ソードアート・オンライン~紅の心意―The Cardinal Mind   作:坂道

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杏「もうやめてぇー遊戯ぃーーー!!」
ATM「HA☆NA☆SE!!」
杏「作者のライフはもうゼロよ!」

社長「全速☆前進DA!!」


ではどうぞ


約束―フレンド・ハート

 川のせせらぎが耳を伝う。草の靡く音、鳥の鳴く音、聴いているだけで心地はいいが……

 ポチャン……!

 水平に流れる川の中央が小石の落下により円の震動を描く。

 

「遅い!」

 

 キンキンとした声を響かせて膨れたくもない頬を膨らませて私はここでもう五時間一人寂しく河原の辺で居座っていた。

 

「あ~もう待ち疲れちゃった、ずっと同じところに一人で居続けるのって結構辛いわねぇ」

 

 溜息混じりに独り言をぼやいて地に腰をつけ、漂う水流の香りを感じながら遠くを見る。

 

―お母さん達、今頃カンカンだろうな……あぁどうしよ、帰りたくないよ。

 

 電話を鳴らせばすぐさま小竹さんが車で家まで送り届けてくれる、けど家を飛び出した私に両親はどんな態度を示すであろう。きっとお母さんは小言を繰り返してお父さんは叱責するに違いない。

 家には片付けないといけないスクールの課題があるし、今日は須郷家の親族が夕方に家に訪れるから衣装を着付けないといけない……、―まただ、また親の決めたことだ。

 何を私は家でしているのだろう、全部が親の期待に応えるだけ行為……その期待に応えることが私の喜び、最近までずっとそうだと思っていた。いつからか、お母さんは私が優秀な成績を培っても笑ってくれなくなった。まるで当然だと毅然とした表情を変えない親の顔に遣る瀬無い喪失感を感じ取っていた。頑張ればきっとまた私に振り返ってくれると信じ、必死に課業に取り組んだ。

 でも変わらない、振り向いてくれない……私は家にいて孤独な冷たさを覚え始めていた。

 学校の皆はそんな時友達と喋ればいいと呟いてくれた、気分が和らぐだって……でもそれは友達がいたらの話。いないといえば嘘になるけど、いるといえば嘘になるかもしれない。学校で居合わせる友達は色んな個性を持った人たちがいる、放課後一緒になって話したこともある、どんな小言も楽しく聞き入ってくれる……でもそんな私生活を円満にしてくれた環境にもまた変化が訪れた。

 いつからか誰も私に話しかけてくれなくなっていた。

 

『ねぇ、なんで私と一緒に話してくれないの……』

 

『明日奈ちゃん、ごめんね……先生から止められているんの』

 

 学校が根回ししていると聞いた時に察した。私が通う私学は御父さんの古くから友人が理事長をしていると。親の口実に違いないと嗅ぎ付けた私は二人に問い詰めた。

 

『あの子達と接してから授業態度が悪くなったと、教員から聞いた』

 

『成績に支障が出たらまずいわ、関わるの止めて勉学に励みなさい』

 

 あの頃の私はそんな理不尽な行為を言い返すことはなかった。二人の言うことが正しい……正しいって思っていた。とある日、お母さんの学者仲間とその娘さんが家に来客したときに母が言い残した言葉に絶句した。

 

『子の事なら安心してできるは、仲良くしなさい』

 

 友達って親に決められるの? 親が認めないと友達を作っちゃいけないの? どうして私は決められたレールの上でしか動けないの?

 

 度重なる疑問は私の親に向けていた親愛を薄暗く曇らせていた。

 そんな曇った私の心は自然とあの夕陽の河原へと向かわせた。少しの間嫌なことを忘れられる世界は私にとっての最高の時間だった。何者にも縛られる事のない、心安らぐ憩いの場……突然の来客は私に心情の変化を与えた。

 あんな風に本心を誰かにぶつけられたのは何時ぶりだろ。気に食わなくて……うっとしくて、よくわかんない人って思った……でもなんでだろ、喧嘩した後も私は彼に会いたかった。固く閉じた殻を叩いて会いに来てくれる……そうまるで本当の友達のような関係になれるんじゃないかって。

 夕陽の色を映し出す水面の鏡を見ながら彼の名を思う。

 

「紅葉……」

 

 秋の風物詩に相応しい綺麗な名前だ。第一印象は互いに最悪なものだった、碌な話もできずに息苦しいさを感じるも……なぜかその空気が嫌ではなかった。ただ一緒に同じ景色を見る、その少年も……ずっとそんな遣り取りを飽きもせず続けた。そのまま意気投合とはいかず、一悶着になり大きな溝を作って関係は悪化した。でもその溝は逆に私と彼を繋ぐ橋になって私は共鳴さえも感じている。神妙な顔で私の苦言を聞いてくれた、私のバイオリンを褒めてくれた少年に会えば、この曇った心は晴れる。

 膝を抱えて顔を埋めて冷えた胸のうちを暖めていると…

 

