小鳥が大きくなるまで、いつもそばに   作:雪詞

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あけましておめでとうございます。
新年とついでにUA50000記念の番外編です。
3時間ほど間に合わなかったですけど大丈夫です。まだ三が日です。きっとセーフ。

今回の話はμ’sのお正月の話。いつも通り本編とは何ら関係ないです。
話の構成に違和感があると思いますが、それぞれのメンバーにそれぞれあるセリフを言わせたかったのでこの構成になりました。
このセリフを言わせるがメインだったので話の面白さ、読みやすさは度外視です。ご了承ください。

それでは新年最初の投稿。
ご覧ください!


番外編:彼と彼女たちの年初め

『あけましておめでとうございます!!』

『いえーーーい!!』

 

アイドルをやっている人とその身近にいる立場の人が多い家庭だ。年末恒例の笑うとしばかれる番組ではなく、年越しは複数組のグループのアイドルが行っているカウントダウンライブを見て過ごしていた。

 

「ん~……あけましておめでとう、母さん。」

「あけましておめでとう。」

 

テレビの中で楽しげにパフォーマンスするアイドル達とそれを見て笑顔になるファンを見つつ、隣のソファに座っているひな子に言う。そして、できるだけ体を動かさないようにしつつ横を向く。

 

「すぅ……すぅ……」

「最近衣装作りで忙しかったみたいだものね。」

「そうだね。」

 

そこには自分の腕にもたれかかって眠る妹の姿。夕飯後にそばを少し食べているあたりにはまだ起きていたのだが、年越しの時間になる今にはもう気持ちよさそうな寝息をたてている。

 

「『年明けるまでは頑張って起きてるねっ!』って言ってたのになぁ。」

「ずいぶん気持ちよさそうに寝てるわね。どうする?」

「もうちょっとテレビ見てる。母さんは寝ていいよ。あ、出来れば毛布持ってきてくれない?」

「分かったわ。」

 

張り切っていたわりにはすぐに寝てしまっていたことを思い出して苦笑しつつ、起こさないように母から毛布を掛けてもらってテレビを眺める。部屋に戻るひな子にお休みと声をかけてから、隣で寝ている妹の頭を撫でる。

 

「んっ……みゅぅ……」

「まったく……」

 

新年早々に彼女らしいなと思う一面を見つつ、ゆっくりとした新年最初の時間は過ぎていった。

 

 

 

 

 

☆彼と彼女たちの年初め☆

 

 

 

 

 

年が明けて新しい1年が始まる。年があけるまで起きていた影響もあり、少し働かない頭で枕元の携帯で時間を確認する。

 

「真姫?まだ寝てるの?」

「う……ん〜……」

 

家族の前だからこその気の緩みのままに返事をしてベッドに潜り込む。年明けしてすぐの時点で穂乃果が送ってきたので、それにあわせてみんなにはあけましておめでとうの挨拶のメッセージは送っておいた。ならば特に問題は無いはずだ。

 

「お休みだし、もうちょっとくらい寝ててもいいわよね……?」

 

普段なら休日だろうと起きている時間ではある。でも、今日は1年の初めの日でみんながお休みの日。少しくらい自分に甘くてもいいだろう。

 

 

 

 

 

「ふわぁああぁ……」

「あ、起きた?」

「ふぇ……?」

 

寝ぼけた目でこちらを見ることりの髪を手ぐしで整えてやりながら鷹也は苦笑する。寝ぼけて目をこすりながら辺りを見渡すことりはここがソファなことに気がついて不思議そうな顔をする。

 

「おはよ。よく寝れた?」

「おふぁよ〜……」

「まだ眠そうだね。」

 

笑いながら言うと、ことりは再度欠伸をしながら軽く伸びをして、こてんともう1度鷹也のうでに頭をもたれさせる。

 

「もしかしなくても寝ちゃってたよね……?」

「そーだね。惜しかったね、あと少しだったのに。」

「ごめんね?疲れなかった?」

「大丈夫だよ。」

 

そう言ってことりの頭を撫でてやると、気持ち良さそうにことりは目を細める。しばらくしてようやく目が覚めてきたのか鷹也を上目遣いに見つめながらことりは笑う。

 

「新年初めからありがとね。」

「どーいたしまして。」

 

そう言ってやるとことりは腕に頬をすりつけてながら言う。

 

「あけましておめでとう。私は今年もお兄ちゃんと一緒にいたいなって思ってます。いい?」

「兄妹だからね。そばにいるよ。」

 

