陰陽師の異世界録   作:ザイソン

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黄金盤の謎 前編

この作品のオリ主、安倍陽明は女顔である。髪も若干長めなので女っぽさに拍車をかけている。そのことを本人は気付いてない。気付いていたらとっくに切っている。

 

安倍陽明は即ち男の娘というわけである。

男の娘とは!主に容姿が女性にしか見えない少年、青年への萌え要素を指す。「萌え要素」は、生物学的な性別・戸籍上は男性であることが確認された上で、容姿などが「美少女」と認識されるところにある。『男娘の子』という表記も存在するが、読みは同じである。《ニコニコ大百科より引用》

ちなみに、男の娘の中には女になりたいという人も少なくないが、陽明は普通の男として暮らしたい。

 

陽明の女顔さは他の男の娘と比べても頭一つ飛び抜けている。女と勘違いする人も多い。

男だと気付いた人も、喋り口調、服装、雰囲気で判断し、察したに過ぎない。

陽明は自分の女顔さにコンプレックスを抱いている。胸は無いもののスレンダー美女に見えてしまう。それもコンプレックス。

 

そのコンプレックスを存分に生かしたゲームが・・・開催される・・・

 

 

 

魔王ペストとの戦いが終わり、しばらく経ったある日のこと、天気の良いポカポカ陽気の日だった。

 

陽明は昼寝をしようと丁度いい場所を探していると、ふと貯水池の前の小屋が目に入った。いや、目に入らざるを得なかった。

 

「・・・金色の・・・妖怪の群れ・・・?」

 

金色の毛の長い妖怪?が小屋の壊れた部分に集まっている様に見える。

 

いや、これは・・・

 

陽明は小屋に近づき、中を覗くと、

 

十六夜が飛鳥と耀を膝枕して読書している。

玉木が尻尾を天日干ししている(金色の妖怪?の正体)。

 

つまり、カオスだった。

 

「・・・なにしてるんだ?」

 

「お、陽明か。お嬢様がここで無防備に寝ていたから膝枕してみた。すると、アタフタする。そんなお嬢様を見たい。ニヤニヤしたい。春日部は、膝が余ってるからといって俺の膝に頭乗せて寝ちまった」

 

「私はただ尻尾を干してるだけです」

 

なんだ、玉木の尻尾にはダニでもいるのか?(いません)

 

玉木はただ単に天日干しした後の布団の匂いが好きだからこうしているだけだ。

 

「にしても、一向に起きねえわけだ。いっその事俺も寝たいがそれだと、アタフタするお嬢様が見れない」

 

いっそのこと叩き起こすか?と十六夜が呟いた時、

 

「大変なのです!大変なのですよー!」

 

ウサ耳を撥ねさせて本拠から黒ウサギが猛ダッシュでやって来た。

 

「「うっさい」」

 

あまりにも五月蝿かったので十六夜はリンゴを、陽明は土行で生み出した土塊をぶん投げ、見事に直撃。

 

黒ウサギは額を真っ赤にしながらもまくしたてる。

 

「と、とにかくこれを見てください!街中でこんなものg「五月蠅いぞ」

 

今度は玉木が妖怪のエネルギー弾、妖力弾を黒ウサギにめがけて放った。

まさか玉木から攻撃が来ると思っていなかったのでまた直撃する。

 

黒ウサギは横転して空を舞った。

 

すると、十六夜と陽明の目の前に黄金の板が落ちてきた。

 

「何だこれ」

 

陽明が拾い上げると、ズッシリ重いと感じた。

 

「まさか・・・本物の金塊か?」

 

「ほ、本物なのですよ・・・あと、額が痛いのですよ・・・」

 

黒ウサギが涙目で訴えてくる。

 

「で、これはなんだ?」

 

玉木が黒ウサギに問うた。

 

「よくぞお聞きになりました!この黄金盤は、錬金術の秘奥を与える為に開催するギフトゲーム“Raimundus Lullus”の“契約書類”でございます!」

 

「“Raimundus Lullus”ってあれか?哲学者のライムンドゥス=ルルスのことか?」

 

「そうでございます!鉛を金に変える錬金術を使い、世界の理を解くと言うルルスの術、アルス=マグナを提唱した御仁でございます!その真理に辿り着くためのギフトゲームが開催されるとのことですよ!」

 

ウサ耳を左右に振りはしゃぐ黒ウサギを横目に考える。

『ギフトゲーム名

Raimundus Lullus

 

・参加資格B:善なる者

 