「いや~やっと見つけたよ明日奈くん」

 

 この河原で決して聞くことはないと思ったおぞましい声、視線を振り向かせるとあの男が立っていた。

 

「……須郷さん」

 

 

 ひたすら堤防の道を駆ける。

 肺がヒリヒリして吐きそうに咳込むも、それでも歩みを止めず走り続ける。何処にそんな活力が残っているのか自分で不思議に思うくらいだ。稽古後それもつい先程まで烈しい試合をしたばかり、出し惜しみなく全力で打ち込んで酷くくたびれていた自分が一時間ほど前にいたはずなのに河原で待つ少女のことを考えると疲れが吹き飛んでいた。

 結城はどんな顔で迎え入れてくれるだろ、仏頂面でツンケンされるのが落ちかもしれない……でもどんな形でもこの心躍る気持ちを抑えることはできない。

 会いたい……君に早く会いたい、頭はそれで一杯だった。

 夕陽が照らす先からいつもの河原の風景が視野に入り、俺は土手の上から河岸を見渡す。そこには栗色髪の少女とスーツ姿の男が佇んでいた。

 

―結城だよな……もう一人はたしか昨日の帰りで遭った……

 

「いいかげんにしなさい!!」

 

 思考を巡らせていると、男が大きく叱責する声に驚いて思わず身を倒して隠れる。俺は忍ぶように土手の上から下を覗き、息を殺して聞き耳を立てた。

 

「明日奈……君はもう少し自分の立場を良く考えた方がいいでしょう。君は将来僕の大事な伴侶になる御人だ、然るべきときのために僕達の親族間を良縁にしなければなりません。君はまだ僕の親と顔合わせてをしていないと聞いています、ぜひ一度お会いしてはくれないでしょうか? 親族ともども大変お喜びになるかと……さぁ、お戻り下さい明日奈嬢、両親も心配していますよ」

 

「気安く名前で呼ばないで、何を勝手なことを……どうせまたお父さんが勝手に決めたことなんでしょ? 私、帰らないわ!……あんな人たちが私を心配するはずない……いつも家の名ばかりで自分達の築き上げた名誉を守りたいだけよ。須郷さんあなたもそうなんでしょ、お父さんに媚を売って何をするかはわからないけど、私は騙されない……」

 

 かなりギクシャクした憤りを漂わせる二人……いや、どちらかといえば結城が一方的に疎遠して距離を置いてように見える。

 すると、紳士とした振る舞いを醸し出す好青年は不快な舌打ちを鳴らした。

 

「ガキが……あんまり手間取らせるんじゃねぇぞ」

 

 須郷という男は先程まで軽快な口振りでなくなり、冷酷さを肌に感じされる口舌に変貌していた。

 

「人をコケにするのも大概にしろ……あ~これだから子供は嫌いなんだ。僕が好き好んでお前みたいなじゃじゃ馬娘に気取らないでいるのは彰三氏に絶対な信頼を寄せられているからなんだよ……いつも兄妹揃って僕を毛嫌いしやがって、まぁ君に向けられる冷たい視線はゾクゾクするけどね……イヒヒッヒィーイハハハ!」

 

 薄気味悪く高笑いする男に結城の強気な姿勢が怯えたように縮こませる。怖気付く様子を満足気に笑みをこぼす男の姿は悪役そのものにみえた。

 その悪感とした状況を目撃した俺は煩わしく小心になる。

 

 ―結城を助けないと……いや、部外者の俺が関わる必要なんて……それにこんなところでビビッている俺に何が出来るだ…

 

 込み入って複雑になる心境に体が動かない。自分が飛び出したら助け出すことが出来るかもしれない、しかし相手は大人だ、自身よりもはるかに力ある上に、男との体格差に加え、非情な男の恐ろしい一面を目の当たりにした俺は完全に臆病風を吹かせていた。

 

 ―そうだ、誰か大人の人を呼ぼう、俺がどうこうできる事態じゃない……はやく……はやく―

 

 

 ”この場を去ろう”

 

 

 内で思った腰抜けの考えを否定することなく心細く逃げ出す。

 ―ずっとそうやって対処してきた……自分にとっての最善の方法……自分を守るための……

 強張った足を人がいる住宅街に向けて小走りで駆け出すと、「いやぁぁぁ!」少女の悲鳴が上がる。砂利を引きずり飄々とした足を地に擦り付けて立ち止まる。

 

「おいコラ、さっさとしろ、いいから来るんだ!」

 

 不甲斐無い自分に関係なく、男は川岸に追い込み強引に結城の片腕を掴む。結城は必死に抵抗するが大人の男性の力にその華奢な腕ではどうにもならない。

 

 ―振り向かない『また逃げるのか?』

 ―怖いから振り向かない『馬鹿だな、もう懲りたんだろ?』

 ―適わないから振り向かない『弱いとか強いとか……関係あるのか?』

 

 ―いつもそうやって逃げてきたんだよ、いいじゃないか……『でも真意は見えているだろ』。

 

