もう一人の武神   作:ピポゴン

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これを書いてるとき2回ほど文の内容がとびました。泣きそうです。


あっさり決着

校庭が騒がしい。どうやら決闘が始まるみたいです。1人はファミリーの1人である一子さん。もう1人は…転入して先日モモ先輩の正拳突きを受け止めた霧崎先輩…。非常に興味深い試合です。霧崎先輩、実力の程はどれほどなのでしょう。

 

そして一年生のマスタークラスの実力者はその手に刀を握りしめ、静かに窓から校庭を見る。

 

そして一子と和也の決闘をみている風間ファミリー。そこに百代も合流する。

 

「おっす。決闘が始まるみたいだな。一子と、もう1人は和也か。和也の実力がすこしは観れるかもしれないな」

 

ククっと笑う百代にファミリーの一員は苦笑いする。

 

「ねーさんからみたら和也の実力はどうなの?」

 

「さあな、前にも言ったがまだ判断材料がない。だが気だけで言うなら、別に奴はそこまで大きい気は持っていないぞ。武人の中でも中の上ぐらいだ。すくなくともマスタークラスには届いていないな」

 

(和也の実力か…。すこし興味あるな。俺も見ておこう。)

 

ファミリー達が見守るなか、ルーが2人の間に立つ。

 

 

 

「それでは、はじめっ!」

 

ルーの掛け声で試合が始まる。

 

「先手必勝おおおお!!」

 

それとほぼ同時に一子が和也にむけて突進する。常人なら反応が難しいレベルの速さだ。

 

「せいやああああ」

 

そして一子は薙刀大きく横に振る。初撃は一子、薙刀と和也の距離がどんどん縮まっていく。だが和也は動かない。

 

それに対し見ていた観客の一部が口を開く

 

「なんだ?和也のやつは反応できないのか?」

 

「いや、それはないだろう」

 

「どうしてそう思うの?ねーさん」

 

「なにせ私のパンチに反応できたやつだ。あれぐらいならみえているだろう」

 

そして本当に和也に薙刀があたりそうになり、あと5センチというもころまでくる。

 

(やったわ!見えていたとはいえこの距離から回避することは不可能でしょ!初撃はもらったわ!!)

 

そう思った一子の視界は次の瞬間反転する。さっきまで和也にむけて薙刀を振っていた一子があろうことか地面に仰向けで倒れている。

今の光景、いったい何があったか見えているのはマスタークラスと一部の武人だけだろう。

 

「京、今の見えたか?」

 

「霧崎がワン子の足を払ったとこまで見えた」

 

「ああ、それで正解だ」

 

「お、俺様何があったか全くわかんなかったぜ」

 

「じ、自分もだ…」

 

「心配するな、あれぐらいの速度ならそれが普通だ。」

 

風間ファミリーがじっと和也をみる。

 

 

 

 

「ふん。すこしはましな赤子のようだな」

 

「何があったか見えたか?李」

 

「はい、ですが相当な速度です」

 

「っち、厄介なやつが入ってきやがったぜ」

 

九鬼の従者たちが各々の感想を口にする。

 

「なるほど、マスタークラスにもとどきうる力をお持ちのようですね。」

 

一年生の帯刀娘

 

 

皆が皆、色々な感想を抱き和也を見る。だが1番驚いているのは倒された本人、一子だろう。一子は一瞬何が起こったのかわからなかったが、自分が倒れていることに気づくとすぐさま体制を立て直し、再び和也の前でかまえる。

 

そして一子と和也が再び対面したところで和也が口を開く。

 

「今のはな…、昔メキシコに行った時にあった武人が使ってた柔道みたいな武術だ。まあ、すこし俺流になってるけどな。まだおわりじゃないだろ?」

 

「当然!!!」

 

一子は和也の問いに言葉とともに行動で返した。

 

(大きく横振りでだめならっ!)

 

一子は横振りではだめだと判断を下し、攻撃を突きに変更する。

「へえ…」

 

(突きだと間合い的に足が届かないでしょ!!)

