バケツ頭のオッサン提督の日常   作:ジト民逆脚屋

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初めまして、逆脚屋と申します。この度友人どもの策略により艦隊これくしょんにて二次創作を書くことになりました。また、作者は原作ゲーム未プレイとなりますので、至らぬ点、お見苦しい点が多数ありますが生暖かい目で見守っていただけたら嬉しいです。
前置きはここまでにして、では始まります「バケツ頭のオッサン提督の日常」彼はこの世界でどのように生きていくのか、
お時間に余裕が御座いましたら、ご覧ください。


オッサン、提督に着任する

俺こと、五百蔵冬悟は唖然としていた。久々に取ることできた休暇が終わり、少々憂鬱な気分で会社へと向かう、今日からまた仕事漬けの毎日が始まる、そう思うと憂鬱な気分にもなるというものである。ため息として口から出そうになった憂鬱な気分を缶コーヒーで押し込みつつ、もうそろそろ見えてくるであろう会社に目を向けると、人だかりが出来ている。何があったのかと思い近くにいた後輩君に声を掛ける。

 

「おはよう、3日ぶりだなこれは一体何があったんだ?」

 

結構大きめの声で挨拶をしたのに、まるで反応がない。なのでもう一度大きめの声で挨拶をすることにした。

 

「おはようございます!」

 

すると、今度は反応してくれた。

 

「お、おはようございます主任、三連休はどうでした?」

「ああ、久々にゆっくりできたよ、まあそれはいいとして、これは一体どういう騒ぎなんだ?」

 

先ほどから思っていた疑問を口にした。 

 

「あれを見てください、とんでもないこと書いてますよ。」

そのように言われて、会社のほうを見てみると

 

「本日をもってわが社は倒産しました。社員のみんな、頑張って再就職先探してね

              みんなの社長より」

 

は?これは一体どういうことだと呆気にとられていると、後輩君が口を開く。

 

「ほら、うちの会社結構危ないとか言われてたじゃないですか。あの噂が本当だったていうことてすよ。」

 

えらく落ち着いた様子で語られた。

 

「ずいぶん落ち着いているな?」

「見た目だけですよ、内心凄く焦ってます。これからどうしよう?いや割りとマジで」

 

たしかに落ち着いているのは見た目だけのようだ

 

「主任はこれからどうするんです?」

 

すがるような目で後輩君がこちらを見てきた。

 

「俺?俺は…そうだな、帰って寝るよ。ここに居てもなにもできん」

「なんか、えらく無気力ですね?らしくもない」

「正直な話、そろそろ会社を辞めようかと思っていたところだ。」

「はぁ?そうですか、それじゃ僕も帰ります。主任の言う通りこれ以上ここに居てもなにもできませんし」

 

そう言うと、足元に置いていた鞄を拾い、駅の方角へと歩きだした。

 

「さて、俺も帰りますか」

 

そして、後輩君とは逆方向へと歩きだした。

さて、帰ってなにをしよう?さっきは寝るといったが、それもなにかもったいない気がする。そういえば、姪から面白いから是非やってみてほしいと勧められたゲームがあったな、なんといったか?そんなことを考えながら歩いていると家についた。

 

「結局思い出せずか、歳かねぇ。仕方ない、プラモの仕上げ終わらせますか。」

 

家に入り、部屋着に着替え作業部屋にしている書斎に向かう。

 

「まさかチェルノ・アルファがキット化する日が来るとはねぇ、長生きはするもんだ。」

 

まだ二十代だった頃にみた映画「パシフィック・リム」に登場した機体の内、最も旧式の重量機、初めて目にしたときには心を奪われたものだ、あのシンプルかつ特徴的なデザイン、動き、闘い方、十年以上たった今でも鮮明に覚えている。俺のお気に入りのロボットだ。

そんなことを考えながら作業をしていると、気付いた時には最後の塗装部分が塗り終わっていた。

 

