ソードアート・オンライン~紅の心意―The Cardinal Mind 作:坂道
武礼葉「アトミックファイアブレードォォォ!!」
以上……わかる人にはわかるはず……
(ちなみに作者はシナイダー派です)
それではどうぞ!
二人の刀剣使いの決闘は終幕を迎えて尚も、不穏な空気が漂っていた。
周囲はどよめく。
それも其の筈だ。此処にいる大半のプレイヤーは【DUEL】の結果を聖竜連合の圧倒的な勝利、仮面の男の無様な敗北という予見をしていた。しかし映る光景はその結果とは真逆であった。自信過剰なまでに際立っていたDDAのヤマタは雪に背を向けて倒れ、仮面の男は刀を鞘に収めて青空を仰いでいる。
決闘は激しい剣戟という戦いではなく、八百長試合と思わせるような圧倒的な実力差を感じさせるものであった。【DUEL】開始のブザーから始め、HPが減っているのはヤマタのみ。仮面の男はHPが微動だにも変化していない。
圧倒的な勝利を収めたのは前線で活躍する名高い攻略組でなく、犯罪者ギルドと罵り馬鹿にしていた【何でも屋】の俺であるのだから。
堕ちた衝撃で白に撒いていた雪煙が晴れると聖竜連合のリンドとシヴァタはヤマタに駆け寄る。
「大丈夫か、ヤマタ!?」
リンドは声に反応してヤマタはむくりと背を起こす。しかし眼は二人を見ていない。口を開き、ただ呆然としている。
「まぁ気を落とすなってヤマタ、今日は調子が悪かっただけだ。お前が本調子ならあんな仮面野郎に負けるわけないって」
気を遣った言葉を送るが男は上の空のまま耳から耳に抜けていたが、『仮面』という言葉を聞くと不意に目を見張る。
「俺が……敗けた?」
「ヤマタ?」
「ちげぇ……ちげぇよぉ! こんなんじゃねぇ!」
喚き癇癪を起こしながら男は立ち上がる。
手に握られた剣で仲間の二人を振り払いヤマタは背を向けたレトに向かって仕掛けてくる。
雪が軋み踏まれる音が鼓膜に伝わると俺は背後から迫るヤマタに気付く。顔に向けられた切先を面擦れ擦れに振り切られた。無造作に振り切られた剣筋で攻撃は当たらなかったが、DUEL中に今の攻撃を喰らっていては致命傷は避けられない。
俺は無意識に後ろに後退する。男は喚きながら剣を振り翳す。「やめてください、勝負は着きました!」と呼びかけるが男は攻撃を止めない。
躍起になって剣を振りかざす男に強行策を取るしか術がない。今の彼の攻撃はDUELのときに比べて剣筋が成っていない。次にきた大振りの攻撃を腰を低くして相手の懐に入り、斜めに振り切った腕の手首と柄を両手で握り重力の赴くまま腕を引っ張る。重心を崩したヤマタの腹に前蹴りを喰らわせ前方に吹き飛ぶ。吹き飛んだ勢いでヤマタの手から放れた剣を片手掴み深く息を吐く。
「ヤマタ! いいかげんにしろ!」
仲間の二人がヤマタを両腕を掴み暴れるヤマタを押さえる。
「レト…大丈夫?」
男の狂った行動に俺の身を案じたローゼルが駆け寄ってきた。我を忘れたヤマタは声を張り上げて憤怒と憮然の念を爆発させた。
「攻略組の俺がこんな前線に参加しない臆病者に敗けるわけねぇ!」
俺は面の下で苦い顔を零した。
攻略組は云わばハイプレイヤーの集まり、あらゆる上層の強敵を打ち破りこの世界の解放を夢見る勇ましい先導者達である。そのプレイヤーが攻略に参加しないプレイヤーに傷一つけられないまま敗北したのだ。納得できないのもおかしくないのかもしれない。
俺はいつも彼らが戦って解放してくれたマップを歩き、安全な道を通っているだけだ……確かに上のプレイヤーからしてみれば必死に切り開いた道を俺は何の苦労を厭わず歩いている……だから……。
手に持った剣を握り俺は髷男の前に立ち剣を地に突き刺す。