・敵対者

偉大なる者

継続する者

力ある者

知恵ある者

意志ある者

徳ある者

 

・敗北条件

“契約書類”の紛失は資格の剥奪に相当

 

・勝利条件

全ての“ルルスの円盤”を結合し、真理ならざる栄光を手にせよ

 

・ゲーム補足

全ての参加者の準備が整い次第ゲーム開始

ゲームの終了は全ての参加者の敗北した場合

 

宣誓

上記を尊重し、誇りと御旗と“サウザンドアイズ”の名の下、ギフトゲームを開催します。"サウザンドアイズ"印』

 

「おい、黒ウサギ」

 

「はいはい、なんでしょう?」

 

「このゲームの主催者“サウザンドアイズ”だぞ。本当に大丈夫か?」

 

(確かに・・・白夜叉がやるゲームがまともとは思えないな)

 

「それはむしろ信憑性を高めるというもの!あの“サウザンドアイズ”が満を持して開催するゲームなのでございます。コレはきっと凄いゲームなの違いありません!・・・それに」

 

急に声のトーンを落として黒ウサギは廃墟街を見る。

 

「そろそろ・・・あの廃墟街も整理せねばなりません。その為にも纏まったお金が必要なのです」

 

「・・・はぁ、仕方がねえなっと!起きろ起きろ二人とも!」

 

十六夜が身体を起こすと飛鳥と耀の脳天がぶつかり合った。

 

悶絶する二人をよそに十六夜と陽明、玉木は辺りを警戒し出した。

 

「まだゲーム会場も知らされていませんし、ゲーム開始のコールもまだでございます。そんなに慌てる程ではありませんよ?」

 

 

黒ウサギのこの発言は間違っていた。もうこのゲームは、

 

「右から来るぞ!気をつけろ!」

 

雑木林から大量の鏃が飛んできた。そう、もうこのゲームは()()()()()()()()()

 

陽明は霊夢奏を、玉木は棍を出して鏃を全て弾き落とす。

 

状況を理解した飛鳥と耀は臨戦態勢をとる。

 

「ど、どういうことでございますか!?」

 

「文面読んでないのか?このゲームは“契約書類”、黄金盤の争奪戦だ!ゲームはとっくに始まってるんた」

 

陽明は軽い結界を張り、鏃を防ぎ、十六夜は走り出し雑木林の中の一人の獣人の手首を掴む。

 

「速い!?」

 

「お前が遅いんだよ!」

 

いるのだは手首を捻って足を払うと獣人はその場で三回転しながら、頭から地面に落ちる。

 

「貴様!」

 

「よくも我らの同士を‼︎」

 

「囲め!囲んで一斉に撃て!」

 

結界が張られているのに関わらず馬鹿のひとつ覚えのような発言をする獣人。

 

陽明は痺れを切らして、

 

「仕掛けてきたのはお前たちだ。これは正当防衛」

 

霊力弾を連射して吹き飛ばす。

 

吹き飛んだ獣人の手から黄金盤が滑り落ち、十六夜がキャッチする。

 

「まずは一枚っと。ったく、ぬるいゲームだぜ。これで本当にアルス・マグナが手に入るのかよ」

 

“アルス・マグナ”。科学的観点からではなく神秘的観点から考察される錬金術だ。

“ルルスの秘術”“王者の秘跡”“最後の錬金術”などと色んな名称で求められている。

 

確かにこれがあれば金策に走り回る必要が無い。

 

玉木も錬金術は使えるが、金を作り出すコストが金を売った時の値段を上回るので意味がない。

 

十六夜は文面に目を落とす。

 

『ギフトゲーム名

Raimundus Lullus

 

・参加資格D:継続する者

 

・敵対者

偉大なる者

継続する者

力ある者

知恵ある者

意志ある者

徳ある者

 

・敗北条件

“契約書類”の紛失は資格の剥奪に相当

 

・勝利条件

全ての“ルルスの円盤”を結合し、真理ならざる栄光を手にせよ

 

・ゲーム補足

全ての参加者の準備が整い次第ゲーム開始

ゲームの終了は全ての参加者の敗北した場合

 

宣誓

上記を尊重し、誇りと御旗と“サウザンドアイズ”の名の下、ギフトゲームを開催します。"サウザンドアイズ"印』

 

「ん?この文面・・・」

 

十六夜が訝しんだ瞬間、

 

黄金盤は錆び崩れた鉄塊に姿を変え、その場で崩れ落ちた。

 

反射的に掴もうとするが指の間をすり抜け、風に飛ばされて行った。

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