それでは、どうぞ!
~マキナside~
放課後、マキナはあらかじめ知らされていた部屋に向かっていた
(ここね……)
目の前のドアには1030、と書かれていた。マキナは中に人がいるかを確認するためドアをノックする
「は~い、今開けま~す」
部屋からはどこか間延びした声が聞こえてきた、そして中から出てきたのは
「あ~マッキーだ~、この部屋なの~?」
―――――きつねの着ぐるみを着た、布仏本音だった
「どうしたの?」
はっ!人じゃなくきつねが出てきたから一瞬思考が飛んでしまった。いけない、どんな事にも対応できるようにしなければご主人様を守れないじゃない。中々やるわねこの子。
「いえ、なんでもないのよ。それより、マッキーは私のことかしら?」
「そうだよ~マキナだからマッキーなのだ~」
いやだった?と首を傾げ聞いてくる本音、何故かすごく癒される。今日は色々あったから余計に癒されている気がする。
「いえ、初めてあだ名なんて付けられたから嬉しいわ。ありがとうね本音」
「えへへ~どういたしまして~」
つい本音の頭を撫でてしまった。でも、本音も満更じゃない様子だ。十分撫でたので部屋の中に入る。
「それじゃ、部屋について色々決めましょうか」
その後、私が窓側になったりシャワーの順番を決めたりした。寝る前にお菓子を食べてしまったが、私はともかく本音は大丈夫だろうか。体系とか
~本音side~
今日は入学式を終えてかんちゃんと一緒に入学して、今話題の男性操縦者……ではなく別の方向で話題のマキナ・オリジンちゃんと一緒の部屋になったんだよね~。なんでかって言うと……
『ねぇ本音ちゃん』
『なんですか~お嬢様~?』
『ちょっと頼みたいことがあるんだけど、頼んでもいい?』
そう言ってお嬢様がマッキーの監視を頼んできたんだよね~。確かにISコアを作れる人と親しいから何があるか分からないから監視はした方がいいんだろうけどね~。
ついついお菓子につられてOK出しちゃったんだよ~。教室でのあの威圧感は凄かったけど、話してみると良い人だって分かったから楽しくすごせそうだよ~。……でも、頭撫でてもらった時の手が異様に冷たかったのが気になるなぁ。過去もまったく分からないから、いつか聞いてみたいなぁ。
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~マキナside~
一週間後、マキナは一夏の居るピットにいた。この一週間の間、マキナは一夏にISについての基本的な知識を教えたり、本音と一緒にのんびりお菓子を食べたりしていた。一夏の物理的な指導は箒が剣道をして体力、昔の勘を完全ではないが取り戻させていた
後は、一夏の専用機の到着を待っている最中である
「なあ、箒」
「なんだ」
「ISについての知識はマキナから教わったんだけどさ」
「そうだな」
「もっと実践的な訓練もできたんじゃないか?」
実を言うとこの二人、一週間の間に剣道しかしていなかったのである
「一夏、それは私が箒に言って止めてもらっていたのよ」
「そうなのか?箒」
「ああ、私は訓練機を使ってもいいと思ったんだが……」
「せっかく専用機が与えられるのに、訓練機で変な癖がついたら元も子もないからね」
一夏は納得したようで、腕を組んで頷いている。その後、セシリアのIS『ブルーティアーズ』のスペックや武装について教えていたら真耶が駆け足でやってきた
「お、織斑くん織斑くん織斑くん!」
アリーナの使用時間もギリギリなので結構焦っているようだ
「山田先生、ちょっと落ち着いてください」
「そうですよ。はい、深呼吸」
「は、はいっ!スー……ハァ」
一夏に言われて深呼吸する真耶。時々、年齢を疑ってしまうことがあるのはこの学校の生徒なら一度はあるだろう
「来ました!織斑くんの専用機!」
「織斑、すぐに準備しろ。アリーナの使用時間は限られているからな。ぶっつけ本番でものにしろ」
本来ならフォーマットとフィッティングは試合前に済ませておくものだが、時間が無いためそれは叶わないようだ
「この程度の障害、男子たるもの軽く超えて見せろ。織斑」
ガコンッ
音が鳴りピットの搬入口が開く。上下の防壁扉の向こう側にいた一機のISが、自らの操縦者を待っているかのように待機していた
「これが……」
「はい!織斑くんの専用IS『白式』です!」
これが一夏の専用機ね。このISのデータはあいつとの戦闘中に取らせてもらおうかしら。
「すぐに装着しろ。フォーマットとフィッティングは実戦でやれ」
一夏は千冬に言われた通り、白式を装着していく
「背中を預けるように、ああそうだ。座る感じでいい。後はシステムが最適化をする」
白式から空気を抜く音が聞こえる。ハイパーセンサーが無事、起動したようだ
「白式をリンク正常―――」
「無事起き上がったようだな。一夏、気分は悪くないか?」
あら?今千冬が一夏のことを名前で呼んだわね。なんでかしら。
「大丈夫、千冬姉。いける」
「そうか」
なんだ、そういうことね。今千冬は一夏のことを家族として心配して……って別に睨まなくてもいいじゃない。
「どうかした?織斑先生」
「オリジン。今何か思ったか?」
「いえ、特になにも」
「……そうか」
千冬は読心術を身に着けているのかしら?というか人の枠からはみ出てないかしら?