 

たしかに一子の考え通り突きならば和也は足払いできない。だがそんなものは攻撃をかわして距離をつめればいいだけのこと。和也は突きを頬にかすめる程度で交わし、一子に対し一歩踏み出す。

 

「っ!?しまっ」

 

『た』を言う前に一子は再び倒れる。またあの高速足払いだ。

 

「薙刀はな…腕力で振るというよりかは、流れに乗らせて振るんだよ。円を描くような流れに乗せてな。一子のはまだまだ腕力で降っていて、流れに乗れてないように見える」

 

和也が倒れている一子に対してそういう。

 

「流れ…」

 

一子は一言そういうとまた立ち上がる。

(和也には大振りで行ってはダメ…。入り込ませる隙を与えないように、なるべく速く、流れに乗せて…)

 

「よし!行くわよ!」

 

「どうぞいつでも」

 

「せやああ!」

 

再度一子が和也にむかっていく。だがそれを見ていた大半のものは瞬時に理解する。

 

(突撃の仕方が変わった…?)

 

それは武人からみれば当然の行動だ。大ぶり突撃で転ばされるのなら何回やっても意味はない。ならばどうすればいいかは簡単にわかる。

 

一子は無鉄砲に飛び出すのではなく、慎重に相手の動きを注意しながら相手に向かっていった。

 

「せい!」

 

そして変わったのは突撃の仕方だけでなく、薙刀の振り方もだ。ただ大きく振るだけでなく、ちょくちょく動作が小さい振り方をしている。

 

「はっ!!やあっ!」

 

だが和也にはあたらない。和也は全然動いていないが、何故か攻撃があたらないのだ。

 

「いいな。だがまだだ、次は流れをもっと強く意識してみろ。エネルギーを殺さず次につなげるんだ」

 

「やあ!!せい!!」

 

「いいぜ!その調子だな」

 

(まるで師匠から教わってるみたいだわ。でも決して舐められているわけじゃない、戦いを通して伝わってくるもの、和也の優しさが……)

 

和也は決闘を通して一子に有効的な攻撃方法を教えているのだ。もっともそれは相当な実力差がないと成り立たない図なのだが…。

 

「その形を忘れるなよ」

 

和也はそう言うと、一瞬にして一子の背後に回る。一子は一瞬だけわけがわからないといった感じだったが、直ぐに和也が背後にいることを悟り振り向こうとする。だが、そんな一子に和也は頭にそっと手を添える。

 

「一子、お前はまだまだ強くなれる。がんばれよ」

 

「あっ…」

 

和也はそう言い終わると、地面をダンッッっとける。

とたんに一子の視界はグラつく。

 

「まあ、衝撃を伝えるわざだ。中国に行ったときに見た。すこし酔うぞ。」

 

和也がそう言うと一子は地面に膝をつく。

 

それを見ていたルーは一子が試合続行不可能だと理解し手を上げる。

 

「そこまで!!勝者、霧崎 和也!」

 

とたんに湧き上がる歓声。

 

「やはり面白いな…私も戦ってみたいものだ」

 

何人かの武人の目には、和也という存在が強く認識された。

 

 

そんななか、うかない表情の少年が1人。

 

 

(霧崎 和也。あの実力はなんかあったときにファミリーに危険だ。やはり少し把握しといたほうがいいな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひととおり歓声が鳴り止んだとき、和也は膝をついている一子の頭をそっと触る。すると

 

「うっ…。あ、あれ?視界がはっきりしてきたわ!」

 

「まあ、俺の気を使った一種の回復的なあれよ。もう大丈夫そうだな」

 

その声の主の方に一子が向く。

 

「あっ…。和也…」

 

「おう、お疲れ」

 

一子の顔が少し赤くなる。

 

「そ、それにしても、和也って強いのね!完敗だったわ!」

 

負けたことが残念なのか、少し落ち込んでる様子だ。

それを見て何かを察した和也は一子の頭をすこしらんぼうになでる。

 

「え?ちょ、あの、」

 

一子は今度は真っ赤っかだった。

 

「そう落ち込むな。最後の方はかなり良かったと思うぞ。それと俺が試合中に行ったこと忘れんなよ。」

 

和也としては、主に薙刀の振り方などを思って行ったのだが、一子は

 

"一子、お前はまだまだ強くなれる。がんばれよ"

 

と、そっちを思い出していた。

 

「あぅぅ」

 

一子はたまらず和也から目をそらす。

 

「一子、もう立てるだろ?戻るぞ。まだお昼も食べてないし」

 

「え?ええ、そうね!戻りましょ!」

 

そして、ぱっと見どちらも戦ったようには見えないような状態で試合は終結した。

 

 

「おっす!!お疲れワン子!和也!」

 

和也と一子が風間ファミリーのところまで戻ると翔一が声をかける。

 

