少しいつもより遅くなった気がします。すみません。
構成を考えるのが難しくて……。文才はないので時間がかかってもご容赦ください。
今回はオープンキャンパスのその後の話。
朝練の様子も少し描写しておきました。
それではご覧ください!
オープンキャンパスが終わり、あとはアンケートの結果待ちの時。鷹也はそのアンケートの結果を集計していた。確認をしてそれを書類にまとめていく。この仕事は任されるはずではなかったのだが、鷹也が理事長に直訴してやらせてもらっている。オープンキャンパスのことは任せてと言った以上ここは自分の仕事である。最終的には理事長の確認は入るのだがやらないよりはマシだろう。黙々と自分の部屋で作業を進めていく。
(まぁ、この分なら大丈夫かな……?)
だいたいの集計を終えて伸びをする。理事長から聞いている大まかな基準の評価は確実に得られているだろう。後は纏めきって、明日に行われるはずの会議にて理事長であるひな子が報告して終わりだ。鷹也は休憩しようと部屋から外へ出る。このあとはオープンキャンパスのライブの動画の編集も行わなくてはいけない。鷹也は小さくため息をつく。時間がないとはいえ、その日のうちに集計を終わらせるのは案外しんどかった。というか今日がオープンキャンパスで会議が明日という日程に無茶があるところに上の圧力を感じないこともない。
「あら、鷹也。」
「帰ってたんだ。お帰り、母さん。」
ずっと書類整理していたためにこった肩を回しながらリビングに行くと、オープンキャンパスの最中も忙しそうにしていた母がことりが出してあげたのだろう晩御飯を食べているのを見つけて、鷹也は飲み物をキッチンからとってきて向かいに座る。
「ことりは?」
「さっきまでいたけど、疲れてたみたいで眠そうだったから部屋に行かせたわ。頑張ってたようね。」
「そうだね。みんな頑張ってたよ。」
鷹也はそう言ってライブを思い出す。9人で行った初めてのライブ。完全に成功と言っていい物だっただろう。自分たちも観客も笑顔で、全力で楽しんでやりきっていた。アイドルの仕事は完璧にこなしていた。ならば、鷹也も仕事をしなくては。
「そのおかげでオープンキャンパスのアンケート結果も上々。多分今回はしのげたと思うよ。」
「本当?よかった……」
安心したように息をはく母に鷹也は微笑む。ずっと自分が期限をここにすることを阻めなかったのを気に病んでいたのだろう。鷹也はその気持ちが少しでも軽くなったのなら嬉しく思う。息子として自分の母親が辛そうにしているのは心苦しいものがある。手伝っている身として、そして鷹也自身の存在意義としてもなんとかしたいと思うのだ。
「母さんが部屋に戻るまでには書類にまとめて、母さんのパソコンに送っておくね。」
「ええ、ありがとうね。」
「いいよ、気にしないで。」
じゃあ、部屋で残ってるところ終わらせてくるね。そう言って鷹也は部屋から出る。今回は何とかなったのだろう。だが、ここからだ。まだ根本的な廃校の可能性はなくなっていない。鷹也は部屋に戻ってパソコンの画面を見つめて作業を再開する。ダンスに関しての多少のアドバイスはこれからもできる。絵里や海未と相談しながら進めることでほんの少しだが力になることはできる。だが、それだけでは足りないのではないだろうか。今は彼女たちが望んでくれているということで誤魔化せている。それを本当の最善にするために。彼女たちに関わる以上、自分は何ができるのだろうか。廃校を防ごうとする彼女たちにどう力になれるのだろか。考えても答えは出ない。
次の日の朝練では9人での練習。いつもの階段ダッシュからである。ここに関しては鷹也はタイム測定を行う。今は絵里と希の順番。
「はっ……はっ……っふぅ……」
「よし、お疲れ様。ちょっと休憩してて。」
「ええ、分かりました。」