 ――俺が誰かを守れるカッコいいヒーローなんかになれるわけ……『ここであの子を見捨てるほうがもっと格好悪いぞ』

 

 

―『似非ヒーローでもいいじゃん、理由が必要ならお前はもうもっているはずだよ』

 

 

 

 ……たす……たすけて……

 

 涙にぬれた少女の声が俺の鼓膜から脳天を貫いた瞬間、自身の纏わり付いた負の雑念を掻い潜り、本心が前と飛び出した。剣道具をその場に投げ捨て、竹刀袋から赤く染まった竹刀を力強く抜刀し坂を駆け下りる。

 俺は勢いのまま張り上がった声を轟かした。

 

「やめろぉぉぉーー!!」

 

 響き渡った叫び声に背後を振り向かせた男の結城を掴んだ右腕に目掛けて竹刀を振り下げる。咄嗟に掴んでいた腕を離しかわされるが、結城を強引に掴んでいた魔の手から解放することができた。

 結城は石の地に尻餅を付けて自分の悪寒に震えた体を沈めるように両腕で抱きしめる。俺は慟哭に項垂れる結城に膝を下ろして頭をそっと撫でてあげた。

 

「大丈夫だよ……」

 

 慰撫しながら少女だけに聞き取れる声量で優しく囁く。涙線からボロボロと流れ出る水粒で瞼の下は真っ赤になって荒れていた。瞼から漏れる雫を指を這いらせ拭い取りながら思う。

 ―これ以上、結城の泣いている姿なんてみたくない……俺が今、結城にしてあげられることは……

 

「俺が―君を守るから」

 

「ふぇ……?」

 

「だから……泣かないで」

 

 むくりと潤んだ瞳をを上げて眩しい夕陽に照らされながら目と目を合わせると、恐怖で震えていた体は止まっていた……同時に俺の震えも。失っていた立ち向かう戦いの闘志に火を付ける……自身の剣で誓った言葉の誇りを彼女に証明するために。

 

 ―逃げない……目の前に守りたい人が、大切な人がいるんだ

 

 温かな笑顔を彼女に送った俺は背後に立つ男にキッと睨みつけて竹刀を構える。

 

「オイオイオイオイ、なんだこの糞餓鬼は? 結城嬢のお友達かな~」

 

「そうだ」

 

「ハハハ……悪いがね僕も忙しい身なんだよ、子供のヒーローごっこに付き合う暇なくてねぇ、やれやれとんだ困ったちゃんだよ」

 

「うるせ―よ!」

 

 半分やけくそで竹刀を掲げて飛び出すが、やはり体の大きさで身を竦ませてしまう。振り下げた竹刀も定まらず空振り、追撃に足裏で強く蹴り飛ばされた。

 

「クソがぁぁ……目上に対して成ってないんだよお前達たちガキは!」

 

 悶えるように仰向けになった俺の顔を靴底で容赦なく踏みつける。狂気めいた男の顔に睨みを効かしても状況は変わらない……剣道とは違うんだ、単純な暴力が勝る喧嘩だ。

 

「オラァ、謝れよ、できるだろそれくらい…できんだろぉぉ!」

 

 足を擦り付けて不敵な笑みを近づけながら更に重心を掛けて腹を蹴る。肉体が軋む、けられた後にくる熱い激痛が恐怖とともに押し寄せる。

 

「弱いくせに! 僕に歯向かうじゃない、この似非ヒーローがぁ!」

 

 子供相手に容赦のない暴力行為を繰り返す男は調子狂うように何度も腹を蹴った。鈍い痛みに嗚咽を吐いて、噎せ返る。

 ―痛い、顔の皮が擦れてヒリヒリする、お腹がズキズキして……苦しい…

 酷く強打された体の痛みに苦しむ俺に男は鼻を鳴らせて眼鏡を押し付ける。

 

「お遊戯はここまでだ……失礼させてもらうよ」

 

 大人と子供との力の差は猫と鼠のようなもの、自分の非力に悔しさと情けなさが交じったかのような感情に苛まれる。

 ―……ハハハ、やっぱり……そんな上手い話はないよな、颯爽と現れた正義の味方が悪からヒロインを助けられる下手な展開にはならなさそうだ

 手に持った赤い竹刀を杖にしてふら付きながら青息吐息を洩らす。ここにきて稽古の疲れも押し寄せてきて最悪な状態だ……だけど、まだ……やれる……!

