真・恋姫無双~袁紹再臨(仮)   作:凡将モブA

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とりあえずここで念の為申し上げますが、筆者は内政とか儒教とかうんたらかんたらの政治にまったく詳しくありません。よってそういう描写は少ないです。

ああ言った事を書ける他の皆様方には感服せざるを得ません。それらもマスターしてこそ真の三国志オタクなのかもしれませんね。私?それに比べたらにわか同然でしょう。

大体ウィキペディアの情報と偶々ネットとかで知った事で筆者は書いております。ご了承ください(若干言うの遅かったかな…?)

今回は文醜、顔良の話の前編となります。という訳で次話は後編です。

次の投稿予定は9月まで無いのでしばらく待たれたし。


袁家への出会い(文醜&顔良前編)

 

 

 

 

文醜、顔良は孤児であった。

 

袁紹は転生者であり、夢を失っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

それは雨の日の事だった。

 

空は雨雲に覆われ、太陽はかき消えるが如くその姿は無かった。

 

その空の下では二人の少女が体育座りをして悲しみに暮れていた。

 

 

「っく…うぅっ…!」

 

「猪々子ちゃん…泣かないで。私もいるから…」

 

「斗詩…」

 

 

文醜、顔良は孤児であった。

 

いや、かつては二人ともちゃんとした親もいたし、そこまで不自由しない幸せな家庭に生まれていた。

 

二人は幼馴染として仲良く一緒に遊ぶ仲で、親ぐるみでお互い信頼関係にあった。

 

そんな日がいつまでも続けば、この世は近代のように平和だったであろう。

 

しかし、世の中はそれを良しとはしなかった。

 

 

「父ちゃんっ!母ちゃんっ!」

 

「父さま!母さま!」

 

「ゆけっ!猪々子!斗詩ちゃんと一緒に逃げなさい!お前達は私達の大切な子供だ!」

 

「あなた達はここで死んではいけません!さあ、早く!!」

 

「そうとも、ここは私達が食い止める!何、ちゃんと後から追いかける。お前達は先に行っていなさい」

 

「…っ…約束、だからね…」

 

「…ああ…ただ生きろ、猪々子…斗詩ちゃん…それが私達の願いだ…」

 

「行こう、猪々子ちゃん」

 

「何言ってるんだ斗詩!皆を見捨てて行くって言うのか!?いやだそんなの!!」

 

「私だって嫌だよ!!…でも…このままここにいても…」

 

「!…ちくしょうっ…ちくしょおおおおおっ!!」

 

 

…二人の村が山賊により襲撃されたのだ。

 

村人は抵抗したがちゃんとした武器も持っている山賊達には敵わなかった。

 

次々殺されていく。そんな状況下の中、二人の家族は文醜と顔良を逃し、山賊に立ち向かった。

 

その決死の行動の御蔭で二人は山賊に気づかれる事は無く、無事に逃げる事が出来た。

 

そして山賊達は散々略奪し終えると村を去った。

 

二人は時を見計らって村に戻った。が、後に残っていたのは村人の死体と荒らされ、何も残っていない住居だけだった。

 

二人の親は、村人の死体に紛れ込んで満足そうに死んでいた。

 

満足そうな表情。それは二人を逃す事が出来て良かったという、安堵の表情だ。

 

しかしそれが余計に残された二人にとっては何処か腹立だしく、辛く、悲しかった。

 

 

「…なんでだよ…後で追いかけるって…言ったじゃないか…」

 

「………」

 

「………嘘…作るくらいなら…最初から…いうなよ…」

 

「………」

 

 

文醜にはもう泣き声を出す気力も残っていなかった。崩れて、そのまま座り込んだ。

 

顔良は死んだ親の元で倒れこんで、静かに泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから二人は村に残された僅かな食糧などを持って新しい場所へ向かう事にした。

 

しかし、彼女は地図を持っていない所か教育をしっかり受けられたような恵まれた子でもない。

 

直ぐに迷い、彷徨っていくことになった。

 

 

「…メシ…尽きちまったな…」

 

「…そうだね…」

 

 

彷徨う内に食糧もなくなった。二人にはもはや空腹と悲壮感しか残されていなかった。

 