朝練に参加し始めてから1週間とちょっと。絵里はさすがの体力で最初から簡単にこれまで続けてきたメンバーの階段ダッシュについて来ている。おそらく元の運動神経もいいのだろう。今でもダンスを続けていた様子はないが、それでも柔軟は欠かしていなかったようであるしこれぐらいは彼女からしたら当然なのだろう。
「うぅ……私、今でもまだあんなに簡単にこなせないのに……自信なくしそう……」
「私たちも最初これを楽にこなせるようになるのに2、3週間かかったもんね……」
「スタイル良くて、頭良くて、ダンスが上手くて、美人で、運動神経がよくて……さすが絵里先輩……」
とはいえ、ずっと死ぬ気でやってきたことを簡単にこなされると落ち込むのは人間として仕方ないことでもあるということで。中でもすでに今日の分の朝練のメニューを終えて横でストレッチしていた、元から運動に親しんできていなかった花陽、ことり、穂乃果が多少落ち込んで、憧れの視線で絵里を見る。それに気が付いて、絵里と鷹也は顔を見合わせて苦笑い。
「大げさよ。これくらいみんなならすぐにできるわよ。」
「そうだよ。人によって得意不得意はあるもんだし。みんなもこなせるようになってるんだから大丈夫。」
「そうかなぁ……」
「そうよ。私はずっとダンスやってたからこういうのに慣れてるだけだもの。慣れてないなら仕方ないわ……ほら、希!あとちょっとよ!!」
絵里が声をかけると同時に希が階段から上がってくる。そして力尽きたようにその場に座り込む。
「慣れてないとこんなもんだよ。」
「「「なるほど……」」」
「こんなもん……って…なんか…ひどいんやない……?」
さすがにまだ慣れ切ってはいないのだろう。片手で指し示す鷹也と納得したような3人に多少息を乱しながら希は苦笑する。それでも希もすごいほうだろう。絵里と違って運動に親しんできたタイプではないだろうに、ちゃんと練習について来ている。
「はいはい、ほらちゃんとストレッチしないと怪我するわよ。」
「え~……もうちょっと休ませてくれても……」
「だめ。ほら行くわよ。」
「えりちの鬼……」
そんな会話をしながら日陰に歩いて行く2人とそれについていくことりたちを見送ってから鷹也はタイムを記録しておく。この階段ダッシュは基礎体力作りのためのものだ。最近の記録を見ても、この分なら基礎体力に関してはだいぶ良くなってきているだろう。
「さ、次の人。スタートするぞー。」
「はーいっ!凛の番ー!!」
「げ……」
「にこ先輩?なんでそんな顔?」
「いや……何でもないわ……」
そして次は凛とにこの番。走ることが基本的に好きな凛はいつも通りやる気満々。一方にこは顔をしかめつつも、何でもないと誤魔化してスタート位置に。にこの気持ちが察することができた鷹也は苦笑してにこに確認する。
「組み合わせかえてあげようか?」
「冗談じゃないわ。いいから早く合図しなさいよ。」
「おお……にこ先輩がやる気にゃ……。よし!凛も頑張るにゃ!」
「え…………あの、やっぱり……」
「よーし、行くぞー」
「ちょっと!!!!」
俄然やる気になった様子の凛に顔を引きつらせて、にこは鷹也に話しかけるが鷹也は無視。変えなくていいと言ったのだから、今更変更は認めない。スタートの合図をする。
「いっくにゃー!!!」
「ちょ……はやっ!……あーもう!!分かったわよ!やってやろうじゃない!!」
「おー……早い早い。別に競争ってわけじゃないんだけどなぁ……」
「にこ先輩は負けず嫌いですからね。」
先ほどの絵里よりも早いスピードで走り出す2人を見て苦笑していると、次は自分たちの順番だと思って近くで待ってようと思ったのか。海未と真姫が近づいて来る。
「負けず嫌いはいいことなんだけど……さすがに星空さん相手じゃ分が悪いな。」
「っていうか勝てないわよ。さすがに凛が早すぎるし……」
「言うわりに西木野さんも星空さんと走ってる時はムキになって追いかけてるけどね。」
