カフェのマスターは巫女の兄   作:NTK

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どうもNTKです!今回は後編です。
紺珠伝のキャラも少しだけ出ます。
ではどうぞ‼︎


十六杯目 そうだ、月へ行こう(後編)

幻想郷、紅魔館

 

咲「翔夢は月に?」

 

霊「そう。紫がいないからしばらくは帰ってこないけど依姫達がいるから心配はしなくて平気よ。」

 

翔夢が月に行った二日が経ち、霊夢は咲夜に翔夢が幻想郷にいない事を伝えに紅魔館に向かい、今その用件が終わった。念のため紫を二日ほど探したのだがいなかった。なので紫探しは諦めた。翔夢が店ごと行方不明になったのはすでに幻想郷中に伝わっているが、どこに行ったかまでは伝わらず、咲夜はかなり心配していた。なので咲夜に報告をしたのだ。

 

咲「そう、良かった…。それと、翔夢に連絡はできないの?」

 

霊「うーん、兄さんが向こうで陰陽玉を作っていればこっちの陰陽玉で連絡は取れるだろうけど、兄さんがそれに気づくかが問題ね。」

 

咲「じゃあ、もし連絡が来たら教えてね。」

 

霊「わかってるわ。じゃ、私は帰るわ。」

 

霊夢は博麗神社へと帰っていった。すると魔理沙が青い顔をしてこっちに向かって来た。

 

霊「どうしたの魔理沙?そんな顔して?」

 

魔「れ、霊夢、大変なんだ!さっき神社に来た時霊夢の部屋から変な声が聞こえてきたんだよ!」

 

霊「変な声?」

 

霊夢が用心深く部屋に近づくと、確かにボソボソと声らしいものが聞こえる。霊夢は耳をよくすませてその声を聞く。

 

《……い、…ーい、おーい、誰かいないのかー?》

 

霊「この声…兄さん?」

 

魔「え?」

 

部屋に入り声のするところを探すと、タンスから聞こえてくる。引き出しを開けると、そこに陰陽玉があり、そこから翔夢の声が聞こえてきた。霊夢は陰陽玉に話しかける。

 

霊「もしもし兄さん?」

 

翔《霊夢か?あー良かった。どうやら通信は出来るみたいだな。》

 

霊「もしかして陰陽玉作ったの?」

 

翔《正確には実現だがな。どうしてわかった?》

 

霊「さっき咲夜とその話をしてたのよ。あっ、そういえば咲夜が話をしたいって言ってたからちょっと待ってて。」

 

〜少女呼び出し中〜

 

咲「もしもし翔夢元気?」

 

翔《ああ、元気だよ。》

 

咲「そう…。どれくらいそっちにいるかはわかる?」

 

翔《一週間って書いてあったからあと五日かな。他に何か聞きたい事は?》

 

霊「そういえばお店の方はどうなの?お客さん来てるの?」

 

翔《それがなんと大盛況!月にもカフェがあるんだけどそこの人達まで来てうちのコーヒー絶賛してたよ。人気なのも頷けるって。》

 

霊「へー良かったじゃない。」

 

翔《咲夜は何か聞きたい事は?》

 

咲「ううん、ないわ。それじゃあまた何かあったら連絡して。体に気をつけてね。」

 

翔《ああ、じゃあな。》

 

翔夢からの通信は終わり、辺りは静かになった。

 

霊「あれだけで良かったの?もっと話せば良かったのに。」

 

咲「私は翔夢が無事ならそれでいいの。話し方から元気そうだったし、あとは無事に帰ってくるのを待つわ。」

 

そう言い咲夜は紅魔館に戻って行った。その場には魔理沙と霊夢が残された。

 

霊「で、どうする魔理沙?お茶でも飲んでく?」

 

魔「じゃあそうするかな。」

 

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通信を終えた翔夢はほっと一息ついていた。

 

翔「ふぅ、とにかく二人共元気そうだったな。」

 

すると近くにいた豊姫が退屈そうに、

 

豊「聞いてるこっちとしてはちょっと普通でつまらないわね。どうせなら最後に『愛してるよハニー』とか言ってもらいたかったわね。」

 

翔「言いませんよそんなこと。」

 

依「それにお姉様、今時そんな台詞言う人いませんよ。」

 

豊「そうなの?まぁそれはそれとして翔夢、そろそろお仕事行かなくていいの?」

 

翔「ああ、そうですね。じゃあ行くよ、レイセン。」

 

レイ「はい!」

 

