更新遅れてすみません……!!
まさかこんなに遅れるとは……
今週でようやくやらなくてはいけないことに一段落着いたので更新を再開できそうです。
そして番外編に関してですが、そう言えばVのつく例のあの日があることに気が付いたのでその日に関しての話をその日に更新できればと思っています。
というわけで今回は本編。久しぶりすぎて執筆が進まない進まない。後の大幅改稿に繋がらないといいなと切に思います。
鷹也は何もできないでいる中でまきりんぱな中心の話。
前回言っていたA-RISEのツバサさんが思いついたことというのに関してはもう少しお待ちください。
それではご覧ください!
その光景を凛は珍しいものだと感じた。近くの席に座る花陽も同じように感じたのか。視線を向けてみると、そこでは目を丸くしている彼女の姿を確認できた。
「………………………」
放課後も間近の6時間目の授業。昼ご飯後の授業を乗り切り、あとはこの時間を乗り切れば放課後になるという時間。1日授業を受けていて疲れている頭は働かずに放課後のことを考えてしまうのも仕方ないというものだ。実際にクラスの雰囲気は他の時間の授業時間よりは集中力に欠けている。
「……すみません、聞いてませんでした……」
だからこそ、こんな生徒が出てきてもしょうがないといえばしょうがない。先生に読む部分を指定され、当てられてどの部分を読むか分からずにこう言ってしまう生徒がでてきてしまっても仕方ないと言えばしかたないのだ。いいことではないのだがしかたない。だが、凛や花陽、そしてクラスの人間や先生にとってもこの状況は意外なものだったのだろう。
「え……ああ、西木野さん?どこを読むのか分からないってこと?」
「…………はい。」
真姫が言葉少なに返事をして悔し気な表情をしてうつむく。これがみんなが意外に思っている理由だ。そんなみんなの意外そうな視線にも気が付いているのだろう。真姫は余計に顔をうつむかせて唇をかみしめている。
「そ、そう。79頁の3行目からよ。」
「……はい。」
真姫が先生に指定された部分を読み始めたところで凛は花陽に視線を向ける。アイコンタクトで花陽も何も知らないということが分かる。真姫は普段から優等生だ。テストはいつも上位。それどころか満点。先生の評価も高く、授業中に当てられて答えられなかったことはない。先生としても、この生徒の集中力の欠ける時間でも真姫なら答えられると思っていたからこそあてたのだろう。
「はい、いいわ。ちゃんと授業は聞いててね?」
「……はい、すみませんでした。」
うつむきながらそう言って真姫が着席する。その様子を凛はじっと見つめる。その視線に気が付いたのか。真姫がこちらの方をチラリと見るが、その表情からは何も読み取れず。凛はそんな真姫の様子に首を傾げる。だからだろうか。完全に油断していた。
「じゃあ次を……星空さん。」
「え?……は、はい!!」
「……聞いてた?」
「……ごめんなさい……」
そして放課後。みんなで穂乃果の家に行く。お店の戸を開けるとそこには穂乃果の母親がいて、凛たち1年生は後ろで絵里たち上級生が話し始めるのを待つ。
「申し訳ありませんでした!!」
「あなたたち……」
そして絵里が言うのに合わせて全員で頭を下げる。穂乃果の体調不良に気づかなかったのは自分たちの責任でもあるのだ。親への謝罪は当然のことではあるだろう。そんな自分たちに向かって穂乃果の母は一瞬驚いた表情を見せるもすぐに笑顔になる。
「あなたたちまで何言ってるの?」
『え……?』
そう言われてみんなできょとんとする様子が面白かったのか。穂乃果の母は笑いながら言う。
「どうせあの子ができるできるって勝手に1人で背負いこんだんでしょ?昔からずっとそうなんだから。」
「でも……」
「いいのよいいのよ。あなたたちが悪いなんてことないんだから。そんなことより退屈みたいだから上がっていって。」
「え、でも穂乃果ちゃん。ずっと熱が上がったままだって……」
「昨日の夜には下がったの。今日の朝にはすっかり元気だったわよ。鷹也くんから聞いてない?」
そう明るく言ってくれる穂乃果の母親に唖然としていると、ことりの言葉にそう穂乃果の母が返す。え?というようにみんながことりのことを見るも、ことりも何も聞いていないようだ。
「うん……昨日はお兄ちゃんは帰ってくるの遅かったからあんまり話せてなくって……」