「べ、別に私はムキになんか……」
「はいはい、海未もそんな感じだよな。」
「まあ……さすがにずっと負けっぱなしは悔しいものがありますから。」
鷹也はものすごく楽しそうに走る凛とすでに苦しそうなにこを見ながら2人とそう会話する。基本的にこの練習は毎回組み合わせを変えて行っている。組み方はローテーションを適当に決めた。すると想像してなかった事態が発生。凛は陸上の経験があったようで、持ち前の運動神経も併せてこんも階段ダッシュに関してメンバー1の速さを誇っている。その凛と一緒に走ることになったメンバーが凛に負けないよういつもよりムキになるのか、タイムが伸びるのだ。その分、凛と走ったメンバーはもれなくしばらく動けないとう状態に陥るのだが。だからにこは少し顔をしかめたのだろう。否が応にも凛に負けたくないという思いが出てしまっていつも以上に体力を使ってしまうのだから。
「まぁ、いいことだよ。ギスギスしないライバル関係って。」
「ライバル関係とはなんか違う気もするけど……」
真姫にそんなこともないよと言いながら、走る凛とにこに声をかける。すでに少し遅れ始めているが、にこも必死に凛の後を追いかける。
「みんながそれぞれにお互いの目標になりながら進んでいくってのはいいことだよ。」
「……そうかもしれないわね。」
これまで自分だけで進んできたからこの感覚にまだ困惑しているのだろう。なぜか渋々といったように認める真姫に海未と2人で苦笑しつつ、ゴールっ!と言いながら息を乱しながらも笑顔で階段を上りきった凛とそれから少し遅れて息も絶え絶えになりながら自己ベストタイムでゴールしたにこにタオルを渡してやり、他のメンバーのところでストレッチしてきてと伝える。
「さ、海未、西木野さん。負けてらんないよ。」
「そうですね。やりましょうか。」
「負けてらんないも何も負ける気ないわよ。」
そう言って海未と真姫がスタート。負けず嫌いというかなんというか。このメンバーたちの強い意志のようなものに感心しつつ朝練は進む。いい状態で彼女たちは進んでいた。前に、前にと。そんな感じの練習が毎日続いていた。
そのように練習が進んでいっているその日の夜。鷹也はリビングで今か今かと母のひな子の帰りを待っていた。ことりはいつも通りにすでに部屋にて寝てしまった。今日は会議の結果が分かる日。おそらくは大丈夫だろうが。できれば自分だけで聞いておいた方が万が一の時のためにもいいだろう。コーヒーを口に含んで大きく伸びをする。昨日の時点でできたライブの動画の編集はメンバーに今日の時点で確認してもらってある。後は最終確認もたった今終えたので後はアップするだけ。
「大丈夫……だな。よっし……」
そしてアップ完了。後は反応を見守るのみである。そして一端パソコンを閉じてコーヒーのおかわりを入れに立ち上がる。普段から飲んでいるせいでもはや眠気覚ましにもならないので夜に飲んでも大丈夫になってしまったのは幸か不幸か。なんとなく体には悪い気もするなぁなどとどうでもいいことを思いながら鷹也がおかわりを持って座ったところでひな子が帰宅した。
「おかえり、母さん。」
「ただいま。わざわざ待っててくれたのね。メールすればよかったわね。」
「ううん、さっきまで大学の課題やってたから大丈夫だよ。」
そう言って微笑む鷹也に、そうなのと笑ってひな子は座る。晩御飯はと聞く鷹也に後でいいわと言ってから、ひな子は言う。
「今日の会議。大丈夫だったわ。ありがとうね。」
「本当?よかった……」
昨日とは逆に鷹也が昨日のひな子と同じセリフを言って安堵の息をはくのを見てひな子は微笑む。昨日の時点で鷹也も大丈夫だとは思っていたのだが、さすがに正式に聞くまでは不安だったのだ。
「あのアンケート結果ならばまだ見送りでいいとの判断よ。」
「まぁ、とりあえずはなんとかなったか……」
