真・恋姫無双~袁紹再臨(仮)   作:凡将モブA

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随分と遅れて申し訳ありません。

というかこれだけ時間がかかってこんな駄文なのが色々と悔やまれますが、致し方無し。

田豊がはっちゃけてる?そうやね(震え声)

今回で少年時代は終了です。次回は時をすっ飛ばして黄巾編を作る予定となっています。

更新は10月以内か11月上旬になるかも。


袁紹と曹操

 

 

 

袁紹と曹操。

 

二人はとても仲の良い親友であった。

 

その証拠の一つに逸話に若い頃は不良仲間として共に花嫁泥棒もした事で有名である。

 

しかし、人物としては大きな差があったと言える。

 

 

 

 

まずは二人の生まれ。

 

一方は4代に渡って三公を輩出し続けた名門の家。

 

もう一方は同じく三公である太尉という高位であったとは言え一般的に忌み嫌われている宦官の孫。

 

 

 

 

次に性格。

 

袁紹は清廉、謙虚、孝を尽くした人物と人として理想的な人物像が窺える。

 

曹操は機知、権謀に富んだが、その一方で放蕩を好み素行を治めなかった。

 

この事から二人は真反対とまではいかないが、これだけ見れば性質はかなり違っていただろう事が分かる。

 

その二人が何故親友と呼べるまでの関係を持っていたのか?

 

一つとしてはその反対な性質自体。

 

袁紹はその機知や権謀、さらに自由な行いに対して憧れを抱いていた。

 

実際曹操は先ほど例に出した花嫁泥棒の際にもその機知を発揮し、袁紹を助けていた。

 

袁紹は嫡男では無かったとはいえ、袁家長男として生まれた名家の生まれ。周りの目もあり、あまり無茶な事は出来なかった。

 

自由奔放な曹操に自分も少しだけでも無茶をしてみたい気持ちもあったかもしれない。

 

曹操の方は家の事もそうだが、袁紹に対し尊敬の念を持っていた。

 

威厳はあるが痩身短矩であった曹操は姿も堂々とし、見た人を圧倒する袁紹を見てさぞや羨ましいと思った事だろう。

 

それでいて当時としてはまさに人間の鏡であり、幼い頃から朗の職に就く袁紹。これで尊敬しない人は殆どいないだろう。

 

まあ1人だけ例外は居たのだが、それは置いておこう。

 

 

 

ともかく二人はそういう事もあってとても仲が良かった。

 

袁紹は他にも人材のパイプを築き上げていたし、そういった面でも袁紹の周りには人が多く、袁紹と曹操のタッグは周囲の話題を多く攫って行った。

 

若干曹操が暴れて、袁紹が止むをえなく付いていくという有り触れた暴れん坊と苦労人のポジションが出来ていたという面もあるのだが。

 

しかし、この世界の二人はどうなっているかと言うと…

 

 

 

 

 

 

 

「「お前(貴方)華琳様(戻羽様)侮辱する気!?それならお前(貴方)もう死ね(死んでください)!!」」

 

「「………はぁ………」」

 

 

二人とも苦労人ポジションだった。主に配下の所為で。

 

喧嘩になっているのは夏侯惇こと舂蘭と田豊の二人である。

 

この主従二人の共通点としては主君に対し、盲目レベルの忠節を誓っている事だ。

 

つまりは自分の主君の持ち上げで『自分の主君の方が一番』だと主張し合い、口論へと発展したという事である。

 

ある意味同族嫌悪もあるのかもしれないが。

 

ちなみに喧嘩の行く末は田豊が圧倒的に優勢だった。それは馬鹿と天才が口論で戦ったら天才が勝つに決まってる訳で…。

 

 

「うう、華琳様ぁ~!!」

 

「はいはい、とりあえず向こうで休んでなさい」

 

「ふっ…今日も勝ちました…」

 

「何をやっているのだ、思昂よ…」

 

 

夏侯惇は曹操に泣きつき、田豊は袁紹に対し今の世で言うドヤ顔で袁紹に誇っていた。笑みは薄めなのだが何となく分かる。

 