あけましておめでとう。今年もよろしく。と鷹也が微笑むと、ことりも本当に嬉しそうに満面の笑みを見せた。

 

 

 

 

 

新年早々に頭を抱える出来事が発生している。

 

「かーよちーん?」

「うむむむむ…………」

「むぅ……」

 

年初めだからこその悩み事。お嬢様である真姫などには関係ないかもしれないが、自分としては重要な案件だ。おみくじ、初詣に並ぶ年初めの最重要案件。

 

「あ、お餅だ!かよちんのお母さん!ありがとにゃ〜!!」

「え!?お餅!!ありがとう、お母さん!」

 

お餅を運んできてくれた母にお礼を言って、そのお餅を食べながら案件に取り掛かる。

 

「こっちの方が……でも、そもそもこれは……」

「美味しいにゃ〜」

「あ、これなら……」

 

しばらくそうしていただろうか。隣でお餅を頬張ってにこにこしていた親友がついに不満げに声をかけてきた。

 

「もう〜!かよちん、まだ福袋買うか迷ってるの?早く決めて凛と初詣行こうよー!!」

「あ、凛ちゃんごめんね……!でも、ちょ、ちょっと待って!」

 

凛に急かされて慌てて最初から手元の資料を確認していく。凛は退屈そうに腕を頭の後で組んでその様子を眺めていたが、だんだん興味を持ち始めたのか花陽の手元の紙を一緒に眺め出す。

 

「そんなに悩むことかにゃ〜?あ、これは?」

「ダメだよ、そんなに簡単に決めちゃ!どれがいいのか分からないんだから!う〜ん……お正月の福袋って、本当に福が入ってるのかな……うぅ……どうしよっかな……?」

「かよちんが本気にゃ……」

 

それから初詣に出発するまでは少し時間を要した。

 

 

 

 

 

「おはよ、絵里ち。」

「おはよう、希。待たせたかしら?」

「ううん、そんな待っとらんよ。」

 

待ち合わせをしていた親友に向かって微笑む。実際に特別待っていたわけでもない。2人で並びながら歩き出す。今日の予定は初詣。でも、今日は2人で行くわけではない。

 

「にこっち、忙しいんやね?」

「そうね。でも、行けないわけじゃなくてよかったわ。」

 

もう1人のμ'sの3年生の矢澤にこ。彼女は妹や弟の面倒を見なくてはいけないということで家にいるので時間になったら来てほしいとのことだった。最初は家に呼ぶのも嫌そうだったのになぁと感慨深く思いながら、にこの家に到着。絵里と共にインターホンを押す。すると

 

『あ!μ'sの皆さんですか?』

「こころちゃん?あけましておめでとう。にこっちを迎えに来たんやけど……」

 

そこから聞こえてきた声はにこの妹である矢澤こころの声。にこが出てくるものとばかり思っていた2人は顔を見合わせるも、希が代表して話を進める。

 

『あけましておめでとうごさいます!ごめんなさい、今お姉様は眠ってしまっていて……』

「そうなん?1年のはじまりやし、神様にご挨拶しに行こうかって言ってたんやけど……寝不足なんかな。」

『もう少しで起きると思うので中に入って待っててください!お母さんも今はちょうど買い物に行ってるので何もできないですけど……』

 

そういうこころに対して、本当にしっかりした子だなぁという感想を抱きつつお言葉に甘えて部屋に上がらせてもらう。

 

「あ!μ'sだ!」

「みゅ〜ず〜」

「あけましておめでとう、ここあちゃん、虎太郎くん。」

 

にこと同じような雰囲気の笑顔をこちらに見せる、にこの妹のここあと弟の虎太郎が絵里の言葉にあけましておめでとうございます!と返すのに微笑みつつ、会話をしようとしたところで隣の部屋のドアが開いて、見覚えのあるツインテールの少女が顔を見せた。

 

「ん〜……誰か来てるの~?」

「あ、お目覚めのようやね?」

「げ……」

「げ……って言うことはないじゃない。」

 

目をこすりながら出てきたにこに向かって、希と絵里は笑う。恐らく初詣の時間まで仮眠をとっておこうと考えていたら、つい寝過ごしたというところだろう。

 

「あけましておめでとう。ほら、寝てないで初詣に行きましょ?」

「そやんな。あんまり遅くなってもいかんしね。」

「分かってるわよ。ちょっと待ってて。」

 

