ドジっ娘は風紀委員長様のおきにいり!?   作:ひばりの

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すごーく今更なんですが、原作は標的45からになっております。
はい、ロンシャン君です。

「えっ?標的44からじゃないの?」と思われますが、標的44はツナたちの始業式の日と思ったので標的45からのスタートです。

ちなみに、今話はWコンビがすでに咬み殺された後になっておりますw



『雲雀恭弥の謎を捜索し隊』始動中!

 

「何群れてるの? 咬み殺すよ」

「ヒィィ! すみませんでしたあぁぁ!!」

 

 

 彼らの謝罪の言葉も虚しく、雲雀恭弥はトンファーという例の金棒で、生徒たちを次々と咬み殺していく。そんな地獄絵図のような光景を、思わず口元を抑え顔面蒼白になりながら、堪えるものは堪えて傍から眺めていた。

 

「おお、おぉおおっ! さすが並中最恐の男、雲雀恭弥! あのトンファー裁き、まさに華麗だわ!!」

「あれを見て称賛を述べられるのは精々お前ぐらいだ」

 

 私たち『雲雀恭弥の謎を捜索し隊』は、現在雲雀恭弥のいる現場から少し離れた校舎の物陰から、その悲惨な光景を盗み見ていたところだった。

 

 言い出した東山さん…… もとい春奈ちゃんは、雲雀さんの華麗というか…… 鋭いトンファーの制裁を、その目で目の当たりにして、ずっと興奮冷めやらぬ状態で紙にペンを走らせている。

 

 また新垣君は、そんな彼女の姿を隣で窺ってはドン引きしているといった感じだ。

 

「確認なんだけど、私たち今何をしているのかな……?」

 

 隊を結成後、春奈ちゃんからの急かしで、私と新垣君はほぼ(・・)無理やり(・・・・)彼女に連れ出され、廊下で雲雀さんを見つけた後は彼に話しかけることもしないで、なぜかこうして傍から彼の動向を盗み見ているだけ。

 

 雲雀さんの後をこっそり追いかけて見られたものは、噂通り校内で戯れ合っている生徒たちに向かってトンファーを突き立て、問答無用に群れを咬み殺していく血腥(ちなまぐさ)い光景ばかり…… 遠くから見ていても超恐いんですけど、あの人ー!!

 

 こうして見ると、あの時の階段から落ちてきた彼とは別人のようにピンピンしている。大丈夫だったのかな?

 

 脅える私に、春奈ちゃんはペンを止めるとこう淡白に答える。

 

「尾行よ、尾行。ターゲットの情報を得るための基本中の基本よ」

「それって私たち、雲雀さんをストーカーしてるってこと……?」

「んんっ! ハッハッハ、何を言っているのだね、ワトソン君。それは下心のあるグヘグヘした輩のすることであって、私たちのこの行為はあくまで『ストーキング』といった情報捜査の第一歩として……」

 

 一際高い咳をして、その後はくどくどと何かを説明し始める春奈ちゃんに、私はもうあえてつっこむのはやめて、遠目に見える雲雀恭弥という怪物の観察に戻る。

 

 5人くらいいた男子生徒たちを、全員その場で瞬殺してしまった雲雀恭弥は、その骸たち(※死んでません)を少しの間じーっと見下ろしていたけれど、不意にその視線を上げるとこちらを振り返って――……… え……?

 

「いるのはわかっているよ。誰、さっきから僕を付け狙うカモは?」

 

 こちらをギロリと見据えて、雲雀恭弥が美声を放った。殺気と共に。

 

 嘘ぉー!? あっさりバレてたしー!! これはもしかしなくてもすごくやばいんじゃあ!?

 

「ど、どうすんだよ? バレたぞ」

「………さすがは並盛を裏で操作している彼ね。敵の目はお見通しってわけか……」

 

 彼、裏でこの町動かしてるのー!? 超ヤバイ人なんじゃないーーーッ!!

