とある高校の七不思議
「
「七不思議?なんだそれ?」
風早は間の前で目を輝かせている眼鏡をかけた少し小柄な少女に聞き返す。
「はいっ!ウチの高校に突然現れた怪談でして…」
風早に怪談を報告しているのは音沢調。風早の学校の隣に位置する学校の生徒だ。
「どうも夜の校舎に現れるらしいんです」
「待て。夜の校舎って時点で作り話確定だろ」
セキュリティと規則が厳しい学園都市の学校に夜に入れるとは思えない。
「それがそうでもないんです。実際に昨日の夜に入った人が居まして…」
「そいつの名前を教えろ逮捕する」
「青髪ピアスさんです」
調はニッコリ笑いながらニックネームを教える。
「わかったあいつか」
風早にはどの人物かわかったようだ。
「ええっ!分かったんですか!?」
「ああ。あいつ何回も職質受けてるって風紀委員の間でも有名だし。ウチの支部の奴等は全員あいつに職質したこと有るそうだ」
「青ピさん…」
調が悲しそうな顔をする。
「で、その話を俺にしてどうして欲しいんだ?」
「決まってるじゃないですか!何時もみたいに退治しちゃって下さい」
調がビシッ!と指を指す。
「いや、退治なんかしてないけど」
「そんなはず無いです!だって風早さんに話して暫くしたら噂がぱったり止んじゃうですよ」
「偶然だって」
やれやれと言ったように否定する。
「むー、しょうがないですね」
調は頬を膨らませて言った。
「どうせ言ったからには直ぐに噂も止むだろうし。じゃあ頑張って下さいね」
「だから退治なんか…」
「じゃあ私時間なんで、お願いしますね!」
調はそう言ってダッシュで去っていった。
「だ…そうですよ、雲川先輩。貴方の学校じゃないですか」
『そんな噂、聞いたことないけど』
「真面目に授業出ないからでしょう」
『私にあの高校の授業は必要ないけど』
風早が取り出したスマートフォンの画面にはセーラー服を着てカチューシャを着けた少女が映っている。彼女の名前は雲川芹亜。統括理事会のメンバー、貝積継敏のブレインである天才少女だ。
「で、どうします?」
『決まっているだろう?退治するけど』
「俺がね」
『貝積継敏のブレイン、雲川芹亜が命じる。
「了解」
しかし今は午後の4時。行動を起こすには早すぎる。
(さて、今日は仕事もあることだし。ちょっと奮発してもいいかな)
風早は仕事前にいつも寄るカフェに入る。
「いらっしゃいませ。あ、風早さん。お仕事ですか?」
「ああ。また情報をたのむ」
風早を出迎えたのは高校生くらいでふわふわ髪のウェイトレスだった。
風早は誰も居ないカウンター席に座る。
「ビッグパフェ3個」
「はーい。マスター、ビッグパフェ3個でーす」
ウェイトレスが奥に注文を伝える。
「で、今回はどんな仕事ですか?」
「七不思議らしいしかも高校の」
「高校ですか?小学校じゃなくて?」
風早はウェイトレスの質問に答える。
「それってヤバイ研究機関が実験を隠すために流したデマでは?」
「その可能性もある。だが高校生にもなって怪談だから本物の可能性も十分あり得る」
「どっちにしても噂を消すんですよね?」
「ああ。噂なら発信源を止める。本物なら怪異を倒す」
ウェイトレスの質問に当然だと言うように答える。
「お待たせしました~。ビッグパフェ3個で~す」
風早の前に巨大なパフェが3つ並ぶ。
「で、どうだ?七不思議の情報はあるか?」
「う~ん…。小学校の七不思議ならいっぱい有りますけど…高校となると有りませんね…」
風早の質問にウェイトレスは難しそうな顔をして答える。
「そうか。しかし高校か…」
「何か問題でも?」
「小学校と違って広いからな。余り慣れてない」
「どの学校ですか?」
「ああ、それは…」
風早はウェイトレスに学校名を答える。
「え~と、ちょっと待ってて下さい」
ウェイトレスはそう言って店の奥に引っ込んでいった。風早はしばらく1人でパフェを食べることとなった。やがてウェイトレスが戻って来る。
「その辺の地理に詳しい怪異狩りで都合のつく人が1人いたので呼びました」
「誰だ?」
「柿傍君です」
「えぇ~」
ニッコリと笑いながら言うウェイトレスに風早は嫌そうな顔をする。
「ご不満ですか?」
「初心者じゃん。頼りにならない」
「頑張ってください」
その時カフェのドアが開き、客が来たことを示すベルが鳴った。
「いらっしゃいませ。あ、柿傍君」
「お姉さあぁぁぁぁぁん!会いたかったっす!」
中学生くらいの茶髪の少年がウェイトレスに飛びかかる。ウェイトレスは慌てずに手に持っていたお盆で柿傍を叩き落とす。
「ぶへっ!?」
変な声をあげて柿傍が地面に落下する。
「さ…流石姉さん」
起き上がらない柿傍に風早が近付く。
「いつまで寝ている。作戦会議、始めるぞ」
作者は怪談とかあんまり知らないので何かいいのがあったら感想に送ってくれると嬉しいです。