翔夢が月で働くことになってから、レイセンが手伝いをするようになった。理由は彼女は人見知りな性格が多い玉兎の中でもそれが激しいので、少しでも人慣れしてもらえるようにと豊姫が提案したのだ。レイセン自身も、人見知りを治したいと思っていたのでその提案に乗ったのである。最初こそドジを踏んだりしたが、意外に物覚えが良く、今では仕事を完璧にこなせるようにまで成長し、人見知りも治り、看板娘として役立っていた。(ちなみに服装はウェイトレス姿です。皆さんは思った通りのレイセンのウェイトレス姿を想像してください。)

この日もきちんと仕事をこなしており、翔夢はよくここまでできるようになったなと感心した。

 

翔(それにしても、結構玉兎が多いな。)

 

実際、店内には人間より玉兎の方が少し多くいた。見た目もそうだが、耳の形もそれぞれで、レイセンのように垂れ耳の者もいれば細長い耳が中折れしている者、ピンと立っている者もいた。でも人見知りな性格は皆同じで、先ほどから興味深そうにチラチラこちらを見ているが、いざ翔夢の方から目を合わせると驚いて目をそらししたりしている。だが、翔夢は彼女達には人見知り以外にも共通点がある事に翔夢は気づいた。それは注文に何かしら人参が含まれている物を頼んでいる事、これは野菜ジュース以外の飲み物を頼んだ玉兎が人参を含んだお菓子や野菜チップスを頼んでることからわかった。

 

翔(人参が好きなのはやはり兎の妖怪だからか?)

 

だが、その思い込みもすぐに考え直すことになる。

扉を開けてお客が入って来た。見た感じ玉兎なのだが、他の玉兎とはかなり印象が違った。黄色い髪をし、半袖とややゆったりした半ズボンらしき物を着た服装をしており、色はこれまた黄色をしており、被っている茶色のハンチング帽からは細長い兎耳がはみ出していた。翔夢が見てきた玉兎はほぼ全員ブレザーのような服装をしていたので今来た玉兎はかなり印象深かった。

 

翔「いらっしゃいませ。空いてるお席へどうぞ。」

 

?「あ、わかりました。」

 

その玉兎は席に着き、メニューを眺める。少しした後、注文が決まったらしく翔夢を呼んだ。

 

?「えっと、お団子を三つとお茶をください。」

 

翔「 !かしこまりました。」

 

翔夢は内心驚いた。この玉兎は人参を含む食べ物を頼んでない事に意外性を感じのだ。全員が全員人参好きではないのだなと、翔夢はそう感じながら注文された品を出した。

 

 

翔「お待たせしました。どうぞ。」

 

?「ありがと。いただきまーす。」

 

彼女は団子を一口頬張る。すると目を見開いた後、団子を咀嚼し飲み込んだ。彼女は目を輝かせ、翔夢の方を見た。

 

?「店主さん!これとっても美味しいです!」

 

翔「喜んでもらえて何よりです。」

 

彼女はまた美味しそうに団子を食べ始めた。よっぽど美味しかったのか、追加で注文して結局10本ほど食べた。

 

?「ごちそうさま。お団子美味しかったよ。」

 

翔「ありがとうございました。」

 

会計を済ませ彼女は出て行った。翔夢は玉兎にも色々な性格があるのだなと思いながら仕事を続けた。

 

----------------

 

店を出て行ったその玉兎は持っていた通信機が鳴ったのに気付き、それを手に取った。

 

?「もしもし?何か用?」

 

?《あ、やっと通じた。別にこれといった用はないけど、今どこにいるの?》

 

?「ん?ほら、少し前から地球から来たっていうカフェあったじゃない?そこ寄ってたの。あそこのお団子美味しかったな〜。」

 

?《え?あのカフェ?いいなー私も行きたかったなぁ。私次のお休みの時にはあのカフェ地球に戻るからいけないんだよなぁ。》

 

?「でもさ、私達しばらくしたら地球へ調査に行くじゃない?その時行けたら寄ってみようよ。」

 

?《そうね。でもその時は奢ってよねーー鈴瑚。》

 

鈴「わかってるよ青蘭。じゃあ切るね。」

 

そう言い彼女ーー鈴瑚は通信を切る。後に彼女達は幻想郷に異変をもたらすのだが、それはまた別の話である。

 

----------------

 

仕事を終えた翔夢とレイセンは、豊姫達の家に帰ろうとするが、店の前敷地から出た瞬間体が軽くなるような感覚を受ける。

 

翔(うーん、やはりこれは慣れないな。)

 

月の重力は地球の六分の一。そして翔夢の店の敷地の中は地球と同じ重力である。つまり、敷地から出ると月の重力の影響を受ける事になる。単純に考えて1メートル飛ぶつもりで移動してる時に敷地から出ると、6メートルも飛んでしまう事になる。だが月の重力に慣れてしまうと地球に戻る時に大変になる。その辺のことはうまくしようと翔夢は考えながら帰っていく。

