陰陽師の異世界録   作:ザイソン

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障がい。そして結果

十六夜、飛鳥、耀の三人で収穫祭の参加権残り一枠を賭けてのゲームが始まった。

 

すると、意外なことに十六夜の戦果は低迷していた。

蛇神を倒し、海魔を倒し、神格保持者のヴェーザーを圧倒する力。“ノーネーム”の名とともに十六夜の戦歴も広まっていた。

そのため、いろんなとこから十六夜のゲーム参加を拒否する言葉が上がってるそうだ。

 

今、十六夜は、白夜叉が用意してくれたギフトゲームを受けにトリトニスの滝近隣に行っている。

 

陽明は最初から殆どのギフトゲームに自分が参加できない事を見越して参加を止めていた。

元魔王を従え、魔王幹部のクロスを倒し、グライアイを打倒した。この戦歴も広まると考えていたのだ。

 

いま十六夜は白夜叉が紹介してくれた蛇神のギフトゲームに向かっている。

 

陽明は自室に施錠して閉じこもっていた。陽明は一ヶ月に一度こうして自室に半日以上閉じこもることがある。

 

その理由は、陽明が先天的に自閉症であるからだ。

 

自閉症とは、社会性の障害や他者とのコミュニケーション能力に障害・困難が生じたり、こだわりが強くなる神経発生的障害の一種である。先天性の脳機能障害とされるが、脳機能上の異常から認知障害の発症へといたる具体的なメカニズムについては未解明の部分が多い。

言語の発達の遅れ、対人面での感情的な交流の困難さ、あるいは全くの無関心、反復的な行動を繰り返す、行動様式や興味の対象が極端に狭い、常同的に奇声を発する、手をひらひら動かす、極度の自己中心的思考になる、物を列や幾何学的に整然と配置する、被害妄想を持つ、ストレスによる他害行為などの様々な特徴がある。

 

陽明は普段の生活からはその様子を感じさせないが、これは幼少期に安倍家の陰陽師による呪いによってそれを封印、または取り除いているからである。

 

それでもなお、抑えきれないものもある。

 

部屋の中央の陽明の周りには無数に本が縦に積み重ねられている。机には鉛筆が円状に並んでいる。

何かを積み上げる、並べる行為は自閉症の人が起こしやすい行動の一つだ。

他にも感覚過敏であったり(本人は我慢している)、数字や術式に対する高い記憶能力があったりする。

 

そして陽明は白い水晶を抱えてうずくまっている。

 

この水晶は白狐珠といい、ウイルス性の病気を治療し、それ以外ならばその症状を抑えるといった効果のある恩恵である。

 

しばらくこうしていると気分が楽になる。

 

昼食の時間になっても陽明が閉じこもっているので、帰ってきた十六夜は陽明の部屋に突撃しようとしていた。

 

「おーい、何時までそうしてんだ。さっさと出てこい」

 

「・・・あと一時間」

 

「お、これは入って良いってことに違い無い!」

 

陽明は大声でヤメロと叫ぶがここで止まるような十六夜では無い。

 

ドガッ!

 

ドアを蹴破って十六夜が入ってきた。その勢いで積み上げた本が崩れ去り陽明が埋まった。

 

「・・・何してんだよ」

 

「十六夜てめえ・・・」

 

とりあえず・・・片付け無いと話が進まない。

陽明は式神を出して片付けを命じた。

 

「で、何で閉じこもっていたんだ?」

 

「俺さ・・・自閉症なんだよ。症状の殆どは呪いとかで抑えてるが時々こうなる」

 

「先天性の病ね・・・」

 

「その自閉症の原因と思われるのが・・・俺がクラインフェルター症候群だ」

 

クラインフェルター症候群

通常の男性の性染色体は「XY」であるが、これにX染色体が1つ多く「XXY」となっている。一般に染色体すべてを総合して「47, XXY」と表現される。さらにX染色体が二つ以上多い「XXXY」等もある。

華奢で手足の長い細身の体形になる人が多いとされ、認知機能や言語機能の遅れ、社会的スキルや感情のコントロールの脆弱性が指摘されており、自閉症的傾向が一般よりも高い(広汎性発達障害者がクラインフェルター症候群であるということではない)。

 

「なるほどね・・・身体まで女っぽいのは手足が細くて若干華奢だからか」

 

「うっさい馬鹿。否定はできないけどな」

 

「他にも聞きたいことが山ほどあるが・・・とりあえず今は俺たちのゲームの結果発表といこうじゃねぇか」

 

結果を纏めると、

 

飛鳥

牧畜を飼育するための土地の整備

山羊10頭。チーズが作れるかも

 

耀

炎を蓄積できる巨大キャンドル("ウィル・オ・ウィスプ"製)