「お疲れだぜワン子!和也は知らねぇ!」

 

「僻みはカッコ悪いよガクト。2人ともお疲れさま。」

 

「うむ、いい試合であった!和也は強いのだな!次は自分とはどうだ?」

 

「お二方ともお疲れ様でした。見事な試合でした」

 

「クリス…流石にそれはやめてくれ…。…ん?えっと、誰?この帯刀している子」

 

「はわわ!しまった!先輩に名乗らずに話しかけてしまったあ!申し訳ございません!わわわ私黛由紀江といいます!いいいい一年生です!!」

 

「うお!は、はい。よろしくです。」

 

「ああ!先輩に先に宜しくと言わせてしまったあ!!ここここちらこそ宜しくお願いします!!」

 

『落ち着けまゆっちー。挨拶はイメトレで毎日やってたろ!修行の成果を見せるときだぜ!まゆっち!!』

 

由紀江があたふたしていると、馬のストラップみたいなのが由紀江に語りかける。というか馬のストラップも由紀江が声を当てているのだが、

 

「は、はい松風!!頑張ります!」

 

「その子松風ってーの?可愛らしいストラップだね。」

 

「い、いえ!松風はストラップに宿った付喪神でして、その、あの…」

 

由紀江の様子に和也はなにかを察し、

 

「へー、付喪神か、見るのは初めてだな、宜しくな松風」

 

『おう!優しいあんちゃんじゃねーか!宜しくだぜ!』

 

 

 

「にしてもなんも食ってないから腹減ったなぁ…」

 

和也がそう言うと、一子が反応する。

 

「あ、あのさ!和也、このあとなんかある?」

 

「いや?しいて言うなら昼飯をくう」

 

「じゃ、じゃあ、一緒にどうかしら!?」

 

「おお!いいねえ!でもおれ学食だぜ?」

 

「な、なら食堂で一緒に食べましょ!!」

 

「それでいこう」

 

 

 

 

その光景をみていた風間ファミリーの数人は

 

(お、おいあれ、ワン子の様子おかしくねえか?)

 

(決闘中になにがあったんだろうね)

 

何かを悟ったようだった。

 

 

「んじゃあ食堂いこうぜ」

 

「おいまて。先輩に一言も挨拶ないとはいい度胸じゃないか」

 

歩き出そうとした和也の肩を百代がガシッと掴む。

 

「あ、霧崎 和也です。よろしくっす」

 

「三年の川神 百代だ。」

 

「なあ和也、朝私にな、警察が来たことがあったんだよ。3人くらいで」

 

「それはそれは。なにしたんですか?」

 

「ふっ。その警察は『一般人にいきなり殴りかかる人が登校ルートにいるんです。逮捕してください』と通報を受けたそうだぞ」

 

「事実ですね」

 

「事実?そうか。ふふふ」

 

「まったくー気をつけたほうがいいですよー」

 

すこしの間、沈黙が続く。

 

 

…………バシンッ!!!

 

だが次の瞬間には百代が和也をなぐろうとし、和也はその拳を受け止めていた。

 

「お前の仕業だろうがっ!!!」

 

「当たり前でしょうが!!!」

 

「あれか!?私がお前に殴りかかったことをまだねにもっているのか!!」

 

「いや根に持つ持たない以前の問題でしょ!!一般人に殴りかかるような人が登校通路あるいてんだよ!?普通通報するでしょ!!」

 

「あれは不良と間違えたんだ!!」

 

「おどれは一般人を不良と間違えたら殴りかかるのか!!!」

 

「あの場にいたお前にも非はあるだろう!!」

 

「俺は無抵抗だっただろうが!!」

 

「集団での戦いだと思ったんだよ!!そのなかにお前がいたらなぐるだろうが!!」

 

「俺は武神を見つけるって目的があったの!!そしたら何故かあそこに連れてかれたの!!」

 

その一言で百代は黙る。ファミリーの皆も会話に意識を寄せる。

 

「…それ、前も言ってたな。なぜ武神に会いたいんだ?」

 

 

百代が静かに和也に問う。ファミリー、特に大和はその答えが知りたいようだった。その質問に和也は野獣のような笑みを浮かべる。そう、まるで百代が強者に会った時のような笑みを

 

「………戦いたいからさ。」

 

ファミリーはそれを見て一瞬だけ驚く。だが百代はというと、こちらも笑みを浮かべていた。

 

