カフェのマスターは巫女の兄   作:NTK

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お久しぶりです!NTKです!
今回は翔夢の事実上のデートです。
果たして翔夢は告白できるのか⁉︎
それではどうぞ!


九杯目 告白は焦れったい

翔(落ち着け…普段どおりにしてればいいんだ。)

 

そう自分に言い聞かせ、翔夢は自分の店から出て紅魔館へと向かう。今日は咲夜からハロウィンの時のお礼を受け取る日である。初めは服装を整えようかと思ったが、あまり着飾る必要はないと考え、普段と同じ服装でいた。

咲夜からお礼を受け取り、そのまま話をして二人の関係をより良いものにする。それが翔夢の願ってることであった。何を話すのかは前日に考えている為あとは緊張して話ができなくなるのを防げばいいだけである。

そんなことを考えているうちに紅魔館にたどり着いた。門の前では美鈴が立ったまま眠っていた。

 

翔「やはりというかなんというか…。おーい、起きろー。」

 

美「zzz…。」

 

中々起きない美鈴に翔夢はあることを思いつく。

 

翔「あ、咲夜さん。「へ⁉︎私起きてます‼︎……ってあれ?翔夢さん?」やっと起きたか。」

 

美「もしかして嘘ですか?」

 

翔「そうでもしないと起きないだろ?とりあえず、中入るから。」

 

美鈴にひとこと言い、翔夢は中に入って行った。

中に入るとすでに咲夜が待っていた。

 

咲「ようこそ翔夢さん。では、ついてきてください。」

 

翔夢は咲夜についていく。紅魔館の中はとても広く、何回か来ている翔夢でも、時々迷うこともある。しばらく歩き、着いた場所は咲夜の自室であった。

 

咲「どうぞ、入ってください。」

 

翔「は、はい。」

 

翔夢は少し焦っていた。てっきりリビングかどこかで渡されると思っていたのだが、まさか彼女の部屋で渡されるとは思ってもいなかったからだ。身内以外で女性の部屋に入るのは初めてのことなので緊張を隠しきれずにいた。

 

咲「どうしました?」

 

翔「あ、いや平気です。えっと、どこに座れば?」

 

咲「あぁ、それならどこでもかまいませんよ。」

 

咲夜にそう言われ、翔夢は近くの椅子に腰かけようとしたが、椅子は一つしかないことに気づき、躊躇った。

 

翔「あの、椅子一つしかないみたいなので、咲夜さんが椅子使ってください。」

 

咲「いえいえ、翔夢さんが使ってください。一応来客なんですから。私はベットに座りますので。」

 

翔「いや、俺だけ椅子に座るのは…。」

 

互いに譲り合うその様子を扉の隙間から覗いている人影か複数あった。

 

レ「あぁもう!なんで譲り合うのよ!それならベットで二人並んで腰かければいいのよ!」

 

霊「兄さんも咲夜も、似たような性格してるからねぇ。」

 

美「あの、二人共声が大きいです。気づかれますよ?」

 

その人影はレミリア、霊夢、美鈴、フランの四人であった。レミリア達は二人の様子を隠れて見ている。ちなみに咲夜はこのことは知らない。そのため気づかれると色々とまずいのである。パチュリーと小悪魔は魔法の研究をするためここにはいない。どのみち隠れているうちにパチュリーが喘息を起こした場合、気づかれる可能性が高いので隠れ見ることはせずに二人にきっかけを与えるとかの面でサポートする役割を担っている。

四人がしばらく見ていると、咲夜から行動を起こした。

 

咲「あの、このままだとあれなんで、その…翔夢さんが良ければ二人でベットに腰かけませんか?」

 

翔「えっ、いや…そうですね。その方が良いですしね。」

 

二人は並んでベットに腰かけた。よく見ると二人の顔は少しばかり赤くなっていた。

 

ーー扉の向こうーー

 

レ「あーあ、翔夢先越されたわね。」

 

霊「でも、その方が自然でしょ?自分の部屋ならともかく、他人の部屋でそんなこと言ったら変よ。」

 

レ「それもそうね。それにしても、咲夜もあんな顔するのね。少し意外だわ。」

 

美「恋って人を変えるんですね〜。」

 

フ「ねぇ、見て!咲夜が何か渡すみたい!」

 

ーー部屋の中ーー

 

咲夜が一つの紙袋を翔夢に手渡した。

 

咲「はい、翔夢さん。「あ、ありがとうございます。…これは?」開けてみてください…。」

 

翔夢が袋を開けると、中には白いマフラーがあった。手にとって見ると、端の方にコーヒーカップの模様が編んであった。

 

翔「これ、咲夜さんがご自分で?」

 

咲「はい。…気に入ってもらえましたか?」

 

翔「もちろんです、大切に使います。」

 

ーー扉の向こうーー

 

レ「……何か、普通の会話になってないかしら?」

 

フ「少なくとも恋愛とかの雰囲気じゃないね。」

 

二人が言っている通り、咲夜と翔夢の会話は恋愛の雰囲気とは掛け離れている。しかし、実際二人の心情はかなり穏やかではなかった。

 