「箒!」
「な、なんだっ?」
「言ってくる」
「あ、ああ。勝ってこい」
一夏は箒にそう告げると、マキナの方を向く
「マキナもありがとな」
「感謝してるなら勝ってきなさいよ」
「ああ!」
一夏はそう言ってアリーナへ飛び立った。さて、私があいつのISについて教えたとはいえ、IS戦は初めてだ、どこまでやれるか見ものね。
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結果から言うと、一夏は負けた。ブルーティアーズのスペックやら武装データやらを教えたのに負けたのだ。でも、初心者にしては善戦した方だったらしいわ。らしいっていうのは公平に対決するために私は試合が始まってから更衣室で待機していた。
最初は一方的な展開だった。そもそも起動時間が少ない一夏が、これまで訓練を積んできたセシリアとは明確な差がある。さらに、ブルーティアーズはレーザーライフルやBT兵器の得意距離が遠距離、対する白式は近接ブレード一本という初心者が使うようなものではなかった
そして、試合開始から30分近くが経過したとき、接近した一夏にセシリアのミサイルが直撃した瞬間にファースト・シフトが完了したのだ。さらに、ブレードの銘は『雪片弐型』は自分のシールドエネルギーを攻撃用に変換して使用する諸刃の剣だ。つまり、一夏が負けたのは、自分の武器のこともよく知らずに使ったら負けた、というなんともダサい負け方である
「なにが、千冬姉の名前を守る。だ、武器の特性も知らずに使うからこうなる」
「ぐっ!」
「負け犬」
「うぐっ!」
一夏は今、千冬と箒から言葉責めされている。
「マキナも悪い、負けちまった」
「いいのよ、そんなに期待してなかったから」
その言葉を聞いて一夏はさらに落ち込んでしまった。
「さてと、次は私の番ね」
そう言うとマキナはISの手と足の装甲だけ展開しカタパルトに乗る
『あれ?オリジンさん、ISの展開はそれだけですか?』
「ええ、残りはアリーナで展開するから大丈夫よ」
『そうですか、分かりました。では射出します』
射出までのカウントダウンが始まる。ここは名前を叫んだ方がいいのかしら。
「 『デウス・エクス』マキナ。出撃する!」
カウントダウン終了と同時にマキナがアリーナに飛び立つ。そこにはスターライトMK―Ⅲを構え、ビットを左右に待機させているセシリアがいた。セシリアはマキナを確認すると口を開いた
「オリジンさん、まずは先日の無礼な発言について謝罪いたしますわ」
マキナは意外そうな顔をする。この手の人間は中々治らないはずだからだ
「私が勝手にイラつてただけだから謝らなくてもいいわよ。でも、考え方が変わるなんて何かあったのかしら?」
大方、一夏のまっすぐな瞳にやられたとか、信念にやられたとかでしょうけど。
「い、いえ、それは……」
顔を赤らめて言ったら丸分かりだ。やっぱり、惚れたのか。これで二人目だ、どこまで増えるの意外と楽しみなのよね。
「まあいいわ、それじゃあ始めましょうか」
セシリアは赤い顔を切り替えるがマキナが何も持っていないことに疑問を浮かべる
「あの、あなたの武装は?」
「そんなに焦らなくても今展開するわよ」
そう言うと、マキナの周りに粒子が集まっていき武装が展開される
「な、なんであなたもビットを使えるんですの!?」
セシリアはマキナが展開した武装に驚きを隠せない様子だ。なぜならマキナが展開した物は、楕円形の円盤が四つだ。それぞれが薔薇の花のような装甲に守られている。さらに特徴的なのは、その四つすべてがマキナの周りを浮いており、誰がどう見てもビットにしか見えないのだ
「誰も、私がビットを使えないなんて言ってないでしょ?」
「確かにそうですけれど……」
「それじゃあ、おしゃべりはこのぐらいにして、始めましょうか」
「そうですわね」
マキナはビットを、セシリアはスターライトMK―Ⅲをすぐさま撃てるように構える。そして試合開始を告げるブザーがアリーナに鳴り響く
「踊ってもらいますわ!わたくしとブルーティアーズの奏でるワルツで!」
「それは楽しみね、でも機械仕掛けの舞台に未熟な演奏者はいらないわ」