そう言ってから鷹也は難しい表情をする。なんとかなったとはいえ、まだ見送りになったという段階だ。これで安心してもいられない。しかし、そんな鷹也を見てひな子は安心させるように言う。
「とりあえずは何とかなったのだから喜んでおいてもいいんじゃないかしら。鷹也も頑張ってくれたものね。」
「……俺は何にもしてないよ。頑張ったのはあいつらだよ。」
頑張ったのは彼女たち。アドバイスしただけの自分はいなくても……。そこまで考えたところで首を横に振って考えを打ち消す。この考えは持っていてもなるべく意識しないようにしなくてはいけない。この考えを前面に出しすぎると妹が、あの子たちが悲しんでしまう。そんな鷹也の様子を見て、ひな子は優しく微笑む。
「なら、あの子たちのためにも喜ばなくちゃだめよ。頑張りは肯定されるべきものよ。」
「……ことりと同じようなこと言うね。」
「親子だもの。鷹也もことりも、私の大事な子供だもの。」
そう言って微笑むひな子に鷹也は苦笑する。
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
その次の日の朝練。鷹也はオープンキャンパスの結果を9人に伝える。
「……というわけで音ノ木坂学院は来年度の生徒募集取りやめを見送ってまだ様子を見るそうだ。」
「ってことは……」
「穂乃果ちゃん!」
信じられないといったように顔を見合わせるメンバー。そこに鷹也は笑いかけて言ってやる。これまでは自分たちの活動が役に立っているか分からない部分もあっただろう。でも、今回は完全に彼女たちの頑張りの成果だ。
「よく頑張ったな。みんなのおかげだよ。」
「「「やったー!!!!!」」」
喜びを分かち合う彼女たちを見て微笑む。アンケートの結果をみた自分には分かるのだ。彼女たちの頑張りははっきりと認められていた。彼女たちのライブを見て入りたいと言ってくれている子もいたのだから。そこでことりがこちらにも笑顔を見せて口を開く。
「お兄ちゃんもありがとう!」
「え……?いや、俺は何にもしてないよ。」
一瞬あっけにとられるも、すぐに納得して首をゆっくりと横に振る。自分はお礼を言われるほどのことはできていない。むしろ彼女たちに悪影響を与えかけていたのだ。それでもことりはそうは思わないらしい。一歩鷹也に近づいて言う。
「ううん。お兄ちゃんがいてくれたから頑張れたんだよ。前も言ったでしょ?だから……」
ありがとうございます!
後ろに並んだメンバーもことりに合わせて言うのを聞きながら、それなら自分も前から彼女たちに自分は何もしていないと言い続けているんだけどなぁと思いつつ鷹也は苦笑する。どうせ聞き入れてくれないのだろうなと思う。
「……まあ、でも安心してる場合じゃない。喜んでもいいけど、気持ち切り替えて。」
だから話をそらす。自分はそこまで思ってもらえる人物だとはまだ思えないのだ。思う気もない。でも、それを言ってことりたちを悲しい表情にするのもやめることにしている。だから話題をそらすしかなかった。そんな鷹也の様子が気に入らなかったのか。結局不満げな、悲しそうな表情になる2年生3人に苦笑しつつ鷹也は言う。
「まだ廃校の可能性がなくなったわけじゃない。まだ目標は達成してないだろ?」
「……そうですよね。まだ頑張らなくちゃ……」
「と言っても背負い込みすぎなくてもいいからね?」
そう言って絵里に釘を刺しておく。これからは自分も見てるし、他のメンバーもいるから大丈夫だとは思うが。そして9人を見まわして言う。
「とりあえずの危機は回避したんだ。みんなの活動は確実に効果が出てる。だから……」
真剣な表情の9人を見つめる。嬉しいだろう。自分たちの力が、成長が感じられて。でも、慢心している者はいないようで鷹也は笑う。喜び終わったら次だ。まだやることは残ってる。
「ラブライブ。スクールアイドルの祭典。出場して廃校の可能性なんかなくしてやろう。いいな?」
