海中と川端の個人メドレー対決後・・・
「白川さん、まずはバタ足からだね!」
海中はプール中をゆっくり歩き、白川の両手を持って体をうつむきにさしてバタ足の指導をしていた。
(あいつ、下心丸出しだな。でも海中はちゃんと教えてんな。)
プールサイドにいた川村は白川と海中の様子を見ていた。
「先輩、平泳ぎ教えてもらえますか?」
黒川は狙い通り、川村にまた近づいた。
(そういえば、黒川は白川と海中のこと応援してるんだったな。)
「分かった。」
そう言ってビート版を黒川に渡した。
「俺がゆっくり平やるから、ビート版でバタ足しながら横のコースから見て勉強してくれるか?」
「はーい!」
「元気いいな。本当に分かってんのか?」
「もちろんですよ。私そこまでバカじゃないですよ!」
川村がゆっくり平泳ぎを始めた。
そしてそれと同時に黒川は横で川村の泳ぎっぷりを見ていた。
(川村先輩の泳ぎ初めてちゃんと見るけど、なんか想像以上にいいかも。)
黒川はさらに川村に惹かれていった。
海中は次にプールサイドに白川と一緒に上がり、クロールの手の動かし方を教えた。
海中はマットをプールサイドに引いてその上に白川をうつむきに寝させた。
「手をまっすぐにした状態から肘を曲げて手を腰に当てるように動かすんだ!」
海中は星座してうつむいている白川を真正面から見ていた。
すると後ろから川端がモヒカンの後頭部を叩いた。
「あんたどこ見ながら指導してんのよ。」
「いえ・・・それはその・・・」
白川は苦笑いしていた。
「やっぱり駄目ね。白川さんは時太郎から教わりなさい。」
と言ってモヒカン部分を引っ張って川村と黒川の方に行った。
白川(私の要望は無視なんだ。鉄鎚なんだけどなー。)
しばらくして・・・
白川はマットの上でクロールを独自に練習していると川村が来た。
「なんか知らないが、花恋いわく俺が教えた方がいいらしいな。」
(海中に下心があったなんてとてもじゃないけど言えないからな。)
「あ、そうですか。じゃあ教えてください。」
(やっぱり、緑に川端先輩は川村先輩を取られたくないのかな。そもそも前の緑が泣いてるところを見られたのかな。)
一時間後・・・
白川はクロールを25m泳げるようになった。
「白川、お前上達早いな!なんで今まで鉄鎚だったんだ!!それが驚きだよ!!!」
「あ、ありがとうございます。」
川村はプールサイドに集合をかけた。
「黒川は平出来るようになったか?」
「緑ちゃんはあと少しで泳げるようになるかな。」
「そうか、花恋。じゃあ解散!俺が最後南京錠に鍵かけとくから。」
すると黒川が、
「あ、あのもしよかったら、競泳水着一緒に選んでくれませんか?」
「黒川、誰に頼んでるんだ?」
すると白川がフォローに入る。
「五人で女子部員の競泳水着を選ぶんですよ。」
「そういえば緑ちゃん言ってたね。私も賛成!時太郎は?」
「すでに競泳水着持ってる俺と海中が行くのはおかしくないか?お前ら女子三人だけで行ってくればいいじゃん。」
「川村先輩何言ってんすか!部長として行かないとだめですよ!」
(これこそ白川さんと仲良くなるチャンスじゃねーか。)
川村は海中の言う事も一理あると思った。
「分かった。じゃあ明日放課後ショッピングモールな。」
そして川村は更衣室に着替えに戻った。
川村はみんなが帰ったと確認した後、プールの鍵を職員室に戻しに行った。
靴箱から出た時、校内出入り口に黒川らしき人物が立っていた。
「あれ、黒川か?」
「あ、先輩!良かったら一緒に帰りませんか?」
「ああ・・いいぞ。」
川村は白川がいないことが疑問に思ったがまあ聞くほどの事でもなかった。
下校・・・
「お前って俺と帰る方向途中まで一緒なんだな。」
「はい。」
黒川は川村の三歩ぐらい下がって歩いていた。
