1位 安定のオッサン
2位 副長の霧島
3位 実質同率2位の瑞鶴
4位 鉄桶嫁の榛名
5位 恐妻?の比叡
6位 サイキョーの洋さん
7位 今ヤンの摩耶
8位 首領金剛
9位 実はえげつない鈴谷
10位 横須賀教導員天龍
11位 ネタ船長木曾
十二位 アホ
同率
空腹娘吹雪
作者がラインバレル読んでネタを思い付いた睦月
横須賀悪ガキ隊とアホは大差無い訳です、僅かに差がある位です。
まあ、港さん入れたら順位が一つずつ繰り下がるんですがね。
後、意外と背が高い瑞鶴ですが、横須賀の瑞鶴だけが〝初代瑞鶴〟と同じ身長なだけで、他の瑞鶴は平均的瑞鶴です。
あ、首領は意外と背が低いね。
「団長、一体何時
「む? 私は最初から居たぞ?」
呆気に取られた仁田が、突如現れたグラーフ・ツェッペリンに問うと、実にあっけらかんとした答えが返ってきた。
「さ、最初からですか?」
「ああ、もっと言えば、お前が芳泉と斬り合う前からだ」
「見てたなら、早く助けに来いよぉ!!」
仁田は叫んだ。潜伏中とか、上官とか、そんな諸々は関係無いと、仁田は叫んだ。
自分が知る最大の絶対強者、その彼女が当たり前の様に、お前のピンチ見てたぞと言ってきたのだ。
死にかけた仁田にしてみれば、掴み掛かって怒鳴り散らしてもバチは当たらないと思う。
「何やってんですか、あんたは?! 若様の身が危うかったというのに、呑気に見物してたんですか?!」
「・・・いや、お前居るから大丈夫かなって」
「馬鹿! もう、馬鹿・・・!」
後の事は知らぬと、仁田は低下した語彙力で、グラーフに怒りを伝える。
怒りのあまり、馬鹿としか口から出ないが、こちらは人間の姿をした化け物の内の一人から、何とか要人を連れて命からがら逃げ出したのだ。
語彙が低下するのは当然だ。
「馬鹿とはなんだ? 馬鹿とは?」
「この際だから言わせてもらいますけど、もし、自分が間に合わなかったら、どうするつもりだったんですか?!」
「撃った」
「荒谷団長が、撃って止まる存在かよ!?」
「止まるまで撃った」
「もうやだ! この冷静な脳筋・・・!」
やり取りに付いていけていない瑞鶴ら三人を他所に、仁田は更に糾弾を強める。だが、肝心のグラーフは何処吹く風と、受け流していく。
「まあ、あれだ。お前が間に合う様に通信を入れたし、お前が大楯を捨てる動きを見せていたから、な」
「・・・」
「済まない事をしたのは事実だ。頭を下げろというなら幾らでも下げよう」
「・・・はぁ、頭を下げるなら若様とあきつ丸さんと瑞鶴さんにお願いします」
自分に非があれば、何の躊躇いも無く素直に頭を下げてくるから、この人はやり辛い。
仁田は上役に頭を下げさせてまで、怒りが続く質ではない。
傍で此方を伺う三人へと向き直った。
「では、改めて、私は篁近衛師団団長のグラーフ・ツェッペリン。客人という身分にも関わらず、若様を助けて戴き感謝する」
「まあ、気にしないで。こっちもこっちで、理由有りだしね」
頭を下げてくるグラーフに対し、瑞鶴は理由有りだから気にするなと返し、あきつ丸を見やる。
グラーフと啓生の間に自分を挟む様に立っており、まだ少し警戒しているのが分かる。
瑞鶴としても解らないではない。当然の如く音も無く現れ、気付けば距離を詰められている。
自分達がお話にならない実力者、それが僅かではあるが警戒しているのだ。
それは何故か。
「啓生殿、グラーフ殿の元へ」
その答えは簡単だ。あきつ丸には、直ぐに解った。
グラーフもあきつ丸も、その役目は似たものがある。
あきつ丸もグラーフも、警護を任としている。あきつ丸の所属は憲兵隊なので、主とはしていないが、金剛の専属運転手の他にそれも含まれている。
「・・・はい」
あきつ丸が促すと、篁は従いグラーフの元へと歩む。
「若様、お怪我は?」
「・・・大丈夫ですよ」
「左様で・・・」
篁がグラーフの傍に着くと、僅かに向けられていたグラーフの警戒が緩んだ。
警護を任とする者であれば、知らぬ者が主と居れば警戒せざるを得ない。あきつ丸も同じ、そういうものだ。
「あきつ丸殿、瑞鶴殿。改めて、感謝を」
グラーフが再度謝辞を述べ、頭を下げる。
瑞鶴は焦りの様な予感を内心に感じた。
仮にではあるが、今ここで篁達から離れたら、あきつ丸は二度と彼とは会えなくなる、かもしれない。
そんな、確証も無ければ根拠も無い予感だが、瑞鶴は確信していた。
ーーさて、どうする私?ーー
話を早く済ませるなら、篁達に着いて行った方が安全だ。
理由としては、あの近衛団長に狙われているだろうから。
だが、これだと鎮守府に所属していて戦闘能力があるのだから、自分達で何とかしろと言われかねない。
チラリとあきつ丸へ目をやる。
表情に変わりは無い。鉄血、鉄面皮と呼ばれる横須賀鎮守府憲兵隊長は伊達ではなかった。
しかし、背に隠した手は固く握り締められている。
ーー馬鹿ねーー
嫌なら言えばいい。離れたくないと、自分も共に行くと言えばいい。
しかし、それは言えない。言ってしまえば、行かねばならない。
あきつ丸は言っていた。
愛する者には、本当に好きな相手に想いを伝えてほしい。
このまま着いて行けば、知る事になる。見る事になる。
自らが愛した者が本当に愛する相手を知り、その相手に想い伝える瞬間を見る事になる。
あきつ丸には、それが耐えられないのだろう。
ーー私は、どうなんだろう?ーー
瑞鶴はふと、自分の場合はどうなのかと考えた。
自分にそんな相手は居ない。知らぬ者は穂波を勧めてくるが、アレはダメだ。何と言うか、アレはそういう対象ではない。と言うか、単純にアレは無い。
比叡の趣味を少し疑うが、アレはアレで良いところがある事を知っているから否定しきれない。
では五百蔵は、どうか?
