ソードアート・オンライン~紅の心意―The Cardinal Mind   作:坂道

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頑張るぞ!!!!!!ねむい・・・


迷子

11月6日 21:00《はじまりの街》

 

 

 

 ゲームが始まってから三時間が経過した。

 俺は中央広場のベンチで黄昏ていた。

 

「はぁ~…………」

 

 茅場晶彦の宣言した通り、俺たちは《アインクラッド》の最上層の第100層まで辿り着き、ゲームをクリアしなげればこの仮想世界から脱出することはできないらしい。

 

 だがこの《はじまりの街》にいる大半のプレイヤーはゲーム攻略に向かうことはないのだろう。

 なぜなら、フィールドにはモンスターがいる。第1層のモンスターなど高が知れているが、プレイヤーたちはHP<ヒットポイント>がゼロになった時点で消滅し、現実世界からの永久の別れ。

 

 つまり…死んでしまうということだ。

 

 もしフィールドに出ってモンスターに囲まれるような事になれば初心者の俺は確実に死んでしまうだろう。

 

「これからどうしよう……」

 

 いくら悩んで答えはでなかった。顔を上げると、俺と同じ境遇の人たちは絶望感に囚われているのが目に映る。

 二時間前、デスゲームが開始され、プレイヤーたちは、恐怖、悲鳴、絶叫、怒号、罵声、懇願、絶望の渦に三時間経った今でも飲み込まれていた。俺もその一人だ。

 

(古賀は大丈夫だろうか……)

 

 SAOを一緒に楽しもうと誘ってくれた友達のことを心配していた。まだこの世界で古賀と会えていない。古賀もおそらくこの世界にいるのは間違えない。

 メニュー画面を開き、フレンドリストを選択するが、まだ登録されているものはいない。

 

(責めて知り合いがいればな……)

 

 中央広場からは徐々に人の数が減っていっていた。

 紅葉は今誰かと喋りたかった。この状況を一人でいるのはかなりキツかった。

 話し相手がいれば少しは気分がまぎれるんだが、

 

「おねえちゃんーーー!!、おねえちゃんーーー!!」

 

 俺は前を見ると広場のど真ん中で泣き叫んでる小さな女の子がいた。女の子は足を崩し泣き崩れていた。プレイヤーたちは、今は他人のことを考えてる余裕はなく誰かが近づく様子はなかった。

 俺はそれを見て思わず足が動き、女の子に近寄っていた。

 

「君大丈夫?、お姉ちゃんとはぐれたの?」

 

 近寄ってみて分かったが、女の子はまだ小学生くらいだった。

 

「ぐすん……おねえちゃん……どこにも……さがしてもいなくて……」

 

 どうやら迷子のようだ。たぶん二時間前の混乱で離れ離れになってしまったんだろう。

 

「おねえちゃん……ぐすん…………どこにいるの…………こわいよ……ぐすっ……おねえちゃんーーーー!!」

 

 女の子はまた泣きはじめてしまった。

 

「わぁ!?泣かないで、俺が一緒に探してあげるから」

 

 紅葉は慌てて女の子の目線が重なるくらいに膝を折り曲げしゃべりかけた。

 

「……ぐすっ、一緒に探してくれの……」

 

「ああ、本当だ。だからもう泣くなよ、なっ?」

 

 紅葉は笑顔で少女に返事を返し、頭を撫でてあげた。

 

「……うん」

 

 女の子は涙を拭きうなずいた。泣いていたせいか顔が真っ赤になっていた。

 

「よし良い子だ。君、名前は?」

 

「シズナ……です」

 

 女の子の名前はシズナというらしい。表示画面には<sizu>と表示されているが、おそらく本名を言ってしまったんだろう。

 

「シズナっていうのか。俺の名前はこうよ……はまずいか、えーっと俺はレトだ。よろしくなシズナ」

 

 この世界では現実世界の名前とは違い、プレイヤーネイムで呼び合うのがマナーだ。

 