「ほう?それは面白い。なぜ戦いたいんだ?」

 

「それを言ったところで共感してくれるとは思えないし、いいや」

 

「そうか。ならば今日川神院にこい。武神はそこにいる。」

 

とたんに和也はすごく驚いたような表情をする。

 

「えええ!?なに!?武神の居場所しってんのか!?」

 

百代はその問いにニヤニヤしながら答える。

 

「ああ、しってるとも。私と武神はかなりの仲良しだからな。私と武神は一心同体と言っても過言ではない。」

 

「いやそれはさすがに過言だとおもうけど…」

 

「とにかく今日川神院にこい。いいな」

 

「今日かどうかはわからないけどわかった。」

 

そういって和也は一子と共に食堂へむかう。

 

 

和也が先ほどまでいた場所では

 

 

「ねーさんも人が悪いね。ここで自分が武神だって言っちゃえばいいのに。」

 

「ふっ。ちょっとしたドッキリだ。」

 

「んでねーさん。和也の挑戦受けるの?」

 

「当たり前だ。なにせ向こうが戦いたいと言ってるのだからな。私から無理やりにではない。」

 

「いやまあ、そうだけどさ…」

 

「和也の試合、確かに強かったけどそれでも武神に挑むなんて命知らずだね。」

 

「いやまあ、和也もねーさんが武神て知らなかったし、遠くで噂聞いただけで実際の強さを知らないんだろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

___________________________

 

-食堂-

 

 

そこでは和也はカレー、一子はカツ丼を食べていた。

 

(にしてもさっきの一年生…由紀江といったか…。あの子相当な実力だったな。あの川神百代という奴のワンランク下ぐらいの強さ……。相当だな。)

 

………ずや

 

(あ、ていうか俺川神院知らないじゃん。どーしよー)

 

……ずや…てば

 

(だがまさかあの川神百代が武神と繋がりがあったとはな。世界って狭い。)

 

…かずや…ねえ

 

「和也ってば!!」

 

「うおおおお!え!?なに!?」

 

「なにじゃないわ!さっきから呼んでるじゃない!」

 

「あースンマヘン。それでどうしたの?」

 

「今日川神院に行くんでしょ?」

 

「うんたぶん。」

 

「川神院って私の家でもあるのよ。だから、その、えっと、あう」

 

「なんだそうなの?じゃあ一緒にいけんじゃん」

 

「う、うんそうね!!一緒にいきましょ!!えへへ」

 

一子はそう言うとカツ丼をかきこむ。それをみて、再び和也もカレーを食べ始める。

 

グマグマ

 

パクパク

 

グマグマ

 

互いに無言で食べていて、その場には静寂が訪れるが、それは長くは続かなかった。

 

「ひかえい!!九鬼 紋白様のおなーりー!!」

 

「フハハハー!我、顕現である!!」

 

食堂の入り口でハゲがいきなり叫んだかと思うと、その次に後ろから出てきた白髪でおでこにバツのマークがある少女が名乗りを上げた。大声で。

 

「ブフォッ!ゲッホゲホ、ウェッ」

 

そのせいで和也はおもいっきりむせかえり、すこし半泣きになる。

 

「いきなり大声をだすなぁ!!!驚いちゃったでしょうが!!!!まだ俺が食べてる途中でしょうが!!!!」

 

和也がキレ気味にそう言うのをみて、一子は微妙な表情で言う。

 

「いや、和也も叫んじゃってるから…」

 

「しるか!!おいそこの2人!!」

 

和也はそういいながら、そのハゲと紋白のところまでいく。そして再び大声を上げる

 

「ハゲとちびっ子!大きな声を出すときはしかるべき時にしかるべき場所で出せ!ここは食堂で落ち着いて食べたい人だっているんです!俺みたいな!とくにハゲ!おめえは年上ならそういうことは教えてやらないとだめだろうが!なに一緒になって声張り上げちゃってんの!?」

 

「いや、だってほら、小さい子は正義だろ?その正義がそうしたいって言ってんだ。俺は臣下としてその正義を通さなければな…」

 

ハゲの言葉に和也は無表情になり、その目からは光が消えていく。

 

「ちなみに女性の対象として見てるのは?」

 

「小学生までです!!」

 

「へぇ…あぁ…そう。それはよかったね井上くん。ありがとう。できればこれから近寄らないでね。できなくても近寄らないで。」

 

「ちょっとまって!?なんで態度が劇的にかわったの!?」

 

