話にどう主人公を絡ませるのかが難しいです……
あと希の口調が難しいです……
小説って難しいです……
でも頑張って書きました。どうぞご覧ください。
※あ、安定して話はなかなか進みません。
あれから1日あけて2日目。海未は何とか作詞を終え(まさかこんなに早く、しかもいい物を作るとは思っていなかったのでおどろいた)あとは曲をつけるだけと言う段階なのだが、未だに作曲をお願いした女子生徒(ことりから聞いたところによると西木野真姫という名前らしい)からいい返事はもらえないでいるらしく、とりあえず既存のスクールアイドルの歌で歌の練習、基本のステップでダンスに慣れる練習、そして朝と夕の階段上り下りの練習を繰り返していた。そんな時の放課後、やけに沈んだ様子の3人が神社の階段に姿を表した。飲み物を差し入れようと先についていて待っていた鷹也はその様子に気が付き、声をかける。
「どうした?やけに暗い雰囲気だな?」
「あ、お兄ちゃん……えっと……」
こちらに気が付いた3人だがその様子はどこかおかしい。こんな状態で練習を始めて怪我でもしたら大変なので、とりあえず鷹也が話を把握することにした。
「……というわけでして……。」
「なるほどね。それでこいつはこんなにへこんでんのか……」
海未の説明を聞いて、鷹也は珍しく元気のない穂乃果に視線を向ける。どうやら今日の昼休み、例の生徒会長に厳しく言われてしまったらしい。曰く、これまでスクールアイドルのなかった音ノ木坂学院でスクールアイドル始めてみました。ダメでした。なんてことになったら周りはどう思うかとのこと。さすが生徒会長、正論である。そのことは3人も分かっているようで、だからこそ頑張っているという自信があるだけではだめなのだと沈んでしまっているのだろう。曲がまだ決まっていないというのも原因の一端か。
「ま、生徒会長さんの言うことは正論だよな。」
「うん、それは分かってる……」
鷹也の言葉にうつむきながら穂乃果が答える。らしくないと思う。穂乃果の単純な性格上、気持ちが沈むときは結構沈むことも、すぐにその明るさで自分でポジティブな方向にすぐに切り替えることができることも知っている。この気持ちが沈んでる状態も穂乃果の一面ではあるのだ。でも、自分で切り替えるだろうとわかっていても、少しでも沈んでいるその穂乃果の状態は鷹也からすれば穂乃果らしくない、その状態でいてほしくない、そう思うのだ。
「でも、なにもやらないよりはマシだろ。」
「え……?」
だからそう言って後押しをする。意外そうな顔で鷹也を見る穂乃果だが、鷹也は励ますためだけでなく本心でそう思っている部分もあるのだ。これまで、理事長である母と様々な案で学校の廃校を防ごうとしてきた。でも、その案の中にスクールアイドルなんて案は絶対になかった。リスクを考えるとあったとしても却下していたかもしれない。でもこの3人は頑張ると言った。そしてリスクは高いが成功すればその成果は大きい。その決断をしてくれたこの3人のことは応援していたい。
「ここでお前らが諦めたら何も残らない。失敗した時のリスクは高いかもしれないけど、まだ失敗してない。なら成功させればいい。簡単に考えすぎてたと思うならもっと考えろ。真剣だったのは分かってる。でも、足りないのならもっと真剣にもっとやることをやりきれ。」
「お兄ちゃん……」
「まだやり終えてもないのに後悔しない。とりあえず、練習して、なんとか西木野さんを説得して曲かいてもらってからだ。」
「そう……だよね!うん!頑張ろう!海未ちゃん、ことりちゃん!」
「うん!」
「はい!」