「そうなの?昨日来てくれててね。みんなみたいに謝っていったわよ。」
「そうなんだ……」
ことりの言葉を聞きつつ、だったら自分たちにも一言くれればいいのにと思うも、そんなことするような人ではないよねとすぐに思いなおす。きっと自分に責任があると思っているだろうし、他のみんなが責任を負うようなことはよしとしないだろう。さすがに凛でもそれくらいは彼のことは理解している。
「じゃあ少しお邪魔していきましょう。でも、さすがに全員ってわけには……」
「じゃあ私たちが待ってるわよ。凛、花陽もいいでしょ?」
「う、うん。ことりちゃんと海未ちゃんはもちろんだし、私たちか3年生かって言ったら3年生が行った方がいいと思うし……」
絵里の言葉にそう真姫と花陽が答え、自分も頷いたことで5人が穂乃果の家に上がって行く。そして3人は穂乃果の母に店内で待っていれば?と勧められたのを丁重に断り、店の外で5人を待つことに。するとそこで中学生くらいの女の子に話しかけられた。
「あれ?えと……こんにちわ。お姉ちゃんに何か用事ですか?」
「え?あ、雪穂ちゃん。こんにちわ。うん、穂乃果ちゃんのお見舞いに来たんだけど、全員で行くわけにも行かないから、私たちは外で待ってるんだ。」
「そうなんですか?中で待ってればいいのに……」
「そこまではお世話になれないわよ。営業の邪魔にもなるだろうし」
「そうは言ってもこの時間はもうほとんどお客さん来ませんよ?この時間もお客さんが来ればもう少し経営も楽に……」
「なんか聞きたくない経営事情聞いちゃったにゃ……」
話しかけてきたのは穂乃果の妹の雪穂。制服を着て、スクールバックを持っているところを見るに今帰ってきたところらしい。受験生と穂乃果は言っていたし、どこかで勉強でもしていたのだろうか。
「じゃあ他のみなさんも中にいるんですよね?鷹也さんも来てますか?」
「鷹也くん?鷹也くんは今日は来てないけど……」
「そうですか……」
「鷹也さんに何か用事でもあったの?」
凛の答えになにやらがっかりとした様子を見せる雪穂に花陽がそう聞く。鷹也は昨日来たはずだが、昨日は会わなかったのだろうか。雪穂はいえ、大したことでもないんですけどと前置きしてから口を開く。
「昨日会った時に勉強教えてくれるって言ってたのに、急な電話でいきなりダメって言われちゃって……」
「……急な電話……」
「真姫ちゃん?」
「あ、えっと……何でもないわ。」
真姫の様子に首を傾げつつ、凛も何か変だなとは思う。穂乃果たちと幼馴染であり、ずっと一緒に過ごしてきた鷹也は雪穂とも関わりを持っているはず。そして穂乃果たちをあそこまで大切に思っている以上は、末の妹とでも言えるこの少女を相当大切に思っているはず。
「電話ってどんな用事だったの?」
「え?えっと、なんか大学の友達に呼ばれたとかって言ってましたけど……」
「そう……」
真姫が雪穂に聞くも、その答えを聞いて黙り込む。その答えに凛も違和感を感じて、それは花陽も同じだったらしい。雪穂に言う。
「でも鷹也さんなら急な連絡よりも雪穂ちゃんとの約束を優先しそうだけど……」
「う~ん……でも、なんか様子がおかしかったので何か急用だったんじゃないですか?」
「そうなのかなぁ……」
腑に落ちないとでも言うように花陽が考え込む。きっと凛と同じように考えているのだろう。大学の友人からの呼び出しとはいっても相当のことがない限り、雪穂の約束を放り出すとは到底思えない。彼の性格から考えればそれは容易に想像できる。ではその相当の出来事が起きたのか。そんなことを考えるも、どれだけ考えても答えが出るわけでもないので、考えるのをやめる。すると雪穂もいつまでもここにいてもしかたないと思ったのか、苦笑して口を開く。
「じゃあ、私はもう家に行きますね。」
「あ、うん。呼び止めちゃってごめんね?」
「いえいえ。中に入らなくっても本当にいいんですか?」
「うん、雪穂ちゃんも勉強頑張ってね!」
そう言って家に入って行く雪穂を見送るが、声をかけた花陽を凛と違って真姫は黙り込んで何かを考え込んでいる。そんな様子に花陽と顔を見合わせる。そして意を決したようにうなづきあう。
「真姫ちゃん、今日どうかしたの?」
「……別になんにもないわよ。」
花陽がまず聞く。さすがに最近の様子のおかしさは放っておけることでもないし、せっかく3人だけの場ができたのだ。少しでも話してみるべきだろう。今も明らかに様子がおかしいのだから。