 淡々と舌を回す男に手ごろな小石を投げつけて煽りつける。強い眼差しを捨てずにボロボロになった体を立ち上がらせる。

 

「まだ……まだやれる……」

 

 レンズ越しから引き攣った顔を胸糞悪そうに震わせて男は、俺の胸倉を持ち上げた。狂乱した男の目は激情して血走っている。

 

「このぉ……いつまでその目で見やがって、僕を馬鹿にしやがって!」

 

 明らかに一方的な暴力だ。相手の力に屈服するのがこの場を切り抜ける最善の選択だ。しかし不思議なものだ……目は諦めていないんだ。

 

 霞んだ目には男の歪み狂った顔がぼんやりと視界に入っているが、その靄の奥で……また泣きそうになっている結城がいるんだ。

 ぶら下がった腕にまだ力が入る……左手に持った赤い竹刀は彼女に勝利を約束した剣だ、お前だけには負けるわけにはいかない……

 

 ―俺がお前より弱くても……

 

 掴みあげられた状態で相手の片腕だけを掴み握り締める。

 

 ―お前が俺より強くても……

 

 窮地に追いあわれた鼠は……窮鼠猫を噛む。

 

 ―結城が泣いていい理由には……ならねぇだろうがぁぁーー!!

 

 絶叫とした気勢と同時に相手の手に思い切り噛み付く。

 

「…だあぁ……!?てぇぇ!?」

 

 

 須郷は徐に痛みの悲鳴を上げて掴んだ胸倉を解いた瞬間を逃さず、竹刀を拾い上げて男の向こう(ずね)を力の限り叩く。竹刀が軋むほどの音を上げると、男は得体も知れない奇声をともに倒れ悶える。

 不意に脱力が俺を襲うが今ここで膝をつくともう立ち上がれそうにもない。残った活力を全て使い脚を動かし、膝をつく結城の手を掴んで呼びかける。

 

「いこっ!」

 

「…………うん!」

 

 戸惑いながらも俺の呼びかけに頷き返して身を委ねる。横で倒れる男を気に求めず二人三脚のように一緒に手を繋いで坂を上りあがる。

 

「コラ! 待ちなさ…いっつう~~!!」

 

 

 二人が行き着いた先はここから数百メートル離れた位置にある、両岸を渡ることが出来る橋の下陰。

 あの須郷?とかいう男も追ってくることもなく一先ずは安心できる。弁慶の泣き所とは名の通り効くらしいな、おかげでうまくあの場を治めることに成功した。

 しかし竹刀で人に危害を打すのは剣道の道に反れた規則違反なのだが、今回ばかりは正当防衛として目を瞑っておくとしよう。ふっと紅葉は苦笑をした後、傍らで同じく肩で息をする結城は物憂いに呟く。

 

「どうして……助けてくれたの?」

 

 栗色の長髪の幼気な少女は苦悶の表情で紅葉を見つめた。

 『人を助けるのに理由なんて必要ないだろ?』なんてキザな台詞は言えなかった。そんな言葉が吐けるなら、迷いもせずに助けに行くはずだ……そう俺は最初自分の身を案じて逃げようとしたんだ。

 

「俺……本当は怖くて最初は逃げようと……結城を見捨てようとしたんだ……だけど逃げれなかった」

 

 紅葉は少女の潤んだ瞳に目を逸らす。

 

「だけど…逃げれなかった……君の泣いている音が聞こえたから」

 

 もう一度と少女の瞳に自身の眼を合わせた。

 

「初めて……目を、心を逸らさずに助けたいって思ったんだ……君には、結城には泣いて欲しくないって……辛い顔を見たくないんだ。だから……その……ゎ……」

 

 口篭って最後に何を言っているのか分からない。男の子は少女の涙で赤くなった顔を見ながら……あのとき、楽器を弾いているとき少しだけ合間に見せた笑顔を思い出した。

 

「わ、笑ってくれないかな?」

 

「えっ…………?」

 

 その一言に結城は丁度橋の日が照らされる境の陰に顔を向けて背けた。

 

「あの、その……せっかく…ヒーローが助けたんだから……笑顔で……笑ってほしいな……なんて」

 

 ―おどおど口を動かしながら何をこの子に頼んでいるんだ、少年の細い声を聞き取った結城はその内容に頬を夕陽のように染め上げる。

 結城は黙り込んで行き場のない羞恥を今は夕陽の光で誤魔化す事はできない。

 二人の顔は夕陽に彩られより一層照れくささを際立せた。

 

「ふふっふ……紅葉くん」

 

 男の子は女子の透き通った声にドッキっと反応して身体を硬直させて背筋を伸ばす。陰で表情が薄暗くなっていたせいで口許しかはっきりと見えていなかったが、夕陽の沈む陽射し徐々に結城の紅葉に染めた素顔が現せる。

 そしてただ一言、結城は少年に感謝の言葉を送った。

 

「……ありがとう」

 

 額に湛え目を輝かす眩しい笑顔に心が溶けるような夢のような気持ちになった。

 この胸の弾みはなんだ……凄く温かくて満たされた気分だ。

 優しく囁いた結城の柔らかな微笑みはこの世に生まれてから見た最も可愛い笑顔だった。

 とても平然とあの破壊力のある笑顔をずっと見ていることも出来ずに左胸を掴んで速くなる胸の鼓動を抑えた。

 

「あ……擦り剥けてる…」

 