3人の顔に笑顔とやる気が戻る。鷹也にとって妹と妹のような存在なのだ。鷹也としてもこの3人には笑顔でいてもらわないと調子が狂う。まだ不安はあるだろう。しかし、なんとか元気を取り戻し、いつもの練習を再開した3人を見守りながら鷹也は考える。
(かと言って時間がないのは事実。他のアイドルの歌を使うことも考えなくちゃな……)
3人もそれは分かっているようだったが、ただでさえ埋もれてしまう可能性のあるスクールアイドル活動で他のスクールアイドルの歌を使うのは正直インパクトもないし、避けたいところである。だが、このままずるずるとオリジナル曲にこだわって本番でグダグダ、もしくは歌が決まってないなんてことになってはそれこそ最悪である。まだまだ問題はたくさんだ。鷹也はどうするかなと考えながら空を見上げる。春になりだいぶ日も長くなってきたそこでまだ一番星の光は目に入らない。
次の日の放課後。週に2回あるダンスサークルに顔を出すべく、大学構内を歩いている時だった。突然ポケットで振動し、メッセージが届いたことをスマートフォンが告げた。確認すると差出人はことり。
『お兄ちゃん!グループ名応募の紙あったよ(^o^)/!』
そのメッセージとともに添付された画像。そこにはピンクの紙が1枚映っており、何か文字が書かれている。
「ゆー……いや、『μ’s』(ミューズ)?」
「なんだ?せっけんか?」
「うおわ!びっくりした……。和樹か、急に後ろに立つなよ……」
ごめん、ごめんと笑いながら返すのは北岡和樹。シルバーフレームの眼鏡と茶色の短髪が印象に残る、鷹也と同じダンスサークルのメンバーである。
「で、ミューズって石鹸がどうかしたのか?」
「石鹸じゃないよ。スクールアイドルのグループ名。」
「へえ……そんなアイドルいたっけかな……」
和樹はそう言って考え込む。和樹はスクールアイドルにはまっており、今ではいろいろなスクールアイドルのライブにも参戦するほどの熱狂的なファンである。鷹也もたまに話を聞かされていて、ほとんど聞き流していたが、一番話に多く出てきたのはやはりA-RISEだったような覚えがある。
「ああ、まだグループ名も決まったばっかの出来立て。」
「へえ、そうなのか。でもなんでそんなのをお前が考え深げにつぶやいてたんだ?」
そうなるよなあと鷹也はため息をつく。隠すことでもないのだが、あまり積極的に話す段階でもないだろう。なにせまだ学校に認可されてすらいないのだから。とはいえ誤魔化すのも不自然だろう。口止めすればいいかと鷹也は早々に諦めてある程度正直に話すことにする。
「妹がスクールアイドル始めるんだとさ。まだ学校に申請できてもないから仮だし、あんまり周りに話すなよ?」
「そうなのか。まあ、スクールアイドルはアイドルである前に学生だからな。学校の許可がなくちゃ何ともならないだろ。」
別に言いふらしはしないから安心してくれと言って和樹は早々にその話題に興味をなくしたようだ。まだ活動できないスクールアイドルなのだからファンになるもなにもないのだから当然なのか。意外にあっさり終わったことに安堵しながら、鷹也は和樹との会話を続ける。
「そういえば沙希先輩、退院決まったとさ。さっき先輩たちに聞いた。」
「そうなんだ。先輩が入院してるとこって西木野総合病院だっけ?退院決まったなら一応お見舞いもかねて顔を見に……」
「鷹也?」
沙希先輩という先輩は最近体調を崩して、先輩自身は大したことはないと言っていたが検査入院という形でだが病院に入院していた。その先輩の入院先が西木野総合病院。そしてことりたちが作曲を頼もうとしている女子生徒の名前は
(西木野真姫……まさかあの子が……?)