ハゲはなにかを叫んでいるが、和也はそんなハゲを無視して紋白の方をむく。

 

「いいかちびっ子。あんまり知らない人についてくんじゃないぞ。そのうちパンツ見せてとか言ってくるぞ」

 

「言わねーよ!!いや…」

 

ハゲはすこし考えるそぶりを見せる。そんなハゲを冷徹な顔で見ていた和也に下の方から声がかかる。

 

「ちびっ子ではない!!我は九鬼 紋白である!!紋様と呼ぶがいい!!フハハハーー!!」

 

「え?もしかして3年の先輩なんですか?」

 

「いや、違うぞ。我は武士道プランのこともあり、本来の年齢に関係なく1年生に転校してきたのだ!本来はまだ高校生ですらないぞ!」

 

「ははは。そりゃすごいな。だがそれじゃあ様付けはなしだな。俺は年下を様付けする趣味はないからな。ドンマイってやつだ。」

 

そう言うと和也は笑いながら紋白の頭をポンポンと叩く。

 

「あう」

 

「なんて恐れ多いことを!だけど羨ましい!!!」

 

その光景を見てハゲがなんか言っていたが、和也はガン無視である。だが和也は突如危険を察知しその場から飛び退く。

 

ヴォンッッ

 

瞬間和也が先程までいた場所で蹴りが空をきる。

和也は間一髪でそれをかわすことができ、蹴りを放った張本人に目を向ける。

 

「ほう…今の蹴りをかわすとは、面白い。やはり貴様はましな赤子のようだな。だが九鬼の者に対して態度をわきまえないと串刺しだぞ?」

 

和也の視界の先には金髪のおっさん。ヒュームがいた。

ヒュームは首元に手を当てながら言う。それに対して和也はというと

 

「えっ?ちょっ、なに?なんで俺蹴られた?」

 

すごいあたふたしていた。

 

「まてヒューム。すまないことをした。お前の名前を聞かせてくれぬか?」

 

「霧崎 和也だけど」

 

「そうか、和也!よろしく頼むぞ!」

 

「おう、じゃあ俺も紋白って呼ぶぞ?」

 

「貴様串刺しにされたいのか」

 

会話を聞いていたヒュームから殺気が放たれる。

 

「よいのだヒューム。ふむ…紋白か…」

 

「ん?嫌だった?」

 

「いや、そのように呼ばれることがなかなかないのでな。すこしこそばゆかっただけだ。あらためて宜しく頼むぞ。」

 

「こちらこそ」

 

こうしてまた1人和也に友達ができた。実はその光景を終始憎悪の表情でみていたハゲがいたそうだが、この後現れた白髪の少女に蹴りを入れられていたとかなんとか…。

 

 

____________________________

 

下校時刻になり、和也は帰り支度を始める。

 

「和也!」

 

「おう、行こうか。」

 

そこに一子がきて、一緒に帰るよう促す。

そして和也は風間ファミリーと共に学園を出る。

 

「なあ、帰りにちょっと寄り道していいか?」

 

「ええええ!早く帰りたいのにいい」

 

「まあまあ、いいじゃないか。九鬼からすこし頼まれごとがあるんだ。」

 

「ん?九鬼?九鬼って九鬼紋白の九鬼?九鬼ってなんなの?偉いの?」

 

「九鬼九鬼うるさいなぁ。お前九鬼を知らないのか。九鬼ってのは世界でもトップクラスの大企業のことだよ。この街になんか一際大きいビルあったろ?あれも九鬼だ。」

 

「じゃあ九鬼紋白や九鬼英雄ってのは…」

 

「ああ、その九鬼だ」

 

「だからあんなに偉そうだっだのか…。んで頼み事っていうのは?」

 

「ああ、簡単に言えば義経ちゃんの挑戦者の選別だ」

 

「なにそれ?なにをどう選別すんの?」

 

「単純に強さだ。義経ちゃんと戦うにふさわしい強さを持っているかのな。すべての挑戦を受けていたら義経ちゃんが大変だろう。だがら私が戦ってある程度の基準を超えていたら義経ちゃんと戦えるってことだ」

 

百代の説明に対して和也は固まる

 

「………え?戦って選別するの?」

 

「そうだ」

 

「かなりの数いるよね?」

 

「ああ、毎日かなりの数くるだろう」

 

「それと全部戦うの…?」

 

「ああ」

 

 

 

 

 

 