「これで完成っと、いやぁ、我ながら良いできだ。なんだ?」

 

突然、目眩に襲われそのまま机へと倒れ伏し、朦朧とした意識のなかで先ほど思い出せなかったゲームの名前をなぜか思い出していた。 

 

『ああ、そういやあのゲーム「艦隊これくしょん」ていうやつだったな。』

 

そこで、俺の意識は一度途切れ、目を醒ますと何もない真っ白い空間だった。

 

「なんだここ?さっきまで俺は書斎に居たはずなんだが、つうかなんにもねぇなここ」

 

そんなことを呟きながら辺りを見渡しているとこちらに走ってくる人影があった。

 

「この度は!誠に!申し訳ございませんでした!!!」

 

なんかいきなり現れたが女の子が飛び上がり、空中で土下座に変形し、着地と同時にスキール音を立て火花を散らしドリフトしながら俺の目の前に停止し、物凄い勢いで謝ってきた。どういうことかと訳を聞いてみると、どうやら俺は彼女のミスで死んでしまったらしい。さらに詳しく訳を聞こうと目の前にいる土下座の女の子に声を掛けた

 

「申し訳ございません、私が誤って貴方に関する書類を紛失してしまい、本来死ぬ予定の無いあなたの人生を終わらせてしまいました。本当に申し訳ございません!!」 

 

つまりはこうだ、目の前の女の子は新米の神様?であり新人にありがちなミスをして、俺は死んだらしい。どうにもやりきれないね、まったく、いやホントに、とりあえず目の前の土下座に声を掛ける。

 

「いやまあ、やっちゃったもん仕方ないし、大事なのはミスをどう挽回するかだよ。次はこういうことが無いように頑張ってね」

 

ミスを責めて意気消沈されて、また、同じミスをされても困るし、まあ落とし処してはこんなもんだろう。

 

「本当に申し訳ございません。お詫びになるかどうか判りませんが、貴方を別の世界に転生させていただきます。」

 

転生?マジで?ウソだろ。そんなマンガみたいなこと出来るのかね?興味あるし話だけでも聞いてみるか

 

「ちなみに、どんな世界に転生出来るんだ?ハードな世界は勘弁して欲しいんだが」

 

すると、目の前の土下座の女の子の神様は、ようやく顔をあげた

 

「はい、私の権限で転生させられる世界は多くありませんので、そのなかで一番安全な世界となりますと、「艦隊これくしょん」という世界になります。」

 

マジか、ゲームの世界に転生か、有りがちな展開だな。

 

「ああ、じゃあそれでいいよ、それじゃお願い」

「はい、では転生の前に特典の方を決めていただきます。」

 

わお、特典まで貰えるなんてますます有りがちな展開だ、この機会を見逃す手はないな。

 

「それじゃあ、アーマードコア頂戴、それとセットで整備と製造に関する技術」

 

と要求すると

 

「申し訳ございません!その特典は先輩方に独占されてまして、私が用意できるのはそれ以外になります。」

 

うん、困ったことになった。どうするか?ああそうだ、艦隊ということは舞台は海のはず、ならばあれしかない。

 

「じゃあ、パシフィック・リムに出てくるチェルノ・アルファ頂戴、それとさっき言った技術関連」

「はい、それなら大丈夫です。ではこれから転生となりますがよろしいでしょうか?」

「うん、じゃあお願い」

「ご迷惑をおかけしました、それではよき転生ライフを!」

 

そして、俺はまた酷い目眩に襲われた。

 

「提督が鎮守府に着任しました。これより鎮守府の立て直しを開始します!!」

 

えっ?ちょっとなにそれ聞いてない!

 

 

 




ここまでお読み下さり、ありがとうございます。いかがでしたでしょうか?一話目ですがかなり長くなってしまったかもしれません。次のお話から鎮守府に着任します。また次の更新は今月中には出来上がると思います。
では、次のお話でお会いしましょう✨

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