「デュエル以外でこの剣を人に振り回していけない、たとえ圏内でもだ。それはここに生きる皆が理解しているはずだ……誰かが嫌いとか、気に食わないとか、そんな理由で剣を振るな!…………ここではこれが凶器にもなるんだ。この世界の剣は死のゲームを生き抜くための力です、それは……前線で先導者になってくれているヤマタさんと貴方達攻略組が一番よくわかっているはずだ……」
強張った威勢から急に弱まる声は周りさえも不穏な空気を沈ませた。
突き刺した剣から手を解きアイテム欄から今朝討伐した《ウロボロス》一式の素材アイテムを選択し目の前に出現させた。オブジェクト化された素材は牙・鱗・堅殻・眼・尻尾、どれも未だ公開されていない素材アイテムだ、全て大蛇がドロップしたレア素材である。
「これを……少しでも攻略の役に立ててください……」
至言を吐かれたことでヤマタは言葉を失っていた。
気がかりな言葉を言い残したレトはその場を離れようと足を動かす。紅いマントを持ったローゼルは「本当に良いの?」と言わんばかり小首を傾ける。マントを受け取り羽織った後、無言で両肩をあげて返す。
「待ってくれ!」
すると、リンドが慌てて駆け寄ってくる。ローゼルは俺の後ろに回り警戒に入る。俺自身も先程の件があったせいか咄嗟に身構えてしまった。
「今のデュエルでお前の実力が解った。……レト、聖竜連合に入らないか?」
男の突然のギルド勧誘に俺は肩を竦めた。いざこざが遭ってからすぐの誘いである。
「別に、取って食うわけじゃない! お前の力があれば俺たちのギルドに……いいや、攻略組の大幅な戦力アップに繋がる。今の技量なら直ぐにでも前線に通用するはずだ。コルに困っているならギルドが負担する!」
「お、俺は……」
「ヤマタの不始末は俺が謝る!……聖竜連合には血盟騎士団と違って此れといったずば抜けたハイプレイヤーがいないんだ。ヒースクリフや閃光のアスナのほどの剣士が今内のギルドに必要なんだ、頼む!」
しつこく強請るリンドに足を数歩引きながら首を振る。
「聞き捨てならないわね……リンド!」
そのとき、横から女性の声が聞こえた。横に目をやると声の主が歩いてくる。人混みは彼女が通る道を切り分けるように身を後退り、綺麗な道ができる。薄い水色のストレートヘアに前髪は三つ編み込みを入れ、女性の気品に満ちた顔立ちを表に出していた。小顔で長い睫毛にくっきりとした瞳、白くすべらかな肌は周りの男性プレイヤーを魅了するほどの絶世の美女である。凛とした振る舞いで歩を進める姿はどごぞの身分の高いご令嬢に見えてしまうほど堂々としていた。
「げぇ!? スノウ……いたのか?」
「私がいたら何か不都合でも御有り?」
聖竜連合のスノウ。鎧の板金は白銀をベースに上半身は鎧を具わり、下は上の鎧と違い両腰の甲冑からフリフリの黒スカートを身に着けていた。雪のようにクールな言葉遣いでリンド達を睨むと男達は背筋を凍らせる。
「ずば抜けて卓越した優秀な剣士なら私がいるじゃない……それとも、 私じゃ役不足って言いたいのかしら?」
「待てスノウ……別に俺はお前を低くく見た訳では……」
最高の笑顔を仲間に送っているように窺えるがリンドはその笑顔で顔が蒼ざめている。
「お黙り」
短い一言を言うとスノウはリンドの額に強烈な頭突きを放ち、リンドは雪に蹲る。気品に満ちた風姿からかけ離れた行動は周りに衝撃を走らせた。痛みはなさそうだが……こー何というか……
スノウは残った二人をみる。
「ヤ・マ・タ……」
裏に鬼を潜ませるかのような笑顔はヤマタを恐怖が襲う。
「俺はギルドのためを思ってだな……」
「拍子抜けよ」
背を向けてヤマタは全力で地に足を踏み込ませ魔の手から逃げようとするが時既に遅し。逃げる背からヤマタの腰に腕を回しクラッチしたまま、後方へ反り投げる。ヤマタの首は雪面に叩き込み、スノウはプロレスラー顔負けのジャーマンスプレックスを決めた。見事にフォールを奪い、勝利のゴングが幻聴で聴こえてくるのでないかと脳裏を掠める。
