中世ファンタジーの世界に転生したと思ったら、魔法使いの代わりに決闘者がいた件について   作:カージ

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ごめんなさい、決闘はまだです。


プロローグその2 終わらない三分間
逃走、そして闘争


「どこへ行こうというのだね? 」

 

アカーシャの耳に、嫌みをたっぷりと含んだ男の声が聞こえてくる。

 

「クソっ、もう追いついてきやがったのか・・・」

 

なにもすることがなく、毎日シスターの手伝いか下町を走り回っていたおかげか、アカーシャの身体能力は同年代の男子に勝ると劣らない。

 

だが、この追手は大人の男である。

 

鍛えられてるとはいえ、まだ体が成熟しきっていないアカーシャには部の悪い相手であった。

 

そして、悪態をつきつつ角を曲がった先にあったのは、行き止まりであった。

 

「ようやく追い詰めたよ。まったく、お転婆なお姫様だな」

 

おそらく、この男はこの先が行き止まりであることを知っていたのだろう。

 

さっきまでのように走ったりせず、ゆっくりと歩み寄ってくる。

 

鋭い三泊眼に丸眼鏡をかけた、潔癖そうなスーツの男である。

 

どんな走り方をしたのか、そのスーツは一ヶ所も乱れていなかった。

 

「・・・おい、ロリコン。俺になんのようだ? 」

 

追い詰められたことを焦りつつも、アカーシャはそれを隠して男に問いかける。さも、余裕があるように見せて。

 

「ロリ!? ・・・いやなに、ただ私たちに協力してほしいだけだよ。ちょっとカードの封印を解いて死んでもらうだけの話さ」

 

男も、まさかのロリコン発言に少々動揺してしまったようだ。

 

さらっと物騒なことを話してしまう。

 

「いや、それを聞いて断らないやつっているのかよ? 」

 

アカーシャにそう問われて、始めてその事に気がついたようだ。

 

一瞬、しまったという顔をする。

 

そして、その隙をついてアカーシャは男に向けて突進する。

 

「なっ!? 」

 

そして、それに気がついた男は、思わずそれを避けようとしてしまう。

 

そして男にとって致命的な事故(悲劇という名の喜劇)はおこった。

 

風の抵抗を少なくするためか。中ニ病のあらわれか。腕を後ろに向けて伸ばし、まるで某スランプ博士の作ったアラレちゃんのように走り、男の横をすり抜けようとしたアカーシャの腕が、避けようとしたからだを無理に止め、バランスを崩してこけかけた男の股間にダイレクトアタックした。

 

思わず股間を押さえて崩れ落ちる男。

 

アカーシャは、一瞬自分も男だったときのその痛みを思い出すも、今は逃げることが先決とばかりに走り去る。

 

そして、そこには崩れ落ちて痙攣する男だけが残された。

 

 

 

 

 

 

□ □ □

 

 

 

それは、ある日のことだった。

 

アカーシャの暮らす孤児院の前に突然現れたその男は、『第三保安決闘隊』の隊長を名乗った。

 

保安決闘隊とは、主に決闘者で組織された現代で言う警察のような組織である。

 

・・・もっとも、決闘者絡みの事案は、たいていが決闘者の有利になる行動をとる辺り、公平な組織とは言い難い。

 

第三保安決闘隊の隊長は、シスターに向かって、アカーシャを事件の容疑者として引き渡すように通告していたのだ。

 

アカーシャは、たまたまそこへ帰ってきてしまった。

 

そして、アカーシャを容疑者として引き渡すよう言う隊長の悪意に歪んだ笑みを見て、脱兎のごとく逃げ出したのだ。

 

しかし、男も用意周到であった。

 

町の袋小路を利用して、アカーシャを地下の下水道にまで追い込んだのである。

 

そして、先程話した通り、男の股間にダイレクトアタックが決まったのであった・・・

 

 

 

 

 

□ □ □

 

 

 

男の急所にダイレクトアタックを行ったあと、アカーシャは先程来た道を一目散にかけ戻っていた。

 

それが一時しのぎでしかないのは、よくわかっている。

 

しかし、立ち止まればよくないことが起きるのはわかりきっていた。

 

 

 

・・・否。立ち止まらずとも、よくないことは起きてしまった。

 

「私は魔法カード『緊急テレポート』を発動した」

 

前触れもなく、アカーシャの目の前に男がテレポートしてくる。

 

「諦めたまえ。君が私から逃げ切ることなどできんよ」

 

圧倒的に、上から目線でそう告げる。(若干、内股になって足の付け根辺りがプルプルと震えているのは気にしないでおいてあげよう)

 

・・・それもそうだろう。

 

決闘者にとって、カードとは力その物。

 

決闘するとき以外でも、カードのテキストに依存して様々な特殊能力を決闘者に与えるのだ。

 

決闘者でないものにとって、決闘者とは完全なる上位者なのである。

 

「三分間待ってやる。その間にこの世にお別れを済ませるといい」

 

そう言って、男は一枚のカードを展開された決闘盤に置く。

 

「召喚、『終末の騎士』」

 

攻撃力1400の低級モンスター。

 

しかし、それですら普通のヒトにとっては圧倒的な脅威となりうる。

 

アカーシャ、絶体絶命の危機である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・その瞬間だった。

 

アカーシャのペンダントが光だしたのは。




今回の最強カード

アカーシャ(以下『赤沙』)
作者(以下『火事』)

赤沙「えぇー、めんどくさいんだけど」

火事「文句言うなよ。一応主人公なんだろ? 」

赤沙「ハイハイ、わかりましたよ。・・・今回の最強カードはこれ! 」

『緊急テレポート』

火事「有名な、サイキック族専用の速攻シンクロサポートカードだ」

赤沙「作中では、自信をテレポートさせていたが、決闘ではデッキからレベル三以下のサイキックチューナーを特殊召喚できる速攻魔法だよ」

火事「これ単体はあまり使う人はいないが、速攻シンクロデッキなどでよく使われるカードだな」

赤沙「でも、あいつが最後に召喚した『終末の騎士』とはまったくシナジーがないはずなんだ」

火事「まぁ、サイキック軸のデッキでは無さそうな感じがしたな」

赤沙「じゃあ、今回はこの辺で終わりにするか? 」

火事「そうだな」

赤沙&火事「では、また次回」

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