「でも、今だって雪穂ちゃんが行っちゃうときに何か考え込んでたし……」
「別に何でもないわよ。大したことじゃないわ。」
「今日だけじゃないもん。最近いっつもぼーっとしてるし……授業中も真姫ちゃんがあんな風に答えられないなんて珍しくないかにゃー?」
「凛が普段から答えられなさすぎなのよ。今日だって答えられなかったじゃない。」
「うっ……そ、それは今はいいの!!今は凛のことじゃなくて真姫ちゃんのことにゃ!」
「開き直りじゃない、それ……」
花陽の言葉を誤魔化そうとした真姫に凛が聞く。痛いところをつかれたのを強引に誤魔化して追及すると、真姫はそれ以上はなにも言わずにため息をついて答えてくれる。
「別にたまたま少しぼーっとしてただけよ。特に何もないわ。」
「……本当に?何にもない?」
「……しつこいわね。何もないわよ。」
少し間が開いたのには気が付いていた。花陽と顔を見合わせる。明らかに様子がおかしいのだ。真姫は気が付かれていないと思っているのかもしれないが、明らかにここ最近は真姫の様子がおかしい。練習の休憩中に1人でイヤホンをして端っこに行くことが増えたし、それ以外の時も1人で黙っていることが増えた。そんな中で今日の出来事だ。何かあったのか聞くべきだと思う。でも
「もうこの話は終わり。気にしないで。」
「あっ……真姫ちゃん!」
「何もないから。なんでもないから大丈夫よ。」
「真姫ちゃん……」
こう言われては何も言えなくて。気にしないで。大丈夫。そう言った真姫の顔に浮かぶ笑みはいつもと違うように凛には見えた。何かはかなげで、何か希薄で。それでいて心配する自分たちを安心させようとする優し気なその笑みは誰かに似ているような、そんな気がして。でも、なぜかその笑みは真姫には似合わなかった。優しいのはいつもの真姫だ。でも、真姫はこんな風に笑う人じゃなかった。凛にはなぜそう感じるのかはよく分からないけど、そんな気がした。
同じように感じたのか。心配そうにつぶやく花陽に向けて真姫は何も答えずに黙り込む。このままでいいのだろうか。そう考えてすぐに答えが出た。
「真姫ちゃん!」
「なによ。だからなんでもないって言って……」
「大丈夫!!」
「凛……?」
いいわけがない。凛は自分が察しのいい人間だとも、頭のいい人間だとも思っていない。だから真姫が何を悩んでいるのか分からないし、何か悩んでいるのかというのも勘違いかもしれないし、何もできないかもしれない。でも、この真姫という友達を隣の花陽という友達と同じくらい大切に思っている。その思いは絶対に間違っていない。だから、この少女のことを大切に思う気持ちが言わせるこの言葉は間違ってなんかいないはずだ。
そんな理屈も何もないような理論を頭で構成しつつ、凛はきょとんとする真姫に言う。
「凛とかよちんがいるにゃ!」
「え…………?」
「ううん、凛とかよちんだけじゃなくてみんないるよ。にこちゃんも希ちゃんも絵里ちゃんも海未ちゃんもことりちゃんも穂乃果ちゃんも鷹也くんも!」
そう言って真姫に笑いかける。この少女が抱えているものは凛には分からない。分かっても力になるようなことができるかもわからない。でも、そばにいることはできる。そばにいて力になろうとすることはできる。
「だから……大丈夫!」
「うん、真姫ちゃん。私もそばにいるよ。だから大丈夫だよ。」
「凛……花陽……」
大丈夫。この言葉には根拠なんてない。でも難しいことはいいのだ。難しいことなんて自分には分からない。だから、そばにいて、そして一生懸命に力になることだけ考える。そうすればきっと、絶対大丈夫。どんなことでも何とかできる。そう思うからこその、根拠はないけどそう信じているからこその“大丈夫”。それを、それだけを伝える。
花陽もきっとそんな凛の想いを感じてくれたのだろう。横で一緒に微笑んで大丈夫と言ってくれる。
「真姫ちゃーん!!ありがとー!!」
「ちょ……!何してんのよ!」
「あなた風邪ひいてるのよ!?」
「あ……」
そしてそのタイミングで聞こえてくるのは穂乃果の声。窓から身を乗り出して本当に嬉しそうに言ってから咳き込んで、慌てた様子のにこと絵里に部屋に連れ戻される。そんな様子に真姫が驚いたようにその窓を見上げて、凛と花陽が顔を見合わせて苦笑する。
「きっと嬉しかったんだよ。」
「真姫ちゃん、よかったね。」