「なんで横で並んで歩かないんだ?」
「あ、すいません。」
黒川は小走りで追いつき横に並んで川村と歩いた。
「これじゃあリア充に見えますから。」
黒川はドキドキしながら歩いていた。
「リア充?」
川村は質問した。
「いえ、なんでもありません。」
「そうか、明日水着買うお金忘れるなよ。」
そう言って川村は自分の家のある分かれ道を歩いて行った。
黒川(結局好きな人いるかどうか聞けなかったな・・・)
黒川は少し立ち止まった後反対方向に帰って行った。
次の日・・・
川村は朝のホームルーム前に競泳水着の雑誌を見ていた。
すると後から登校してきた川端が
「あんた女子の水着ばっかり見てたら周りから気持ち悪がられるよ。」
「おいおい、それはないだろう。お前たちが誘ってきたんだろ。」
「まあ・・・確かに。」
川端は返す言葉がなかったが、
「それよりあんたはどれがいいの?」
「え?俺は青山先輩にもらった水着があるからそれで十分だけど。」
「え、いや・・・まあいいや。とりあえず水泳部前集合ね。」
放課後・・・
「結、今日って部活ないよね?」
「うん、多分でもストイックな川村先輩が部活平日なしなんて珍しいね。」
そこに川端がやってきた。
「あれ、男子まだ来てないんだ。また女子待たすの~。」
「あれじゃないですか?」
水泳部前に向かう川村と海中・・・
「先輩、俺が白川の水着選んでいいっすよね?」
海中は瞳を輝せながら言った。
「お前は・・・本当に。」
(頼むから初対面のあの時のお前に戻ってくれ。)
川村は海中の気持ちに落胆していた。
「時太郎、で?どこに買いに行くの?」
「そうだな、とりあえずスポーツ用品店だけど・・・ショッピングモールの中にあるんだよな・・・」
川村は一中の制服集団でショッピングモールに行くのは風紀が乱れると思ったから悩んでいた。
「つまり、いったんそれぞれ家に帰ってモールに集合ってことですか?」
「白川さんがそう言うなら俺は帰って私服で・・・」
川村は腹を決めた。
「いや、でもいいか。行こう!」
(こういうアニメであるやつ一回やってみたかったしな。)
川村は孤独の部活から解き放たれてか、若干中二病を患っていた。
ショッピングモールに出向いている時・・・
川村がしばらく先導していた時であった。
横に海中が並んで歩いてきた。
後ろの女子三人は楽しくおしゃべりをしているよだ。
「実は俺も先輩みたいな水着にしたいんですよね~」
「あれ?お前は競泳の水着持ってただろ?ショートボクサーのやつ。」
「いやでも、あれだせーんすよね。小学校の時のやつですし。」
「そういえば海中は市で一番早いとか言ってたな。」
「はい、俺は市では負けたことないですけど他の市の同い年とは戦ったことないですから。」
「じゃあ市中大『市中学大会の略』はいいタイム残せるんじゃないか?」
「そのためにも、おすすめの水着よかったら紹介してくださいね。」
そう言ってまた後ろに戻って白川に話しかけた。
すると今度は川端が横に、
「ねえ、時太郎。何話してたの?」
「ああ、海中に水着を選んでほしいって言われてた。」
「確かに、海中君のやつダサいもんね。」
「そうなのか?」
(俺が一般ずれしてんのか。)
「あんたのスパッツみたいなやつはかっこいいけどね。」
「そうだな。あの炎に一中て書いてある柄は中学背負ってる感半端ねーよな。」
(まあ、あの名前に恥じないように一年の二学期から肉体改造したんだがな。)
「何かっこいいて認めてんのよ!」
そう言って川端は川村の頬をつねった。
「痛!痛いって!!」
後ろから見ていた黒川は、
「結、先輩たち仲良さそうだね~」
「まあ、幼なじみだしね。」
黒川は若干嫉妬しつつ羨ましがっていた。
そうこうしている間にモールについた。