 

「このままじゃ…飢え死にしちまう…」

 

「…あ…あれ…街じゃない?」

 

「………本当か!?」

 

 

そんな彼女達に手を差し伸べるが如くとても大きく、人通りの多そうな城を見つけた。

 

幸い金も僅かに残されていたのでその金を持って食糧を買い、どうにかしようと考えた。

 

二人は買った安い食べ物に必死に齧り付いた。必死だった。

 

2日も食べる事の出来なかった二人にとってはどんな食べ物でも幸せに感じそうな程だった。

 

食べる事が出来たら次は金を得るために働くしかない。

 

しかし、

 

 

「はぁ?お前達みたいな子供を働かせて、何になるってんだ。御断りだね。」

 

「俺は慈善家じゃないんだ。役立たずを二人も雇った所で利益になるわきゃねえ…今金もねえしな」

 

「(未発達な子供を雇ったって客引きにもならない…)済まんが、うちにも余裕は無くてね」

 

 

と散々な結果だった。

 

それもそうだ。今の日本のようにバイトくらいなら簡単に就けるなんて考えは大間違いである。

 

みすぼらしい格好と子供なのが余計に侮られ、どの店に行っても断られてしまった。

 

当然、ただの民家が子供二人を住まわせてくれるような余裕など持ち合わせていない。

 

当時の貧富の差を甘く見てはいけない。

 

さらに言えば豊かな家程、心が貧しい人間の方が多いのだ。

 

 

「…どうする斗詩?これじゃ何の為にこんな馬鹿でかい街に来たんだよ」

 

「うう…ここの店まで駄目なんて…もう大半の場所は回っちゃったし…」

 

「はぁ…こうなったら一番近い街にいくしか…」

 

「…宿代と食糧はどうするの?」

 

「うっ…そうだ、もう殆どさっきの飯に消えてたんだった…」

 

「…まだ諦められない。もう少し頑張ってみようよ猪々子ちゃん」

 

「そ、そうだな斗詩!よーしっ、あたいが見つけてやるぜ!」

 

 

そうして再び職を探しに行こうする二人に声を掛けた者がいた。

 

 

「もし、そこの二人」

 

「えっ、あ、はい」

 

「誰だアンタ?」

 

 

その者は自分達と同じくらいの年頃の少年だった。

 

しかし何故か彼に対して湧いて出てくる親近感。虚ろな目をしていて、どこか威圧感のある不思議な少年だった。

 

来ている服はそこらの庶民よりも明らかに高い物とはっきり分かるものだ。

 

顔良はそのことから(あれ?私達偉そうな人に何か粗相でもしちゃった!?)と顔を青ざめた。

 

一方、文醜は(何か変な奴だな)と違和感を少し感じた程度で特に思う事はなかった。

 

 

「君達は何やらあちこち街中をうろついているみたいだが、何故そうしているのかな?」

 

 

少年は優しげにそう二人に尋ねる。

 

しかし顔良はますます顔を青ざめていく。

 

そんな顔良の心境を知らないで文醜は

 

 

「あたい達を雇ってくれる店を探してるんだぜ!」

 

 

と堂々と言い放つ。当然顔良は慌てて文醜の失態に対し頭を下げる。

 

 

「猪、猪々子ちゃん!す、済みません何か不作法をいたしましたでしょうか!?」

 

「い、いや、何やら只事ではない様子だったのでな。君達は何も悪い事はしていないさ。ただ、気になっただけだ」

 

 

そう聞くと顔良はほっと胸を撫で下ろす。

 

少年は二人の姿を見ると心配そうな表情になった。

 

 

「しかし、服も酷い有様だし、随分やせ細っているではないか。何かあったのか?私で良ければ聞くが…」

 

「い、いえしかし…」

 

「なあ斗詩。この人に相談してみないか?」

 

「ああは言ったけどここの事を知らない私達じゃ多分この先も駄目だと思う」

 

「この人ならここに住んでる人だろうし、ここの事ならこの人に聞いてみれば何とかなるかもしれないぜ?」

 

「………うん、そうだね。それじゃ聞いてくれますか?」

 