 

 それを知ってて今まで尾行してたとか、この子どんだけ命知らずなのよー!?

 

 ……って、そうじゃなくて早く逃げないと!!

 

「ねぇ、3秒…… 待っていてあげるから、出て来ないと咬み殺す」

 

 キャーッ!! つつついにこっちまで番が回って来ちゃったよー!! もうカウントダウン開始ー!? 制限時間少なすぎぃッ! 3秒って!! 普通はせめて10秒とかでしょー!?

 

「チッ…… 3秒じゃあ逃げたところで捕まるか…… なら」

 

 ドンッと背中を押されて、物陰から押し出された。

 

 全く予想打にしていなかったので、私はそのまま自身を庇うことなく土の地面に思いっきり転んだ。

 

 朝から転びすぎでしょう……。

 

「まりやちゃん! グッドラック!」

 

 私を押し倒した張本人である春奈ちゃんは、去り際に幸運を祈るぜなんて無責任な言葉を残して、新垣君の腕を強引に引っ張って行き、私をこの場にポツンと置いて行った。

 

 …………一日も立たないで裏切られたぁぁあああ!!

 

 なんて脆い友情だったんだと嘆く暇もなく、頭上から鬼の鋭い声がかかる。

 

「――また君かい、花内まりや。いい度胸だね。咬み殺してあげよう」

 

 3秒以内に出て来たのに、結局咬み殺されるの!? もういやああぁッ!!

 

 じりじりと確実に雲雀さんがドス黒い笑みを深めて間合いを詰めてくる。この鬼いぃ!

 

 私を咬み殺したって美味しくないよぉー!!

 

「――ッ! 痛っ……」

「?」

 

 咬み殺される一歩手前で、足首に激痛が走る。

 

 その足首を強く押さえて急に俯いた私に、様子見していた雲雀さんは大方察しがついたようで、一応確認するように尋ねる。

 

「何、捻ったの?」

「み、みたいですね……。た、立てない……」

 

 笑顔が引き攣っている。こうして苦笑いで答えるのも精一杯だ……。

 

 じんじんと痛む足をとにかく宥めるように押さえて、痛みからがら言葉を絞り出す。

 

「……何それ。僕に咬み殺された後も、自分じゃ碌に動けないわけ?」

 

 そ、そういうことになっちゃうのかなぁ? アハハー。全然笑えないよぉ、恐いぃ……。

 

 私、どう咬み殺されちゃうんだろう……。

 

 不安と恐怖に苛まれて、無意味だろうけどせめてもの抵抗として身構えると、雲雀さんは不意にトンファーを下ろして、仕舞った。

 

 どうして彼がそんなことをしたのか理解に苦しんでいたけれど、ひとつの嫌な予感が顔の血の気を引かせた。

 

 …………まさか、素手で殴られる!?

 

 トンファーで殴られる痛さは知らない。あれを見れば、また相当なものなんだろうけど……。

 

 父親に一度だけ殴られたことのある私は、"グーで殴られる"その痛みを、その辺りの女の子たちよりよく知っている。歯は折れるし、三日ほど痛みで喋れないのだ。

 

 ――嫌だ。殴られるのだけは絶対に嫌ッ!! 実はプチトラウマものだったりするんだから、あの痛さは……!

 

 逃げようにも、自分の足はこれじゃ走れそうにないし…… つまりはこの鬼から逃げられない。

 

 ここに来て結局終わるのかぁ……。朝の修羅場を乗り越えた時の神様への感謝は一体何だったんだろう……。

 

 もう、これだからドジは苦労するんだ……。

 

「……君を咬み殺すのは、また今度にしておくよ。僕だって癪だけど、風紀には代えられないからね」

 

 最後に雲雀さんが、何か言っていたような気がする。絶望の淵で彼が何を言ったかなんてもう聞いてられない。

 

 もう煮るなり焼くなりお好きにどうぞー……。

 

 

 ――すると、おもむろに私の方へと近づいてきた雲雀さんは――ヒョイッなんて軽々と私の体を持ち上げると、表情をにわかに変えた私に諭すように言う。

 

「暴れないでよね」

 

 暴れないでよね、って…… あなた、自分が何をしているのか、ちゃんと解っていますか……?