翔(どうする⁉︎ただでさえ咲夜さんが隣にいるってだけで緊張してるのに、手編みのマフラー貰ったぞ俺?やばい、すごく嬉しいんだが、変にテンション上げて引かれるのは嫌だからとりあえず、ここは抑えておかないと…)

 

飛び上がりそうなほどの喜びを抑えている翔夢だが、それは咲夜も同様であった。

 

咲(良かった!翔夢さん私の編んだマフラー喜んでくれた!しかも大切にするって、頑張って編んで本当に良かった。)

 

そんな思いが交錯するなか、翔夢はすぐに気持ちを切り替え次の行動を考え始めた。

 

翔(はっ!浮かれている場合じゃなかった!なんとしてもこの期に咲夜との距離を縮めないと!)

 

翔夢は咲夜に話しかけた。

 

翔「咲夜さん!この後お時間空いてますか?」

 

咲「え?はい、空いてますが…。」

 

翔「それなら、前に咲夜さん俺に紅茶の淹れ方を教えてと言ってましたよね?」

 

咲夜自身、普段レミリアに紅茶を淹れているのである程度淹れ方はわかっているが、カフェを経営している翔夢から本格的なレクチャーを教わりたいと以前言っていたのだ。それを翔夢は利用した。

 

翔「もし良ければいま教えますが、大丈夫ですか?」

 

咲夜は突然のことに戸惑いながらも返事をする。

 

咲「じ、じゃあよろしくお願いします。「わかりました。えっと調理場は…」案内しますよ。」

 

翔夢のその行動にレミリア達は感嘆するが、すぐそれは焦りに変わった。もちろんながら調理場に移動するには扉を開けなくてはいけない。隠れようにも近くに曲がり角や部屋はない。どうしようかと考えてるうちに咲夜が扉の取っ手を握りーー

 

ガチャリ

 

咲「では、ついてきてください。」

 

翔夢は咲夜の後をついていく。やがて二人が曲がり角を曲がった後、レミリア達は廊下の天井から下りてきた。彼女達はとっさに天井に飛び難を逃れたのであった。また、天井が高いことが幸いし、見つからずに済んだ。

 

霊「…あんたの館の廊下、天井が無駄に高いって馬鹿にしてたけど、今取り消すわ。」

 

レ「それはどうも。さ、私達も行くわよ。」

 

霊「でも、普通についてくと気づかれるわよ?」

 

レ「私はここの主よ?先回りする道くらいわかるわよ。こっちよ。」

 

レミリア達が調理場の前に着き、気づかれないようそっと扉を開け、中を見た。

すでにテーブルには茶葉を始め、紅茶を淹れる為の道具が一式並べられていた。翔夢は茶葉を手に取り何かを話している。

 

咲「えっ⁉︎当たりです!よくわかりましたね。」

 

翔「まぁこういう仕事してればね。」

 

どうやら茶葉の銘柄を当てていたらしい。

 

翔「では、まず普通に淹れてみてください。それを見て教えることを決めますので。」

 

咲「はい。」

 

咲夜は湯を沸かし、紅茶を淹れ始める。翔夢はその動作を見て何度か小さく頷いている。

 

咲「どうぞ。」

 

翔夢は注がれた紅茶を眺め、匂いを嗅いだあと口に含んだ。

 

翔「……うん。色、味、温度と香りも申し分ないです。教えることといったら、淹れ方ですかね。」

 

咲「淹れ方…ですか?」

 

翔「はい。あの淹れ方でも充分ですが、俺の場合ですね…」

 

そういい翔夢はお湯の入ったポットをやや高い位置に持ち上げて注ぎ始める。

 

翔「こうやってお湯に空気を含ませることでより美味しくなるんです。どうぞ。」

 

咲夜は紅茶を一口飲む。

 

咲「美味しい…!」

 

翔「コツは手早く注ぐこととあまり高く持ち上げないことです。ゆっくり注ぐと勢いがないので空気を含みませんし、高く持ち上げ過ぎるとお湯が飛び散ります。では、やってみてください。」

 

咲夜は早速翔夢に教わったやり方をしようとするが、初めてやるやり方なので、どの高さから注いだらいいかわからず戸惑っていた。

すると翔夢は咲夜の後ろにまわり、咲夜の腕に手を添えるとその手を動かして位置を調整した。(女性が上手く料理とかできない時男性が後ろから手を添える的なアレです。)

 

翔「咲夜さんの身長だと、このくらいですかね。」

 

咲「は、はい……。(顔がすごく近い////)」

 

この時の行動はただ咲夜に紅茶の淹れ方を教えたいという翔夢の親切心から行ったことであり、狙ってしたわけではない。咲夜もそれは翔夢の顔を見てわかった。だが、それを見ていた者達からすればそうは思わなかった。

 

四人「「「「お〜‼︎」」」」

 

霊「やるじゃない兄さん。」

 

レ「これはかなり好感度上がるわね。」

 