曹操はやれやれとし、袁紹はこれはどうにかならないものかと頭を悩ませていた。

 

本当の喧嘩であるならば夏侯惇が圧勝するのであるが、そんな事になったら問題になるので最低限の口論で留めておくようにしている。

 

それを良い事に田豊はその弁で夏侯惇を叩きのめしていた。

 

そんな様子を他の主従3人はほのぼのと眺めていた。

 

 

「姉者が済まない…」

 

「いえいえ、田豊ちゃんも戻羽様の事になるとああなっちゃって…こちらこそ本当に済みません」

 

「こっちはこっちで尻拭いだなぁ…桃うまい」

 

 

訂正しよう。ほのぼのでもなかった。こっちは反省会のムードと化していた。

 

桃を食べる文醜を尻目に、夏侯淵こと秋蘭と顔良が申し訳なさそうに御互いに謝っていた。

 

そこに近づく二人の人物がいた。

 

一人はやたら着飾った装飾を身につけた、いかにも悪女っぽい出で立ちの女と、もう一人は上半身を胸の部分だけ隠し、露出した男のような服装を着る女であった。

 

 

「まーたやってるのかい。あんな金にもならない事、よくやるねぇ…」

 

「お前は金、金と煩いだろうが…よっ!戻羽と華琳!」

 

「む…金瓜(きんか)と心翻(しんぱん)か…」

 

「御機嫌よう。金瓜は相変わらずね」

 

 

それは許攸子遠こと金瓜。そして張邈孟卓こと心翻であった。

 

許攸は金に非常に煩く、がめつい事で有名である。一言目には金。二言目にも金とは彼女の評判。

 

金で何でも買える事を信じているような、まさに悪女のような女である。

 

しかし、評判を恐れず自分の為なら泥すら被ることも厭わない。文官の癖に剛胆であり、傲慢だった。それは長点であり、欠点でもあるのだが。

 

反対に張邈は男勝りな性格で、気前がよく、困っている人を見過ごせない御人好しな人物であった。

 

成績も優秀であり、周囲からは頼れる女と信頼されている。

 

ただ困っている人を助ける為に自分の財産すら惜しみなく使う為、自分自身は非常に金に困っていた。自業自得であるが。

 

この4人が仲が良い事自体が驚きなのだが、さらに驚きなのは袁紹と許攸と張邈、実はこの三人は奔走の友の交わりを結んでいるのだ。

 

奔走の友とは『心を許しあい、危難に駆けつける仲間』という意味であり、真名という概念のある外史であってもこれは存在していた。

 

いや、寧ろこの奔走の友の意味は真名によってさらに深くなっていると言えよう。

 

その割には男女間の話では良くある色恋沙汰の話はまったく聞かず、三人に問いただしてみても平然と「まったく無い」と否定している。

 

言わば深い親友としての間柄である。

 

 

 

 

ともかく、この4人は普段から何かとつるんでは何かを引き起こしたりするので周りからは『奔走4賢人』と呼ばれた。

 

なお、曹操は奔走の友の交わりを結んでなどはいないし、普段は夏侯姉妹と暮らしてはいるのだが、夏侯姉妹がいない時は3人と行動している事も多かったので纏められていた。

 

ちなみにその問題行動の一例として以下のようなものが挙げられる。

 

 

・張邈が知人の為に自分の金を出して借金返済した所、使い過ぎて次の日の食事代が無くなり、しばらく食に困って餓えに苦しんだ。

・許攸が何かといちゃもん付けて店から多額の御金を値切ろうとした。店主は涙目だった。

・曹操が彼氏持ちの美しい女の子に手を出し、混沌とした修羅場を呼び起こした。

・ちなみにこれら全ての事件は袁紹によって解決された。

 

 

…とまあ結局は袁紹が尻拭いする事になっていた事もあり『奔走4賢人が問題を起こしたら袁紹を呼べ』という謳い文句がつく程だった。

 

その度に袁紹は溜息を吐きながら解決していた。無論、袁紹にも解決できない事はあった。

 

