とある怪異の移動制御   作:8号機

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なかなか話が進みません。


夜の校舎

風早と柿傍はカフェのカウンター席に並んで座っていた。

 

「ビッグパフェ追加」

 

風早はウェイトレスに注文する。

 

「先輩よく食べるっすね。見てるだけで口の中が甘くなってくるんすけど」

 

柿傍がからのグラスを見ながら言った。

 

「能力を細かく使おうとすればどうしても頭使うからな」

 

「で、今日の仕事はなんすか?」

 

「なんか七不思議らしい」

 

「らしい?」

 

風早の答え方に柿傍が聞き返す。。

 

「七不思議だけど舞台が高校なんだよ」

 

「高校っすか。珍しいっすね」

 

「もしかしたらスキルアウトが自分の縄張りに近付かせないように流した噂かもしれない」

 

「スキルアウトっすか…。無能力者(レベル0)の不良集団、下手な能力者より質が悪いっすよ」

 

柿傍が嫌そうな顔をする。

 

「お待たせしました~。ビッグパフェで~す」

 

風早はパフェを受け取ると早速食べ始める。

 

「お姉さんに呼ばれたからってほいほい来るんじゃなかったっす」

 

「何か不満が?」

 

「パートナーは甘党大能力者だし」

 

「甘党の何が悪い」

 

「そのパフェの量、見てるだけで気持ち悪くなるんすよ」

 

「これだから新米は…。甘いもののよさを全くわかってない」

 

「新米関係ないっす」

 

「まあいいや。今回の装備は?」

 

柿傍は真面目な顔をして答える。

 

「トイソルジャーが三丁、岩塩弾が千個、ガトリング水鉄砲が一丁、御酒タンクが二個っす」

 

「トイソルジャーか…。軽くない?メタルイーターぐらい用意出来ないの?」

 

「そんなの制御出来ないっす!そもそも岩塩弾が無いっす」

 

「メタルイーターなら当てるだけで低級は倒せると思うが…」

 

「そういう風早さんはどうなんすか?」

 

「俺?盾は八つ、警棒は昨晩に壊れたから二本、護符五枚、身代わり三個、式三匹」

 

「流石ベテランは違うっすね」

 

「お前が新米なだけだ」

 

「新米で悪かったっすね」

 

「7時に現地集合。遅れるなよ」

 

風早は立ち上がりながら言った。

 

「了解っす!」

 

柿傍の返事を聞いた風早はそのまま店を出ていった。

 

 

午後7時、風早は鉄製のケースをと剣道部員が持つような竹刀を入れる袋を持ってとある高校に現れた。

 

「おーい柿傍、待った?」

 

風早は校門で待っていた柿傍に声をかける。

 

「待った?じゃないっすよ!なんで勘定払って店出ないんすか!?おかげで今月の小遣いが大幅ダウンじゃないすか!」

 

柿傍が風早に向かって怒鳴る。

 

「すまん」

 

風早は全く反省の色が見えない態度で謝る。

 

「静かにしろ。もし本物じゃなくてスキルアウトだったら面倒だろ」

 

二人は学校の中庭の様な場所にやって来た。中庭には数人の人影が見える。

 

「おい、本当にこんな怪談意味あんのか?」

 

「帰って怪しまれるだけじゃね?」

 

「バーカ、こういうのは徹底的にやらなきゃだめなんだよ」

 

数人の不良らしき人が話し合っている。

 

「はあ、やっぱりスキルアウトか…」

 

「どうするんすか?」

 

うんざりしたような様子で呟く風早に柿傍は質問する。

 

「こうする」

 

風早は能力で小石を数個浮かばせると不良達の後頭部にぶち当てた。

 

ガツンッという人の頭からしてはいけない音を出して不良達が倒れる。

 

「ちょ…風早さんやり過ぎじゃあ」

 

「こういうのは徹底的にやらなきゃだめなんだよ」

 

さっきの不良の一人と同じことを言う。

 

「さっさと行くぞ」

 

風早は能力で窓の鍵を開けるとそこから忍び込んだ。

 

「よっと…。先ずは二階から探索するか」

 

風早はそう言って二階に上がり、トイレに入った。そして洗面所の上に上ると鏡の中に入っていった。後から柿傍も続く。鏡の中には灰色の世界が広がっていた。

 

「うわー、何回やっても慣れないっす。これ」

 

「だからお前は新米なんだよ。世界の裏側ぐらいホイホイ入れるようにならないと」

 

風早は洗面所から降りてトイレから出る。

 

「さーてどれから探す?ドッペルゲンガー?それとも長い廊下?」

 

「長い廊下がいいっす」

 

「じゃ、ドッペルゲンガーね」

 

風早はドッペルゲンガーが観測されたという場所に向かう。

 

「ちょ…、どうして嫌な方に向かうんすか!?」

 

「ケーキのイチゴは最初に食べる派だし」

 

「嫌な方がいいんすか?」

 

「楽しいだろ?」

 

「下手したら死ぬっすよ!」

 

「どっちにしろドッペルも調べなきゃいかんのだし」

 

「そ…それもそうっすね」

 

「新米」

 

「新米言うな!」

 

「静かに…!」

 

「へ?」

 

風早が柿傍を止める。

 

「どうしたんすか!」

 

柿傍が小声で訪ねる。

 

「前見ろ、前」

 

柿傍が前を見ると、暗闇の中こちらに向かう人影が見える。人影は中学生くらいの伸長だった。

 

「まさか…」

 

柿傍が懐中電灯を人影に向ける。人影は柿傍と全く同じ顔をしていた。

 

「ドッペル…ゲンガー」

 

「おー、ほんとにそっくりだな。生意気そうな顔してる」

 

風早が呑気に感想を述べる。人影は後ろを向くと一目散に逃げていった。

 

「待てっ!」

 

柿傍が追いかける。

 

「おい!深追いするな!」

 

風早が制止するのを無視して柿傍は走る。

「ぷちっ」という音とともに柿傍の足が細い糸を切る。

 

「罠ッ!?」

 

柿傍が叫ぶ。同時に複数の爆発が起こり、柿傍を覆い隠した。

 




やっと2500字をこえました。よっぽど暇じゃないと進みませんね。
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