現在時刻は11時。午後11時だ。たしかコイツらが飲み始めたのは7時だから4時間も同じ店で飲んでることになる。一色にいたっては俺が来た時は中ジョッキの半分以上残っていたのに、今は大ジョッキ7杯。
「一色、そんなに飲んで大丈夫か?」
「ふぇ?だいじょうぶれすよしぇんぱい」
「呂律回ってねぇじゃんかよ」
他の奴らはって?2次会に行きましたよ、一色がちょっと前まで寝てたのに起きたらこの通りまだ酒を飲む。これ以上は先輩として見てられないし、今日は木曜日でまだ明日も講義があるだろうから二日酔い確定だろうけどマズイから勘定を済まして送ることにする。
「おい、一色送ってってやるから起きろ」
「ましゃかしぇんぱいしょうやっておもちかえりしようとしてませぇんかぁ~?」
「そんなことするかよ、ほら行くぞ」
俺は一色を背負って家まで歩く。幸い家は近いので今の俺でも送っていける。
「しぇんぱいはこんなに可愛い後輩をおぶっても何にもかんじないんでしゅか?」
「そんなん感じるかよ」
嘘だ。ホントは一杯一杯だ。女子の免疫が無い俺には辛いが襲うわけにはいかない。一色へ気持ちは俺の本物だ。だけど一色の気持ちは多分俺には向いてない。そんなのただの犯罪だ。そしたら小町の評判にも関わる。
「しぇんぱい、気持ち悪い」
「悪かったな気持ち悪くて」
「うっぷ…」
ん?気持ち悪いって言ってたけどもしかしてのもしかして、吐いちゃう?
人通りは少ないけど人の上で吐いちゃう?今日白いシャツなんだけど、これ高いよ?これ汚しちゃマズイから早くトイレ探さなきゃ。
「ちょっと待てよ一色。今吐くのは勘弁な」
「早く…うっぷ」
まずいぞ、早くしないと。やばいよ、やばいよ!なんて思ったら隣公園じゃん。公衆トイレでいいからそこで吐かせなきゃな。
「ほら、トイレ行って吐いてこい。」
「はい…うっ」
その間に俺は水を買ってこようかな。スポドリとかグレープフルーツ系統の飲み物はダメだからな、余計に酔を回す。
「あーあ、わざとだろうけどあんなに胸を押し付けられたらなぁ、みんな勘違いしちまうよなぁ~」
独り言を口に出すなんて珍しいなぁ、俺。酔ってるのか、いくら遅れたとはいえそれなりに飲んでるからな。
「可愛かったな…一色」
「どうしましたせんぱい」
「うぉっ!驚かせるなよ」
えっ?聞かれちゃった?もしかして今の聞かれちゃった?八幡そんなことされたら殻にこもるよ?トイレという名の殻に。
「大丈夫…じゃないだろうからな、ほら水だ」
「ぁ、ありがとうございます…」
「どういたしまして。ほら、飲んだらおぶってやるから帰るぞ」
振り返り一色を見るとその目には後ろに咲いている、遅咲きの桜が写っていた。
「どうした?遅咲きの桜がそんなに珍しいか?」
「いえ、ただキレイだなって」
「そうだな」
俺にはこの続きに、お前みたいになってカッコイイことは言えない。そんなの言えるのは葉山ぐらいだ。主人公補正は俺には掛かってないからね!期待しちゃダメだよ!
「んじゃ歩いてくか」
「せんぱいのクセに気が利きますね」
「ほら、しっかり前向いて歩かないと転ぶぞ」
「私がそんなことするわけないじゃないですか~」
フラグだよそれ。絶対転ぶぞアレ。注意しなきゃな、全く。
「それに前ならちゃんと向いてますから、大丈、あっ…」
「おっと、ほれみろ転んだじゃないかよ」
「せ、せせせせせせせせんぱい?」
「なんだよ」
「そ、そそそのぉ~離してもらえません?」
なんか俺の手の平にふにふにした柔らかいものが…
「せんぱい、は、早く離し…んっ!」
おっとまずいぞ。後ろから抱きついた状態で、女性の表側にあるふにふにした物なんて1つ、いや正確には2つか。静かにゆっくりと離して距離を取ろう。
「わ、わりぃ」
「せーんぱい!覚悟は出来てますよね?」
「ごめんなさい、できてないです」
距離とかの問題じゃなかったよ、詰んだよコレ。NEETが社会的に殺される瞬間だよ。
「それじゃあ、せんぱいは私の言うことを何でも1つ聞くというので許してあげます」
「え?それだけでいいの?」
「せんぱいだけが悪いわけじゃありませんから」
え?ちょっと怖い、なに命令されるのかな?死ぬかな俺。
「それじゃあ、行きましょうよせんぱい!」
「おい、ちょっ、走るなよ」
この時は気づいてなかったが一色と俺は手を握っていた。桜並木を俺達は過ぎ、一色の家に向かって2人で歩いた。こういうのも悪くわないな。
微エロ入れようとしたらちょっと雑になっちゃった。初めてだから勘弁して下さいぃぃぃぃ。駄文でも楽しんで読んで頂けるように書いてるのでよろしく評価とお気に入り登録よろしくお願いしますね♡(書いてる本人が1番気持ち悪るがってるので何も言わないで)