ソードアート・オンライン~紅の心意―The Cardinal Mind   作:坂道

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頑張るぞ!おう!


ギルド名をあげるには・・・

 ギルドを設立させ、一週間が経っていた。

 

 

 レトは第11層の《タフト》主街区にきていた。レンガと石でつくられた綺麗な街がひろがり、落ちついたところである。

 あれから依頼を待ちながらレベリングしていると、レベルが17に上がっていた。現在コルは、32000コルになっていたが、これでは教会の維持費にはまだ足りない。

 レトは少しでもコルを浮かす為、宿屋には泊まらず《タクト》の圏内で野宿をしていた。

 

「はぁ~……依頼…全然来ないな……」

 

 最初はこれで大儲けしようとの考えだったが、まだ設立したばかりで有名ではない。レトが第11層で即席で作った依頼掲示板には「何でもします」としか書いておらず、すごく地味な仕上がりだった。

 あれから一週間経った今、依頼は一件も来ていなかった。

 

「やはり…まずは名をあげないとな、こんな小さなギルド誰の眼にも止まらないな……」

 

 レトは料理スキルで持ち前の食材を使用し簡単な料理を作って食べていた。サンドイッチを住宅街で食べ歩きながら考え事をしていると、横から気配を感じた。

 

「なんだ…?」

 

 振り向くと住宅街の路地裏からよだれを垂らしながら顔を出している男がいた。男はじっとレトの右手に持ってあるバスケットを見ていた。

 俺がバスケットを上に挙げると男は上を向き、下に下げると下を向いた。

 

「あぁ……」

 

 どうやら男はお腹が空いてるようだった。男の腹の音がレトの耳に届くほど鳴り響いていた。

 

「食べますか?」

 

 左手に持っていたサンドイッチを男に差し出す。

 

「いいの!?」

 

 

 

 俺はその後場所を移し、タフトの川のレンガの橋に腰をかけていた。

 

「かぁ~うまかった。ご馳走さん!」

 

(この人、俺の分まで全部食いあがった)

 

 男はよっぽどお腹を空かしていたのか、バスケットに入っていた五つサンドイッチを全部食べあげていた。

 

「いやぁ~、こんなうまい飯食うの久しぶりだ。SAOの世界生き抜いていて良かった!」

 

「大げさですね」

 

 レトはバスケットをしまい、笑いながら答える。

 

「そんなことねぇって……あ、俺の名前はビックス、道具屋をやっている」

 

 ビックスと名乗る男は、気さくな人で少し太った男性だった。俺は手を出し握手をしながら名前を名乗った。

 

「俺はレト、ギルド《何でも屋》だ。」

 

「何でも屋?……あぁ、あの広場に設置してあった地味な掲示板の。」

 

「はっきり言ってくれますね……」

 

 レトは自分でも自覚しているところをつかれ、へこんだ。

 

「まだギルドも創ったばかりで、全然有名じゃないんですよ」

 

「あ、何なら俺がギルドの宣伝に手伝ってやろうか?」

 

 レトはビックスの突然の提案に驚く。

 

「いや、別に俺はそういうのは……」

 

「遠慮すんなって、この一食のご恩を返さなければ罰が当たるってもんよ。俺の店ここから近いんだ、来いよ」

 

 レトはビックスのせっかくの計らいを無駄にしたら失礼と思い、仕方なくビックスについていくことにした。

 

 

 

 タクトの入り口付近にある小さな店に招かれたレトは店内にいた。店の中にはポーションや解毒結晶を初めとした道具が並んでいた。

 

「おい、こっちだ」

 

店のカウンターの奥からビックスが手招きをしていた。

 

レトは店の奥に入ると広い部屋に出た。

 

「ようこそ!加工屋のビックス店へ!」

 

広い部屋には色々な素材アイテムや小道具、それと見たことのない武器などが置いてあった。

 

「加工屋?」

 

「そう!道具屋とは仮の姿…素材アイテムや道具や武器などを加工して新しい武器や道具を作っている」

 

作業台のの上には短剣とロープが繋がったようなものが置いてあった。

 

「これは?」

 

「それは投剣スキルを利用する、俺が作成した武器。相手に麻痺属性が付加された短剣を投げてロープで捕獲する武器だ、他にも使い方は沢山あるだけど、試したことがない。」

 

「じゃあこれは?」

 

「あぁそれは……って馬鹿それまだ!」

 

「えっ!」

 

ドロン――

 

 レトが手に掴んだ黒い球体が急に破裂し、部屋が黒い煙でおおわれた。煙が晴れ、真っ黒な二人の姿が現れる。

 