 

 あ、アレだよ……――よく漫画の中で倒れたヒロインを男の子が保健室に連れて行こうとしてやっちゃうアレとかアレとか……。

 

 お、おおおぉぉおぉ――――ッ!!

 

 とにかく無理ーーーッ!!

 

「や、やややめっ…… おぉおおおぉろしてくださいぃッ!!」

 

 顔を真っ赤にして、ままならない状態から必死にそう叫んだ。

 

「ワォ、僕の親切に逆らうんだ。素直に従わないと咬み殺すよ」

「何でもありません。お願いします」

 

 あまりにもギャップのあるお美しい風紀委員長様の微笑みに、恐怖から即答してしまった……。

 

 うぅ…… なんだか私、ヘタレみたいじゃない? ドジにヘタレって、まさにダメ人間じゃない……。

 

 心中でそう嘆きながら、私は最恐と呼ばれる彼に初めてのお姫様抱っこを奪われ、そのまま保健室まで強制連行されて行きました。

 

 こんなにもときめかないお姫様抱っこがあるなんて…… 思いもしなかったよ。グスン……。

 

 

 ********

 

 

 保健室に着けば、保健室の椅子に荒く振り落とされ、椅子の上で軽く尻もちを着いてしまう。

 

 痛いなぁ…… 運んでくれたのは素直にお礼を言いますけど、せめてもうちょっと優しくしてよ……。

 

「おいおい小僧、レディーには親切にしてやるもんだぜ?」

 

 保健室の先生らしい中年のダンディーなおじさんが、雲雀さんに振り回されっぱなしだった私を庇ってくれた。優しい、おじさん…!

 

「知らないよ。それよりさっさと治療して」

「へいへい、相変わらず鬼の風紀やってるねぇ」

 

 身が竦むような雲雀さんの睨みにも動じず軽くあしらうおじさん。

 

 すごい。あの雲雀さんの睨みをいともあっさり…… 年の功っていうやつかな?

 

「それで、どこが痛いのかなぁ、お嬢ちゃん? おじさんに言ってごらん?」

「えーと、右の足首を捻って……」

 

 うんうんと小さく頷いてから、足の具合を診てくれる。

 

 こんなにいいおじさんが保険医をやっているなんて、この学校も案外捨てたもんじゃないなぁ。ここに来てずっと雲雀さんとの会話だったから、おじさんとの会話が新鮮で、半端なく楽しい……!

 

 まさに見捨てる友達あれば拾うおじさんだよ。

 

 その後治療はすぐに終わり、私の右足にはぐるぐると白い包帯が巻かれた。

 

「ほーら、終わったぜ。お嬢ちゃん。調子はどうだ?」

「全然痛くなくなりました! ありがとうございました!」

 

 すごい…… ほぼ痛みを感じなくなった。このおじさん、腕もかなりいいみたい。

 

 これでまたドジしても大丈夫かなー、なんて。……しないのが一番か。

 

「いいって、いいってぇ。可愛いお嬢ちゃんの怪我なら、おじさんいつでも診てやるからなぁ。無論、男は御免だが」

 

 おじさんはふと壁に凭れる雲雀さんを一瞥した。

 

 雲雀さんの方は、僅かに片眉をぴくりとさせて、おじさんを見返した。

 

「……安心しなよ。貴方に診てもらうなんて、僕からも御免だ」

「そうかそうか。そんなら俺も安心したぜ」

 

 ……あれ? 今なんか、一瞬火花が散ったような気がしたのは、やっぱり気のせいかな?

