戦極ストラトス/アーマードライダーが往く! 作:超大型家族電子計算機
最後は一気に時間飛ばしちゃいます。
それではどうぞ。
俺の名は御剣桃真。
気がついたら何故か死んでいて、神と名乗る胡散臭いジジィによって別の世界へといきなり落とされてしまった。(物理的に)
ジジィから持たされていた物は、実在するはずのない架空のヒーロー『仮面ライダー鎧武』の戦極ドライバーとロックシード。
それらの変身アイテムによって俺はアーマードライダーへと変身し、偶然にも出会した誘拐事件の犯人達を打ち上げる。(物理的に)
誘拐犯達から助け出した織斑一夏と、一夏を助けに駆けつけた姉の千冬。そして“天災”篠ノ之束との奇妙な出会いを果たした後、日本へと飛んだ。(物理的に)
この世界にやってきて数日。状況は少しずつ、だが確実に変化していった・・・
一「“物理的に”が多くないか!?」
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「フゥ・・・まったく、ホントにお前は・・・」
「ゼェ・・・ゼェ・・・な、なんだよ・・・」
「バカみたいに、タフなヤツだ・・・」
「ほ・・・ほっとけぇ・・・ゼェ・・・」
桃真提案の元に始まった三つ巴戦。中学生になりたてで未だ幼さが残る一夏がまともに戦える訳がなく、真っ先に脱落。桃真と千冬の一騎打ちとなった。
大剣を振るう故に出来てしまう隙を千冬は見逃さない。剣と大盾という不慣れな組み合わせを装備した千冬だが、そこは自身の積み重ねてきた経験でカバー。相手より勝っている素早さを活かし手数で攻める。
対する桃真は大振りの隙を突かれぬよう蹴りなどで迎撃し、更には“大剣と無双セイバー”というアンバランスな二刀流までやり始めた。
千冬と初めて出会った時たった一度だけ刃を交えたが、それだけで彼女の強さが伝わってきた。そして実際に戦うことで、改めて彼女との実力差を痛感させられた。それでも桃真は負けじと喰らいつく。精錬された武道とは違うソレは、アーマードライダーとしての自身の戦い方を彼なりに模索し現したモノ。型にはまらず勘にモノをいわせた、野性的な動きだった。
倒れ込んで息も絶え絶えな桃真と、汗を掻きながらも呼吸を整える千冬。桃真は戦い方を見出すも押し返せず、結果は千冬の勝利で幕を閉じた。
「そりゃあ、あれだけ動きまくってたらバテちゃうよな・・・」
「・・・一夏、他人の事は言えんぞ。お前はもう少し粘れなかったのか?」
「ウッ・・・」
「いっくんてばチョロ~い」
「ぐはぁっ!?」
「あまり・・・ゼェ・・・言ってやんな、よ・・・ゼェ・・・」
「・・・お前はいい加減呼吸を整えろ」
───数分後。
「あ~、つっかれた~。慣れねぇことはするもんじゃねぇな・・・」
「っ・・・おい待て、“慣れない事”だと?まさかお前、このアーマードライダーの力は“つい最近手に入れた”モノなのか?」
「え?あぁ、そういやまだ言ってなかったな」
「マ、マジかよ!?なのに千冬姉とあそこまで戦えるなんて・・・アーマードライダーって、ひょっとしてIS並に凄いのか?」
一夏はそこまで言ってハッとなる。自分の発言は、ISの開発者である束に不快感を抱かせてしまったのではないかと。
「束さんも気になってるんだよね~。ISみたいに飛べる訳じゃないし“絶対防御”だってもちろん付いてない。その代わりアーマーが思っていた以上に頑丈に出来てるし、変身中は身体能力も向上されてるっぽい。あ、3人は後でメディカルチェックさせてね♪」
「エ?・・・ア、ハイ」
・・・が、本人は記録したデータを見直しながら素直に聞き入れ返答した。そんな束に肩透かしを喰らいながら、一夏は返事するしかなかった。
「なぁ、さっきから気になってんだけどよ・・・」
「む、なんだ?」
「アイエスってなんだ?」