「「「おー!!」」」
元気よく片手を挙げるメンバーとそれにつられたのか、少し遅れて小さく片手を挙げる真姫に苦笑しつつ練習開始を指示。ストレッチをするメンバーを見つつ、鷹也は階段の周りの石を確認する。これからだ。確実に彼女たちの頑張りは実り始めている。その頑張りを無駄にしないためにも、これからの活動をさらに頑張って行かなくては。
そうしてモチベーションも上がった状態で朝練が終わり、鷹也は大学へ。講義室にてノートなどの準備をしていると和樹と会った。お疲れーと言いながら片手を挙げる和樹に答えつつ隣の席を空けてやる。
「お、サンキュー。てか動画、見たけどメンバー増えてんじゃん!しかも可愛い!!」
「……本当に一気にテンション変わるな。」
「まあ、好きだからな。」
なぜか自慢げな和樹に呆れつつ、鷹也は口を開く。
「まあ、2人増えたな。ホームページにもプロフィールのせたろ?」
「見た見た!!2人ともいいな!!絵里ちゃん可愛いなぁ……希ちゃんもいいけど絵里ちゃんのスタイルの良さは反則だろう……」
「おーい、帰ってこーい。自分の世界にいくなー。これから講義あるぞー」
わざとだろうとは思うが悪ふざけに乗っかって鷹也は和樹のことを軽く揺さぶる。鷹也のそんな様子に、仕方ないだろう。あれはずるいわ。と言いながら和樹はこちらにもどってきて言う。
「それにしてもすごいな。またランキング上がってたぞ?」
「ほんとか?最近忙しくてみてなくてさ。ラブライブの出場権は20位以内だけどまだそこまではいってないだろうし……150位いけばいいほうじゃないか?これまでのランキングの状況から見て……」
「50位だったぞ。」
「え?」
聞き間違いかと思いつつ、鷹也は和樹の顔を真顔で見つめ返す。すると和樹は顔をしかめる。
「なんだよ。男に見つめられて喜ぶ趣味は俺にはないぞ?」
「違うっての!ってかえ?何位って言った?」
「だーかーらー」
ちゃんと聞けよと言うように和樹は少し声を大きくして言う。
「50位だって。50位。」
「へぇ~……50位かぁ……って50位!?」
「おお、鷹也のキャラ崩壊。ノリ突っ込み始めてみたかも。」
くだらないことで感心している和樹は無視して、手元の携帯でサイトを開く。そしてμ’sのページを見てみるとそこには、はっきりと記される50位の順位とCongratulation!!の文字。そこに表示されているその現実に頭がついていかずに、呆然とつぶやく。
「本当だ……」
でもなんでとも思う。確かに人気も出てきているし、新しい動画をあげたさいにはいつも大幅に順位を上げていた。しかし、ここまで一気にあがるのには理由があるはず。その疑問を察したのだろうか。鷹也のことを面白そうに見ていた和樹が口を開く。
「絵里ちゃんも希ちゃんも3年生だし、大人っぽくてスタイルいいからな。その新しく加入したメンバーのおかげで男のファンはもちろん。今まで少なかったかもしれない女のファンも増えたんじゃないか?」
「そういうことか……」
和樹の言葉に納得しつつ、いまいち唐突すぎて現実味が感じられずにあっけにとられながら昨日投稿した動画を見てみると、すでにすごい勢いで再生されておりコメントも肯定的な内容のものばかり。そこには和樹の言う通り、新メンバーの絵里と希について書き込んである女性のコメントらしきものも多く見られた。そんな鷹也を見て和樹は笑いながら、でも真剣に言う。
「ここからが大変とはいえ、勢いは完全にここ最近で1番。鷹也、お前の妹たち、もしかしたらあるぞ。」
「………いける。この調子なら……」
和樹がそう言ったところで講義室に教授が入ってきて授業を開始する。正直ここまで上手くいくとは思っていなかった。彼女たちの頑張りは想像以上に認められ始めている。鷹也は、授業に集中し始める和樹を横目に、講義室に入ってきて講義を始める教授の話も気にせずに携帯の画面を見つめる。