「…………これは…」

 

「ケホッ……第15層の森林地帯でみつけたケムリダケを使った、小型煙幕弾……」

 

 ビックスはこの店で道具屋を運営しつつ新しい道具など作り、店に販売しているようだ。

 

「ケホッケホッ…それじゃあ、本題に入ろうか」

 

 二人は椅子に座り、レトは《何でも屋》を作った理由を話す。

 ビックスはその話を聞くとある提案を出す。

 

「じゃあまずは、レト自身が有名にならないとな」

 

「俺が?」

 

「何をしようともうわさってもんは一人歩きしていくもんだ、そこでこれだ!」

 

 ビックスはある紙をテーブルの上に出した。その紙には仮面の絵が描かれていた。

 

「仮面…?」

 

「そう!これを着けて各層の街中を歩けば一握有名人になれるぞ。」

 

「その前に変な奴っていうレッテルを貼られないか」

 

「それは後に、ギルドの活躍で解消すればいいだろ?」

 

(今すごく勝手なことを言われた気がする)

 

 レトは苦笑いをしながら、絵を見ていた。それに構わずビックスは話を続けた。

 

「よくさぁ漫画とかであるじゃん、仮面の貴公子マスク・ザ・ナイトみたいなさ。」

 

「マスク・ザ・ナイト……」

 

 レトは頭の中で自分が仮面を着けた状態を想像した。

 

 

<妄想中>

 

 

『きさま何もだ!』

 

『フッ俺の名前か…わすれてしまったな、あえて名乗るなら……』

 

 紅いマントを靡かせながら剣を構える仮面の男

 

『仮面の貴公子マスク・ザ・ナイト!!』

 

 

<妄想終了>

 

(悪くないかもしれない……)

 

 レトは一見大人びた少年だと想われがちだが、歳はまだ中学生。こういう子供っぽいヒーロー的なものに憧れることもある。

 

(いやぁ駄目だろ!?、冷静になれ!)

 

ゴッゴッ

 

 レトはテーブルに頭をぶつけていた。ビックスはそれを見てレト止めに掛かる。

 

「おい、大丈夫かレト!、いや本当に!?」

 

「大丈夫だ、続けてくれ。」

 

 テーブルに打ちつけた頭をあげると、レトは話をつづけるように言う。

 

「まぁお前が大丈夫ならいいけど……」

 

 その後、ビックスの仮面作りを見学することにした。

 

「レト、なんかいい素材になりそうなアイテムもってない?」

 

「そうだな、これなんかどうだ」

 

 レトはアイテムから《神木の木材》を選択し、作業台の上に出す。

 

「こ、これトレント村で取れるSレア素材じゃあねぇか!?、どうして手に入れたんだ!」

 

「大木の下にいたら落ちてきた」

 

 ビックスはそれを聞き大笑したあと、アイテムからのこぎりを取り出す。

 

「これじゃあ、少し多いから半分カットするぞ。」

 

 のこぎりを素材に当てると木材が綺麗に二つに分かれた。片方を仮面に使い、もう片方をレトに返す。

 

「素材アイテムは消えないのか?」

 

「Sレア素材はある基準値まで達しないと消滅はしないだよ」

 

 防具などのデザイン加工は手間がかかり時間をかけて作ると、たまにスキルが備わったものになる。作業は深夜まで行い順調に仮面の形になっていた。

 

 

「おはよう……ビックス」

 

 レトは途中で寝てしまい、ビックスはその後も仮面の作成に時間を費やしてくれた。

 

「おう、おはよう……できたぜ。」

 

 ビックスが完成した仮面をレトに投げると、それを両手で慌てて取る。

 仮面は黒い色に染められ特徴的な紅い十字の線が左目を突き向け引いてあった。

 

「お前の紅いマントを見て、これくらいシンプルなほうがいいと想ってな。被ってみろよ。」

 

 レトは横にあった鏡を見ながら黒の仮面を顔に着け、鏡に映った自分を見る。鏡からみえる仮面の目の周りが分かりやすく白いラインをなぞるように目元の周りに塗ってあった。

 

「俺が想っていたのとはだいぶ違うな、少し地味じゃあないのか?」

 

「いいんだって、お前は元々特徴的なマントを着ているからな……っとまずい、おいそれ持って広場にいくぞ!」

 

「おい、どうしたんだ!?」

 

 ビックスが慌てて外に出っていき、レトも仮面を着けたまま追いかけた。

 

 

 

タクト 転移広場

 

 レトが広場に着くと、ビックスが人ごみの中にいた。

 

「レトーこっちだ!」

 