 

翔「ただいま。」

 

豊「おかえりなさい。お風呂はもう沸いてるから入っていいわよ。」

 

翔「ありがとうございます、じゃあ入ってきます。」

 

翔夢は風呂場に向かって行った。この家の風呂場は大浴場一つのみで、豊姫達は六時から七時の間に風呂に入るのでそれ以外なら入っても問題はないので翔夢は帰ってすぐに風呂に入る事にしている。

風呂に浸かりながら、翔夢はぼんやりと考える。

 

翔(明日であと四日か…。今朝は咲夜や霊夢に陰陽玉越しで話せたが、早く直に会って話したいものだな。)

 

その後、翔夢は風呂から上がり、豊姫達も入浴を終えると四人は夕食を取り始める。ふと、豊姫があることを翔夢に聞く。

 

豊「そういえば、翔夢の能力って物語の中の人物の能力も実現出来るのよね?」

 

翔「ええ。ですが、今の所移動系の能力は紫に封じられてます。」

 

豊「ん?だったら、翔夢が今まで読んだ物語の中で自分が受けた能力とか封印とかを打ち消す能力を持つ人物とかがいれば、その能力を実現して帰れるようになるんじゃない?」

 

翔「あ…。」

 

その言葉に翔夢は少し固まったが、すぐに勢いよく立ち上がった。

 

翔「そうか!その手があったか!」

 

依「あの、翔夢さん。お気持ちはわかりますが、まずは座ってください。」

 

翔「ああ、すいません…でも紫のことだから対策してるかもしれないな…。ま、一応試すか。」

 

食事を終えた翔夢は早速能力の創造に取り掛かる。幸い打ち消し能力を持つ人物の出る物語は読んだことがあるので、創造は出来た。

 

翔「よし、次は紫にやられた移動系縛りを無くすか…。」

 

翔夢は能力を使用し紫から受けた縛りを無くす。が、体感的には何も変わっていない為、試しに少し離れたとこにある扉に向けて移動系の能力を使う。すると、一瞬にして扉に移動する事が出来た。

 

翔「おおっ!うまくいったぞ!これで帰れる!」

 

豊「でも、移動するのは店ごとでしょう?そんなに霊力持つの?」

 

翔「往復する訳ではないのであのくらいなら明日の朝万全の状態でやれば大丈夫です。」

 

依「では、明日の朝お帰りになると?」

 

翔「はい。短い間でしたが、お世話になりました。」

 

豊「いやね、そういうのは明日言うべきでしょう?」

 

翔「それもそうですね。では、俺はもう寝ますね。」

 

豊「ええ。おやすみなさい。」

 

----------------

翌朝

 

豊姫ら三人人は店の前で翔夢を見送る準備をしていた。やがて確認を終えた翔夢は三人の前に立つ。

 

翔「それでは皆さん、短い間でしたが、お世話なりました。」

 

豊「機会があればまた来てちょうだい。歓迎するわよ。それと、八意様によろしく言っといてね。」

 

依「今度会ったら手合わせをお願いします。」

 

翔「ええ、わかりました。レイセン、じゃあな。」

 

レイ「はい!あの、私もコーヒーの淹れ方を覚えるので、良かったら今度味を見て下さい。」

 

翔「楽しみにしてるよ。では、さようなら。」

 

そういい翔夢は地球へと戻って行った。

 

依「いい人でしたね、彼。」

 

豊「そうね。あんないい彼氏と付き合ってる咲夜は幸せ者ね。」

 

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幻想郷

 

翔「やばい…。予想以上に霊力使ったな…。こりゃ二、三日はまともに動けないぞ…。」

 

やはり月から地球までの移動はかなり霊力をほぼ使い切ったらしく、翔夢は店の前で倒れていた。ちょうどそこへ霊夢が通りかかり、翔夢を見るなり驚いていた。

 

霊「兄さん⁉︎なんでこんな早くに⁉︎」

 

翔「実はかくかくしかじかでな、今一歩も動けないんだ。悪いけど、部屋まで連れてってくれるか?」

 

霊「なるほどね、わかったわ。よいしょっと。」

 

霊夢は翔夢の肩を担ぎ部屋まで連れて行った。

 

その後、月に迎えに来た紫は翔夢がすでに帰っていると聞いて幻想郷に戻ると、翔夢、霊夢、咲夜の三人からきついお仕置きを受けたのであった。




はい、青蘭と琳湖を登場させました。また出るかはまだ未定です。
翔「俺の能力汎用性高くね?」
そうだけど、別に戦闘メインじゃないから平気だよ。
さて、そろそろバレンタインか…。その話も書かなきゃな。では次回まで、
ゆっくりしていってね!
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