 

 少し空気が冷えたような気もするけど、2人共その後は変わらない態度だったので、私も特には気になかった。

 

 ――と、気を抜いていた頃に、おじさんが唐突にこんなことを言った。

 

「さぁ、それで、お嬢ちゃんはおじさんにどんなお礼をしてくれるのかなあ?」

「へっ? お、お礼……?」

 

 お礼っていうのは、あのお礼……? どのお礼??

 

 というか、怪我を診てもらって保険医にお礼するなんて普通は聞いたことないんだけど……。

 

「おじさんはハグでもキスでもOKだぜ? さあ来い」

「来いと言われても……――って、待って待って!?」

 

 本気で顔を近づけてくるおじさんに、びっくりして思わず後退った。

 

 その刹那、ゴンッ!という激しい音と、おじさんの悲痛な声が室内に響く。

 

 何が起きたのか確認すると、さらにびっくりする光景があった。

 

「いってぇ! 何しやがんだ、てめぇはッ!」

 

 おじさんが怒りを込めて睨んだ先には、雲雀さんがトンファーを片手に、彼の方もおじさんを鋭い眼で睨んでいた。

 

 あの雲雀さんが助けてくれたらしい。

 

 ちょっと意外で、だけど嬉しかった。おじさんがかなり痛そうだけど。

 

「黙りなよ、エロジジイ。風紀が乱れる」

「知るかッ、んなの。てめぇのケツに病原菌333個詰め込んでやろうか、アアンッ?」

「ワォ。面白そうだね。それ。グチャグチャに咬み殺したくなるよ」

 

 やっぱり火花バチバチ飛んでるしーーー!?

 

 今にも殴り合いになりそうな雰囲気を2人で醸し出している。

 

 ちょっと、お2人さん!?

 

「まあまあまあまあ! お2人共、ちょっと落ち着いてください!! ねっ!?」

 

 こじんまりした保健室に漂い始める荒々しい雲行きを変えるために、彼らに引き攣るくらいの笑顔を向ける。

 

 こんな痛ましい空気、私には到底耐えられませんからっ!

 

「チッ。可愛い娘ちゃんの頼みなら無視はできねえからな。今回は見逃してやる」

「フン。次は咬み殺す」

 

 おじさんにまた挑発的な言葉を告げると、雲雀さんは私を置いてスタスタとここから出て行ていく。

 

 えっ、あの、ちょっと…… 雲雀さん……?

 

 その背中におじさんの声がかかる。

 

「おいコラ、坊主。可愛い娘ちゃん怪我してんだから、ちゃんと送って行ってやれよ」

「……貴方に言われなくても分かってる」

 

 ドアの手前で振り返って、キッとおじさんを鋭く睨みつけると、雲雀さんはその視線を今度は私に向ける。

 

「君も、いつまで座ってるの。早く着いて来なよ。治療してもらったんだから、自分で歩けるんでしょ」

 

 どうやら本当に送ってくれるらしい。

 

 あの雲雀さんに送ってもらえるなんて、なんだかあまり実感が湧かないような……。

 

 『恐い』って、ずっと思っていたけれど、実は案外親切な人?

 

「それとも、また僕に抱っこされて行きたいのかい? 調子に乗らないでよね。咬み殺すよ」

 

 親切なんてやっぱり微塵もないです、この人ーーー!! 早く着いていかないと、今度こそ本当にトンファーの餌食だよーーー!!

 

 身の安全最優先ですぐに椅子から立ち上がろうとして、途端に感じた鈍い独特の感覚に表情を崩すと、思わずその場に蹲った。

 

「あいたぁーッ!」

「おいおい、お嬢ちゃん。治療したっつても安静にしてなきゃダメだろ?」

 

 それもそうだった。ドジっていうか、バカか私は。

 

「なんなら、あの生意気な風紀小僧の代わりに、オレがおぶって……」

「あ、ありがとうございましたぁー!」

 

 痛みなんてもう構わず、さっさと保健室を後にして行ったのでした。

 

 

 ********

 

 

 雲雀さんの後を追って、ひとまず校門までたどり着いた。

 