それから少しこころ達と遊びながら待っていると、にこの母親も帰ってきたので挨拶をしてから初詣に向かうことにする。母に妹たちを任せて安心したにこもしっかりとついてきている。

 

「まさかこの3人で初詣行くことになるとはね。」

「μ's始めるまでは想像つかんかったね。」

「そうかもしれないわね。さぁ、早く行きましょ!さっそく初詣に行って、にこにーのニューイヤーキューティーをみんなにお披露目しなくちゃ!」

「「………………」」

「……寝坊したのは悪かったわよ。」

 

そんな会話をしつつ3年生の3人は神田明神に向けて歩いていった。

 

 

 

 

 

ようやく花陽が福袋を買うかの結論をくだし、花陽の母に挨拶をしてから凛は花陽とともに真姫の家の前にいた。初詣には向かうが、この少女も一緒でなくては。

 

「でも、凛ちゃん。真姫ちゃんから返信来てないしもしかしたら忙しいんじゃ……」

「そうなのかなぁ……でも、せっかく来たんだからとりあえず聞いてみよ?」

 

結局は年越しまで起きていられなかった凛は朝に珍しく早くの時間に起きたので、その時間に真姫と花陽に初詣に行こうとメッセージを送っていた。もちろんあけましておめでとうの言葉も添えて。しかし、その連絡に対して真姫からの返信はなし。不安に思いつつも、凛はダメもとで真姫の大きな家の門の横に付いているインターホンを押す。

 

『はい……あれ?星空さんと小泉さん?』

「は、はい!あけましておめでとうございます!」

 

名前をきちんと覚えられていたことに少し緊張しつつも凛は答える。真姫の両親とはほとんど面識もなく、こんな豪邸を持つお金持ちともなるとさすがに緊張する。しかし、真姫の母は少し笑いながら答える。

 

『ふふっ、緊張しなくてもいいわよ。あけましておめでとう。真姫に用事?』

「はい。初詣に一緒に行きたいなと思って……」

『本当?嬉しいわ。真姫ったらいつもなら友達と初詣に行くことなんてないから……今、まだ寝てるのよ。起こすから中に入って待ってて。』

 

そう言われて花陽と顔を見合わせる。真姫が他の人と話さないイメージがあるので初詣に誰かと行かないというのはまだ分かる。でも

 

「真姫ちゃん、寝正月……?」

「意外だにゃ〜……」

 

そんな真姫の意外な一面に少し驚きつつ、出てきた真姫の母親に家に入れてもらう。それから、顔を真っ赤にしながらでてきた真姫をなだめるのに少し苦労したのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

ことりが目をしっかり覚まし、鷹也は母の作ってくれた朝食を食べたあとに海未の家にことりと2人で向かう。幼なじみの3人は一緒に初詣に行くのは毎年恒例であり、その付き添いに鷹也がついて行くのも毎年恒例だ。待ち合わせ場所につくと、そこにはすでに海未の姿があった。

 

「海未ちゃん、あけましておめでとうっ!」

「あけましておめでとうございます。ことり、鷹也さん。」

「あけましておめでとう。」

 

海未に挨拶してから、今度は確実にまだ寝ているであろう、残りの1人のもとへ向かう。

 

「起きてないんだろうなぁ……」

「起きてないと思いますね。」

「穂乃果ちゃん、夜中まで起きてたみたいだもんね。」

 

穂乃果はただでさえ寝坊が多いのにも関わらず、年越しの瞬間にメッセージを送ってくるという確実に年越しまで起きていた証拠を残している。これで寝てないと思う人の方が少ないだろう。そんな会話をしつつ歩いていると、向かいから見覚えのある3人が歩いて来るのが目に入る。

 

「あ、みんな!あけおめにゃー!!」

「偶然ね。」

「みんなも初詣?」

 

そう言いながら近づいて来たのはμ’sの1年生組の3人。元気いっぱいな凛といつも通りの花陽に比べて、少し真姫の元気がないようにも見えるが気にしないようにしつつ、あけましておめでとうと鷹也とことりは新年のあいさつを返す。

 

「あけおめ……?凛、大切な言葉はきちんと省略せずに伝えましょう。あけましておめでとうございます。ですよ?」

「あ……うん、そうだよね。あけましておめでとうございます!」

「はい、あけましておめでとうございます。」

 

凛の挨拶に真面目な海未がそう返し、素直に凛が訂正したことで挨拶も無事終わり。少しテンションの低い真姫に首を傾げつつも、今から穂乃果の家に行ってから初詣に行こうとしていたことを説明する。