 すると、頬に負った傷に気が付いた結城は憂心を表に出すように紅葉の頬を覗き込む。

 

「だ、だいじょうぶ……こ、これくらいなんとも…イテッ…」

 

 ポッシェットから白い絹のハンカチを取り出して側に寄りかかるようにそっとすり傷になった頬を拭き取ってくれた。少し不器用だけど彼女の優しい一面に自然と目尻が下がってしまう。

 わぁ……こんなに近くにいる…………

 もう少し寄れば息が吹きかかるほどの距離、髪が鼻元で靡くと女子特有の甘い香りが舞い意識を朦朧とさせる。

 

「お腹は大丈夫……?」

 

 小鳥の(さえず)りかと思わせる彼女の柔らかな声に無言で頷く。本当は凄く痛い……きっと青く痣が出来ているはずだけど、今は腹の痛みよりも胸の痛みが増していた。

 

「よかった……無茶しないでね…」

 

「そ、そうだ……!」

 

 張り裂けんばかりの胸の痛みを振り払い本来の目的を思い出す。

 

「結城、聞いてくれ俺初めて試合で勝ったんだ!」

 

「……あ、そのことなんだけど……それってどう証明するの?」

 

「あ……あぁー!」

 

 空からカラスが阿呆と鳴いている。

 今の今になって思い至った、彼女にその現場を見ていなければ何の意味もないじゃないかと、自身の馬鹿さ加減に頭を鷲づかみにして項垂れる。

 その反応に小さなえくぼを寄せてクスクスと笑う結城。

 

「ほんとドジね紅葉くんって……」

 

「ド…ドジじゃない、うっかりしていただけだ!」

 

「それ一緒でしょ」

 

 くすぐったかのように笑う声を出す結城につられて俺も笑みを溢さずにはいられなかった。二人で顔を向けながら笑い合うなんて遂この間まで考えもしなかった。

 

「でも試合に勝ったってこと、信じるよ……だって体を張って助けてくれたんだもん、ううん違った……きっとあなたが助けてくれるって思ってた」

 

「それは俺を買いかぶりすぎだよ……言っただろ、 一度逃げようとしたって? 腰向けの似非ヒーローだよ俺なんか……きっと君のこと知らなかったら俺そっぽ向いて逃げていたよ」

 

「そうかな……それでも嬉しかったよ。ピンチのとき助けに来てくれるヒーローなんて……女の子の憧れだよ」

 

「ヒーローか……ふふっ」

 

 そう言われて嬉しくないわけがない。ヒーローは俺自身の憧れでずっと虚像でしかなかったものが、形はどうあれ実現しただと思うと嬉しい。

 紅葉は嬉しさに余韻を浸らせいると、さっきの眼鏡の男をふと思い出す。

 

「なぁ……先のあの眼鏡の人、誰だったんだ? 凄く怖かったけど……」

 

「……あの人、須郷っていう…家の親族の馴染みよ……きっと私を家に引き戻しにきたんだと思う」

 

「え……それじゃ俺ってその親族の人を倒しちゃったのか!?」

 

「いいわよ…別に、あんな下品な人……」

 

 我慢できないというような腹立たしく口調で存外な扱いをされる男子青年に哀れむも同情はできない。横で不快さをできるだけ表さないように膝を抱えて腕を組む少女を見て、先週彼女が口にした母親のことを思い出す。

 

「親とまた何かあったの?……もしかしてまた俺が原因?」

 

 他人の家族間の問題に割ってはいるべきじゃないことは十分承知ではあるが、彼女の曇らせた顔を見てしまうと、黙っていられなかった。

 

「ううん……紅葉くんは何も悪くないよ……悪いのお母さん達よ」

 

「……あまり親を悪く言うのはやめた方がいいよ。アイツに便乗するわけじゃないけどさ、きっと心配しているんだよ」

 

「そんなはずない!……だってあの男が迎えに来たのよ、信じられない……成績とか、名誉とか……私を見てよ……どうして昔のように愛してくれないの…」

 

 頑なに否定する彼女は膝を抱えて蹲る。今の彼女に深く理由を聞くと逆に傷付けてけてしまうかもしれない。でも……親が本当に子供を愛さないなんてことないと思いたいんだ。俺の親が人が良すぎるだけで……他は違うのかもしれないけど、血の繋がった大切な家族だってことは否定しないでほしかった。

 その場を勢いよく立ち上がり、その様子を目でパチクリして驚く結城に宣言する。

 

「なら、心配させてやろう」

 

 

 

「東京都世田谷区!? それはまた遠いとこからご苦労なことで……」

 

「べつに……いつも執事の小竹が外車で音楽教室まで行き帰り送ってもらっているか、大したことじゃないわよ」

 

「執事……外車……ははは、なんか本当に色々大したことあるんだけど……」

 

 あまりの生活観の違いに蒼ざめている。彼女とここに留まって小一時間経つ間、互いの住まいや学校での話をしていた。親は実業家の父と学者の母、私学に通って、毎日車通い……まさに聞けば聞くほど自分の生活観との落差を感じる。