 

 

「いや、意外だったぜ二人とも。金銭を賭けたゲームが多い七桁で中々大きい戦果を挙げたじゃねえか」

 

「十六夜完全に上から目線だな。お前はどうなんだ?」

 

十六夜はニヤリと笑い、

 

「それじゃ、サウザンドアイズに今から受け取りに行くか。黒ウサギと玉木も向かってるなら丁度いい」

 

 

"サウザンドアイズ"の支店

陽明達は支店の座敷の障子の向こうから声に足をとめた。

 

「や、やめてください白夜叉様!黒ウサギは沽券に掛けてあれ以上きわどい衣装は着ないと言ったではありませんか!」

 

「黒ウサギの言う通りです!この白雪も神格保持者の端くれとして、このような格好で人前に出る訳には・・・!」

 

「おんしらは何も分かっておらぬ!清く正しく美しく、尊いが故に穢し堕とし辱めたいと人は望む!見ろ!玉木など、恥ずかしがってはおらぬ!」

 

「酒池肉林(性的な意味での)がいけたならもはやなんでもいけると思うぞ?あの時代はほぼ裸に近い格好をしていたからな。この程度、恥ずかしがるものでは無い」

 

「おんしらはこのままではその発育をした豊満でエロイ身体にエロイ事を仕込みたいというエロイ欲求が爆発したエロイ暴徒がおんしらを姦策にはめてエロエロにしようと動き出すに違いない!まるで今の私のようにいぃぃぃーーーっっっ!!!!」

 

「「うっさい馬鹿変態仮面駄神!」」

 

部屋から雷と水流が溢れ、白夜叉がトリプルトーループを決めながら飛んできて、

 

「てい」

 

十六夜は躊躇無く足で受け止めた。

 

「お、おんし!足で受け止めるなと言っt「なら飛んでくるな。つか何やったら黒ウサギに金剛杵使わせるほど・・・」

 

陽明たちは水煙の向こうに見える黒ウサギたちの姿に唖然とした。

 

「ゃやだ、なんで皆さんが此処に・・・?」

 

「あ、陽明様。どうですか?似合ってますか?」

 

「いや、確かに大胆だが・・・玉木にはあまり似合って無い。」

※あくまで個人の意見です。

 

黒ウサギと隣にいる女性、白雪姫はへたり込んだ。玉木は堂々と立っている。

黒ウサギたちが着ているのは、身体のラインがはっきりわかるように小さめに着つけられた着物を股下でバッサリ切り落とした不思議で奇形な着物だった。更に、花柄ガーターソックスとは統一感も無い。

 

「とりあえず、玉木、黒ウサギと・・・初対面の人。着替えろ。黒ウサギは全身濡れているからよく拭いて「何⁉︎黒ウサギが濡れ濡れだと!!!」

 

追撃の雷が白夜叉を貫いたのは言うまでも無い。

白夜叉曰く、この服は外門に作る水路関係の施設の正装らしく、至って全う。男性はどんな正装か見てみたい。

 

白夜叉が十六夜に頼んで白雪姫の元に水源の源となる恩恵を取りに行って貰ったがまさか隷属させられるとは思ってもみなかったそうな。

 

「さあ、白夜叉。これで契約成立だ。例のブツを渡して貰おうじゃねえか?」

 

「袖の下か?或いは黄金色のお菓子とか山吹色のお菓子か?」※どれも同じ意味です。つまりは賄賂

 

「なんでそうなるんだよ」

 

陽明は苦笑しながらつっこむ。

 

白夜叉が柏手を打つと羊皮紙が現れ、白夜叉がそれにサインをした。

 

「それでは、ジン=ラッセル。これを預けるぞ。コレはリーダーが管理する物だからな」

 

『二一〇五三八〇外門 利権証

※外門利権証の発行に伴い、外門の外装をコミュニティの広報に使用する事を許可します

※外門利権証の所持コミュニティに上記の境界門使用料の八割を納めます

※外門利権証の所持コミュニティに上記の境界門を無償で使用する事を許可します

※外門利権証は以後、" "のコミュニティが地域支配者である事を認めます

"サウザンドアイズ"印』

 

「が、外門の利権証⁉︎僕らが地域支配者⁉︎」

 

外門利権証とは、箱庭の外門に存在する様々な権益を所得できる契約書類。境界門の起動、広報目的のコーディネートなどなどを一任するものだ。

"ノーネーム"は旗印が無いが、水源を無償提供するため声を潜めずにはいられない。十六夜はそれを見越したのだ。

 

「これは・・・十六夜に決まりかな」

 

「そのようですね」

 

十六夜が収穫祭の日程を全て楽しむことに決まった。




タイトルの"障がい"の"がい"は変換ミスではありません。
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