「よし、それじゃおねえちゃん探しにいくか!」

 

「うん!」

 

 女の子はさっきの返事よりも元気な声でうなずいてくれた。

 

「おねえちゃんとどこではぐれたかわかる?」

 

「ここ……」

 

(そりゃそうだな)

 

 全プレイヤーは中央広場に転移されている。そのときに離れ離れになったのだから当たり前のことである。

 

「おねちゃんのプレイヤーネイム覚えてる?」

 

「わからない……」

 

 おそらくこの子も俺と同じで今日始めたばかりなのだろう。プレイヤーネイムを覚えていないのは仕方がないかもしれない。

 

「それじゃ、普通の名前は?」

 

「……シズネ……です」

 

(情報はこれだけか)

 

 話を聞いたところ分かるのはシズネという名前だけだった。

 

「ひとつひとつ探すしにいくしかないか……」

 

 俺は仕方なく一区ずつ探す事にした。

 

 

 

23:00

 

 

「やっぱり広いな……」

 

 紅葉とシズナは、紅葉がいた中央広場のベンチに座っていた。

 紅葉はあれから二時間くらいまでシズナと一緒にのシズネという女性プレイヤーを探し続けたが、《はじまりの街》はとても広く、たった一人の人を探すのは困難だった。

 

「女性プレイヤーだから、直ぐに見つかると思ったんだが……」

 

 SAOは男性プレイヤーのほうがプレイヤー数が多く、女性プレイヤーは数が少ないはず。案外簡単に見つかるのではないかと思ったが、当ては外れたようだ。

 

「このようすだと《はじまりの街》を出た可能性もあるな」

 

 妹を置いて行くとは思いたくないが、十分にありえる可能性である。

 さっきシズナに姉とフレンド登録しているか聞いてみたが登録はしていなかったようだ。

 

「はぁ~……」

 

 俺は深いため息をついた

 

「おねえちゃん…………私を置いていちゃたのかな…………」

 

「げぇ!?」

 

「私……おねえちゃんに……ぐすっ、捨てられたのかな……」

 

(ま、まずいこのパターンは……)

 

「うわぁ~~ん、おねえちゃんーーーー!!」

 

(あぁ!、やっぱり泣いた!?)

 

 紅葉は自分のつぶやいてた言葉をシズナに聞かれていたようで、また不安な気持ちがぶり返してしまったのであろう。

 

「お、おい。泣くなよ!?」

 

「おねえちゃんーーーー!!」

 

 紅葉は泣かないように言うが、シズナは泣き止む様子はない。

 

(くそ!何か良い方はないのか……何か…………ハッ!?)

 

 悩む紅葉はあることを思い出した。まだ妹のチユが生きていた頃のこと思い出す。チユが公園で転んでしまって泣いてしまったとき、あることするとチユは泣き止んでくれた。

 

(よし!!これしかない!!)

 

「シズナ!こっちを見ろ!?」

 

「ぐすっ…………えっ?」

 

「はぁ!」

 

 すると紅葉はベンチから立ち上がり、勢いよく地面に手を置き、足を上にして上下反対に立った。俗に言う逆立ちである。

 

「!?」

 

 シズナは驚きのあまり泣き止んでしまった。紅葉はドヤ顔しているが、シズナには見えない方向に顔向けているためシズナには見えない。

 

(どうだ!?これはチユが泣き止ますときに使った技……《リバース・スタンドアップ》だ!!<※普通の逆立ちです> 、ふっ……やはり威力は抜群のようだな。)

 

 心の奥底で満足気に語る紅葉は、いま自分の視線の先に見えるものを認識した。

 

「なにやってんだおまえ……?」

 

 俺の視線の先には古賀がしゃがみながら、痛い目で俺を見ていた。少しの間だ沈黙が続いた。そして紅葉が口にした言葉は、

 

 

「《リバース・スタンドアップ》だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 これが主人公の初スキルです!!ドヤっ!!
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