中世ファンタジーの世界に転生したと思ったら、魔法使いの代わりに決闘者がいた件について 作:カージ
思春期の爆発
ここは、オベリスク王国の若き決闘者達が共に研鑽する場所、オベリスク決闘学園である。
ほとんどの生徒は国内の決闘者達の子女なのだが、何千人に一人くらいだろうか?
まれに平民出身の決闘者が生まれ、この学園の門を叩くことになる。
ところが、今年は訳が違った。
いつもなら、多くて一人か二人しかいない平民出身の決闘者が、五人もいたのである。
平民出身の決闘者が増えたと言うことは、その分だけ決闘者達の子女が決闘者になれなくなることを意味していた。
だが、学園長のシャーザ・レオニクルが頭を抱えていたのは別のことが原因であった。
学園の入学者は毎年500人。
これはオベリスク王国では、同じ年に生まれた者の中から500人しか決闘者になれないからである。
ところが今年の決闘者は501人いたのだ。
まず、寮の数が足りない。
いつもなら、他の学年の寮にはいくらか空きができるものなのだが、それすらもなかった。
ここ数年、優秀な決闘者が多く、彼らのおかげで脱落するものがいなかったのである。
本来なら喜ばしいこの結果すら、いまのシャーザにとっては頭痛を大きくする種のひとつでしかなかった。
・・・そして、どんな悪魔が囁いたのか。
彼は、1つの恐ろしい解決法にたどり着いてしまった・・・
□ □ □
アカーシャが決闘者となってから、三年の月日が流れた。
しばらくの間、自分が決闘者だということを『面倒事に巻き込まれたくないから』という理由で隠してたのがバレたのは、とてもしょうもない理由からであった。
台所で『
・・・なお、そのあと『トゲトゲ神の殺虫剤』のカードを発動すると大量の『G』カードが手に入ったのは完全に余談だ。
このオベリスク王国の決闘者は、15才になると義務教育のように決闘学園に入学することが法律で決まっている。
この学園は全寮制で、それは将来の軍事演習も兼ねているためである。
その寮の入り口で、アカーシャは途方にくれていた。
「なぁ、一つ聞きたい。なんで俺の部屋がないんだ? 」
そう、アカーシャの部屋がないのだ。
正確には、アカーシャに与えられた部屋番号は全くのデタラメであり、そのような部屋はこの寮に存在していなかったのだ。
・・・冒頭で学園長の思い付いた、恐ろしい解決法とは、平民生まれの5人の誰かに部屋を与えないことだったのである。
そして、見事にアカーシャは外れクジを引いてしまったのであった。
「そう言われましても、無いものは無いんですよ~」
寮の管理は平民の仕事であった。
そして、決闘者と平民の関係は中世で言う貴族と平民の関係に当たる。
まだ幼いとはいえアカーシャもまた決闘者。
表面上は取り繕っていても怒気を隠しきれていないアカーシャは、逆らうことのできない相手である。
「そうだ、学園長のせいなんです。学園長が寮の部屋を割り振っているんです。きっとそれが原因に違いありません! 」
だからこの管理人にできたのは、全ての責任を学園長に押し付けることだけであった。
ちなみに、一応学園長はこの学園で一番偉い。
その事は今、彼女の頭にはなかった。
「そうか、学園長が悪いんだな? 」
・・・前世が男だったとはいえ、今のアカーシャは女である。
言葉遣いこそなおらなかったが、15年も女をやっていれば女としての恥じらいなども身に付くものである。
そして15と言えば思春期真っ只中。
自分の部屋を持ちたくなるお年頃なのである。
それがしょうもない理由(だと本人は思い込んでいる)で邪魔されたらどうなるか?
答えは『怒りが爆発する』だ。
ちなみにここで『精神年齢が30才を越えていること』を指摘したやつは、もれなく八つ当たりの対象になるだろう。
結局、なにが言いたいかと言うと
「おいこら学園長! 俺の部屋はどうなったんだ!! 」
学園長のところへ、殴り込んだ。
・・・平民の一人に部屋を与えないと言うしょうもない解決法が『恐ろしい解決法である』その理由。
それは、思春期の不安定な子どもがこれからの自分に必要なものを取り戻そうと、ほぼ確実に暴走するからであった。
ハゲに黙祷。
今回の最強カード
赤沙「みんな(主に主婦の)のトラウマ」
黒光りするG
地属性 昆虫族 レベル1 ATK 200 DEF 500
効果:相手フィールド上にシンクロモンスター一体のみが特殊召喚された時、墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。
そのシンクロモンスターを選択して破壊する。
この効果は相手ターンでも発動することができる。
火事「シンクロ世代、つまり5D' s の初期のパックに収録されたゴキブリテーマ『G』の記念すべき1枚目のカードだ」
赤沙「当時から絵柄はともかく効果が強いと評判で、一時期は大会参加者の大半のデッキに投入されるほど活躍していたらしいな」
火事「エクシーズの台頭と共に徐々に姿を消していったが、代わりに増殖したりしてるからなぁ」
赤沙「知ってるか? ゴキブリってなぁ、人類が絶滅しても絶滅しないって言われてるらしいぜ・・・」
火事「決闘の高速化が進むにつれて、G はどんどん増殖していくんだろうな・・・」