 ビックスが手を振って呼んでいたので、レトはビックスに近付いた。

 

「なんだこの人ごみは……?」

 

 第11層のタフトにプレイヤーが50人くらい集まっていた。こんなのタクトで人が集まるのは珍しいことである。

 すると、誰かが転移場所前でプレイヤー同士で戦っていた。

 

「あれって、デュエルか?」

 

 戦っているのは、一人は体格のでかい男と、もう一人は淡い水色の髪で聖龍連合の服を着た女の子だった。

 

「まぁ観てなって」

 

 

 男は両手に持っている斧で力一杯女の子に目掛けて振り下ろすが、その斧を意図も簡単にレイピアで弾き返す。武器を弾かれた男は体制を崩すし、水色の髪の少女は男を追撃する。

 ソードスキルによる六連続の突き攻撃を男の腹に突き刺していく。

 

「ぐはっ!」

 

 男のHPバーが見る見るうちに減っていき、六撃目の最後の一撃は男の頭を貫いた。男のHPバーはオレンジに達しており、水色の髪の少女は少しのダメージしか喰らっていなかった。

 

Win スノウ

 

 水色の長い髪を左手で振り払い、レイピアを鞘へとしまう。

 

「あなたのようなプレイヤーに私は倒せなくてよ。」

 

 膝を突いた男を上から見下ろす少女はまるで金持ちのお嬢様のような態度をとっていた。周りのプレイヤーは歓喜を挙げ、盛り上がる。

 

 それを見たレトは唖然としていた。

 

「なんか、凄いな彼女……」

 

「あの子の名前はスノウ、聖龍連合の中でもトップクラスのプレイヤーの一人だよ。最近この街でデュエルを申し込んでは相手をコテンパンにしているそうだ。」

 

 するとビックスが俺に近づき肩に肘を置いた。

 

 

「レト、お前あの子と戦え」

 

「はぁ!?」

 

 レトはビックスの突然の発言に驚く

 

「聖龍連合のトッププレイヤーを倒したなら、お前のギルドも一握有名になるぞ」

 

「でも俺、あまり目立つのは……」

 

「つべこべ言わず、さっさと行け!」

 

 背中を強く押され、少女の前に出る。

 

「あら、また変なのが出てきたわね」

 

 近くから少女の顔を見ると凄く綺麗な顔立ちをしていた。少しの間見惚れていたがレトは目的を思い出し話しかける。

 

「あぁ…俺の名前は……」

 

「あなたの名前なんてどうでもいい。デュエルするのよね、構えなさい」

 

 問答無用に話しを付けられ、デュエル画面が現れる。

 

<半減決着モード《スノウ》とデュエルしますか?>

 

 俺は承認ボタン、デュエルスタンバイされる。

 

「始める前に、あなたレベルはいくつ、仮面の剣士さん?」

 

 レイピアを構えながらスノウは質問してくる。

 

「17だ。」

 

 それを聞くと、周りのプレイヤーは一斉に笑い出す。

 

「おいおい本気かよ。」

「やめときな兄ちゃん、恥をかくだけだぜ。」

「冗談は仮面だけにしろ。」

 

 周りから酷く馬鹿にされつつも剣を構えるレト。

 

「あなたそんなレベルで私と張り合うつもり?」

 

 スノウも呆れた表情で鼻で少し笑う。スノウは最前線で活躍するプレイヤー、レベルはレトの倍近くあるだろう。

 

 周りから罵声が飛び交う中、レトは大きく息を吸う。

 

 

「りゃーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 レトは気合の叫び声上げ、空気が振動したかのように響き渡り、周りのプレイヤーはその迫力に静まり返る。

 仮面から見える鋭い眼光がスノウを睨みつけていた。

 

「さぁ…始めようか」

 

 低い声が耳に伝わり、スノウは息を呑み、レイピアを構えなおす。

 

「私と張り合おうとしたことは褒めてあげるわ、だけど気分が変わったわ……本気で行くわよ……」

 

 

DUEL START

 

 スノウはデュエル開始と同時に物凄い速さでレトの間合いに入り、斬りかかる。

 レトは横に体を逸らし剣で反撃するが、相手は右手のバックラーで攻撃を防ぎつつ、レイピアを突き刺してくる。レトの首元にレイピアを突き刺そうとするが、ギリギリのところで首を逸らし回避し一度後方へ下がる。スノウは勢いを止めずに連続突きを繰り返す。

 剣で突き攻撃を弾き逸らすのがやっとのレト、下手に反撃すれば攻撃をくらい、レベルの低いレトは直ぐにやられてしまう。相手の攻撃は止むことなく続き、レトは防戦一方になってしまっている。

 

(さすが最前線の攻略組……隙がない…)

 

「へぇ~、私がこれをすると対外のプレイヤーはダメージを負うのだけ、なかなかやるわね……ならこれならどう?」

 

 スノウのレイピアの剣先が光、レトに近づく。ソードスキル【シックス・レイブ】、突きの連続6回攻撃を繰り出す技。

 

(さっきの男を倒した技か!?)