 ここまで来るのに走って消耗した息を整えて、目の前に置かれた光景にまたも呆然と固まるしかない。

 

「これ、乗って」

「…………あの、これって……」

 

 それ(・・)に先に跨がっていた雲雀さんが、すると何の違和感も持たず私もそれに乗るように促してくる。

 

 私は、その………… 入学式にハチャメチャな目に遭うという夢でも見ているんじゃないかな……。

 

 うん、そうだよ。きっとそうだ。雲雀さんっていうわけわかんない人に会って、仲良くできた友達に早速裏切られて、挙句にはドジって保健室の優しいおじさんにお世話になって、オチに彼とバイク下校するっていうとにかくそういう夢なんだよ……!

 

「何グズグズしてるの? さっさと乗りなよ」

「うん、そうだ。これは夢なんだから、全部夢…… 未成年者でバイクの二人乗りをしても全部夢なんだよ……」

「……何寝ぼけたこと言ってるの?」

 

 雲雀さんが、黒の厳ついバイクに跨がりながら、私を訝しそうに見ている。

 

 これも…… これも全部夢だ。こんな無茶苦茶な入学式があってたまるか。

 

 夢なら早く覚めて。誰でもいいから夢だと言って――!

 

「……そんなに実感がほしいなら、僕が殴って感じさせてあげようか? これが現実だってね――」

「――!? ひひひひ雲雀さんッ!? なななんでそのこと……!?」

「全部声に出てたよ」

 

 普通に恥ずかしいーーーーー!!

 

 ……ていうか、待ってくださいよ。ということは、やっぱりこれは現実? これが現実だというの?

 

「だから、そうだって言ってるんだけど。全く君って鈍い奴だね」

「あなた人の心読んでませんか!?」

 

 さすがに今のは声に出していませんよ!? 彼、何者ッ!?

 

「早くしなよ。今の僕は誰も咬み殺せていないから機嫌が悪いんだ」

 

 知らないよ! っていうか、嘘つけえッ! 散々新入生の群れ咬み殺していたくせにいぃぃぃッ!!

 

 いろいろ彼の詳細について知りたいことはあるけど、それももう面倒くさいのでひとつだけに絞ろう。

 

「あ、あの、雲雀さん」

「何」

「いえ、あの…… 雲雀さんって、まだ中学生じゃあ……」

「一応、そういうことになってるけど」

 

 一応!? 一応って、何!? 自分のことなのに、どうしてそんな他人行儀……!?

 

「中学生にバイクって、交通違反なんじゃあ……」

「問題ないよ。ここでは僕がルールだから」

 

 質問内容を言い終える前に、核心をある種突いた答えが返ってきた。雲雀さんが、鬼の妖艶な笑みを深める。

 

 それを見て、私の表情も堅い笑みを深めていく。

 

 なんじゃそりゃあ!!

 

「従わないなら、咬み殺して置いていくけど」

 

 いいえ、ノープロブレムです!

 

 従いますから、懐から覗いてるそれ仕舞ってくださいぃ!

 

 結局は彼の黒バイクに私も跨がることになり、道路交通法を全く無視しながらも彼に家まで送ってもらうことに……。

 

 雲雀さんがいるから、捕まることはないとしても…… あの、ヘルメットはしないわけですか? 危なくないッ!?

 

 そんな心配をする暇もなく、バイクにエンジンがかかる。

 

「………いくよ。ちゃんと掴まっていないと、振り落とすから」

 

 いちいち恐いことを語尾に付け足さなくてもいいでしょうがあッ!

 

 でもやっぱり恐いから、彼の腰に回してある両腕の力が自然に強まる。

 

 あ…… やっぱり華奢だなぁ。ちょっと羨ましいなんて……。

 

 女の子より細い腰周りに、驚愕と嫉妬に気をとられていると、運転開始直後に規定速度を倍にオーバーした速度でバイクを飛ばされ、家に着く頃にはすっかり瀕死するほどの状態であったとさ。チャンチャン。

 

 

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