 

「毎年一緒に行ってるんだ~。せっかくだし、凛ちゃんたちも一緒に行かない?」

「ほんと!?行く行く!!」

「それじゃ、みんなで穂乃果を起こしに行くか。どうせ起きてないだろうしな。」

 

そうして計6人で穂乃果の家に向かう。会話しながら、どうせ起きてないんだろうなとそんな予感を感じつつ穂むらに到着。正月でも営業時間短縮で営業しているのでお店の入口から入っていくと、そこでは穂乃果の母が店番をしていた。

 

「あら、みんな。あけましておめでとう。穂乃果を迎えにきてくれたの?」

「あけましておめでとうございます。すみません、新年早々……」

「いいのよいいのよ。海未ちゃんとことりちゃんやμ’sのメンバーの子には穂乃果と仲良くしてもらって感謝してるし、鷹也くんがいたら安心だしね。」

 

鷹也の言葉に笑いながらそう返して、入って入って。と言う穂乃果の母の言葉に従って店の奥に。いつも穂乃果と雪穂がいる居間となっている和室の方へ向かうと声が聞こえてくる。

 

「ねえ、お姉ちゃんじゃま~」

「う~ん……お正月くらい、ゆ~っくり眠りたいなぁ……たまにはいいよね、雪穂?」

「も~、鷹也さんたち来るんじゃないの?そんな風にしてたらまた海未ちゃんとかに怒られるよ?」

「きっとまだ来ないから大丈夫だよ~」

 

そんな聞こえてきた会話を耳にして、全員で顔を見合わせて苦笑する。予想通りすぎる。

 

「ま、予想通りの穂乃果らしさよね。」

「寝正月しようとしてた真姫ちゃんがいうことじゃないにゃ。」

「え、真姫も寝正月しようとしてたの……?」

「意外ですね……真姫は新年なんて豪華な生活をしているものだとばかり思っていましたが……」

「真姫ちゃんでもそんな感じになるんだね……」

「え、あ、それは……も~!凛!余計なこと言わないでよ!!」

「み、みんな、そんなことより早く穂乃果ちゃんのところに行かないと、本格的に穂乃果ちゃんが寝ちゃうんじゃ……」

 

真姫の意外な正月の過ごし方に鷹也と海未、ことりが驚き、顔を真っ赤にして凛に真姫が抗議する中で控え目に言われた花陽の言葉に鷹也は頷いて、居間に入って行く。そこには

 

「あ、鷹也さん、それにみなさん。あけましておめでとうございます。」

「や、雪穂。あけましておめでとう。で、こいつは何やってるの?」

「こたつの中に逃げ込んで隠れようとして間に合わなかったんじゃないかな?」

「あっつい~!!!」

「そりゃそうなるわ……」

 

挨拶してきた雪穂に全員で答えつつ、中途半端に頭からこたつに潜り込もうとしていた穂乃果が暑さで出てくるのに苦笑する。何か小言を言われると思って誤魔化そうとしたのだろうが、雑すぎる。

 

「ほら、穂乃果。さっさと着替えて来い。初詣いくぞ。」

「……怒ってないの?」

「たまにはいいよねとか言ってたけど、μ’sの朝練を除いてゆっくり寝てる穂乃果の遅刻なんてたまにじゃなくていつもなんだよ。怒る気にもならない。」

「そうですね。」

「なんか複雑だよ……」

 

うなだれてから、ちょっと待ってて!と言って階段を駆け上がっていく穂乃果を見送り、鷹也は雪穂に声をかける。

 

「雪穂も行く?」

「ううん、今日は友達と行く約束してるからそっちで行くよ。」

「そっか。」

 

誘ってくれてありがとうと言って笑う雪穂と会話しつつ、少し待っていると穂乃果の準備も完了。ようやくそろったメンバーで初詣に向かった。

 

 

 

 

 

 

それから神田明神に向かうと、そこでまたも知り合いに遭遇した。よくしる3人はこちらに笑顔で駆け寄ってくると新年のあいさつをしてくる。

 

「偶然やね?みんなも初詣?」

「お兄ちゃんと穂乃果ちゃんと海未ちゃんと行こうって話してたら凛ちゃんたちに会ってみんなで行こうって話になったんだ。ってことは希ちゃんたちも初詣?」

「ええ、せっかくだし3人で行こうって話になって……」

「っていうか結局みんな集まってるじゃない。」

「それなら最初からみんなで行くことにすればよかったな。」

 