 そんなお姫様のような環境で暮らす子が今は親に反抗しているところである。

 

 心配させてやるといってもただ頑固に家へ帰宅しないだけである。結城が持っているケータイからGPSを再稼動させて親が迎えに来るのを待つ。

 ―本当に結城のことを心配していないのなら、試してやればいい。やり方は多少強引ではあるが…

 夕陽は役目を終え、今は半日月が薄暗い夜を照らしていた。

 

「くッしゅ……!」

 

 隣で可愛らしいクシャミをした可憐な少女は中々意地っ張りで根を折ることなく膝を抱えた姿勢を崩さず川をじっと見つめていた。何度か考え直してみたらと彼女に説得した、この作戦を提供…いや、提案したのは紅葉なのだがまさかここまで乗りきりなるとは思ってもいなかった。強情なというか、身なりとは違って案外お転婆なのかもしれない。

 

「冷えるか?」

 

「大丈夫…別に私に付き合う必要はないわよ」

 

「もうとことん巻き込まれたんだから、最後まで付き合うよ」

 

「ふ~ん、まぁいいけど……」

 

 ぐぅ~……

 ―腹の虫が鳴ったな……いや、俺じゃない。

 発信源が自身の身ではないとすると、残る消去法で結城が鳴らしたということになる。目線を結城に向けると、顔を膝に埋めてプルプル小刻みに震えていた。

 思わず弾みで笑ってしまった。また彼女の知らない一面を垣間見た紅葉は心躍ったが、ギロリと細めで睨まれ紅葉は小動物のように身を縮ませる。

 

「くっ、笑うな~!」

 

「いたいイタイ痛いって、怪我人だよ俺!?」

 

「仕方ないじゃない! 朝から何も食べずにずっとここで待ってたんだから……」

 

 結城の突飛な発言に目を皿のようにして驚いた。言葉から察するにこの子は朝からずっとあの河原で俺を待ち続けていたことになる……幸せすぎて罰が当たるのではないかと困惑してしまうほどである。

 ポカポカとポセッシェットで頭を叩かれて我に返ると、ちゃんと逃げるときに回収しておいた防具袋に入った風呂敷の包みを取り出す。蓋をあけると昼間デザートにと母さんが作ったお手製のお萩が一つ残っていたので、結城に手渡した。

 

「はい、これ俺の母さんが作った特製のお萩」

 

「い……いらないわよ」

 

 というも喉を鳴らせて目をお萩から離さない結城。一向に手を取ろうとしないので紅葉は無理矢理口許に押し付けるとすんなり口に加えた。目をパッと見開き一口サイズのお萩を口を抑えながら頬をほっこりとさせて何とも幸せそうな顔を浮べる。

 

「美味いだろ?」

 

 口に一杯含んだまま頷く姿はまるでリス、とても上品なお嬢様とは思えない顔をしていたな。余程お腹が空いていたんだなと結城の食いっぷりに感心していると、食べ終えた少女は物思いに呟く。

 

「…………いいな、紅葉くんはお母さんに料理作ってもらえて」

 

「えっ……母親が作らないの?」

 

「私達の食卓は家に仕えるメイドが調理したものよ、栄養バランスも完璧で文句なしだってお母さんは言ってる……でも何だか…味気ない。最後にお母さんに作ってもらったのって去年のバイオリンを家で聞いてくれたときかな……」

 

 少し少女の顔が綻んだ気がした。その表情には確かにあのとき河原で見せたバイオリンを弾く彼女の眼差しだ。彼女がバイオリンを弾くようになったのは他でもない……母のためである。喜んでくれる、褒めてくれる……それが嬉しくて弾きつづけた。

 きっと彼女は……

 

「……結城、本当はお母さん達と仲直りしたいんじゃない?」

 

 彼女の虚ろな瞳を探るように訴えると、瞳は揺らぎ色を変えた。グッと口を噛み締めるように黙り込む。

 

「わかったような……口を聞かないで」

 

 その言葉には重みがあった。遂数時間前に和人にも言われた言葉と重なり、紅葉を鬱然と気を落すが言葉を押して続けた。甲斐がないと自分でも自覚している……だけど、ほっとけない。

 

「……ごめんな、でも仲直りしてほしい……だって家族だろ」

 

 紅葉は自分へ懸命に勇気付けてくれた家族を思うと

 

「結城はお母さん達のこと嫌い?」

 

「…………うん」

 

「嘘」

 

 額を指で小突く。結城は目が点となって小突かれた額に手を置いて不思議に小首を傾げる。

 

「結城は俺のこと嫌い?」

 

「えっ……!?」

 

「俺はこの前まで結城のこと嫌いだったぞ」

 

「あ、あぁ……えぇ?」

 