(この調子なら上がっていける。このまま……)
希望が見えてきていた。この調子でいけばラブライブ出場も夢ではなく、音ノ木坂の廃校阻止も見えてくる。ゆっくりと現実味を帯びてきたその目標に、鷹也はようやく目の前の動画、50位という現実をようやく把握。そして小さく机の下でガッツポーズをとった。これならなんとかなる。そう思ったのだが。
「バカバカしい。やってらんないわよ、こんなこと。」
「……なにやってんの?」
「……た、鷹也さん……?」
放課後。いつもより遅い時間に音ノ木坂学院に向かう途中。秋葉原の町ににいたメンバーににこやかに笑いかける。見たところことりがいなくて1人足りないようだがそんなのは今はいい。ようやく希望が見えてきたと少し喜んだのだ。講義の最初を聞かずに小さくガッツポーズまでしたのだ。にも拘わらず。
「えーっと……これは……」
「そりゃあばかばかしいよな、西木野さん。そろそろ暑くなり始めるだろうこの時期に黒い冬用コートにマフラー。マスクにサングラス。」
「そ、そうね………」
「一応聞こうか。誰が言いだしたのかな?」
全員の視線がただ1人横並びのメンバーの向かいに立っていたツインテールの少女に向く。びくっと反応して恐る恐るこちらを見るその少女にもう1度にっこりと微笑んでやる。もちろん自覚はある。目は笑っていない。
「矢澤さん、これは何かな?」
「た、鷹也さ~ん。顔が怖いよ?もっとにこにこしなきゃ!ほら、にっこにっこに~……?」
「不審者にそんなこと言われたくない。」
「不審者……!?」
後ろで数人ショックを受けている気がするが気にしない。道のど真ん中で、集団でこんな格好している人たちが不審者でなくてなんだと言うのか。鷹也は額に手を当てて大きくため息をつく。
「あ、あのぉ……」
「とりあえず着替えて来い。どうせ着替えも持ってるんだろ。」
「で、でも……」
「矢澤さん。」
「ひゃ、ひゃいっ!!」
何か言おうとするにこを止める。怯えながら返事をするにこに鷹也は言う。
「いいから行ってこい。」
「……わかったわよ~、もう!!」
「ほら、みんなもさっさと行ってくる!!」
「「「は、はい~!!!」」」
逃げるようにかけていく少女たちの不審者感満載の後ろ姿を見ながら、あきれる。せっかく順位が上がってきたと思えばこれである。あれじゃあ悪目立ちして悪い評判が立ちかねない。
(せっかく希望が見えてきたってのに……たまにこういう変なこと思いつくからもう……)
これからもまだまだ大変そうだなぁと鷹也は着替え終わって彼女たちが出てきたらどうしようかと考えながら小さくもう1度ため息をついた。
いかがだったでしょうか。楽しんでいただけたのなら幸いです。
UAの伸び的に次はおそらく番外編になると思います。
まだどんなネタにするか決めきっていないので、少し更新遅れたらすみません。
そしてすごく今更ですが、ことりのお母さんの名前って公式で出てないんでしたね。
なぜかすぐに浮かんだこの名前がしっくりきすぎてて公式でこれじゃなかったっけと勘違いしてました。
昔、他の作者さんの作品を読ませていただいた際に同じ名前を見かけた気がするのでその影響っぽいです。最近気が付いてしまってどうしようってなっております。変えようかな……でも今さら変えるのもなぁ……って感じです。どうしよ……
それと、Twitter始めようか悩み中。
タグ付でつぶやくみたいなのが更新するたびに出てきて気になって……笑
SNSは苦手なので始めるか未定ですが、始めるならば活動報告で書かせていただきます。
後書きに書かんでもいいこと多く書いてしまいすみませんでした。
お気に入り、UAともに伸びていて読んでいただいているかたに感謝の気持ちでいっぱいです。感想や評価もお待ちしています。
それでは長くなりましたが次回もよろしくお願いします。