「「・・・は?」」
「なんだよ、その『何で知らねぇの?』ってツラは・・・」
それは、“この世界の人間”にとってとんでもない爆弾発言だった・・・ある一人を除いて。
「ふ~ん、やっぱりそうなんだ♪」
「え?束さん、やっぱりって・・・」
「いっくん、考えてもみなよ。束さんが開発したISはちびっ子からジジババ、田舎者だって知ってる全世界周知の存在だよ。それなのに、見た目が“都会に居そうなヤンキー”なとーくんが知らないって言うのは変でしょ?」
「ほっとけよ。この見た目は生まれつきだ・・・」
「・・・確かにな。それに加え、戦極ドライバーやロックシードといったアーマードライダーの事に関してもそうだ。私や一夏、一般の人間はともかく、束が“何も知らない”というのもおかしい」
「ま、まぁ・・・束さんがこういうのに興味を持たない訳がないよな。知ったら知ったで調べ尽くしそうだし・・・あれ、それじゃあなんで?」
「そう、『何で今更?』って思うよね。仮にこの変身システムが“完成したのはつい最近”だとしても、束さんがそれまでの間この技術をほっとく訳ないしね~♪偶に怪しそうな研究機関とかにハッキングしてるから、そこら辺が出所ならとっくに気づいてるし♪」
「「おい」」
物騒な発言にツッコミが入るが、束は構わず続けた。
「となれば答えは単純、『この世界に存在していなかった』んだよ。とーくんがいっくんを助けた、あの時まではね♪」
「・・・へ?」
その予想外な仮説に一夏は気の抜けた声を上げ、千冬は呆れて頭を抱えた。いくら何でもそれは無理がある。そう千冬が言おうとした時だった・・・
「まぁ・・・その通りだ」
「・・・なんだと?」
「え、えぇぇぇぇぇぇぇっっ!!!?」
桃真自身がその仮説を肯定したのだ。にわかに信じられないと眉を顰める千冬と、驚きのあまり絶叫する一夏。そんな織斑姉弟の反応を見ながら桃真は、どう説明しようかと面倒臭そうに頭を掻きながら溜息を吐く。そんな中、束だけは終始笑顔だった・・・
「っとまぁ、こういう訳だ。信じらんねぇだろうがな・・・」
落ち着きを取り戻した後、束達は桃真にこの世界の事を話した。インフィニット・ストラトス、通称“IS”の事・・・束がそれを開発したという事・・・ISの存在によって『女尊男卑』の世界へと変わってしまった事・・・
その後、桃真は自身に起こった事を3人に話した。気づかぬ内に自分が死んでいた事・・・神と自称する老人の事・・・自分が“この世界”の人間じゃない事・・・そしてアーマードライダーが本来、『仮面ライダー』という特撮ヒーロー番組に登場する架空の存在だという事も・・・
「そうだな、信じられん話だ・・・だがそれはお互い様だろう。それに、あんな奇抜な姿を見せられて、妙に納得してしまっている自分が居る」
「俺達もその奇抜な姿に変身したモンな・・・だけど、戦極ドライバーやロックシードがこうして在るのに、元が架空の物だなんてな・・・」
「俺としちゃあ、こうして在るのがおかしく感じらぁ・・・けどコイツらは今ここに在る。そして俺も、今“この世界”に居る。そいつは事実だ」
「うんうん、とーくんからすればココは異世界なんだよね~♪不思議だよね~♪」
「なんでそんなに嬉しそうなんだよアンタは・・・一応言っとくが、アーマードライダーに関することは口外しねぇでくれよ。嫌~な大人たちがこの事を知ったら、手に入れるために手段を選ばねぇだろうからな」
「・・・例えば?」
「・・・家族や知り合いを人質に、とかな」
桃真が挙げた例は極端過ぎる1つの可能性だが、それでも一夏はそれを聞き入れた。極端であっても、それが起こる可能性が0とは言い切れないのだ。自分達姉弟に両親は居ないが、仲のいい友人や知人達がいる。一夏はその人たちを巻き込まない為にと思うと同時、力を持つ事の責任を改めて感じた。