3年生3人にことりが事情を説明し、やれやれとでも言うように言ったにこに向かって鷹也が苦笑する。どうやら学年ごとには一緒に行く計画を立てていたらしいが、結局みんな偶然にも集まってしまったようだ。

 

「ねえねえ、希ちゃん。真姫ちゃん、寝正月しようとしてたんだよ!」

「ちょっと凛!それはもういいじゃない!!」

「へえ~……意外やね。でも、こっちでも1人寝坊した人がおるんよ?」

「そ、そんな人いたにこ?」

「にこちゃん、それじゃバレバレだと思うけど……」

「う、うるさいわね!」

「そうは言ってもこちらも寝坊した人はいましたけどね。」

「ふゅ~ふゅ~……♪」

「穂乃果ちゃん、口笛ふけてないよ~」

「真姫以外は何となく予想通りね……」

 

会話しながら階段を登っていくメンバーの背中を一歩後ろで見守りながら歩く。これまでは新年のこの初詣の付き添いは3人のためだけだった。前にある背中は3人分だけだった。でも、今自分の前にあるのは9人の背中。自分が見ていたいと、応援しつづけたいと思った9人の背中。

 

「まさか新年からこんな偶然集まるとはね……神田明神に来るってことはみんな同じだからそんなに確率低くはないのかな……」

「でも、なんかこれでよかったと思う!!」

 

鷹也の呟く声が聞こえたのか、穂乃果が階段を登りながら振り返る。その顔には満面の笑みが浮かんでいる。

 

「だって私、みんなと新年迎えれて、これからもずっと一緒な気がして……本当に嬉しいもん!!」

「……そうだな。」

 

みんなも穂乃果の言葉に頷いて笑顔になる中、分かったから、危ないから前見て登れ。鷹也はそう言って穂乃果に前を向かせて階段を登りきる。少し待って自分たちの順番。お辞儀と拍手の順番どうだっけ?と言っている穂乃果と凛に向かってみんなで確認しつつ、お賽銭をいれ、鐘を鳴らして、みんなでお願いをする。

 

(これからもずっと一緒ね……)

 

お願いをしている最中によぎる穂乃果の言葉。満面の笑みでそう言った穂乃果はそれを全く疑っていなくて、強い意志でそのずっと一緒を持とうとしている。そして、それが本当に嬉しいということも伝わってきた。この世にずっと続くことなんてない。何にだって変化は起こり続ける。それは分かっているからお願いする。神頼みをする。今年1年のお願い。

 

「お兄ちゃんは何お願いしたの?」

「う~ん……」

 

みんなが手を合わせ終え、お辞儀をしてから脇にそれたところでことりに聞かれて、鷹也は少し考え込む。言ってはいけないわけではないが少し気恥ずかしい。そう思って、少し悪戯っぽい笑みを作って言う。

 

「毎年同じく頼んでたことの量を少し増やした……かな。」

 

それじゃあ分かんないよ~と不満げな顔をすることりにこれ以上は教えられませんと言いつつ、願ったことを思い出して叶うように願う。新年早々、初詣で偶然全員揃うような子たちだ。きっとこれくらい神様も叶えてくれるはず。毎年お願いしていたのは『ことりが、海未が、穂乃果が今年もずっと一緒にいれますように』。そして今年は

 

(ことりが、海未が、穂乃果が、凛が、真姫が、花陽が、絵里が、にこが、希がみんな今年もずっと一緒にいれますように……それをずっと見守って、応援していけますように……)

 

これが鷹也の今年の願い。見守る背中が増えた、少し欲張りになった鷹也の願い。これから毎年続いていく願い。

 

 





はい、いかがだったでしょうか。
完全なるただの正月の日常でした。

セリフに関しては少し都合上変えていますが全員分出てきています。みなさん、何のセリフか気づきましたかね?

本来ならばUA50000の番外編は別に書こうとも思ったのですが、クリスマスの番外編も書いて、新年の番外編も書いてとなると番外編が続きすぎかなと思ってここにまとめさせていただきました。書いてほしいなどの要望があれば、お気に入り250件の記念として無理やり書きたいと思ってます。

ということでおそらく次は本編の更新になります。
感想・評価いただけると嬉しいです。

それでは今年も『小鳥が大きくなるまで、いつもそばに』をよろしくお願いします!
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