乱れた髪を整え、一人怖気づいて棒立ちのシヴァタには有無を言わさず涼しい顔で顔面に右フックを打つ。気品に満ちた品格から考えられない乱暴な技を垣間見た俺は思う。
……うん、怖い。ただその一言に尽きる。
三人の男達に制裁を終えたスノウは手をパッパッと払い、俺に近寄ってきた。
「悪かったわ、うちのギルドが厄介を掻けたようで……」
歩み寄ってきたスノウに対し露骨に腰を引いてしまう。俺が決闘を終えたときよりも周りは酷い光景になっていた。
「ずいぶん強くなったようね。メンバー内でヤマタは五本の指に入る実力はあるのだけど……フィールドボスを一人で討伐する仮面の剣士さんには相手にならないわね」
「ウロボロスを討伐したのは俺だけの力じゃない……仲間が力を貸してくれたから討伐を終えることができた」
「仲間、ね……」
スノウは俺の後ろにいるローゼルと目を合わせ訝しい顔で目を細めた。ローゼルは視線を逸らしフードを深く被り直す。
「……それにしても貴方おかげでうちのメンツは丸潰れだわ。攻略組が悪名高い風来坊に、手も足も出ずに敗けるなんて笑えないわ」
「……すまない」
「何で貴方が謝るのよ。貴方の方が強かった、それだけの話よ……寧ろ、それ程の力を持っていて何故攻略に参加しないのかが……ね?」
親しく穏便に話し掛けてくれた声は低く冷たい声に変貌した。スノウは……ここにいるプレイヤーが疑問に思っていることだ。
俺のレベルはこの一ヶ月で跳ね上がった。それはローゼルが《何でも屋》に来てからである。経験値の高い狩場、スキル技の応用、モンスターの戦闘指南……SAO内で生き抜くための必要な戦闘法を門下生のようにローゼルに教わった。元々俺自身が基礎的なシステムの知識が欠けていたのもあるのだが。でも、良い狩場よりも、スキルを使いこなすことよりも、パーティ戦闘がこの一ヶ月を変えた。ソロで闘っているときには感じられないほど戦闘がスムーズに進み楽になった。
仲間ともに戦う、レべリング依頼で何度かパーティを組んだことはあるが、そのどれも俺が前衛にモンスターのHPをレッドゾーンまで減らした後に後衛のパーティに渡す流れ作業……協力して戦うことはあまりなかった。
今は違う。互いに目標の魔物に連携を獲りながら戦うことができる、互いを庇いながら協力するのがこんなにも新鮮なものだとは思えなかった。
戦闘経験ともにレベルまでもが急成長した俺は、今ではレベル六十台。並大抵のモンスターには力負けはしない。だが、今はそれが問題なんだ。
仮面の下で苦心を顔に出し、握った手はじわっと汗ばむ。
「……あなたもこの世界の日常に慣れ親したしんできたのよ」
「どういう……ことだ」
肌寒い空気がより一層スノウの言動に妖気染みた感覚が立ちこむ。
「世界に囚われた初めの一ヶ月は奇妙な程時間の流れが遅くて、この世界が牢獄のように思えた。……時が経つに連れて、この世界での生き方、暮らし方、過ごし方が身に付いた……。今では階層攻略も死人が出なくなり、攻略組にも相当な戦力が纏まったわ」
雪をサクサクと小さく音を発ててスノウは俺の横を通り過ぎる。
「前線のギルド集会で集まったメンバーは『明日はこのエリアマップを探索』『装備を一新しよう』『マイホームを買う』……来る日来る日をどれ程充実した一日するか、私も一緒になって楽しく話し合ったわ。……でも、25層を越えた辺りから私にはある不安が過ぎったわ。ギルドで活躍していた腕良いプレイヤーが突如攻略組を降りると言い出したのよ。少し休暇を取りたい、そう言ってその人はもう上に登ってくることはなかった。日に日にギルドを脱退するプレイヤーが増え、半年前まで六百人以上いたプレイヤーが五百人に激変した。それはおろか『死に物狂いで戦わずに、命を大事に楽していこう』と聖竜連合では話が持ち上がる始末、進行状況も徐々に落ちて皆最初の頃ほどの戦意を感じられなくなった……」