 

 レトは剣を両手に構え防御の姿勢に入る。

 

「それで防げるつもり!」

 

 一撃目はうまく剣で逸らすが、二撃目の突きはレトの腹下をに刺さる。連続突きは止まる事なく続きレトを突き刺し、最後の六撃目をレトの頭に突き刺そうとする。

 

(くっ、させるか……)

 

 レトは最後の一撃を剣で防ぐ。

 

パッキーーン

 

(剣が……折れた!?)

 

 レトの剣は相手の攻撃に耐えれず砕け散ってしまい、剣は耐久値がなくなり消滅してしまった。

 

 

「ふん、武器を失ったプレイヤーを斬るなんてつまらないわ。この勝負私の勝ちね。」

 

 スノウはつまらなそう後ろを振り返りレトから離れていくが、レトは呼び止める

 

「逃げるのか?勝負はまだついていないぞ。」

 

 レトはスノウを挑発し、スノウは目を細め膝をついたレトに近づき剣を上に掲げた。

 

「そんなに恥を掻きたいのなら……お望み道理にしてあげるわ。」

 

 レイピアをレトの頭を目掛けて振り下ろす。

 

(今しかない!!)

 

 レトの両手が青く光、頭上に振り下ろされたレイピアを両手で受け止める。

 

(白刃取り!?)

 

 レトは掴んだ剣を相手から振りほどき、回し蹴り喰らわし吹き飛ばす。

 

「うそよ、私の全力で振ったのよ!?…受け止められるわけ。」

 

「違う、あれは盗みスキル!?」

 

 ビックスは何かに気付いたかのように声をあげる。

 

 いくら白刃取りが出来たところでレトのレベルでは明らかにスノウの攻撃は防げないだろう。しかしレトが行なったのは白刃取りではなく、盗みスキルによる武器奪い【ウェポン・キャプチャー】、両手で相手の武器を挟み武器を奪い取る技。

 このスキルは通常は武器を持ったモンスターに使うスキル、高難易度スキルなので使用するプレイヤーはほとんどいない。失敗すれば致命的なダメージを受けるのは間違えない。

 スキルのサポートがあるとはいえ、発動タイミングも難しいため、尋常じゃない反射神経が試されるスキルである。

 レトは奪ったレイピアを構える。

 

(細剣なのに凄く重いな……武器と俺のレベルが合っていないか、だが……!!)

 

 レトはレイピアを片手で持ちスノウの間合いに入りで大振りで振り下ろす。スノウは咄嗟にバックラーで攻撃を防ぎ、盾の耐久値がけずれ、そのまま剣が振り下ろされた。

 

(こいつのレベルならまだ盾で防げる。一旦離れて武器を取り出せば……!?)

 

 スノウは後方に下がろうとするがそれは叶わなかった。

 レトは剣を振り切った勢いを利用しそのまま上から回し蹴りにする。回し蹴りはエクストラスキル【ヒールスラッシュ】を使用した踵落し。

 レトは勢いを殺さず、斬りつけ、回し蹴りの連続コンボ繰り出す。スノウは攻撃で盾を弾かれ、連続攻撃をもろに喰らう。合計8Hitの攻撃を喰らい最後に横回し蹴りでスノウを蹴り飛ばす。

 

 

「うっ……この私が!」

 

 スノウはイラつき、体制を立て直しつつアイテムストレージから新しいレイピアを取り出しソードスキルで仕掛ける。【スティング・レイブ】、高速で前方に突進突きを繰り出す技。

スノウは剣先を突き出し、勢いよく迫ってくるがレトは回避行動をとらない。

 

「決まった!?」

 

 スノウの剣が刺さる瞬間、レトはソードスキル【ターン・スライド】を発動。【ターン・スライド】は相手の攻撃が当たる瞬間に相手の背後に瞬時に回る技でモンスターにカウンター攻撃を500回喰らわせると所得できるスキル。このスキルも使い所が難しく、発動タイミングを逃すと発動しない。

 ソロで戦っているレトはカウンター攻撃で戦うことが多く、自分からあまり攻撃することはない。

 レトは背後から飛び上がって横薙ぎに斬りつけ、飛び上がった状態からZ字を描くかのように通常攻撃で斬る。

 

 スノウはよろめきながら後ろに下がる。

 

「まさか、ここまで追い詰められるなんて……」 

 

(気が動転した奴ほど倒しやすい奴ない……ここで決める!)