しかし、肩や天才の曹操、肩や優秀の張邈、肩や計算高い許攸。

 

これらの4人の頭脳があって解決できない問題はまったくなかった。

 

なので事件に巻き込まれながらも何だかんだで頼みごとをしたりと近所の民に信頼されていた。一応ながらも賢人と付いてるのもその為である。

 

その4賢人の一人である許攸がどう見ても賢人とは思えないような苛立ちを隠せない様子で乱暴に返す。

 

 

「あー?がめつくって悪かったねぇ。わたしゃいつもこんなんさ」

 

「おいおい…お前はせめてもう少し穏やかに言えよ…女なんだし」

 

「貴方が言う事なのかしら、それ?」

 

「うっ…」

 

 

曹操の言葉に図星を突かれたように呻く張邈。一応は気にしているらしい。

 

張邈の格好は腹も肩も背中も出るような薄着だ。どう見ても男用の服装であるし、文官どころか武官が普段着ているような物にすら思える。…似たような格好の武将がいるがそれはそれ。

 

話し方も男ばかりの所で生まれた所為でこんな風になってしまったのだとか。

 

しかし張邈も負けじと曹操に返す。

 

 

「お前だって女の癖に同じ女の奴が好きなんだろ?異常だ異常」

 

「そうよ。なら私と付き合ってみる?」

 

 

そう言って妖しげな表情でにじり寄る曹操。張邈は(しまった、藪蛇だった)と自分の発言に後悔しつつ慌てて遠ざかる。

 

 

「い、いいいいいや、俺は遠慮する。お前は戻羽にお熱…」

 

「…何か言ったかしら?それ以上は言葉次第じゃこの場で斬るわよ」

 

「済みませんでした」

 

 

黒い笑顔の曹操の前にそのまま土下座で謝る張邈。とことん無意識に火に油を注いだり、藪蛇な女であった。

 

この混沌とした状況下で袁紹はいつも通り場を治めようとする。

 

 

「そこまでにしておけ。ともかく、各々方はいつも通りでいればいいだろう。あまり人格に難癖付けるものではない」

 

「…それもそうだな。すまねえ金瓜、華琳」

 

「ま、分かればいいさね。許してあげようじゃないのさ。ははは!」

 

「私も少し悪かったわ。ごめんなさい」

 

 

こうして口論は丸く収まった。袁紹はそれに安堵し、雰囲気を変えるために一つ提案をする。

 

 

「よし、そろそろ昼頃であるし、飯にしようではないか」

 

「へぇ、なら私の分戻羽が奢りな」

 

 

そう図々しく袁紹に強請ってくる金瓜。その悪い笑みを隠そうともしない。袁紹は呆れつつやれやれとばかりに肩を吊りあげる。

 

 

「お前は十分過ぎるくらい金はあるだろう金瓜。心翻じゃあるまいし」

 

「あたしは払わなくてもいい金は払わない主義だからねぇ。何、この前の事件の借りを返すと思って、な?」

 

「仕方ない。だが高いものは無しだぞ」

 

「しゃあないね。勘弁してあげるよ。ははっ!」

 

 

その言葉を聞いて嬉しそうに高笑いする金瓜。曹操はいよいよ呆れ、張邈は心配そうに懐からぼろぼろな財布を取り出す。

 

 

「本当に相変わらずね…それに戻羽も何だかんだで甘いのだから」

 

「戻羽、金なら俺も出すからな?」

 

「お前は取っておけ。この前のように飯食わずになるつもりか?」

 

「あ、あれの事は言うなよ…もう反省してるから」

 

 

ばつの悪そうにする張邈。袁紹は張邈の性格が分かっているのでその言葉には信用できないのだが。

 

 

「まあいい…ほれ猪々子、斗詩、思昂。お前たちも行くぞ」

 

「はっ、お供します」

 

「よっしゃー飯だぁー!」

 

「あっ、猪々子ちゃん待ってー!」

 

「舂蘭、秋蘭。あなた達も来なさい」

 

「「はっ!」」

 