「何て贅沢で生意気な女の子だって思った、もう最悪って……でも、喧嘩して別れた後、また会いたくなったんだ。なんでそんな風に思ったんだろって何度も考えた、答えは結局でなくてずっとモヤモヤしたまま時間が過ぎた……それでね、とあるヒーロー達が俺にヒントをくれたんだ……本当に嫌いならそんなこと考えないんだって……で気付いたんだ、俺…君と一緒に夕陽を見るのが好きなんだって……」

 

 紅葉の紛れもない本心である。そして結城もそんな蟠りを抱えつつも紅葉にもう一度会いたかった。理由なんてとても些細なもの、ただ一緒にいて居心地がいいそれだけである。

 

「一緒にいるのが、楽しくて、嬉しい……だから、いがみ合うし腹も立つ、喧嘩にしたあと後悔する……そういうもんだろ、友達も……家族も」

 

 

 

 いつの間にか俯かせていた結城の素顔は徐々に口元を綻ばせていた。

 ―やはり少年に会えてよかった、憂悶に浸いる理由も、陰鬱になっている理由も、心の内を支配していた寂寥も……全く同じようなことで悩んでいたんだよね。

 ―そして何よりも……私を助けてくれたとき、友達と言い張ってくれたことが……嬉しかった。

 夜風が冷たいのに胸の内が熱くて変な感覚で、ここの大きく開いた溝が嘘のように満たされている気がした。吐息を洩らして少し速くなった胸の鼓動を落ち着かせていると、風に運ばれてきた声が私の耳に伝わる。

 

「明日奈……明日奈!」

 

 その声は紛れもない母の声である。橋の上から聞こえる声は日頃聞く鋭い舌鋒ではなく必死に声を張上げている。橋の下から覗くように顔を表に出す結城の背を紅葉はそっと背を叩く。

 

「ほら、行ってやれよ」

 

 無垢な瞳を向けてあと少し進まない気持ちを後押ししてくれる紅葉に、心の奥で大きく揺らいだ情動に従う。

 土手に上がると、今だ熱を込めて娘の名を叫び続ける母と父の姿があった。あんなに一心不乱になった二人を見たことがない結城は心揺さぶる気持ちを決して声を細々とあげる。

 

「おかあさん……」

 

 結城の声に振り返り顔にムッと目を三角にした母が歩を大きく広げて小走りで近寄る。怒涛のような不安に怯える結城は瞼を閉じて居竦まる。

 すると次の瞬間、神経が肌に強く突き刺さるように頬を叩かれていた。

 

「どこまで迷惑をかければ気が済むの!?」

 

 金切り声を鋭く耳に響かせながら冷えた頬に痛覚を感じて涙を潤ます結城。不安な感覚が呼び起こされる哀感が内を閉めようとする。

 思わずその行動に飛び出そうとした紅葉だが、視認したものを見て出かけた身を止めた。

 結城の母親はギュッと結城の体を抱きしめている。

 

「本当に心配したんだから……」

 

 その姿は子を愛する親の形そのものに紅葉は見えた。

 結城は嘗て感じていた母の温かみを全身で感じ取り、小刻みに声を震わせて号泣する。

 

「ご……ごめんなさい」

 

「もういいわよ、明日奈が無事でよかったわ……」

 

 震えた体を抑えるように結城の頭を優しく撫で下ろす、何度も何度もその震えが止まるまで……

 

 

 

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「その後、俺もこっ酷く親に怒られたよ…………色々辛いこともあったけど、今では俺の大事な思い出だよ」

 

 私が考えていた想像よりも彼の話す思い出話は色鮮やかなドラマのような話であった。でも決してそれを嘘・偽りと疑うことはできなかった。彼が剣道を愛する心、彼が親を愛する気持ち、彼が…………

 

 胸にズキッと痛みを感じた。突如私の胸に疼いたもの何なのだろ?

 胸を押さえてもその謎の痛みは引くことがなかった。

 

「ローゼル……君にサンタはもう来ないかもしれない。でも、ローゼルの気持ちはきっとサンタさんに届いているよ」

 

「…………?」

 

 不思議な物言いで述べる彼の言葉を意味を理解しつつ、夜空を遠く仰ぎながら雑念のない顔を私に見せる。

 

「過去に囚われてもいいよ……トラウマがあったら、それ埋め尽くすくらいの大切な思い出を作ればいいよ、もちろん弟君と一緒にね」

 

「……そんな台詞、よくも真顔でいえたものね」

 

 純粋なの単純なのかレトは本当にお人好しだと思った。私と最初に会ったときもそう……ほっといてくれればいいのにあなたはその手を差し伸べる。きっと誰にでも……彼は誰にでもその優しさを与える。

 

「ローゼル、少し目を瞑って」

 

 急な頼みに釈然とした私は驚くが両手を押さえて思い頼むレトに仕方なく瞼を下ろす。メニュー画面を開く音がしてアイテム実体化させる電子音が耳を鳴らす。何を取り出したのか知る余地ないが何だかむず痒い。

 すると、芝生を踏む音が近づいてきて何かが頭を弄り始めた。

 

