風邪はあの後直ぐに治り、あれから一週間が経ちました。ついに土曜日になり、午前9時、駅の前に集まった。メンバーは、瑞穂、せんぱい、戸塚先輩、えーっとあのナントカさん。ごめんなさい、名前を覚えてないです。
「それじゃあ、行くか」
ナントカさんが色々と進めてくれたのだが、せんぱいは戸塚先輩とずっと喋ってるし…まぁ、私も瑞穂と喋ってるんですけどね?
そもそも、なんでこのナントカさんがいるのかと言うと、瑞穂が気になっているからだ。まぁ見た目は葉山先輩みたいな感じなのでモテるだろう。しかもまだ彼女いない歴=年齢らしい。
「私はせんぱいはせんぱいの隣!」
「やめろよ、重いなぁ〜」
「八幡、女の子にそんな事言っちゃいけないよ」
「お、おう。」
戸塚先輩にデレデレしちゃって…
「いいの、いろは?愛しのせんぱいを取られちゃってるけど」
「大丈夫だよ、うん。だって男だから…多分」
怖いなぁ〜、今どき男が男を好きになる事もあるからね。
瑞穂は「なぁ〜んだ」と言ってナントカさんと話始めるし。暇だなぁ
* * *
「起きろ、一色」
「うん〜なんですかぁ〜」
「もう着くぞって言うか着いた」
いつの間にか寝ていたらしく、目的の駅に着いていた。
荷物を持とうと立ち上がると既にせんぱいが荷物を持って出ようとしてた。
「荷物持ってくれてるなら、言ってくださよ」
「ん?あぁ、忘れてたわ」
おそるべしせんぱい。さりげなく女の子の荷物を持ってるなんて…
多分、小町ちゃんにやってるからだろうけどせんぱいが先輩してるなんてなんか、こう、変な感じです。
「置いてかれるから早く行くぞ」
「ひゃん!」
せんぱいは見向きもしないが、さりげなく手を握るなんて怖いです。
今、私は下を向いているけど多分前を向いたらすごい色をしてそうです。
「八幡〜こっちだよ〜!」
手を繋いだままみんなのところに走っていく。その場に着くとさりげなく手を離すし…
すると瑞穂が近づき小声で話しかけてきた。
「良かったね、せんぱいと手を繋げて。顔真っ赤だかは気をつけてね」
「うるさいっ」
肩に肩をぶつける。「もう、痛いなぁ」なんて言いながら普通にナントカさんの隣に歩いていった。私はせんぱいから荷物を貰おうとしたのだが、せんぱいは「俺が持っとくよ」なんてカッコイイこと言い始めるし…今日は恥ずかしくて悶死しちゃいそうです。でも、海でぎゃふんと言わせてやります。その為の水着ですから。せんぱいはどんな水着なんだろう、夢に出てきたブーメランじゃない事を祈るのみです。
「ほら、ぼーっとしてんな、置いてくぞ」
私は何故かカッコイイせんぱいの腕を絡め、密着して歩く。暑いと言われてもそのまま歩く。だって、今日のせんぱいはちょっとカッコイイから。
八幡が八幡してなくてビックリしてます。読んでビックリしてるだろうけど書いた本人が一番ビックリしてます。なので言及はしないで。
という事で次回は水着回かな?うん、楽しみにしてて下さいな