「おい、鷹也!どうした?」
「ん?あ、ああ、ごめん。」
考え込みそうになった鷹也だが、とりあえず和樹の話に戻る。頭の中では過去に1度だけあった場面を必死に思いだそうとしていたが。
過去に1度だけ。たった1度だけ母親の昔の知り合いだという人が南家に来ているのに鷹也は遭遇したことがある。いつだったかも覚えていないが鷹也がまだ中学生1年生とかの時のことだろう。西木野さんという名前で病院の人だと、その時母から聞いたことは覚えている。そしてその来客にくっついて来ていた少女がいたのだ。ことりはその時にはすでに外に遊びにでており、名前も知らないその少女は退屈そうに母親の隣に座っていた。あまり知らない人と長時間話すこともしたくないと鷹也はその少女に話しかけることはせず、お辞儀だけしてリビングから出ていったが、その時後ろから聞こえてきた声はなんと言っていただろうか。
「鷹也、最近人見知りが増えたのよねえ……」
「まあ、あの年の子供はそんなものよ。」
「そうかしらね。まあ、もとからそんなに積極的に人に話しかける子じゃないんだけどね。どちらかといえば聞くタイプの子で。あ、真姫ちゃん、お菓子いる?」
そう言っていなかっただろうか。あまり長くは見なかったが思い出してみるとそこはとても鮮明に印象に残っている。幼いながらもきれいに整った可愛らしく、小学生にしてすでに将来とても可愛くなるんだろうなと感じさせる美貌を持っていたあの少女。西木野総合病院の院長の奥さんであろう人の娘であろうあの少女。あの少女を自分の母は「真姫ちゃん」と呼んだ。つまりは……
「西木野真姫か……」
サークルの活動の切りのいいところで終了し、今日も神田明神の階段で練習しているだろうことりたちの元へ飲み物片手に向かっている最中に、鷹也は昔のことを思い出してそう呟いていた。すでに夕方の日の暮れ始める時間。辺りは夕焼けの染める茜色に染まっている。すでにことりたちは練習を開始しているだろう。
(美人、病院の跡取り、ピアノと歌もうまく、病院の娘ということなら頭もいいだろう。絵に描いたように完璧な子だな……)
そこまで完璧ならばおそらく作曲に関しても才能があるだろう。鷹也の勝手な想像だが。断られ続けている理由は分からない。だが、その子は放課後、音楽室でピアノを1人で弾いて歌っていたと穂乃果は言っていた。その歌が、ピアノが上手で作曲を頼みたいと思ったとも。では、その子が1人でいたのは偶然だろうか。人は才能という物に憧れ、尊敬し、妬み、うらやむ。その有り余る才能がその少女を傷つけたのではないか。そのために放課後、1人で音楽室にいて、近づいてきた穂乃果にもそっけない態度をとることとなっているのではないか。
(なんてな。これは完全に勝手な妄想だな。)
鷹也はそこまで考えて思いなおす。今考えても詮無きことだ。西木野真姫という少女に関しては会えない以上鷹也にできることはなく、穂乃果や海未、ことりに任せることしかできないのだから。そう思って、ちょうど神田明神の階段の前に到着した時、
「きゃあああああ!!」
響く女の人の悲鳴。鷹也は何事かと焦って駆け出す。意外とすぐそばで聞こえたその悲鳴の発信源にたどり着くと、そこでは
「わしわしわし~~!!」
「な、なにすんのよ!!!」
痴漢行為を平然と行う希と見たことのあるような制服姿の女子がいて
「……なにしてんの?」
「「え?」」
鷹也の問いかけに、片や面白そうな表情で、片や顔を真っ赤にして振り向いた。
「もう!ホントにイミわかんない!!」
「どうどう、落ち着いて落ち着いて。」
「落ち着いてってアンタ誰よ。知らない人が混ざってこないで!」
「……希、助けてくれ。」
とりあえず鷹也は怒っている様子の少女を落ち着かせようとするが早々に断念。知らない人である鷹也の話は聞いてくれそうもないので希に助けを求める。すると希はうなづき、少女に語りかけはじめた。