「ちょ、ちょっと……」

 

「おいまだ塞いどけよ」

 

 私は払おうとした手を羞恥心とともに押し止める。他人に頭を弄られると恥ずかしいし、何より……近い。夜風の冷たさを忘れてしまうほど熱てしまう顔を紅潮させていると思う。このSAOは感情の表現が大雑把過ぎる。

 

「いいぞ、目を開けて」

 

 特に変化はない……違和感があるとした頭の上に何か……

 呆然とする私ににやにやと笑みをこぼしながら手鏡を渡してくれた。彼の意図が読めずに目を細めて鏡を覗き込むと、そこには花が付いたリボンの髪飾りをつけた私が映っていた。白い絹のリボンを飾る白く透き通った白銀の花《ラバーズ・ローゼル》であった。少し触れてしまえば消えてしまうのではないかと思うほどの神秘的な花びらは滑らかな肌触りを残している。

 

「少し早いけどさ、メリークリスマス」

 

 突然の贈り物に戸惑う私であったが、その贈り物に心が満ち足りていた。今ここに咲き誇っていない花が一輪、私の髪と一緒に靡いている。

 

「少し前に知り合いの細工師にオブジェクトを装備アタッチメントにして貰ったんだ。形に残す方法としたらこれしかなかくてさ、結構高く付いたけど……どう?」

 

「うん……いいんじゃないかしら」

 

「何だよその反応、つまないな……、―ローゼル、サンタはこないけどさ……プレゼントくらいなら俺でも贈ることが出来るから……その……元気出せよ」

 

 きまりが悪い彼は私を元気づけようとしてくれたサプライズにこぼれるような親しみを満面の笑みで返すことはせず、少し大人っぽい対応して茶化してみた。

 

「年下のクセに生意気よ」

 

 彼の鼻を小突いて軽く笑みを浮べて感謝の意を示すと、レトも嬉しそうに笑った。彼の温かなプレゼントはこれだけに限らない、彼は私に色んな気持ちをくれた。奪い続けていた私に……凄く嬉しいけど、どこか切ない気持ちが私の心に芽生えていた。

 

「そろそろ……戻りましょ、夜明けも近いわ」

 

 私は彼から遠ざかるように小屋に足を進ませた。

 

 

 嬉しいよ……あなたがくれる優しさは……

 

 

 

 でも―何故だろ、今はその優しさが……つらい……

 

 

 

 

◇  ◇  ◇  ◇

 

 

 

「あ~そろそろ生ぬるい余興も飽きてきましたねぇ~……」

 

 飄々とした態度で退屈そうに朽ちた大地の上で仰ぐ。

 この世界には似合わない黒尽くめコートとカマーベストに黒のカジュアルな帽子を着こなす細目の男がいた。

 朽ち果てた木の下でハサミのような形をした小ぶりの剣をクルクル回して不適に笑みがこぼれていた。

 

「あなたはどう思います? あれ……もしもし聞こえていますか?」

 

 すると乾いた大地の下に一際強そうな鎧の剣士が横たわっているではありませんか。しかしその立派な防具は粉々で剣も盾も崩れている、鎧の男は枯らした声を震わせながら身をよじりながら腕を地に擦り当てて動く。

 酷く衰退した剣士の背には短剣が突き刺さっている。顎を支えながら帽子を被った男は剣士に顔寄せて訊ねる。

 

「あらら、無視ですか? 冷たいですねぇ~」

 

 剣士は男の問いかけに応えもせず、まるで男を恐れるように一心不乱に逃げているようにも見えた。すると帽子の男は背に刺さった短剣を踏みつける。

 

「うあぁぁーーー!……あぁぁ…ぐぅふ……」

 

 剣士は痛みあげるような絶叫をする。苦しみ悶える姿を見下ろし手に持った剣を剣士の頭上に落すと、重力にしたがって剣は頭を貫通する。恐怖のに満ちた目は白目を剥き剣士はザッとその場で力尽き……四散した。

 

「安らかにくたばれや……」

 

 荒廃した地に薄気味悪い断末魔が止み……日の出が訪れようとしていた。

 

 

 

「人生ゲームも厭きてきたところですし……さぁ、デスゲームを始めようじゃありませんか、紅き継承者として……」

 

 緑髪の男の瞳は……血のように真っ赤であった。

 

 

 

 

 

 




さぁいろいろ執筆していましたが、まさか二話連続投稿するとは思いませんでした。

今回の話にオリキャラの女の子が出ていたの分かりました?
結城家にかなり浮いている老執事がいましたが、常用なのは孫娘でありますが…
誰か分かりました?

須郷さん……もう俺は何も言わない

紅葉と明日奈の関係が打ち明けられた今、ローゼルは内に何を思うやら
というか凄く久しぶりなローゼルさん

さぁ、次の話から……SAOに戻ります。
お楽しみにしていてください

感想と誤字脱字がありましたらよろしくお願いします。
最後に投稿遅れてすいませんでした。

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