「まぁ、そう言うこった。だから俺達だけの───」
「秘密に出来ると思った?ざんね~ん!そうは問屋が卸しませんでした~♪」
「「「・・・は?」」」
疑問符を上げた桃真達に束は、展開していた空間ディスプレイを向けた。よく見るとそれは、日本語に訳された海外のニュース記事。見出しにはこう記されていた。
『目撃者多数!!疾走する亡霊騎士!?』
そして大きく引き伸ばされた画像には・・・
「・・・げぇっ!?」
アーマードライダーの桃真の姿が写されていた。
「大会を観てお祭り騒ぎしてたおバカ連中の中にホームビデオを撮影してたのが、とーくんが走ってた路地裏の近くに居たみたい♪」
「ま、マジかよ。早速目立っちまった・・・」
「この調子じゃあ正体がバレるのも時間の問題だね♪迂闊に変身出来ないよ~?」
「だから、なんでそこまで嬉しそうなんだよアンタは!?」
(あ、いつもの束さんだ・・・)
その記事には、『新型のISでは?』という真面目な意見があれば、『仮装した者のおふざけ』という冷めた意見も載っている。だが桃真は、記事を読み終えてふと気づいた。
一夏が誘拐された事件については記載されていないのだ。自身が目撃されたのも、誘拐事件が起きた当日のこと。『事件に関与か?』と変に勘繰る意見が挙がっていてもおかしくはない。だがこの記事を読む限り、事件そのものが無かったかのような扱いだ。
「(揉み消しされてる?それだけヤバい連中が事件に関与してるってのか?それとも・・・)あ~、止めだ止めだ。解らねぇ事を考えたって解るわけねぇし・・・それに今考えなきゃいけねぇのは、これからの事だ」
「これからって、一体どうするつもりだ?別の世界から来た訳だから、何処にもアテが無いだろう?」
「ソコなんだよなぁ。あのジジィが用意したのは“
「・・・ならば御剣、私たちの家に来ないか?」
「ッ!?」
千冬からの提案に桃真は戸惑った。誘拐犯だと誤解したことへの謝罪や一夏を救ったことへの感謝も、三つ巴戦の後に聞き入れた。なのにまだ気にしているのかと尋ねたら、千冬は首を横に振り、それだけじゃないと続けた。
「確かにそれもある。特に弟の命を救ってくれたことには、感謝しきれん位だ。それに『違う世界から来た』という話、お前自身が嘘を言っているようには思えないしな。事情を知った以上は見て見ぬフリなどできんさ」
「うん、そうだな。今度は俺たちが桃真を助ける番だ!」
「・・・それと、私はしばらくドイツへ滞在することになっていてな。私が帰ってくるまでの間、一夏のことも頼みたい」
「ち、千冬姉・・・」
「にゃはは~、締まらないね~いっくん♪ねぇとーくん、戦極ドライバーとロックシードを貸して欲しいんだ♪束さんは興味が尽きないのだよ♪」
「アンタは遠慮が無ぇのな・・・」
こうして桃真は千冬たちの家に住み込むこととなった。ちなみに束からの要求は、戸籍の偽装等を条件として聞き入れることにしたそうな・・・
そして、数年後・・・
IS学園
日本に設立されたIS操縦者育成用の特殊国立高等学校。他にも専門のメカニック等、ISに関連する人材はほぼこの学園で育成されている。学園の土地はあらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されないという国際規約があるため、他国のISとの比較や新技術の試験にも適しており、そういう面では重宝されているという。
そして此処、IS学園1年1組。
「・・・なぁ」
「なんだよ?」
「なんで俺達、此処に居るんだろう」
「・・・テメェの胸に聞いてみろ」
「ですよねー。ハァ・・・」
御剣桃真と織斑一夏。2人の男が其処に居た。
「「どうしてこうなった・・・」」
次回から原作突入!!(の予定)
束「見ないとパァ~ンチ♪」
桃・千「「おい」」