「まだ発展途上と言ったところやな。でも、望みは捨てんでええよ。大きくなる可能性はまだある。」
「なんの話よ!」
「希……これ以上ややこしくしないでくれないかな……」
希に助けを求めたのが間違いだったようで、その少女の怒りが収まる様子はない。そりゃあ女性特有の部分をわしわししていたあの状態からそんなことを言われたら怒るのも当然だろう。話題も話題であるし、こんな居づらいところいないで、もう無視してことりたちの練習に向かおうか。そう鷹也が現実逃避も考え出した時、希がその少女に先ほどより真剣な表情で声をかける。
「西木野さん、恥ずかしいならこっそりという手もあると思うんや。」
「な、なんのことよ……」
「わかるやろ?」
希はそう言うと鷹也に向き直る。
「じゃあ、鷹也さん。あとよろしく頼むね。」
「え、ちょ……希!?」
そう言って境内に戻っていく希を呆然と見つめる2人。鷹也はどうすればいいのかと途方にくれながら横の少女を見る。先の希の言葉を聞くに、この少女が西木野真姫という子なんだろう。実際に目にすると分かる。先ほど思い出した記憶。その時の少女だ。その真姫は何事か考え込んでいたようだが、鷹也の視線に気づくとこちらをジト目で見返してくる。
「なによ。なんか用?」
「あ、いや……西木野さん?っていうんだよな。俺は南鷹也。あそこにいるスクールアイドルの南ことりの兄なんだけど……っておい、ちょっとどこ行くんだよ!」
「帰るのよ。あの人たちの関係者なら言ってくることは分かりきってるし。」
気づいたら見つめていたことを感づかれ、すこし焦りながらも自己紹介をしようとした鷹也を無視して真姫は歩き始める。慌てて追いかけると渋々といった様子でこちらに振り向いてくれた。任せるしかないと思っていたことをサポートする機会が、偶然真姫と会えたことでできたのだ。逃す手はない。
「あいつら、遊びでやってるんじゃないんだよ。周りから見るとそう見えちゃう部分もあるけど、あいつら本当に一生懸命にやってるんだ。だから……」
「知ってる。」
「だから曲かいて……ってえ?」
「だから知ってるって言ってるの!バカみたいに何度も何度も頼みにきて、今回で断られたら止めるからって来てみてって言われたから帰り道の途中だし、別に見る気はなかったけどたまたまちらっと視界に入ったから知ってるわよ!」
顔を真っ赤にしてそう言いきると今度こそ話すことはないと鷹也に背を向けて歩きだす。どうやら今回は鷹也のサポートなんていらなかったらしい。なぜなら、真姫は音ノ木坂学院から家に向かう途中にこの場所を通ったらしいのに真姫が向かった帰り道は音ノ木坂学院のある方向であり、振り向きざまにつぶやいた言葉はとても小さかったが鷹也にはきっちり聞こえていたから。
「そっか。口調はきついし、希にも強くあたってたけど……根は優しい子なんだな。」
どうやら作曲の問題は解決しそうだなとかやっぱりさすがに覚えてないよなとか思いつつ、幾分軽くなった足取りで、軽いどころか足が重くて動けないよ~とかなってるであろう2人と鬼教官となっているであろう1人の元へ向かう。その少女たちはこれからさらに頑張らなくてはいけなくなるのだ。しっかりと差し入れを持って行ってあげなくては。ふと顔を上げる。
『あんなに真剣に頼まれて、あんなに頑張ってるところ見せられたらしょうがないからやるしかないじゃない……』
真姫の言葉で先に進むことができるかもしれない。茜色から少しづつ黒に染まる空には、弱く、だがしっかりと一番星が輝いていた。
やっと真姫ちゃん登場。凛ちゃん、かよちん、えりち、にこ推しの方々もう少しお待ちください。このペースだと全員出てくるまでかなりの時間が……
お気に入り登録していただいた方本当にありがとうございます。ほんとに嬉しく思ってます。
※途中で出てきた和樹くん、沙希先輩がこれから話に出てくるかは全くの未定です。出てくるといいなあ……