「やれやれ、にぎやかな事だねぇ」

 

「これだけの人数で食うのは久しぶりだしなー」

 

 

先んじて飯店に向かう袁紹達。曹操達も後から続いて行く。

 

そんな中、袁紹は思いを巡らせていた。

 

 

 

 

曹操…やはりこの世界においても天才的な能力を持っている。恐ろしい人物だ。少女となっても常人離れした才覚を持つとは。

 

かつての二の舞に成らぬ様にして、私は奴を超えなくてはならない。

 

どうせ、いつかは戦場で相まみえる事になるのだろうからだ。

 

しかし、『私』が曹操を超える事は非常に難しい。奴は統率、武勇、知謀、魅力…あらゆる点において突出した才能を持つ。

 

一方、私は威厳と軍の指揮、内政以外に特に自信のあるものは無い。

 

恐らく残り十数年の間があるとしても私の才が曹操の才に及ぶ事は無いだろう。

 

ならば私自身以外の―――他の事で徹底的に優位に立つ他無い。幸い、早速文醜と顔良、そして田豊が早くも配下に加わってくれている。

 

まず当面目指すべきはこのような優秀な人材の確保。特に武官の確保が必要となる。

 

あの時の我が軍には優秀な参謀は大勢居ても優秀な猛将は二人を置いて後は一人しかいなかった。後もう一人もいるが…あれはどうしたものだろうか。

 

それに前のように味方が味方の脚を引っ張る様な事があってはならない。故に配下間の結束を深めるか、人を選ぶか。

 

その為には将をより深く知り、私が将同士の橋渡しをする事が必要だ。幸い文醜と顔良は他人から恨みを買うような事はしないだろう。

 

だが田豊はそうはいかない。どうしてもあの厳しい性格がある為に本人も知らぬ内に恨まれる事は十分起こりうる。

 

これの対処法は未だ思い浮かばない。これ以上悩んでも仕方ないか…時が経つうちに思い浮かぶやもしれん。今は保留しておこう。

 

将の登用については前世では私が知らなかった者の中にも、恐らくは優秀な者が多くいるはず。あの時より視野を広げてみる事も大事だろう。

 

しかし、そういった者をどうやって探し当てるか…これがひとまずの課題だな。

 

曹操に負けない人材層の形成…これもまた難しいが、成さねば。

 

 

 

 

 

そう袁紹が思考している一方で、曹操もまた絶えず頭を働かせていた。

 

袁紹が曹操の事を考えるように曹操もまた、袁紹の事を考えていたのだ。

 

曹操はもとより袁紹に対して並みならぬ人物だと感じていた。その上で一番勢力を作りやすい環境にある。

 

将来天下を取り、覇道を突き進む為にも見過ごせない存在であるのは言うまでもなかった。

 

 

 

 

戻羽…既に身内以外で優秀な軍師と武将と得ているとはね…さすがと言ったところかしら。

 

対して私は身内に頼らざるを得ない状況…と言っても二人とも優秀だから問題無いと言えばそうなのだけれど。

 

でもいつか間違いなく戻羽は私が大成する上で大きな壁になる。

 

対立すれば人望も名声もある袁紹に地力で圧倒的な差が付くのは当然とも言える。

 

だからこそ、私は戻羽に勝たなければならない。

 

その上であの男を跪かせてみせる。戻羽の才能は超えるだけでは惜しい。

 

戻羽は認めていないが、私達がこれまで起こしてきた事件を解決してきたのは家柄などではない。

 

戻羽自身の力と人望なのだ。戻羽だからこそ、あの金瓜や心翻も暴走しないし、私もある程度落ち着いている。

 

…本当はもっと色々したいのだけれど。

 

ともかく、戻羽の能力は評判以上に優れている。所々気になる点もあるしね。

 

 

 

「華琳様!袁紹が先に行ってしまいます!私達も早く行きましょう!」

 

「姉者、落ち着け」

 

「そうよ、食事は逃げないわ」

 

 

しかし今は、この時を満喫する。どうせ今出来る事は限られているのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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