背を追いながら自身と違った環境に生きるスノウの俺は物思い沈む。
「私達……この世界を馴染み始めてる。一日一日を費やす分だけ現実世界の私たちの時間も削っている、そんな悠長に構えている暇は無い。皆忘れてる、私たちは茅場晶彦が創ったこの世界に閉じ込められてるって事を……。誰かがいつかクリアしてくれる、そんな考えじゃ何時になっても帰れない。下の皆は上の人たちに甘えすぎよ……ゲーム内の全プレイヤーが一致団結すれば……クリアだってもっと速くなる。賭けデュエルなんて言っているけど、あれも才能持ったプレイヤーを探すための手段……一人でも多く上で戦う者が必要なの!」
「無理だな」
俺はスノウの盛大な葛藤をただ一言で吐き捨てた。
「人には個性というものがある。君のように上で勇敢に戦う者もいれば、その逆もいるんだ……身を案じ、自身に甘える……普通のことなんだよ」
「そんな理屈で諦めるっていうの!? 無責任よ! 私には向こうの世界で遣り残した事がある。レト、あなたもあいつの創った世界の上でのうのうと生きていくつもり!? 帰りたくないの!」
「帰りたいさ!……俺には向こうで叶えたい夢も……」
―もう一度会いたい、大切な人がいる……
心の奥底で離れ離れになったあの子との思い出が脳内でチラつく。でもその子の事を考えると同時に今此処にいる銀髪の女性と重ねてしまう。
「なら、力を野放しにするのは間違いよ!……あなたには力がある、前線でこそ活かすべき力が。あなたも仮想世界から帰還を望んでいるんでしょ? 貴方だけじゃないこれは全プレイヤーの願いよ」
「駄目だ……」
言葉を吐き捨て俺は足を急かす。この場から直ぐ離れたいと思った。
「その人が足枷になっているんじゃないの?」
去ろうとすれば呼び止められる。無視すればいいのにまた反応してしまう。でも否定できないから胸糞悪く憤りに至らない。足枷と題される人に目を合わせる事をせず歩を進める。
「ゲームクリアより大切なことがあるの!?」
声を張りながら訴えかけてくる。全員の利害が一致しなくてもゲームクリアを求めるものは俺も同じだ。いくら仮想世界でも『夢』や『約束』も此処では実現できない。帰りたい……もう一度、あの子に会いたい。
―だけど、今の俺の日常は……。
周りを取り巻く視線は全て俺に向いている。心を刺す投げられた視線の疼痛は俺を独りさせるが、振り返えるとその場で立ち尽くしたローゼルを見ると俺は自然と心にゆとりができた。彼女は俺を見ている―辛く苦痛に満ちた表情を浮かべて俺の答えを待つ。そんな彼女を心から守りたい……あの日、自分が本気で誰かを守りたいと思った自分の心に嘘を吐きたくない。瞼を軽く閉じ頷くと、それが自分に送られたものとローゼルは気付く。
「……今、この一瞬だ」
穏やかな声であやふやな答えだが妙に洗練された言葉にローゼルの表情は灰汁が抜けたのように唖然としていた。呆然とした彼女の腕に持った紅のマントを手に取り身に纏う。ローゼルはひらひらと靡くマントを見て我に返ると開けた口を閉じ離れていくレトの背を追っていた。
スノウは離れていく二人の背を溜息交じりで見守る。
「また……フラレちゃった」
雪世界の中で靡く紅いマントは周囲のプレイヤーに示唆に富んだ印象を焼き付けて広場から姿を消した。
「……誰かを切り捨てて前に進むことだって……時には必要なのよ、レト」
◇ ◇ ◇ ◇