「もちろん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして今までの出来事を謎の少年に話した。

 

謎の少年はただただ黙って聞いた。それは何処か遠くの事を馳せているような表情でもあった。

 

 

 

 

 

「…それでここまで逃げてきたんです」

 

「…そうか…」

 

「…何も言う事はないのかよ」

 

「当事者ではない私がその事を分かったように言うのは余計にその傷を抉るだけだ。その立場になった事の無い私が言うべきではない」

 

「…ありがとうございます」

 

「礼を言われるような事はしていない。それにその話を聞く限りどうやら拠り所を探しているようだな」

 

「ああ、ここら辺は全部断られちまった。まったく、皆見る目がないぜ。」

 

「ふむ…君達、付いてくる気はあるかね?」

 

「え…?」

 

「私がそれをあげてもよい。どうする?」

 

「本当か!?」

 

「嘘は言わん。…もしかして同い年位の子供だからと信用ならないか?」

 

「い、いえ!」

 

「まあいい。信じるか信じないかは君達次第だ。信じるなら、私に付いてくるといい」

 

 

そういうと少年は歩き出した。二人は困惑したが、他に行くところもない。

 

二人はゆっくりと歩く少年に付いていく事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その着いた先に二人は驚かされた。少年が入っていく先にはとても大きな屋敷があった。

 

中を覗くと綺麗な広い庭もあり、置いてあるものもそこら辺にあるようなものではない。

 

相当裕福な者が住んでいる事が誰の目からも分かる程だった。

 

少年は日常の事のように屋敷に入っていく。

 

 

「…なあ斗詩…あいつって何者だ…?」

 

「…分からない…でも凄い人だっていうのは分かるよ…」

 

「…何か入りづらいなぁ…」

 

「ね…」

 

 

そうやって中々入ろうとしない二人に声を掛けた者がいた。

 

 

「そこの二人、何をやっているのですか?」

 

「へ!?」「うおっ!?いつの間に!」

 

 

そこには先ほどの少年同様同い年に見える厳しい顔をした知的な少女がいた。少女は警戒した目で二人を見る。

 

 

「…私は最初からここにいましたよ。で、袁家の御家に何かご用でしょうか?」

 

「え」「何だ袁家って?」

 

「私も良くは知らないけど袁家は何代にも渡って偉い人を出し続けた名族だって聞いた事がある…」

 

「って事は…あいつマジもんのお偉いさんかよ!?」

 

「…袁紹様の事でしょうか?まったく、あの人の行動は私を持ってしてでも読めませんね…はぁ…」

 

 

その少女は呆れたような声を出して溜息を吐く。その言葉に顔良は疑問を持った。

 

 

「袁紹様?それがあの人の名前なんですか?」

 

 

そう聞くと少女は少し熱の入った表情で答える。

 

 

「ええ。袁紹様は袁家の御曹司であり、本来の袁家嫡女である袁術様をも超える才覚を持った御方です」

 

「幼き頃から知に関して優れた才覚を見せ、神童と言われ私がお教えした知識を全て認めてくださった素晴らしい御方で―――」

 

「お、おーい?」「も、もしもしー?」

 

「あっ…も、申し訳ございません。少し取り乱しました」

 

 

どうやら少女は袁紹というあの少年に対し少し心酔気味な様子だった。

 

そして少女は袁紹の事について語り出すと止まらなくなる悪癖がある。

 

子供にしてはやや重い感情を抱いた少女…この少女こそ田豊だった。

 

そんな彼女の袁家への出会いは何なのか…それはまた別の話である。

 

とにかく二人は田豊に連れられて、袁紹という少年の場所に案内された。

 

そこには袁紹だけではなく、二人の若々しい美女がいた。袁紹とは別の見るものを惹きつけるような、そんな魅力があった。

 

 

「少し遅かったな。しかし田豊、何かあったか?」

 

「申し訳ありません。少々私が彼女らを止めてしまいました。理由は恥ずかしいので聞かないでください」

 

「いつも通り正直なようで何よりだ。…まあいいが。さて、紹介が遅れたな。私は袁紹本初。そしてこちらの二人が…」

 