「いいなああああああぁぁぁ!なんで言ってくれないんだよ!!俺だって戦いたいんだよ!!なにそのボスキャラ一歩手前の雑魚キャラみたいな扱い!ちょーやりたいんですけど!!お願い!変わって下さい!!」

 

「だめだな」

 

「即答かよっ!!」

 

「私だって毎日退屈してるんだ。許せ」

 

そういった会話をしながら歩いていると、風間ファミリーはある河原につく。

 

「ここだここ。んじゃあちょっとやってくる」

 

「いいですね。」

 

和也がなにもない空間をみながらボソッと呟く。

 

「そうすねるな。」

 

「はやくしてよねーさん」

 

「お前はそればっかだな…」

 

 

百代はそういうと河原にいる武道家たちのところまで行く。そしてなにか例のようなものをした後、試合が始まった。

 

「俺はきらや…あぶほっ!!」

 

「ありがとうございました。次お願いします」

 

試合はまるで流れ作業のように終わっていく。かなりいた武道家達の数は10減り、20減り、50減り、そしてとうとう全ての武道家達との対戦を終えた。

 

「ふう」

 

試合を終えた百代に青髪の男が近寄る。

 

「どうでしたか?」

 

彼も九鬼従者の1人、桐山鯉。足技だけならマスタークラスにもとどきうるという実力者だ。

 

「うーん、6人てとこかな。」

 

「割と多いですね。わかりました、お疲れ様でした。」

 

「ああ」

 

坦々とした会話を終え、桐山は立ち去る。それと入れ違いに出てきたのは今日1日で何回も登場する、ヘタなキャラより出番が多いヒュームだ。

 

「ふん。なかなかの戦いぶりだなあ百代よ。」

 

「ヒュームさん。見ていたんですか」

 

「ああ。貴様は戦うことが余程好きなのだな。だが少しばかり慢心が過ぎるな。貴様のその慢心、なにから来るか教えてやろうか?それは瞬間回復だ。あの技のせいでお前の戦い方は雑になっている。」

 

「ム」

 

ヒュームに好き放題言われ、しかし反論ができない百代は少し不満げな顔をする。

 

「ひとつ予言をしてやろう。もしお前がこの先も今のままなら、近々お前は敗北する。九鬼が用意した対戦相手によってな」

(もしくは他のイレギュラーによってな」

ヒューム心の中でそう思うと今もこちらを見ている黒髪の少年、和也を見て、そしてすぐに視線を戻す。

 

百代はヒュームの言葉に対して凶暴的な笑みを浮かべる。

 

「対戦相手、それはヒュームさんのことですか?」

 

百代はそうだといいなという期待も込めていう。

だが返答は

 

「く、ハハハハハハハハハ!なかなか面白いことを言うな赤子よ。残念ながら俺ではない。」

 

「ちぇー、つまんないのー」

 

「ふん、あまり調子に乗っていると串刺しだぞ?だが、そうだな…貴様が冬まで今のままな無敗なら、その時は相手してやることにしよう。」

 

「本当ですか!?楽しみだなー。はやく冬来ないかなー」

 

百代は九鬼が用意した相手との戦いより、ヒュームとの対戦の方が楽しみのようだ。

ヒュームはそんな百代をみてボソリと呟く。

 

「ふん…。はたしてその余裕に満ちた表情、いつまで続くか楽しみだな」

 

その呟きは1人を除いては誰にも聞こえてなかった。

 

 

「ももセンパーイ!終わったなら帰ろーぜ!!」

 

すこし遠くで待っていた風間ファミリーから声がかかる。

 

「ああー! それではヒュームさん、さようなら」

 

「ふん」

 

ヒュームと百代は一言づつ交わし、百代はファミリーのところへ戻っていく。

 

「普通に遅いじゃん先輩」

 

戻ってきて1発目が和也のそれである

 

「なんだ和也、私に喧嘩売ってるのか?」

 

すこし笑いながら、指を鳴らし

「うお、先輩機嫌悪い系?」

 

「別に、そうでもないさ」

 

「ねえねえ!それより早く帰りましょ!」

 

「そうだな。俺は帰るというより、寄るんだけどな」

 

 

そして風間ファミリーは川神院と島津寮との二手に分かれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちょっと言い訳を。テスト真っ最中です。あときりが悪くなってしまったのはここで止めないと更新がさらに遅くなるからです。

ネタバレ。ラスボス綺羅山
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