転移門を目指してやや速めに足を動かすレトの後ろを付きながら歩く。私は広場で起きた一軒を思う。すると人気が感じられない住宅街の通りを歩くレトは急に立ち止まり仮面を外す。上を見上げて疲れた息を吐き、白い吐息が長くかかる。不思議と今は彼の顔を見てはいけないと私は動くとはせず、ただ前にいる彼の赤い背を遠く見た。
また彼に負担を懸けてしまった。私の罪が彼の心に傷を負わせて、悔恨に胸を焼かせている違いない。そしていつもこの言葉を口してしまう。
「「ごめん……えぇ!?」」
口を開いた途端、同じ謝罪の言葉が彼からも発せられた。思わずレトも振り返りキョトンした表情を浮かべていた。たぶん私も同じ顔をしている。
「「何であなたが(君が)謝るのよ(謝るんだ)!?」」
奇妙なほど言葉重なり互いに口をパクパク開きながら無言になってしまった。しばらく沈黙が続き互いに言葉を探すかのように思考を巡らせる。考えてることは一緒だったのかもしれない。
「……私、あなたの足枷なの……かな……」
「あ……」
「本当はあなたも前線に手を貸したいでしょ?」
戸惑いを仮面で隠すことなく視線を伏せる。彼は心の居場所をくれたのに私は恩を仇で返す言い草を発してしまう。私の存在がレトの自由を奪っているだと思うと胸が張り裂けそうになる。
「やっぱり、邪魔……だよね……」
本当はこんなこと聞いていけないのは分かってる。でも止め処なく次々に不快な言動が頭に生まれてくる。また自己嫌悪に陥る。
「そうだな……きっと邪魔なんだろうな、君がいると……」
彼は遠回しに言葉を返すことはせず、視線を下ろしたまま悲しそうに答えた。目を合わせてくれない……それだけで不安になってしまった。目の奥が少し熱い……少しくらい嘘ついてくれたらいいのに。両手を握り湧き上がってくる感情を押さえ込んでいると私の手を包み込むようにそっと両側を優しく添えていた。冷えた手はじわじわと熱を帯びてとても温かくなり、突き上がってきた感情を安心させる。
「でもそれ以上にな……ローゼルがいないなんてこと考えられないんだ」
「…………?」
「君が俺のギルドにいる、君が一緒に依頼をこなしてくれる、君が一緒に戦ってくれる、君が俺の料理を食べてくれる、君と一緒に会話することができる……君がいないと出来ない事が沢山できた」
「私がいないと出来ないこと……」
「もう俺とってローゼルがいるってことが日常なんだよ。だから……勘違いさせたようなら……ごめんな」
疑うなんて馬鹿げていた。彼は酷い人じゃない、だって私が此処にいることが証明だから……。ただ彼の優しさに甘えたいだけで、聞いてしまったのかもしれない。見上げるといつもようにあなたは笑顔を送ってくれる。それだけで私は孤独じゃないて思える。きっと今、私もレトと同じ笑み浮かべられている、それが嬉しい。
―ごめんね、レト
私は謝罪の意味を込めて満面の笑みを彼に返す。
すると途端にレトは頬をじわじわと赤くさせ慌て始める。両手をあたふたさせ仮面を被ろうとするがお面を手から滑らせ、氷の張った地面に滑り転がっていく。間抜けな声を上げながら滑っていく仮面に腰を低くして追いかけるレトとは仮面を手に掴んだ瞬間、盛大に足を滑らせて顔を床の氷に叩き付けた。
「ほんと……締まらない人……」
愉快な人を見ながら私はまた笑顔を作っていた。
話が進まない……進めたいのに進まない。
でも此処からが正念場!頑張ります!
そろそろ……決めないとね。
(お知らせ?というより報告)
ローゼルの弟君の本名ですが、恵太(けいた)から華太(はなた)に変更します。
別にあれですよ!? 原作に登場するケイタっていうキャラと今更名前が被ってることに気付いたわけではないですよ!?(汗)
お気に入り数が200以上ありました。ありがとうございます(嬉)
作者の初作品でここまで読んでくれている人がいるとは感謝感激です(涙)
至らぬ点も多いですがこれからも応援よろしくお願いします。