 

 レトは細剣術の基本【リニアー】で一気に勝負を決めに入る。レトの初期セットされた細剣の下位スキルではあるが確実なダメージディティールを与えられるはず。今の攻撃でスノウとHPバーが並んだ、お互い後一発でも喰らえばオレンジバーまで落ちて負けである。

 

「まだよ……こんな所で、負けられない!」

 

 【リニアー】を構え、スノウに一気に迫り、止めをさそうとする。スノウは剣を光らせ、【ソード・ブロウ】で剣を力強く両手で振り上げる。

 剣はぶつかり合うが、力はレトのほうが劣っており、剣と一緒に上と弾かれる。レトは上空で体制を変え落ちる勢いを利用し、スノウに急降下からの攻撃を仕掛け、スノウも剣を上と突き刺す。二人の剣は交差し斬り抜け、お互い背中を向けた状態になった。

 

「「…………」」

 

 周りのプレイヤーたちも二人の戦いを観て息を呑む。

 

 

DRAW

 

 

 画面に表示されたのは<DRAW>と映されていた、つまり引き分けである。

 互いのHPバーが同時にオレンジバーまで達したためであろう。

 

  プレイヤーたちは歓喜をあげ、盛大な拍手をあげる。レトを馬鹿にしていたプレイヤーも歓声を上げていた。

 

「すげーなあの兄ちゃん!」

「あのスノウをここまで追い詰めるなんて…」

「いや、むしろ圧倒していたぞ!?」

「引き分けなんて聞いたことがない!」

 

 

 プレイヤーたちが騒ぐ中、レトは仮面のしたで不満な顔していた。

 

「ふぅー、引き分けか……」

 

 レトが感傷に浸っていると、後ろからスノウが近寄ってきた。

 

「私をここまで追い詰めるなんて、あなた何者?」

 

 スノウはレトの前に立ち、片足を揺すりしながら不機嫌そうな顔していた。レトは仮面を外した。

 

「俺はレト、よろしく」

 

 レトが握手をスノウに求めた。スノウは少し照れながら頬を指でかき握手した。

 

「スノウよ、よろしくレト」

 

「スノウさんは何でここでデュエルを?」

 

「やめてよスノウさんなんて、スノウでいいわ。ここにはストレス解消にきたのよ、最前線の攻略って意外と疲れるのよね……だから、ここで日頃の鬱憤を晴らしていたわけ……ふふふ」

 

「へ、へぇ~そうなんだ……」

 

 長い髪を振り払いながら、薄っすら微笑むスノウは少し怖かった。

 

「あなたこそなんで戦おうと思ったのかしら?、私これでも結構名の知れたプレイヤーなんだけど……」

 

 スノウは腕を抱えながら睨みつけ、レトに訊いてきた。

 

「あぁ、それは……」

 

「お~い!レト、宣伝宣伝!」

 

 ビックスが向こうから大きな声で叫んでいた。

 

「おっと、いけない……スノウさん話はまたあとで」

 

 レトはスノウから離れ転移場所に立っていた。

 

「おーい!みんな少し俺の話を聞いてくれ!」

 

 プレイヤーたちは何事かと思いレトのいる転移場所を見る。レトはプレイヤーたちが見ているのを確認し話し出す。

 

「俺はギルド《何でも屋》レト!、報酬しだいで魔物討伐、素材アイテム採取、護衛など俺が出来ることなら何でもするぞ!」

 

 

 レトは黒い仮面を着けて、もう一度ギルド名を叫ぶ

 

「ソロギルド《何でも屋》をよろしく!」

 

 

 紅いマントを靡かせながら黒の仮面は右手を挙げ、指を上へと指していた。

 

 




 ギルド《何でも屋》運営開始!!、ということで今回はギルドの名を挙げる話でした。
 仮面のデザインはDARKER THAN BLACKの主人公の仮面を黒くしたと想ってくれればいいと想います。DTBとの違う点は相手から目が見えるようになっているところと、口が描かれていないところです。仮面なんかいるのかと思いますが、カッコイイから良いかなと思ってつけました。

 今回登場した斬りつけ回し蹴りは、テイルズのユーリというキャラの「爪竜連牙斬」という技を参考にしました。これからもほかのゲームから参考にする技があると思います。

 そろそろ原作主要キャラを出したいと思います。

 この作品を評価してくれる人がいました、とても嬉しいです。

 次回も頑張ります。
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