ソードアート・オンライン~紅の心意―The Cardinal Mind 作:坂道
この作品、なかなか戦闘に入れない。
11月6日 23:15
はじまりの街 中央広場
「いやぁ~、紅葉を見つけて話しかけようと近づいたはいいけど、まさかお前が……ぶっ!、くっくっくっ……駄目だ、お腹がいたい!?」
「お前……笑いすぎだ。」
古賀にとんでもないところを見られた紅葉は両手で顔を隠していた。
(よりよって一番見られたくない奴に見られた…)
「それになんだよ!?【リバース・スタンドアップ】って、ようは逆立ちじゃん!?あ~おもしろい、笑いが止まらない。」
古賀はお腹を押さえながら笑い転げていた。
「まぁこれで紅葉の新必殺を見られたってことだ、部のみんなにチクりたい……(ギュウぅ)ってイタイイタイ!?、無言で顔を掴むな!?、痛くはないけど」
紅葉はいつものように古賀の顔面を右手で握り閉めていたが、今回は少し違っていた。紅葉は左手で口の前に人差し指を立てていた。
「静かにしろ……」
「?」
古賀はでベンチに横たわっている女の子ほうをみる。
「あれ?、この子は?」
「泣き疲れて寝てしまったんだろう……」
シズナはスヤスヤと寝息を立て、気持ち良さそうに寝ていた。
「どうしたんだこの子?」
「実はな…………」
紅葉は古賀に二時間前の出来事を話した。
23:20
「妹を…………置いてどこかに行ってしまっただと…………許せん!!」
古賀はシズナの迷子になった事情を聞くと、目に血を走らせていた。
「お、おい古賀…………」
「妹を置いていくなど…………姉のすることじゃないだろ!!。俺がそいつを見つけ出して2時間説教してやる。そして妹の存在意義について12時間語ってやる!!」
(そうなったらさすがにシズナの姉に同情する)
紅葉は古賀の重度なシスコンに呆れていた。
「それより何か話があるんじゃなかったのか」
「あ、そうだったな。あまりの出来事に気が動転してしまった」
古賀は呼吸を整えていた。おまえはこれ以上騒ぐな。
「で、話っていうのは?」
「実は俺、ディアベルっていうプレイヤーに誘われて一緒に《はじまりの街》を出ようと思うんだ」
「《はじまりの街》から出るのか?」
古賀はうなずき、俺は動揺した。
「わ、わかってるのか!?、外に出ればモンスターがいるんだぞ」
「ああ。だからこそパーティを組むんだ」
紅葉は古賀の言いたいことがわかった。
「パーティを組んでフィールドを出れば、モンスターとの戦闘も比較的に楽になり、生存率も上がるか…………」
「そのとおり。それに俺はこのまま《はじまりの街》で指をくわえて待ってるなんてできねぇ」
「古賀……」
いつもならめんどくさいとか言って、何も実行に移さなかった古賀が、こんな危険なことを進んでやろうとするなんて。紅葉は少し感動していた。
「古賀、俺はお前のことを誤解していた。すまなかった」
紅葉は古賀の両肩にポンと両手をおき、反省した。
「そうか?、まぁ美由を探さないといけないからな」
古賀はそういうとアイテム画面から一枚の紙切れをとり出した。
「美由もこっちに世界に来てるのか?」
「この前も言っただろ、美由はベータテスターだって……これ見てみろよ」
紙切れに触るとマップ画面が表示された。
「これは美由がベータテストで記録していたマップ情報らしい。これさえあれば安全なルートで次の村までいけるぞ。」
マップには赤い線で引かれたものが表示されており、この線の引かれた通りに進んでいけば安全に進めるらし・・・・・?
「あれ?そういえばお前美由とは一緒じゃないのか」
ピキィ
何かひびが割れような音が鳴った。
「おい、古賀。」
俺は古賀の体を揺らすがピクリとも動かなかった。顔は下を向いたまま沈黙を保っていた。
そういえば美由を探しているとか言っていたな・・・ハッ、
「古賀おまえ・・・置いていかれたのか?」
俺がそう言い放つと古賀は顔を上げ、ゆっくりとこちらに顔を向けた。
ドバァ
古賀の目からは滝のような涙が流れていた。
「美由…………」
古賀はその場で三角座りになってしまった。
「姉においていかれる妹もいれば、妹においていかれる兄もいるんだな」
俺はそっと古賀の肩を叩いた。
「でもマップデータを渡してくれたって事は、見捨てられてはいないのではないか?」
「そ、そうだよな」
それを聞くと古賀は立ち上がり元気を取り戻した。
「俺の妹に限って見捨てるわけないよな、うん!!」
(まぁ、置いていかれたのは事実だけどな)と、考えたが言わないでおこう。
「今から十五分後、フィールド入り口付近で攻略に向かうメンバーが集まる。紅葉、お前ももちろん来るだろ?」
答えは、もちろんYesだ
「ああ、もちろ……」
俺は開いた口が閉じてしまった。
「うん?どうしたんだ」
紅葉の様子がおかしいと思い、古賀が心配して話しかける。
「だめだ……古賀、俺はいけない」
「えっ?、どうしてだよ。お前もこんな所で生きるのは真っ平御免だろ!!」
古賀は必死に紅葉に一緒に来るように呼びかけるが、
「無理なんだ!」
「何で…………あっ!」
古賀は先ほどからベンチで寝ているシズナが目に入った。
「あんな小さい子を一人にするわけにいかない。それにシズナと一緒におねちゃんを探すのを手伝うって約束したからな」
寝ているシズナの頭を撫でながら話した。
「こいつを見ていると妹のことを思い出すんだ。あのときみたいに何も出来ずにただ助けを待つことしか出来なかった俺の無力さも…………」
俺は事故で亡くした妹とシズナを照らし合わせていた。
「紅葉おまえ………」
「目の前で助けられる人がいるのに俺は置いていくなんてできない」
紅葉は右手を握りながらしんみりした顔で古賀に顔を向けていた。
「な、ならよ!その子も連れて……「古賀!」、行くわけにはいかないか……」
いくらパーティが多くても初心者のシズナを守りながら戦えるとは思えない。それに俺たちも初心者、他人を守る余裕はない。
「すまん……」
「いいんだ……それじゃフレンド登録はしておこうぜ……」
「……ああ」
俺のメニュー画面に(<kouga>をフレンド登録しますか)と表示されている。OKボタンを押し登録を済ませた。
「じゃあな……そろそろ時間だ……」
「ああ、またな古賀……」
古賀はフィールドの入り口を目指して歩いていく。紅葉は古賀の後ろ姿みると自分もシズナのところ戻っていたが、
「おーい!!」
紅葉は振りかえり古賀の歩いていた方向見ると少し遠くから古賀の姿が見えた。
「絶対に追いついてこいよ!!、レトーーーーー!!」
古賀は本名ではなく遇えてプレイヤー名で古賀は叫んだ。
「おまえも絶対死ぬんじゃねぞ!、コウガーーーーー!!」
俺もプレイヤー名で返事を返した。これは俺たちがこの世界で生きていくための名前。
そう俺は今日から―
―レトだ。
少しギャグ多めでした。難しいなぁ。