中世ファンタジーの世界に転生したと思ったら、魔法使いの代わりに決闘者がいた件について   作:カージ

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遊戯王を、いやカードゲームものを書く上で、キャラクターの決闘脳化は避けられない運命なのだろうか・・・


勃発的不真剣勝負

「おもしろい。ならば模擬決闘にて決めればよかろう? 」

 

学園長室に突入し、学園長の論争という名の罵り合いを始めたアカーシャに向かって、その罵り合いを傍観していた男は突然そう言った。

模擬決闘とは、決闘のダメージを実体化させずに行う、練習試合のようなものだ。

決闘は相手がいて始めて行えるもの。その相手を殺さないためのリミッターを用いた決闘がこれであった。

 

「は? 」

 

思わずそう返すアカーシャ。

なるほど、平行線に至った論争は、模擬決闘によって決定すれば後腐れはないだろう。

だが、それではアカーシャのメリットにならない。

 

「むろんそなたが勝った場合、学園長は自らの責任においてそなたに住み処を用意するのだ。仮にも学園の長に勝ったのだ。他よりもいい部屋が手に入るのも道理。負けなくとも、引き分けに持ち込めば本来の部屋と同等のモノが手に入るのであれば、乗ってみる価値はあろう? 」

 

「そ、それは・・・!? 」

 

思わず学園長も声をあげる。

勝手に賭けを設定され、しかもそれが自らにとって都合の悪いものなのだから、無理もなかった。

しかし、男はその声を無視して話を続ける。

次のそれは、学園長にとって都合のよいものであった。

 

「ただし! もし学園長が勝った場合、そなたは己の手で己の住み処を手に入れるのだ。要は、勝ったものが正義なのだよ。さぁ、どうするかね? 」

 

男の提案は、どちらにとっても魅力的であった。

勝てば、いいのだ。

すでに二人の中に負けたときの事など残っていなかった・・・

 

 

「「決闘!! 」」

 

 

 

アカーシャ 手札5 LP 4000

フィールドなし

 

学園長 手札5 LP 4000

フィールドなし

 

 

 

「せめてものハンデだ。先攻は君に譲ろう」

 

学園長が提案した。

通常、決闘において先攻の決闘者はとても有利である。

相手のセットカードを気にすることなく、ほとんど自由にカードをプレイできるのだ。

うまくデッキが回れば、一ターンでロックを完成させることもできる。

そうすれば、勝ったも同然なのだ。

逆に先攻を相手に取られれば、それだけの事を相手にやられてしまうことになるだろう。

故に、先攻を譲るというのは通常大きなハンデとして申し出るものなのである。

一部の例外のデッキを除いての話だが。

 

「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうぜ。俺の先攻! カードを三枚セットして、ターンエンドだ」

 

その一部の例外の可能性を考慮したのか、それともただ単に手札にモンスターがなかっただけなのか。

アカーシャはカードを三枚セットするのみでモンスターを一体も出さずターンを終えてしまった。

 

「・・・も、モンスターはどうしたのだ? 」

 

おそらく、実際に後攻有利のテーマか何かだったのだろう。

がら空きのモンスターゾーンを見て、目に見えて焦っている。

 

「召喚するべきモンスターが手札にいなかっただけだが? 」

 

アカーシャは、それがどうかしたのかと無言で問い返す。

 

「・・・いや、なんでもない。私のターン、ドロー」

 

 

 

 

 

アカーシャ 手札2 LP 4000

フィールド

セットカード×3

 

学園長 手札5 LP 4000

フィールドなし

 

 

 

 

「私は手札からフィールド魔法『歯車街(ギア・タウン)』を発動する」

 

フィールドに歯車で形作られた、いくつもの建造物が並び立つ。

 

「さらに永続魔法カード『古代の機械城(アンティーク・ギアキャッスル)』を発動する」

 

学園長の真後ろ、唯一何も建物がなかった広場のような場所にそびえ立ったのは、他の建造物と同じように歯車で形作られた、巨大な城塞だった。

 

「アンティーク・ギアか・・・」

 

攻撃時の魔法・罠カードの発動を禁止するモンスターを主体とした大型機械族のテーマ。

そして歯車街はその軽量化を行い、機械城は強化を行う。

 

「機械城が存在する限り、アンティーク・ギアモンスターの攻撃力は300ポイントアップする。そして歯車街の効果! アンティーク・ギアモンスターの召喚に必要なリリースを一体少なくする。この効果により私はレベル5の『古代の機械工兵(アンティーク・ギアエンジニア)』をリリースなしで召喚する」

 

腕の部分がドリルになった、歯車仕掛けの機械人形が姿を表す。

 

古代の機械工兵 レベル5 ATK 1500→1800

 

そして、その攻撃力を見たアカーシャは驚きの声をあげた。

 

「攻撃力1500の中級モンスターだと!? 」

 

そう、機械工兵の攻撃力は僅か1500 機械城の効果を受けても僅か1800しかないのだ。

リリースが必要なレベル5のモンスター(上級モンスター)でありながら、そのステータスの低さは守備力が高いかあるいは強力な効果を持っていることを表している。

しかし、もともとほとんどのモンスターがマイナーなアンティーク・ギアだ。

アカーシャは、機械工兵の能力はほとんど覚えていなかった。

 

