カフェのマスターは巫女の兄   作:NTK

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どうもNTKです!
今回はホワイトデー関連です。
ではどうぞ!


十九杯目 ホワイトデーのお返しは?

ホワイトデーまで二日となった頃、霊夢が翔夢の元へとやって来た。

 

霊「ねぇ兄さん、この後時間ある?」

 

翔「あるけど、なんでだ?」

 

霊「魔理沙達にお返ししたいんだけど、何にしたらいいかわかんなくて。それと、作り方も教えてもらえると助かるんだけど。」

 

翔「わかった。少し待っててくれ。」

 

しばらくして翔夢は店内の片付けを終えた。

 

翔「で、具体的に何をあげたい?」

 

霊「やっぱり無難にマシュマロとかかしら?「あー、それはやめた方がいい。」え?どうして?」

 

不思議そうな顔をする霊夢に向かって翔夢は得意げに語る。

 

翔「マシュマロは『あなたが嫌い』って意味になるんだ。「そうなの⁉︎」そ。ま、魔理沙達の事が嫌いってなら渡してもいいんじゃないんか?」

 

いたずらっぽい笑みを浮かべる翔夢に対して霊夢は首を振った。

 

霊「いや、そんなつもりはないわよ。じゃあ、何渡せばいいの?」

 

翔「友達のままでいたいならクッキーだな。ちなみに、相手が好きならキャンディだ。」

 

霊「ふーん。それなら兄さんはキャンディを咲夜に返すのよね?「もちろん。」だよね。」

 

翔「それで?作るのはクッキーでいいのか?「うん。」一から作る?それとも作ってあるのをアレンジするのか?」

 

霊「一から作るのはちょっとあれだから作ってあるのをアレンジするわ。」

 

翔「わかった。じゃあクッキーとアレンジする材料持ってくる。」

 

翔夢が材料を持ってくる間、霊夢は先ほどの話について考えていた。

 

霊(なるほどね、だから兄さん毎年クッキーを返してたのね。)

 

翔「お待たせ。じゃ、早速作るか。」

 

霊「そう言えば、兄さんはもうお返し作ってあるの?」

 

翔「そうだけど。「私達はいつも通りクッキー?」いや、お前だけマシュマロ。」

 

霊「え?」

 

霊夢は思考が停止した。先ほどの翔夢の話だと、翔夢は自分が嫌いという事になる。何かの冗談だろうと、もう一度確認した。

 

霊「えっと、冗談だよね?」

 

翔「本気だけど?」

 

真顔で答える翔夢だが、もちろん嘘である。霊夢がどんな反応をするか興味が出てきたので言ってみたのだ。たぶん怒るだろうな、と思っていた翔夢だったが、霊夢は翔夢の予想もつかない行動を起こした。

しばらく霊夢は黙っていると目に涙を溜めた後、泣き出してしまったのだ。これには翔夢は驚き、慌ててネタばらしをした。

 

翔「いやごめん霊夢!嘘、嘘だから!ちゃんとクッキー用意してあるから、俺が悪かった!からかってごめんな!」

 

霊「グスッ…。本当に…?私の事、嫌いじゃない?」

 

翔「嫌いじゃないよ。泣かせてごめんな。」

 

霊「ん…わかった…。でも、今度からそういうのやめてね?」

 

翔「…ああ、もうしないよ。」

 

涙目で言う霊夢に翔夢は少しだけかわいいと思ったが、それを表に出せば怒られるだけじゃすまなくなりそうなので普通に返事をした。

 

翔「それじゃ、始めるか。そんな難しくないからすぐできるよ。」

 

霊「どんな風にアレンジするの?」

 

翔「チョコとかでコーティングしたり、アーモンドとかまぶしたりとかが簡単かな。まずはチョコを溶かすとこからだ。」

 

霊夢に教えていく翔夢の様子を紫はスキマを通して見ていた。

 

紫「ふふ、霊夢の貴重な泣き顔見れてラッキー♪」

 

藍「紫様、趣味悪いですよ。それに、なんでまた覗き見なんかを?」

 

呆れ顔でいう藍に紫は軽い感じで答えた。

 

紫「え?だって翔夢が私に何お返しするか気になるじゃない。それにしても、翔夢があんな冗談いうのはちょっと意外だったけどね。クッキーかな〜、もしかしてキャンディかも♪」

 

実はバレンタインの日に紫はこっそり翔夢にチョコを贈っていた。なのでお返しを楽しみにしていた。

 

藍「たぶん、というよりほぼ間違いなくマシュマロ返されると思いますよ。「あら、どうして?」どうしてって…。今まで翔夢に何したか覚えてますか?」

 

紫はしばらく頬に指を当てて考えたが、やがて顔を上げると何もしてないけど?と、返したが当然そんなわけはなかった。

 

藍「いやありますよ!まず翔夢が咲夜のこと好きなのを私や幽々子さんにバラましたし、告白の邪魔はするし、勝手に月に連行させるし、そして今覗き見をしてます!翔夢にお仕置きされたのも覚えていないのですか?」

 

紫「ああ、あったわね〜。あまりに翔夢が怖かったから忘れてたわ。」

 

