ちょっと短いです。
(1月20日、年号修正)
時は184年!中平初年!
後漢は核………ではなく黄巾の炎に包まれた!!
反乱が立て続けに起こり、黄色の頭巾を被った賊徒が跋扈し、まさに混沌とした世の中となっていたと思われた……
だが………後漢は滅びていなかった!!
まあつまりは後の世に言う黄巾の乱である。
官軍はまるで軍のように大挙を成す賊徒の事を黄巾賊と呼称した。
後漢の皇帝である霊帝は黄巾賊に対し将兵らを各地に派遣し、これを討伐せんとした。
しかし、元々彼らは政治の腐敗に生活を追い詰められた民達。
死に物狂いで向かってくる者も多く、兵力は官軍を大きく上回っていた。
さらには黄巾の乱を起こした張本人であると噂される謎の人物張角も、その姿を未だ捉えられずにいた。
こうして官軍はなすすべもなくたび重なる苦戦を強いられ、一向に希望の兆しを見つけられずにいたのだった…。
しかし、こうした世の中だからこそ、才ある者が台頭するのである。
今ここに、多くの英雄達が立ちあがった!
曹操、劉備、孫堅、董卓…各地で黄巾の乱を鎮め、のし上がらんとする者達が一挙にその姿を現した。
その中に袁紹の姿もあった………
と、言いたい所なのだが史実では黄巾の乱での袁紹の活躍は一切無い。
実はこの当時、肉屋こと何進大将軍の元帥府の部長として召し抱えられており、帝都…つまりは洛陽防衛に務めていた。
そしてそうこうしている内に張角が病に倒れ、黄巾の乱が終息。
つまり出番が無い内に黄巾の乱が終わってしまったのだ。
何とも格好の付かない話である。
しかし、この世界はそんな歴史など嘲笑うが如く、それは驚くほどに急速に、また螺旋曲がって歴史を綴っていく。
英傑達はその出番からは逃れられない。逃してはくれない。
何故ならこの世界は人々の想いによって作られた世界だから。
そう…これは三国志であり、三国志ではない。
………恋姫無双なのだから。
袁紹の生まれ故郷、汝南を離れた袁紹は今は濮陽の県令に任命され、濮陽に住んでいた。
そしてかれこれ3年の月日が流れた。
袁紹は非常に仕事に対して真面目に取り組み、清廉という大きな評判を得ていた。
本来の歴史ではその程度で終わるのだが袁紹の軍師である田豊の補佐により、さらに濮陽の人々に慕われていた。
濮陽の犯罪も非常に減ると治安においても完璧であった。
これには袁紹の前世の経験も大きかったが、田豊の活躍があったというのは言うまでも無い。
治安に関しては警備兵を各重要拠点に配備し、また狭い場所や人通りの少ない場所を重点的に置いた。
狼藉者が出た際の逃走経路についてもしっかり近くの警備兵が通路を塞げるようにするよう巧妙な配備を行った。
さらに警備兵にはやる気を出させるために夜間中の警備や狼藉者の確保に関して褒美を与えるようにした。
そこそこ美人な文醜顔良の二人がいる事も兵へのやる気向上に役立ったらしい。
ただ、この二人が袁紹を慕っている事を思うと悔し涙を流す者や、壁を殴る者もいたとかいなかったとか。顔良はともかく、文醜は少し違うのだが。
無論、報酬は袁紹の実はそこまで多くないポケットマネーで払っている。御家の金など以ての外である。
喧嘩事に関しては厳しい追及と調査を徹底させ、最終的な判断を田豊に相談しつつ決定している。
なお、これであった冤罪はほぼ無かった。田豊様々である。
民の困りごとに対しても出来るだけ協力するようにさせた。当然、結果に見合う褒美もさせている。自分も暇さえあれば時を惜しむことなく手伝った。
これが濮陽の民衆に大きく慕われる要因となった。
褒美によって袁紹のサイフはほぼ空っぽに近い状態になっていたが、『食事は御家から貰ってる分があるし、食事さえ出来ればそれで良い』と無欲っぷりを出していた。
田豊から『自分が金を出しますから』と心配されていたが大丈夫だと言って仕事に尽くした。
そもそも袁紹は一度死に、再び年を取る事で精神がやや達観していた。故に権力や金を欲する理由も今や自分の望みの為だけでしかなかったのだ。
(娯楽は前世で十分に取っていたし、特にこれ以上遊ぶ事も無いだろう)
こんな風に思うまでに袁紹の娯楽への興味はかなり低下していた。
その為、やる事はただ仕事と将来の為への鍛練であった。ある意味、これが娯楽の代わりと化していたのかもしれない。
そんな感じで袁紹の努力と活躍により、平和が保たれていた濮陽だったが…
―――そこに静かに乱世への足音が迫っていた。
それはある日の事であった。袁紹がいつも通り田豊と今後の濮陽の方針について相談していた時だった。
どたどたと大きく忙しそうな足音を立てて二人のいる部屋に迫ってきた者がいた。
そしてそれは勢いよく扉を開けた。
「た、大変です!!戻羽様!!」
それは顔良であった。肩で息をしつつ、大急ぎで袁紹に何かを伝えに来たらしい。何とも切羽詰まった顔をしていた。
袁紹と田豊はその様子に只事では無いと顔良を落ち着かせて聞いてみる。
「落ち付け。斗詩よ、一体何があったというのだ?」
「そうです。一先ず深呼吸をしてから、ゆっくりお伝えください。正確な情報を伝える為です」
「は、はい…そうですね。済みません。すぅー…はぁー…」
「落ち着いたか?」
「…はい。凄く落ち着きました。申し訳ありません」
「それで、一体何があったというのですか?」
「はい…それが…」
その一言は、袁紹にこの世界というものを容赦無く、現実味を持たせ、突き付けて教えた。
「黄色の巾を被った者達が各地で賊となって、蜂起したとの事です…!」
世界はたった今、回り始めた。それは無情に、そして凄まじい速さで。
また新しい物語が、始まる。
次は…どうしよう。やる気が早めに出るなら12月中旬までには出来るかな?
出なきゃ来年かもしれません。