美「いいですね〜。私もああいう事されたいです!」

 

フ「もうこのまま告白してもいいんじゃない?」

 

そんな会話を扉の向こうでしているとは露知らず、翔夢はアドバイスを続ける。咲夜はちゃんと翔夢の話を聞いてはいるが、やはり翔夢が近くにいることを意識してしまい、自然と鼓動が早くなっているのを自覚していた。

 

翔「……だいたいこんな感じですね。わかりましたか?」

 

咲「えっ?えっと…はい…わかりました…。」

 

咲夜は顔を赤くしながら答えた。翔夢は何故咲夜が顔を赤くしているか気になったが、その理由に気づき翔夢は赤面した。

 

翔「す、すいません咲夜さん!あの、その、さっきのは別に深い意味はなくてですね…。」

 

あたふたする翔夢を見て咲夜はクスリ、と笑い、

 

咲「いや、平気ですよ。確かに恥ずかしかったですが、翔夢さんは真剣に教えるつもりでやった事ってわかってますから。」

 

理解してもらえた事に翔夢は安堵し、その後二人はしばらく日常的な会話をして過ごしていた。その様子は見ている者からすれば本当に付き合っているように見えていた。少なくともカフェの店主とその常連といった関係には見えなかった。でも二人は今付き合ってはいない。

要するに言いたい事はただ一つである。

 

 

 

もう告っちゃえよ、ただそれだけである。

 

 

 

さすがに翔夢はいい雰囲気になっている事には気づいたようだが、どうするか迷っていた。

 

翔(どうする?今この場で告白するか?でも、もし振られたらあとが気まずいし、しかも、まだ9話目だしなぁ「おい!最後のメタいからやめろ!」あ、すまない。)

 

そんな葛藤を続け、気づけば外は暗くなり始めていた。

 

咲「あの、だいぶ暗くなりましたが、大丈夫ですか?」

 

翔「あ、そうですね…。じゃあそろそろ帰ります。」

 

結局何も言えないまま二人は門の前まで行った。

 

翔「では、さようなら。「あの、翔夢さん!」なんですか?」

 

咲夜は少し顔を赤らめながら、

 

咲「その、また来てください…。今度は淹れ方を教わるとかじゃなくて、普通にお話しとかしたいので…。」

 

咲夜のその言葉を聞いて、翔夢はついに決心した。ーーもうこの場で告白しようと。

翔夢は真剣な目で咲夜を見つめ、話しかけた。

 

翔「あの、咲夜さん…。「はい?」これから話す事を笑わずに聞いてください。」

 

その様子をレミリア達四人は近くの茂みで隠れ見ていた。ついに、ついに告白するのか?

そんな期待を込めて二人の行動を眺めている。

翔夢は深呼吸をしたあと、口を開いた。

 

翔「咲夜さん…俺、実は…初めて見た時から…」

 

はやりそうな気持ちを抑え、翔夢は残りの言葉を吐き出そうとする。咲夜も、真剣な目で自分を見つめている翔夢を見てドキドキしていた。彼は一体何を言おうとしているのか、それが気になっていた。

 

翔「あなたのことが…すk」 ヒュウン

 

突然翔夢の足元にスキマが開き、彼はそこに落ちていった。

 

咲「え…」

 

四人「ええええーー‼︎」

 

あまりの突然の事態に思わずレミリア達は茂みから出て叫んでしまった。

 

咲「み、皆さん⁉︎それに、霊夢まで‼︎どうしてここに?」

 

四人「え?いや、その…。」

 

何か適当な言い訳を考えているなか、四人が思っているのは一つであった。

 

四人(あンの、KYスキマァァ〜〜〜!)

 

※ちなみに四人はこのあと上手く咲夜に言ってごまかせました。

 

----------------

翔夢の店前

 

翔夢をスキマ送りにしたのはもちろん、紫であった。翔夢は地面へと叩き落とされた。

 

紫「も〜せっかく暇だから話し相手になろうかなって時にいないんだから翔夢は〜。さ、早く話し相手になってちょうだい♪」

 

せっかくの告白のチャンスを紫の自分勝手な理由でフイにされ、翔夢は怒りの頂点に達していた。なら、やるべき事は一つである。

 

紫「え?なんで翔夢そんな怖い顔してるの?まってその顔で無言でこっち来ないで!怖い怖い!ねぇ、お願いだからなんか言って⁉︎」

 

翔「……とりあえず、制裁だ。絶対に許さねえからな…!」

 

数秒後、紫の悲鳴が辺りに響き渡った。翔夢の恋が実るのは、まだまだ先になりそうである。




残念だったね、翔夢。
翔「くそっ!もう少しだったのに何故最後まで言わせない作者⁉︎」
いやさ、君も言ったけどまだ早いじゃん?もう少ししたらかな〜。そろそろクリスマスの時期だし。あ、ちなみに紫さんの扱いが酷い気がしますが別に嫌ってはいないですよ。
翔「作者、次は頼むよ本当。」
はいはい。では次回まで、
翔「ゆっくりしていってね!」
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