「バトルフェイズ! 機械工兵でダ・・・」

 

「バトルフェイズ開始時、俺は永続罠カード『量子猫』を発動する! 」

 

故にアカーシャは、アンティーク・ギアモンスターの共通効果とも言える魔法・罠封印能力に対してしか対処できなかった。

 

「このカードは発動時に宣言した属性と種族を持った罠モンスターとなる! 俺は闇属性獣族を選択する」

 

量子猫 レベル4 DEF 2200

 

「ふむ。では私は、そのまま機械工兵で量子猫を攻撃します」

 

量子猫の守備力は2200だ。

通常、この攻撃はただの自爆である。

だが、機械工兵の特殊能力は攻撃することで発動する。

 

 

学園長 LP 4000→3600

 

 

「機械工兵が攻撃したダメージステップ終了時、相手フィールドの魔法・罠カード一枚を破壊する! 」

 

「なんだって!? 」

 

「私が破壊するのは、右側のリバースカードです」

 

アカーシャのフィールドに伏せられていたカードが一枚破壊される。

破壊されたカードは『神の恵み』だった。

 

「私はカードを一枚セットしてターンエンドです」

 

「俺のターン、ドロー! 」

 

 

 

 

アカーシャ 手札3 LP 4000

フィールド

量子猫×1

セットカード×1

 

学園長 手札2 LP 3600

フィールド

古代の機械工兵×1

古代の機械城(カウンター×1)

歯車街

セットカード×1

 

 

 

 

 

手札を確認したアカーシャは、学園長に言った。

 

「量子猫を破壊しなかったのは間違いだったな。俺は手札からチューナーモンスター『インフェルニティ・リベンジャー』を召喚する! 」

 

アカーシャが呼び出したのはカウボーイハットを被った二頭身の悪魔ガンマン。

 

インフェルニティ・リベンジャー

レベル1 ATK 100

 

「レベル4の量子猫にレベル1のリベンジャーをチューニング!! 」

 

リベンジャーが弾けて光の輪となり、量子猫を覆っていく。

 

「暗黒より出でて地獄の冷気を吹きあらせ! シンクロ召喚、レベル5! 凍れる悪魔『氷結のフィッツジェラルド』! 」

 

光の輪の中を光の柱が貫き、その中からまるで十字架に磔にされたかのように手足を氷で覆った純白の悪魔がその姿を表す。

その攻撃力は2500

ちょっとした最上級モンスタークラスの攻撃力だ。

 

氷結のフィッツジェラルド レベル5 ATK 2500

 

「バトルフェイズ! フィッツジェラルドで機械工兵を攻撃! フリージング・レイ! 」

 

「少しはリバースカードに警戒したらどうかね? 私はリバースカードを発ど・・・」

 

「警戒いてないわけないだろ? フィッツジェラルドの効果! このモンスターの攻撃時、相手プレイヤーは魔法・罠カードを発動できない! 」

 

「な・・・!? アンティーク・ギアモンスターと同じ効果だと!? 」

 

学園長が発動しようとしたカードが凍りつき、その発動は食い止められる。

そして、フィッツジェラルドの冷気が機械工兵を蝕み、そのボディーが砕け散った。

 

「くっ・・・」

 

 

学園長 LP 3600→2900

 

 

「俺は、リバースカードを一枚セットしてターンエンドだ」

 

 

 

 

 

アカーシャ 手札1 LP 4000

フィールド

氷結のフィッツジェラルド×1

セットカード×2

 

学園長 手札2 LP 2900

フィールド

古代の機械城(カウンター×2)

歯車街

セットカード×1




決闘の理由がとてもアホ臭かった件について(笑)


今回の最強カード


赤紗「今回はこのカードでいいかな? 」


氷結のフィッツジェラルド
水属性 悪魔族/シンクロ 
レベル5 ATK 2500 DEF 2500
素材制限:闇属性チューナー+チューナー以外の獣族モンスター一体
効果:このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動することができない。
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、手札を一枚捨てることでこのカードを墓地から表側守備表示で特殊召喚する。


赤紗「レベル5シンクロの中でも最高クラスの攻撃力を持ったシンクロモンスターだな」

火事「原作ではダークシグナーであるルドガー・ゴドウィンの能力によって操られた一般人のデッキに投入されていた記念すべき最初のダークシンクロモンスターだった」

赤紗「素材制限その物は、ジャンク・シンクロンで無視できるレベルだからとても出しやすいし、低レベルの闇属性チューナーって以外と使い勝手のいい効果を持ってるから獣族メインだったりするなら入れてもいいかもな」

火事「OCG 化によってシンクロモンスターとしてエラッタされたけど、その強力な蘇生効果は健在! 壁として、アタッカーとしてとても重宝するぞ」

赤紗「ちなみに、このカードを中核に据えてデッキを組むならおじゃまが一番! 」

火事「レベル2の獣族であるおじゃまと、レベル3の闇属性チューナーであるジャンク・シンクロンの組み合わせで、手札消費たったの一枚だ! 」

赤紗「おじゃまは手札を増やすのが得意なテーマでもあるから、相性はとってもいいんだな」


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