藍「そんな事しておいて翔夢がクッキーとかキャンディを返すとお思いですか?」

 

紫「う…。」

 

若干主従関係を無視した口調で話す藍だが紫は藍の言うことが間違ってないので反論できなかった。

 

紫「で、でもあの子根は優しいからせめてクッキーくらいは返してもらえるかもよ?それに、マシュマロだったとしても美味しいから別に平気よ。」

 

藍「ですが翔夢は根に持つ方ですからね、マシュマロにデスソースとか仕込むかもしれませんよ?」

 

紫「え?翔夢デスソース知ってるの?」

 

藍「前に紫様が翔夢に頼まれた本を私に取りに行かせた時ありましたよね?その本にデスソースがあったのを覚えています。」

 

それを聞いた紫は顔を青くした。いや、翔夢がそんな事するはずがないとは思っていたが、そうするだけの要因が幾つもあるのでありえなくはなかった。

 

紫「…今から謝ったら間に合うかしら?」

 

藍「今出たら覗いてたのバレますからオススメしませんね。だとしてももう手遅れだと思いますが。」

 

紫「……。」

 

----------------

 

霊「これでOK?」

 

翔「ああ、初めてにしては上出来だ。」

 

数時間ほどで二人はクッキーのアレンジを加え終えた。テーブルにはチョコやグレーズなどでコーティングされた物、アーモンドクランチや粉砂糖をまぶしたクッキーが並べられていた。チョコが固まった頃にそれらをラッピングした。

 

翔「これで完成だ。」

 

霊「今日はありがとね兄さん。じゃ、またね。お返し期待してるから。」

 

霊夢が出て行ったあと、翔夢は近くの椅子に座りこんだ。

 

翔(あと二日か…。)

 

----------------

 

時は飛んで二日後、翔夢はお返しを渡すため紅魔館へと向かって行った。すでに魔理沙達にはお返しは渡しており、時間はもう夕方になっていた。

美鈴やレミリアらにお返しを渡し、咲夜の部屋の前に立つと深呼吸をしてから戸をノックした。

 

翔「咲夜、入っていいかい?」

 

咲「どうぞ。」

 

翔夢は部屋に入り、咲夜を視界に捉えると、包装された箱を渡した。

 

翔「これ、バレンタインのお返し。ーー開けてみてくれ。」

 

咲夜が箱を開けると、中にはナイフの形をした飴細工と、その周りに弾幕を模した色とりどりのキャンディが入っていた。

 

咲「綺麗…!これ、全部翔夢が?」

 

翔「もちろん。」

 

咲「そう…。ありがとう。」

 

しばらく咲夜は飴細工を眺めていると、急に翔夢は咲夜の手を掴み、顔を近づけさせた。

 

咲「しょ、翔夢?」

 

翔「咲夜…。前に君が俺にどうやってチョコを渡したか覚えてる?」

 

咲「え?まぁ、それは…覚えて…るけど…。」

 

顔を赤くする咲夜を見ながら翔夢は言葉を続ける。

 

翔「なら、そのお返しもしなきゃな。」

 

そう言い翔夢はキャンディを一つ口に咥え、咲夜の唇に押し当てた。咲夜は驚いたが、拒否する理由はこれといってないのでそのまま受け入れた。やがてキャンディが溶けきり、唇を離す頃には咲夜は顔をかなり赤くしていた。

 

咲「…強引。」

 

翔「君に言われたくないさ。」

 

その後翔夢は帰っていったが、紅魔館の庭先で何故か鼻血をだして倒れている射命丸が発見されたのを知るのは後の出来事である。

一方、八雲亭では紫がかなり上機嫌になっていた。翔夢からキャンディを貰ったからである。

 

紫「ヤッフー!やっぱりなんだかんだ言っても優しいよね翔夢は!こういうのツンデレっていうのよね〜♪」

 

藍「良かったですね。けれど、そのキャンディ黒いですがなんでしょうね?」

 

紫「黒飴じゃないかしら?まあいいわ。いっただきまーす!」

 

紫はそのキャンディを口にする。するとその瞬間、

 

紫「くぁwせdrftgyっ⁉︎」

 

よくわからない単語を口にしたあと紫は倒れこんだ。

 

藍「紫様⁉︎…ん?」

 

藍は落ちていた手紙を拾った。おそらくキャンディの箱に入っていたものだろう。

 

『いままでの”お礼”を込めてこの前の本に載っていた珍しいキャンディを作っておいた。サルミアッキとかいう物だが口に合おうが合わまいが残さず食べてくれ。 翔夢』

 

サルミアッキ、世界一まずい飴として有名なものである。紫がその手紙を読んでいたら少しは結果は変わっていただろう。

気の毒に、と紫に同情する藍であった。




ほー翔夢意外だね〜。あれか?目には目を歯には歯をキスにはキスをってやつ?
翔「うっせ!それ以上その話に触れるな!」
へいへい。
紫「アルミサッキって…。まあ全部食べたけど。」
す、すごいですね紫さん…。ではまた次回まで
ゆっくりしていってね!
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