先に攻撃はセシリアだ。スターライトMK―Ⅲを撃つ、しかしマキナは避けようともせず、ビットの装甲部で受け止める。装甲を見ると、あまり傷がついていないようだ
「なるほど、その武器の威力はその程度なのね」
「ビットにしては硬すぎませんこと!?」
「何勘違いしているのかしら?そこはただの装甲よ」
そう言うとマキナは、楕円状のビットにエネルギーを溜める
「ビットは中央にある部分よ!」
マキナは四つのビットから特大のビームが発射される。それを見たセシリアは上に逃げるが、並走していたビットが二つ巻き込まれる。マキナは元からセシリアを狙っておらず、相手の手数を減らす目的でビームを放ったのだ
「いきなりこちらの手を封じてくるとは、やりますわね―――っ!?」
続けて放たれるビームを躱し切れずに右足を掠める
「しゃべってる暇なんて無いわよ、ほら頑張りなさい」
次々と向かってくるビームをセシリアは躱しているがビットのことまで考えてる余裕がないようだ。その証拠にすでに残りのビットが撃墜されている。だがセシリアも一方的にやられているわけでは無い、チャージ中の隙にスターライトMK―Ⅲを撃っている。しかしその射撃はすべてビットの装甲部で受け止められている
「次のは躱し切れるかしら?」
セシリアは変化を感じ取ったらしく、やられる前にスターライトMK―Ⅲを撃とうとしたがマキナの方が早かった。ビットから放たれたビームは先ほどのような大きなものでは無い。一つのビットから放たれたビームの数
およそ三十―――それが四つのビットから同時に飛んでくるのだ、躱せるようなものではない
「なんですのこの数!?」
セシリアは必死に回避を試みるが、数が多すぎて躱し切れずに被弾する。一度被弾するとビーム自体は小型だが衝撃が強かったのだろう、体に当たり上体が後ろに仰け反る。その間にも光の壁は迫ってきている。セシリアはとっさにスターライトMK―Ⅲを盾代わりに前にかざす。
「くっ!キャアアアアアア!!」
が、タダの武器が攻撃に耐えられる訳が無く、スターライトMK―Ⅲが爆散する。セシリアが光の壁に呑みこまれていくの見てを、観戦していた生徒たちは呆然としていた。中にはセシリアの立場を自分に置き換えて想像してしまい顔が青褪めている生徒もいる
「あら、意外と頑丈なようね」
煙の中から現れたブルーティアーズは装甲が所々無くなっており、あったとしてもヒビが入っている。そして、マキナのビットがセシリアの周りを囲む
「どうする?まだ続けるかしら」
セシリアは周りを見る。現状を理解したのだろう、両手を上げて
「こ、降参いたしますわ」
そう宣言した
『勝者 マキナ・オリジン』
まあ、ざっとこんなものかしらね。それよりセシリア、ちゃんと動けるかしら。運んであげましょうかね。
~一夏side~
『勝者 マキナ・オリジン』
「す、すげぇ……」
マキナのやつ一発も被弾せずにセシリアに勝っちまった。……俺もあんな風に強くなりてえな。そんなことを考えているとマキナがセシリアを送ってISを解除してこっちのピットに帰ってきた。
「おめでとう、凄かったぜマキナ!」
「ありがとう」
そう言ってマキナは笑顔を向けてくる。その笑顔に少しドキッとしてしまう。
「そ、それでさマキナ。これからISの訓練をしてくれないか?」
「なっ!一夏!それは私が「なぜかしら?」―――ああもう!」
箒が拗ねちまった。後で謝っておかなきゃな。
「だって、マキナって強いから教わったら俺も誰かを守れるぐらい強くなれると思って」
マキナは少し考える様子を見せるとこう言ってきた。
「私の強さを目標にするのは間違いよ、だって私のはそう在るべくして在る作られた強さなのよ」
目標にするなら織斑先生を目標にしなさい。そう言ってマキナはピットから出て行った。
翌日、一夏はマキナの言っていた、『作られた強さ』について考えており寝不足になった一夏は昨日の鬱憤が溜まっている箒に叩き起こされたそうだ
今回はどうでしたでしょうか、マキナのISについての設定は後日投稿します。次回は中華が来ますよ
感想、アドバイス、その他諸々があったら気軽に書いてください。
それでは、また次回ィ!