僕らは遂に3年になった。
新しいクラス、新しい仲間、そんなものに心を弾ませていた。だが、そんなことはただの妄想に過ぎなかった。
僕らの学園にはとある校則がある。その校則とは学生の恋愛禁止だ。僕はその校則をなくすため立ち上がった。
いや、僕らは立ち上がったのだった。
良光君との始業式は終わり、僕は教室に向かっていた。
「あーあ、今年もFクラスだよ。」
「残念だったわねアキ。瑞希と同じクラスになれなくて。」彼女は島田美波。去年僕と同じクラスだった女の子だ。彼女にはいろいろと迷惑をかけてきた。
「・・・残念。」
「皆離れたのは確かに残念じゃのう。」
次は土屋康太。僕らではムッツリーニって呼ばれている。彼の周りにエロありという男の子だ。そして木下秀吉。見た目は完璧な女の子なのに男の子というすごい美少女だ。
「とりあえず今年もよろしくね。」
「そうね。よろしくアキ。」
「・・・よろしく。」
「うむ。よろしく頼むぞい。」
「そう言えばアキ、よく進級できたわね。」
「本当じゃな。よく進級できたのう。」
「・・・留年しなくておめでとう。」
「さすがに僕でも進級できないほどバカじゃないよ。」
「「「えっ?」」」
なぜか美波たちは意外そうだった。
「まさか僕を進級できないほどのバカだと思っていたの?」
「「「うん」」」
「そんな・・・」
「ま、まあそんなことはおいといて教室に入るわよ。」
「僕にとって重要な話だよ!ちゃんと話そうよ。」
美波は無視して教室のドアを開けた。
「やあ、異端者吉井女子2人とクラスに入るとは・・・」
「「「・・・殺す」」」
「ま、待ってこれは違うんだ。たまたま会っただけなんだ。」
「だが異端者よ。その行為は校則に反するのではないのか?」
「そうだ、そうだ。」
「早く死刑に・・・」
「判決 死刑」
「ぎゃー火炙りは止めて~。」
「そこの豚どもやめるのです。」珍しく僕を助ける声がした。
「えっ?清水さん助けてくれるの?」
「いえ、ただ美春がお姉様の周りにいる吉井明久という虫を殺したかっただけです。」ちょっと涙が出た。
「それより、どうして清水さんがここに?」
「ここが美春の教室ですから。」
「どうして?清水さん去年はDクラスだったよね。」
「・・・明久。」とムッツリーニが呼んできた。何か清水さんの情報を持っているようだ。
「ん?何かな?」
「・・・清水は名前を書かずにテストを出したらしい。」
「えっ清水さん名前書くの忘れたの?バカだなぁ。」といったものの僕は名前を書き間違えたっけ。
「そんなわけありません。だからあなたは豚野郎なんです。」
「ならどうして無記名にしたのじゃ?」
「お姉様の成績ではFクラスを抜けれないと判断し、お姉様と同じクラスになるためです。」
だいたい予想通りだった。すると ガラガラ
「お前ら席に付け。」鉄人が入ってきた。
「まさか担任って・・・」
「そうだ、俺がFクラスの担任だ。そろそろ3年だけの放送が始まるぞ。」確か始業式でいってたような・・・なかったような。しばらくすると
「聞こえているか?クソジャリども。」
第一声からひどすぎる。まああのババアだから仕方がないけど。
「今年の試召戦争についての話をするさね。今年のAクラスはかなり強いさね。たぶんどのクラスも挑む気がなかっただろう。」
確かに去年のAクラスに雄二と姫路さんが入ったなんて勝ち目がないだろう。
「だからAクラス以外のジャリどもにやる気を起こさせようと思ってね。」
へ?
「今回の試召戦争でAクラスに勝ったクラスの代表者の願いを叶えてやるさね。」
えっと・・・つまりどういうことだろう?
「Aクラスに勝ったら学園が出来ることならやってやるさね。例えば・・・恋愛禁止の校則をなくすとか・・・」
「なっ、なんだとっ!」
「これだとAクラスには何もないさね。だからAクラスは全てのクラスに勝てば願いを叶えてやるさね。まあしっかり勉学に励むさね。」
「まさかババアが僕を助けるなんて。」
「いい忘れてたがFクラスに転校生がくるさね。」
「転校生って誰じゃろうな。」
「本当誰かしらね。」
「男の子かな?女の子かな?」
「・・・男」
さすがムッツリーニ情報が早い。
「じゃあそろそろ入れ。」
「3年F組に転校してきた織田歩夢です。よろしくお願いします。」僕の周りの人にしては珍しく普通な男の子だった。彼との出会いが全てを変えていくとも知らずに・・・