ラブライブ! ~南ことりの白と黒 笑顔と嫉妬のOthello~   作:山梨まりか

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第2話

一週間後

アイドル研究部部室

 

穂乃果「今日はみんなに、重大な発表があるよ!」

 

俺「じつは俺たち、つきあい始めたんだ」

 

凛花陽希絵里にこ「ええええええええ!」

 

真姫「」アゼン

 

海未「おめでとう……ございます」

 

ことり「ふふふっ。末永く、お幸せにねっ!」

 

穂乃果「あれっ。海未ちゃんとことりちゃんは、あんまり驚いてないね?」

 

海未「私はあなたの親友ですよ? あなたの身に起きた変化なんて、すぐに気づくことができます」

 

ことり「ことりと海未ちゃんには、とっくにバレバレだったよぉー」

 

穂乃果「そっかぁー。2人の目はごまかせないね!」

 

穂乃果「そういうわけだから、穂乃果と俺くんはこれからデートに行ってくるよ!」

 

にこ「練習はどうすんのよ?」

 

希「まあまあにこっち。ライブも終わったばっかりだし、骨休みも必要やんな?」

 

絵里「休めるときに休んでおかないとね。私たちも遊びにいきましょうか」

 

凛「ねえねえ。さっきから真姫ちゃんが息してないよ?」

 

真姫「」

 

保健室

 

ことり「大丈夫?」

 

真姫「ええ。落ち着いたわ。ありがとうことり。付き添ってくれて」

 

ことり「ううん。ことりは保健委員だから」

 

真姫「でもねことり。たとえ保健委員でも、医者でも、直せない傷ってあるのよ」

 

ことり「恋で受けた痛手のことだね」

 

真姫「私は俺くんのことが好きだったの。ふだんの素振りからしても、俺くんは私のことを好いてくれているものと思ってた。だってパーティーで会ったり、たまに2人きりで遊びにいったりしてたし、μ'sのほかのメンバーよりも、一緒にいる時間が長かったから」

 

ことり「(そうだったんだ)」

 

真姫「彼にとっては、友達付き合いの延長だったのね。私だけが本気になってた。意味わかんない。バカみたい。もう。もう」クスン

 

ことり「(ふふふっ。これはチャンス。いいこと思いついちゃったっ)」

 

ことり「あのね真姫ちゃん。そんなに絶望することなんてないよ?」

 

真姫「どうして? 俺くんがほかの女の子のものになったのよ。絶望以外の感情なんてみんなマヤカシ、つまらないゴマカシだわ」

 

ことり「俺くんは俺くん。1人の人間。誰かのものになんてなるはずはないのです。俺くんは穂乃果ちゃんの恋人にはなったけど、所有物にはなってない。これからも友達として、一緒に遊んだりはできるはずだよ」

 

真姫「くだらない慰めだわ。一緒に遊べるからなんだっていうの? ただ辛いだけよ。目の前に私が立っていても、彼の瞳に映るのは穂乃果のまぶしい満ち足りた笑顔だけ。私のことなんて見てくれないわ」

 

ことり「じゃあ真姫ちゃん、諦めちゃうの? 真姫ちゃんの恋は、たったそれだけの障害にぶつかって壊れちゃうほど脆かったのかな?」

 

真姫「……諦められるわけ、ないわよ!」

 

ことり「人間はね、すべてを手に入れることなんてできない。獲得できる範囲のものだけで満足しなきゃいけないこともあるんだよ? 今、真姫ちゃんは友達として俺くんと接することができる。少なくともそれだけは許されてる。与えられたチャンスは、どん欲に掴まなきゃ」

 

真姫「私にどうしろっていうの?」

 

ことり「ここに、こんなものがありますっ」ピラッ

 

真姫「! それはオペラのペアチケット!」

 

ことり「ちなみにこのチケットが使えるXX日、穂乃果ちゃんは家族旅行に行ってるから、俺くんはフリーなのです。誰にも気兼ねすることなく、誘っていいんだよ?」

 

真姫「で、でも俺くんはOKしてくれるのかしら……」

 

ことり「『チケットが余っちゃったから』『仕方なく』『友達と』、オペラを見に行くだけのことだよ? もしくは、『新曲の参考にするために』『モーツァルトのオペラを』『マネージャーの俺くんと勉強に行く』なんて口実もいいねっ」

 

真姫「こ、口実としては申し分ないわね! も、問題はそのチケットが……」

 

ことり「チケットが?」

 

真姫「私のものじゃなくて、ことりのものだってことね」

 

ことり「やだなあ真姫ちゃん。はい、ちゃんとあげるよ、これ。ことりもその日、用事があって行けないんだぁオペラ」ペロン

 

真姫「い、いいの? 代金はもちろん払うわ! S席2つで計11万3500円ね! はい現金! お釣りはいらないから!」札束ポーン

 

ことり「お金なんていいよぉ」

 

真姫「いいえ。受け取っといて。それじゃ、チケットはもらうわね。さっそく今晩、俺くんに電話する。ありがとうことり。私、もう帰るわ」

 

ことり「がんばってね! お大事に~」

 

真姫「恩に着るわ! それじゃ!」タタタタタ

 

ことり「…………ふぅ」

 

ことり「穂乃果ちゃんが家族旅行にいくなんて、嘘だよ、真姫ちゃん」

 

ことり「すぐに信じちゃうんだね。溺れる者は藁をも掴む、かぁ」

 

ことり「電話しよっと」プルルルル

 

ことり「あっ、穂乃果ちゃん、来週のXX日空いてる? あ、よかったぁ~。 おいしいチーズケーキ屋さん見つけたから、海未ちゃんとことりと、3人で行こうよっ」

 

ことり「うん、うん。じゃあ約束ね! 俺くんも誘う? ううん。その日、俺くんは新曲の打ち合わせがあるから来れないらしいよ?」

 

ことり「はーい。じゃあそういうことだからっ。またね、穂乃果ちゃんっ」プツ

 

ことり「ふふふっ。もうあとにはひけなくなっちゃったなぁっ。ことりのイタズラなクチバシで、恋の歯車が狂いはじめちゃった」

 

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