「……ええ……そうね……」
呆けたように言う真姫に花陽が言う。
「あんな風に真姫ちゃんの気遣いを喜んでくれる穂乃果ちゃんだもん。きっと真姫ちゃんのそばにいて力になってくれるよ。それは他のみんなも一緒だよ。」
「うん!かよちんの言う通りにゃ!!」
「………………」
そんな風に言う花陽に同調して言う。きっとみんな力になってくれるはず。そしてみんながいればきっとなんでも大丈夫だ。今も色々大変だけどきっと何とかなる。みんなでいれば何とかなるのだ。凛はそう思う。
真姫はそんな凛と花陽を驚いたように見て、一瞬顔を歪めてからそれを隠すように顔をうつむかせる。そして言う。
「風邪ひいてるのに無理するような人とか恥ずかしがりの引っ込み思案な人とかテストで赤点とりそうになったりはしゃぎすぎて怒られたりするような人に何ができるのよ。」
「そ、それは……」
「っていうか凛の悪口だけ少し多いよ!!」
「別にあなたたちのことって言ってないでしょ。」
「「あ……」」
真姫の言葉に花陽が落ち込み、凛が抗議するも真姫の言葉にはっとして口をおさえる。その様子に真姫は苦笑しつつ言う。
「全く……自覚あるんじゃない。」
「うう……真姫ちゃんのイジワル……」
「…………でも……そう言ってもらえて嬉しかったわ。ありがと。」
真姫の言葉は小さくて、そっぽを向いていたから聞き取りづらかったけどきちんと届いていて。凛と花陽は顔を見合わせて笑顔になる。
「「うんっ!!」」
1年生3人が外でそんな会話をしているとき、穂乃果の部屋の中では穂乃果に事実を告げている最中だった。真姫が録音してきてくれたリラックスできる曲の入ったCDを渡して、窓から真姫にお礼を言った穂乃果をベッドに座らせる。そして穂乃果がライブを小規模でいいからやりたいと言い出した時に絵里が言った。
「μ’sはラブライブに出場しません。」
「え……?」
本当は言うつもりはなかったはずだ。絵里だってこのタイミングで穂乃果にこんなこと言いたくないはず。でも隠していたって仕方がないのは事実。それは分かっているからこそ、みんな何も言わずに絵里の言うことを聞く。
「理事長にも言われたのよ。無理しすぎたんじゃないかって。だからみんなと相談して決めたの。もうランキングにμ’sの文字は……ないわ。」
「そんな……」
「私たちが悪かったんです。穂乃果に無理をさせすぎたから……」
「ううん、私が勝手に調子に乗って……」
絵里に言われてショックを受けたようにうつむく穂乃果に海未が声をかけるも、穂乃果は自分を責めるようにそう言う。そんな穂乃果にことりは何も声をかけることができない。
「誰のせいとかじゃないでしょ。体調管理を怠った穂乃果も悪いし、それに気が付かなかった私たちも悪い。」
「えりちの言う通りやね。」
結局絵里がそう言ってまとめて、希が同意するも穂乃果は何も言わずにうつむいている。そして小さくつぶやくように聞く。
「…………鷹也くんは?鷹也くんは何て言ってた?」
「鷹也は……」
そこで絵里が少し迷うように黙り込む。しかし、これも黙っていられるものでもないだろう。すぐに口を開く。
「コーチとしての指導力不足として謹慎中。しばらくはμ’sの活動には関われないわ。」
「そんな!!」
「しょうがないことでしょ。これは私たちがどうこう口をだせることじゃないわ。」
「でも!!今回のことは私が悪くて!鷹也くんが責任を負うなんてそんなの……!!!」
「穂乃果ちゃん!!」
「あ………」
「ことり……」
ずっと鷹也と一緒にいたからこそ、だからこそ鷹也が責任を負うということが納得できないし、許したくないのだろう。そんな気持ちが分かるからこそ、にこに止められても続ける穂乃果の言葉をことりが遮る。あっけにとられて黙り込む穂乃果とこちらを心配そうに見る海未に微笑んでことりは言う。
「お兄ちゃんが責任を取ることがいいだなんて誰も思ってないよ。でも……でも、止められなかったんだもん……また私たちじゃあどうしようもないところで、お兄ちゃんが決めて行動しちゃった……」
「ことりちゃん……」
「ごめんね、穂乃果ちゃん。私たちじゃ止められなかった……」
「ううん、そんなことない……。私が無理したから……勝手に調子に乗ったから鷹也くんにまで……」
ごめんね……そう言ってうつむく穂乃果に穂乃果ちゃんだけのせいじゃないよと言って、ことりもうつむく。こんな状況で言えるわけがなかった。自分の留学のことなんて、言い出せるわけがなかった。