手を出したら、死ぬ。榛名が大丈夫じゃなくなって、バックスタブされて死ぬ。
では仮に、瑞鶴に相手が居たら、それは誰なのだろう?
ふと、瑞鶴は考えを巡らせ、そして
「・・・!!?」
「・・・いきなり、顔を扇ぐとか、何をしているであります?」
「OKOK、大丈夫。気にすんな!」
突然、顔を赤くして扇ぎだした瑞鶴。明らかに大丈夫じゃない顔をしている。
何があったのかと、視線を向けてくる四人をはぐらかしながら、瑞鶴は脳内で当たり前の様に出てきた人物をどうにかしようとしていた。
ーーいやいや、何で先生が出てくるのよ?ーー
瑞鶴が想い描いた相手、それは自らの師であり艦娘の始祖でもある鳳洋だった。
何故、彼女が出てきたのかは解らないが、確かに最近は彼女と共に居る事が多い。と言うか、彼女が横須賀鎮守府に出入りする様になってからだ。
当初は訓練時に抵抗しては磔にされていたが、あの厳しさも自分達の為と思えば平気になった。
訓練外では、気付いたら一緒に居る。
本当に気付いたら一緒に居て、ちょこちょこ後を着いて来る。
ーー少し小動物みたいだけど、私と先生の身長差からしたら、ねーー
洋が大体170㎝なのに対し、瑞鶴は約190㎝。その差は約20㎝以上、瑞鶴が聞いた話では〝初代瑞鶴〟も同じ位の身長だったらしい。
「瑞鶴殿?」
「よーしよしよし、落ち着け、あきつ丸」
「テメーが落ち着けであります」
訓練では鬼だが、訓練外では小動物。瑞鶴だけが持つ、洋に対する印象である。
ーーって、小動物な先生が可愛いとか、今はいいのよ!ーー
今はあきつ丸の恋路だ。
兎に角、今離れたら二度と会えない。予感でしかないが、確信はある。
だから、言わねばならない。
「あ~、そう言えば~、私達はどうなるの~?」
あまりの棒読みに、空気が凍った。
(いや、今のは無い)
(うっさいわね! あんたの為なのよ!)
思わず、口癖が消えるあきつ丸に小声で反論する瑞鶴。
それを見ている仁田は、何が起きたのかを理解している様子で、心配要らないとグラーフの背後でジェスチャーを返す。
(大丈夫です。皆様もお連れ様の元まで護衛致しますので)
(本当にありがとう)
(感謝であります)
仁田のジェスチャーにアイコンタクトで返す瑞鶴とあきつ丸、篁は何かを考えている様子のグラーフを何事かと見ていた。
やがて、考え込んでいたグラーフが口を開いた。
「そう言えばだが、本日の来客名簿の中に横須賀鎮守府総長殿の名が無かったが、一体如何なされたのか?」
「へ? 総長?」
横須賀鎮守府総長の金剛は、少々体調を崩して欠席としている。
理由は何でもいいから、適当に言っておけといわれたが、急に来られると何を言えばいいか迷う。
「あ~、総長は・・・」
「金剛殿の身に何かあったのか?」
「総長は・・・」
瑞鶴は唇を俯き噛み締め、一息を吐いて言った。
「膝にベンツを受けて療養中よ」
「膝にベンツ?!」
「そうよ! 膝ベンツよ!」
隣のあきつ丸の顔がスゴい。ヤメロ、そんな目で見るな。仕方なかったんだ。咄嗟に出たのが膝とベンツだったんだ。
繋げるしか無かったんだ。
子供を暗殺する話を聞いて体調を崩したとか、自分達のトップの弱点を態々バラす必要は無い。
だから、膝ベンツしか無かったんだ。
嗚呼、グラーフが目を見開いてスゴい・・・
(おま! おまー! 副長殿に投げられ殺されろであります!)
(介錯だったら、先生に頼むわよ!)
ヤケクソ気味に言い放った瑞鶴に、あきつ丸が小声で全力の抗議をする。
仁田は笑えば良いのかどうしたらいいのか解らず、篁はオロオロとグラーフと瑞鶴達を見比べている。
そんな空気が続いて、目見開き固まっていたグラーフが
「・・・何という事だ・・・!」
信じた。
嗚呼、うん、そうなんだ。
話はまだ進まないんだ。すまない、赦せとは言わない。憎んでくれて構わない。
ただ、時雨編の伏線を張りたかった。それだけなんだ。
今やる事ではないけど、やりたかったんだ・・・!