ハメェ……」

 

「ホーラ、ホーラ。どんどん喰えヨォ……。ん?」

 

()()が、成美たちに気づいたようだった。

 

「んだぁテメェら、今頃ノコノコやってきたのか…… まあな、入れてやりてぇのは山々なんだけどな、こちとら、もうパンパンで、アリの子一匹、入るスキマもネェんだよ…… お?」

 

その誰かは、成美が抱えているハメ太郎を凝視した。すると、口の端が徐々に吊りあがり、目も細くなっていった。

 

「ソレ、ちょっとオレ様に、貸してくんねぇかなぁ、お嬢ちゃん」

 

ニヤつきながら、その誰かさんは、成美に、〈さっさと寄こせ、さもなきゃあシめるぞ、喰うぞ、殺すぞ、エサにすんぞ〉というジェスチャをした。

 

「あんたなんかに、渡さないわよ!!!」

「ハメェ!!」

「こりゃあ……」

 

ひとしきり、上から下まで成美の全身を見た後、視線をハメ太郎に戻し、その誰かは、赤くて長い舌を見せつけながら、ゆっくりと、ぞんざいに、唇を舐め摺った。

 

「うきゃきゃきゃきゃきゃ!!!!! カモネギかよ! 今ごろノコノコ! 手間がはぶけたゼ! 大手柄だ! 表彰モンだぜ!!! ホラ、さっさと寄こせ!寄こせ!寄こせ!!! そいつを寄こせェェェッッッッッッッ!!!!!!!!」

「何を言ってるハメ!」

「うるせぇ! ぶっ潰してやんゼッッッッ!!!!!!」

 

その誰かは、そう叫ぶと、懐からお札のようなものを取り出した。

 

「いでよ!! ジラーイ!!!」

 

牧場で養殖されていた何かを軽々と持ち上げ、そのお札をペタリと張り付けた。すると、その何かは、みるみるウチに膨張し、腐臭と悪臭が漂う、キッカイなバケモノへと変化した。

 

「ジラーイ!!!」

 

そのバケモノは、ひとしきりの増殖と膨張が終わると、豚の屁のような声で叫んだ。

 

「何ハメッ、何ハメッ、何ハメッ!! これは、何ハメッ!!!」

「……何よ、そんなものっ! ……ハーメリア・ミラクル・シュート!」

「ジジジ……! ジラーーーーーーーーーーーイ!!!!!!!」

 

そのバケモノは、必殺技を繰り出すと、すぐに爆発して、消滅した。が。

 

「なんのこれしきっ! まだまだイくぜぇ!!!!! ヒャッハーーーーーーーーーーー!!!!」

 

その誰かさんは、ふところから、お札の束を取り出した。

 

何枚あるか数えたくもない。百万円があればあのくらいの枚数なんだろうなぁ……などと思いつつも、その全部を相手にするには、きっとあまりにも分が悪いだろう。そして、もし、もしも負ければ、そのあとは……。

 

『フッハッハッハ…… サぁー、おじょうちゃん。オレ様とイイコトしようじゃねーかぁ!』

『きゃー イヤー たーすーけーてー』

『ぐへへへへ……』

 

……みたいな、どこかで見たようなお約束の展開が待っているのだろう。

 

ゾクリとした。

 

「一人じゃ、敵わない…… もっと、もっと多くの力が必要だわ……」

「いったん、退却よ! 逃げるわよ、ハメ太郎!!!」

「ハメェ?!!! に、逃げるハメェ?!」

「あんな数だし場所も悪いし……とにかく、退却よっ!!」

「ハメハメっ、逃げちゃダメハメェ!」

「〈三十六計、逃げるにしかず〉ッ!!!、逃げてこそ、本物の戦いよ! 逃げ足こそ、本当の強さよ!」

「知らないハメェ!」

「当たり前でしょ、さあ、捕まって!」

「ハメェ?!」

 

彼女たちは、逃げ出したのだった……。

 




【ドキわく?!用語ワールド!!】『コップン』

「やってきました、『ドキわく?!用語ワールド!!』のコーナーでーすっ!」
「ハメー!!」
「今回は、『コップン』!!」
「コップン! ハメェ!」

「で、ハメ太郎。いったいぜんたい、コップンって何なの?」
「コップンハメ? コップンは、大きくて、ぶにょぶにょして、丸くて、ピンクで……」
「あーあー、わかんなーい。ハメ太郎、これに描いてよ!」
「ショーが無いハメェ。ナルミ、くれよん貸すハメ!」
「はーい……」
「………………。ジャジャーンハメ! これハメ! コップンハメ!!」
「へぇ! これが!! ……まったく訳が分からないわ!」

………………
…………
……

「かくかくハメェ」
「うんうん」
「しかじかハメェ」
「うんうん」

………………
…………
……

「……で。コップンは、ハメランドの周りにいた動物なのね!」
「そうハメ! いっぱいいるハメ!」

「で、肉コップン……って、何なの?」
「おやつハメ!」
「おやつ?」
「そうハメ、おやつハメ! コップンをハメハメすると、オヤツになるハメ! それが、肉コップンハメ!」
「へぇ……うまくできてるのね! で、お味は?」
「ゲロの味ハメ!」
「そ、そうなの……。それじゃあ、今回はここまで! みなさん、ご清聴、ありがとうございましたー! 次回をご期待ください!!」
「ハメー!!」
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