その日の夜。1日中特に何をするわけでもなく過ごしていた鷹也は部屋でベッドに寝転んでぼーっとしていた。これまで行っていたサポートはなくなり、大学は休み。サークルには今は顔を出す気にはならない。恭介の呼び出しもない。昨日は穂乃果の家に行ったり、恭介に呼び出されたりと色々あったが、今日は特に何もすることがなかったので1日中今日はこんな感じである。読んでいなかった本を読んでみたり、携帯でゲームをしてみたりとして過ごしていた。そうしている間は今日くらいたまにはいいだろうという気分だったのだが、今になって何か胸がもやもやする。
「なんか1日を無駄にした感じ……」
何もせずに過ごした日特有の罪悪感にさいなまれつつも、特にやることもなくごろごろと寝返りを打つ。夕食の時にことりが今日穂乃果のところに行ってきたことなどは聞いた。それとまだ穂乃果には話せていないことも。そして早めに話しなさいねとことりにいう母が部屋に行ってからは、ことりの留学の準備の手伝いを少ししていた。特に無駄な時間というわけでもないが、特に何かあったというわけでもない。昨日も帰ってきてからはことりとの会話は他愛もないものばかりでことりも何も気が付いていなかったようだし、今日になって今さらぼろを出す気なんてない。ことりも様子は少し変だったが、何か鷹也に話すようなことはなかった。ことりが話さない以上は鷹也から何も聞く気はない。そんなわけで特に何もない1日を過ごすことになったのだが
「まあ、明日からは大学行かなきゃいけないし……」
そう呟いて自分を誤魔化す。明日からは大学で3日間講義をうけなくてはいけないのだ。3日間毎日朝から夕方まで講義を受けることで単位をもらえるという楽に見える講義だが、テストやレポート、それに3日間という時間上一度でも休んでしまうと取り返しがつかないので楽かは微妙なところだ。実際和樹は去年の夏休みのこの形式の講義の単位を寝坊で落としていたりする。
そんなことを思い出し、明日の講義のために早めに寝とくかと考えたところで携帯がメッセージの受信を告げた。
『お姉ちゃんが落ち込んでるんだけど……なにかあったの?鷹也さん知らない?』
送り主は雪穂。その文面を見て、鷹也は少し顔を苦し気に歪ませる。穂乃果が落ち込んでいる理由はおそらく今日知ってしまったからだろう。ことりもそう言っていた。絵里が言っていたということをことりから聞くに、鷹也が辞めるということまではあの少女はみんなに言っていないようだが。自分の責任でもあることを穂乃果が気に病んでしまっている現状を辛く思いつつ返信する。するとあっという間に返信がくる。
『きっとμ’sのラブライブ出場辞退を今日聞いたんだと思う。』
『そういうことだったんだ……ごめんね。鷹也さんに頼まれてたのに、私がお姉ちゃんを止めきれなかったから……』
『雪穂のせいじゃないよ。雪穂に頼んで、それでも止まらなかった穂乃果を止めるのは俺の役目だったのに止められなかった俺のせい。だから気にしないで。そんなことより穂乃果を励ましてやって。』
『別に鷹也さんだけのせいじゃないよ。でも分かった。お姉ちゃんのこと励ましてくるね!』
その返信の最後にこれは私の最後のプリンです……と書いてある紙とともに写ったプリンの写真が添付されていたことから、きっとこのプリンを穂乃果にあげて励まそうとしているんだなと想像して苦笑する。雪穂はプリンが好きだったはずだが、それだけ穂乃果を励ましてやりたいということだろう。本当になんだかんだ言いつつも姉思いな妹である。
「それなのになんにもできなくて……」
ごめんなと小さくつぶやく鷹也の言葉は誰にも届かない。届いてほしいとも思わない。
はい、いかがだったでしょうか。
最近は真姫も思い悩むことが多かったので、解決はまだですが少しは気持ちが軽くなるといいなとこの話を入れてみました。
凛と花陽のこの大丈夫という言葉はきっとこれから真姫がどうするかに大きく影響していくはずです。
それと更新遅れていたのにも関わらずお気に入り登録をはずさずにいてくださった方。そして新たにお気に入り登録してくださった方もいて本当にありがとうございます。
頑張っていくのでこれからもよろしくお願いします。
それでは感想・評価お待ちしています。
次回もよろしくお願いします。