「叔母の袁逢です」「叔母の袁隗です」「「よろしくね♪」」

 

「うおっ!瓜二つ…!?双子か何かかこりゃ!?」

 

「残念ながら違うわ」「私達は只の姉妹。単に凄く似ているだけ」

 

「そ、そうなんですか…」

 

「まあそれはさておき、君達の名前を聞いていなかったな。名前を聞かせてくれ。さっき言っていたのは真名、だろう?」

 

「あ、はい。そうですね」

 

 

真名。それは人にとって大切な名前であり、これを交換し、呼び合うという事は信頼の証である。

 

だから許可なく真名を呼ぶ事はすなわち、最低クラスの失礼にあたり、問答無用で斬られても文句は言えない程の侮辱なのだ。

 

何故この真名が生まれたのかは定かではない。

 

純粋に信頼の証としてなのか、同じ名前が多かったからか…いずれにせよ、知る者はいない。

 

話がそれてしまったが、例えば親友同士や恋人同士ならば基本的に相方を真名で呼ぶ。

 

故にそれを名前だと勘違いして他人が言ってしまうと酷い目に会ってしまう。

 

実際これによる事故というか事件は割と多いのだとか。

 

なのでその辺りは見極めるか名前を確かめる事が大切である。自分の命の為に。

 

 

「私は顔良と言います」

 

「あたいは文醜だ」

 

 

二人がそう答えると袁紹は目を見開き、表情が硬直した。

 

何に驚いたのだろうかと二人が不審な顔をするとハッとして袁紹は咳払いし、「いや、済まない。何でもない」と澄ました顔に戻った。

 

 

「それで…文醜、顔良と言ったな。君達を働かせるのは叔母方も承認してくれた。しかし」

 

「あなた達は何が得意か、聞かせてもらってもいいかしら?」

 

「それによってあなた達の仕事を任せるから。何事も得意分野をやった方がいいからね」

 

「得意な事…ですか」

 

「あたいは力仕事は得意だけど…」

 

「じゃあ顔良ちゃんはどうかしら?」

 

「…私もですね。私達、ちゃんとした勉強も受けてませんし」

 

「ああ、それについては心配しなくてもいいわ」「田豊ちゃん、任せてもいいかしら?」

 

「…まあ袁紹様の授業が終わったら特にする事もありませんし、構いませんが…」

 

「じゃあ視た感じ顔良ちゃんは慎重そうだから今は力仕事でいいけど十分に学んだら他の仕事もやってもらうわね」

 

「へ?」

 

 

顔良は素っ頓狂な声を挙げた。二人とは初対面のはずなのに、どうしてそんな事が分かるのか?

 

 

「ああ、私達の視た勘よ。これでも、まだ視る目はあると思ってるからね」

 

「分かるんですか?視ただけで」

 

「私でも何となくわかるさ。君は何かと心配しているようだからな」

 

「うっ…そこまでお見通しですか…」

 

 

顔良はなんだか恥ずかしくなった。私はそんなに分かりやすいのかと思ってしまう。

 

文醜は自分はどういう風に見えるのか気になって自分も聞いてみた。

 

 

「あ、あたいは?」

 

「…あなたは直情過ぎてちょっと無理ね…あなたの言うとおり力仕事に就いてもらうわ」

 

「やっぱりか…」

 

 

その通りだと大体分かっていた文醜は特に恥ずかしがる事は無かった。いっそすがすがしい程に納得した。

 

そしてちょっぴりがっかりした。男勝りな性格とはいえ文醜も女の子である。

 

本当に『力仕事が向いている』なんて言われたら少しくらいは傷つく。

 

 

「とはいえ、基本的な事は田豊から教わってくれなければ今後困る事になるからな。将来にも関わる話だ」

 

「「将来?」」

 

「今は気にせずとも良い。君達に何らかの才能があればその内分かるさ」

 

「う~ん…?」

 

 

悩むが文醜には何の事だか分からない。なら気にする事も無いかと文醜は考えるのを止めた。

 

そしてここから二人の新しい人生は始まった。だがある意味ではそれは偽りの人生だったのかもしれない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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