もし、俺がリンクスタートしたら2   作:単品っすね

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睡眠

 

 

村に到着し、ユージオとキリトが話してる間、俺は村の中を見回ってた。なんか、ザ・村って感じがする村で、ドラクエに出てきてもおかしくない感じだった。これで宿があれば完璧だったのに……なんてしみじみ思いながらも俺は二人のあとをついていった。

 

 

 

 

 

 

 

「はいこれ、枕と毛布。寒かったら奥の戸棚にもっと入ってるわ。朝のお祈りが6時で、食事は7時よ。一応見に来るけど、なるべく自分で起きてね。消灯したら外出は禁止だから、気をつけて」

 

こっちが返事をする間もなく、ドサドサと毛布やら何やらをキリトに渡すセルカ、だっけ?

俺とキリトは同じ部屋で泊めてもらうことになった。

 

「えーと、あと他にわからないことある?」

 

「いいや、大丈夫。いろいろありがとう」

 

「じゃあ、おやすみなさい。ランプの消し方は分かるわね?」

 

「……ああ。お休みセルカ」

 

で、バタンと閉じられるドア。

 

「…………いやーやっと寝れるなキリト」

 

「ああ。そうだな……」

 

「マジで疲れたわ。流石に今日は早く寝よう」

 

俺はそう言うと、ベッドの上に寝転んだ。

 

「………ベッド、1つしかないな」

 

キリトが言った。

 

「いいだろ、もう何度も一緒に寝てんだから」

 

「たぶんお前、あの人たちに女と思われてないぞ」

 

「結構。それが元々の俺だ。お前も寝ようぜ」

 

「ああ、そうだな……」

 

すると、キリトもベッドの中に入って来た。で、俺に背中を向けてしまう。そのキリトを俺は抱き締めた。

 

「………きりと」

 

「な、なんだよ」

 

「大丈夫、だよな……俺たち」

 

「……………」

 

返事はない。こいつも多分、戸惑っているんだろう。そりゃそうだ。こいつはSAOの時ですらあれだけビビってたんだ。今は現状の説明すらもないし、脱出の方法も分かってない。

 

「どうしたんだ?SAOの時と違って随分ビビってるじゃんセレナ」

 

「うっせ。あの時の俺はリアルのほうがつまんなかったからな。あれはあれで楽しかった。でも、今はリアルにもいい奴らがたくさんいる」

 

SAOや別のゲームを通して出来た友達がたくさんいる。だから、今は帰りたい。

 

「そうだな……。頑張ろう、二人で。だっしゅつほうほうを、探そう」

 

「それはそうとキリト。俺のおっぱい当たってるのに全然勃たないな。なんで?」

 

「お前か!さっきから人の股間弄ってんのは!」

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

「起きろーセレナ」

 

「んにゅ……」

 

「そうよ、起きなさい。もう5時半よ。子供達はみんな起きて顔を洗ったわ。早くしないと礼拝に間に合わないわよ」

 

「俺、礼拝とかいらねーから……あと5時間でいいから寝かせろよ……」

 

「どんだけ寝る気なのよあなた⁉︎早く起きなさい!」

 

「マジうっせーよ……バックドロップ喰らいたくなきゃ10秒以内にこの部屋から失せろ……」

 

「いいから起きろよ。パフェ奢ってやるから」

 

「おはよう」

 

「早っ⁉︎」

 

セルカが声を上げる。

 

「たとえあなたがお客様で、ペクタの迷子でも、教会で寝起きするからにはステイシア様にお祈りしなくちゃダメなんだからね。コップ一杯の水にも、それを与えてくれる神様に感謝しなさいって……」

 

「水は水素と酸素が結合して出来るもんだからな。神様の気まぐれで与えられるもんじゃねーよ」

 

「すい………何?」

 

「やめろセレナ。原子論なんて概念がこの世界にあるわけないだろ」

 

「むっ、それもそうか」

 

「とにかく、早く井戸で顔を洗ってから来るのよ!」

 

そう言い捨てると、セルカは部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

お祈りと言われても何を祈ればいいのかいまいちピンと来なかったので、とりあえず「金くれ」と「糖尿病になりませんように」とだけ祈っといた。

 

「キリト、お前何祈った?」

 

「初詣で『何お願いした?』みたいなノリで聞くなよ。セレナと一生、一緒にいられますように、って」

 

「………キメェ」

 

「なんでだよ!」

 

口ではそう言ったものの、さっきまでのお祈りを俺はやり直したくなっていた。

 

「おはよう、キリト。セレナ」

 

声がかかって振り返るとユージオが立っていた。

 

「二人とも、今日はどうするんだ?」

 

「俺は寝てるわ」

 

「おいセレナ………」

 

「いいだろ別に。昨日の昼間から樹海探索ハイキング大会だ」

 

「お前はおぶられてただけだろうが!」

 

「キリトはどうする?」

 

「あ、ああ。俺はユージオの仕事のお手伝いでもさせてもらおうかな」

 

「ほんとに?いいのかい?」

 

「ああ。行こう」

 

二人の背中を見ながらも俺は部屋に戻り、ゴロゴロした。

 

 

 

 

 

 

 

数時間後、目を覚ますとちょうど扉が開いた。そこにはセルカが立っていた。そのセルカは俺を見た瞬間、半眼になる。

 

「………ん、おお」

 

「あなた、まさか朝からずっとここにいたの?」

 

「ああ。寝てた」

 

「…………………」

 

「なんだよ」

 

「なんでもないわ……もはや何も言わない」

 

「あっそ」

 

すると、キリトが戻って来た。

 

「フゥ……いい湯だった……」

 

すると、セルカはキリトに大きなグラスを取り上げて差し出した。

 

「お、ありがとう」

 

「あ、俺にもくれよ」

 

「働かない人にあげるものなんてないわよ」

 

「バッカお前俺は自宅警備員だ」

 

「じ、自宅……何?」

 

「なんでもない。俺、もう少し寝てるわ」

 

「「まだ寝る気なの⁉︎」」

 

二人にツッコまれたが知らん。眠いもんは眠い。ほんとに寝た。

 

 

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