バケツ頭のオッサン提督の日常   作:ジト民逆脚屋

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どうも、逆脚屋です。「バケツ頭のオッサン提督の日常」第28話です。今回は食事になります。

それでは始まります!「バケツ頭のオッサン提督の日常」特別コラボ編お楽しみください

余談ですが、只今、ACV 短編『愚かな姫と忠義の騎士』を制作しています。おそらく、『逆脚屋の短編箱』の中に入ると思います。


オッサン、案内する その2

はい、到着しました。吹雪君おすすめのお店、レストラン『マルクス・ガビウス・アピキウス』

和洋中なんでもござれのお店で、メニューに無いものは頼めば作ってくれるという、深夜な食堂スタイルのレストランだそうです。

 

「さあさあ、皆さん早く入りましょーう!」

「レッキュ!」

 

なんかいつの間にかレナが居る!

まあ、いいや

 

「行きましょうか、二人とも。」

「そうですね、行きましょうか。」

「行きましょう、提督」

 

吹雪君に先導され店へ入る。

因みに、順番は吹雪君、俺、四葉さん如月嬢レナの順番だ

 

「いらっしゃいませ!お客さ・・・!」

 

へぇ、ファミレスみたいな感じかと思ったら、案外高級レストランみたいだね。お客さんもいっぱいいるし、

うん?店員さんの様子が?

 

「店長ー!吹雪様がご来店されましたー!」

 

ん?吹雪『様』?どゆこと?

この子いったい、この店でなにしたの?!

 

「ふ、吹雪君?君、なにしたの?」

「なにもしてないですよ?前にここでご飯食べたら、何故かこうなったんですよーう。」

 

どういうことなの?

 

「え~と、五百蔵さん?」

「五百蔵提督、少し外を見てください。」

 

外?何があるの?

 

『くそー!今日はあの店か!』

『いや待て、まだワンチャンある!』

『そうだ!吹雪様なら、まだワンチャンある!』

『だが、過度なアピールは厳禁だぞ!』

『ああ、洋さんに殺されたくはないからな・・・』

『だが、怯える吹雪様を見たいというこの衝動はどうすれば?!』

『五百蔵のダンナが一緒にいたから、殴り潰されたくなければ大人しくしとけ!』

 

うん、なんだこれ?

他の飲食店の連中が悔しがっている。後半大分おかしかったが・・・

 

「なんです、これ?」

「いやぁ、俺にもさっぱりだ。」

「レッキュ?」

 

そうこうしてたら、店長と思わしき人がやって来た。

 

「吹雪様、本日はご来店いただき、誠にありがとうございます。」

「様なんて付けなくていいですよーう。」

「そのような訳にはまいりません、吹雪様のおかげで当店はここまでに成長出来たのですから」

 

成る程、そういうことか。いや、わかんねぇよ!

 

「五百蔵さん」

「わからん」

 

わりとマジでわからん。ただ、ひとつだけ分かるのは吹雪君がそろそろ限界だということだ。

何の限界だって?吹雪君の空腹だよ。この子限界近くなると、語尾が延び始めるクセ?があるのよ。

 

「今日は、家の鎮守府にお客様が来たので、ご飯食べに来たんですよーう。」

「左様でございますか、では、此方のお席に」

 

終始おいてけぼりなやりとりを見ながら、案内されたのは、店の奥にある個室だった。

これって、いわゆるVIP席とか言う奴か?

 

「それでは、御注文がお決まりになりましたら、そちらのベルでお呼びください。」

「わかりましたよーう。」

 

俺にはちと小さいが大きめのテーブルに椅子、周りの調度品もいい感じの個室だ。

雰囲気が前の世界で行ったフランスの中華料理屋に似てるな。あ、勿論、仕事でね、行ったんだよ。

 

「さ、二人とも、御注文をどうぞ」

「なんだか高そうな店ですが、大丈夫なんです?」

 

ふふん、何の心配かな?四葉さん。財布のことなら心配要らないよ。

 

「大丈夫、経費で落とすから。」

「レレ、レ~レレ」

「そ、そうですか」

 

うん、落とす。意地でも落とす。落とせなければ、横須賀の磯谷嬢に回す。

つーかレナよ、そんなに如月嬢が気に入ったの?

さっきから如月嬢の後についたり、よじ登って背中に張り付いたり

今だって、如月嬢の膝の上に乗ってご満悦の表情だし、あんまり迷惑かけるんじゃないよ。

 

「ふふふ、どうしたんですか?レナちゃん」

「レッキュレッキュ!レッレッレ!」

 

如月嬢の膝の上から小さな手を伸ばし、バタバタと動かす。

なにやってんの?

 

「どうやら、ベルが気になるみたいだな。」

「ダメよ、レナちゃん。これ鳴らすと店員さん来ちゃうから」

「レ~・・・レレ?!」

 

レナが突然、四葉さんを見て驚いた。『誰おまえ?!』と言わんがばかりな顔で四葉さんを見ている。

今気付いたの?君

 

「この人は私の提督ですよ、レナちゃん」

「四葉一樹だ、よろしくレナちゃん」

「レ!」

 

自己紹介も済んだようだね。では、そろそろ

 

「注文を決めようか?」

「そうですね」

「あっ、もう頼みましたよ。」

「「「え?」」」

「レ?」

 

なにやってんの?この子!

 

「吹雪君!なにやってんの?!」

「え?注文ですけど」

「いや、そうじゃなくて!」

 

そうだけどそうじゃない!

 

「四葉さん達の要望とか聞いてないよね?!」

「大丈夫です!色々と纏めて頼みましたから!」

 

大丈夫じゃない!

 

「あ~、五百蔵さん、私達は構いませんよ。」

「ええ、吹雪さんのチョイスなら安心ですからね。」

「たびたび申し訳ない。」

「さすが、二人とも!よく分かってらっしゃる!」

 

オッサン、無言のデコピン!

 

「痛いです、提督!なにするんですか?!」

「君は少し反省しなさい!」

 

まったく、この食欲探査棲姫は食欲一直線も大概にしなさい。

 

 

 

 

そうこうしてたら、料理が来たよ

 

「お待たせ致しました。こちら『アノマロカリスのスープ』になります。」

「待ってました!」

 

落ち着きなさい

 

「まあ、色々ありましたが、いただきましょうか?」

「そうですね、では」

 

「「「「いただきます」」」」

「レレレッレ」

 

金色に近い色の透明なスープを一匙掬い、口へ運ぶ。

わお!マジか!

 

「美味しいです!おかわりください!」

「本当に、美味しい」

「あのエビ、こんな味なのか?!」

「レレレッレ!」

「かなり、手間をかけてるな、これ」

「提督!今度作ってください!」

「レシピが分かればね。」

 

次の料理が来ましたよ。

 

「『リードシクティクスのバターソテー』になります。」

「リードシクティクス?」

「古代魚の一種だよ。デカイわ硬いわで苦労したよ。」

「あんたが獲ってきたのかよ!」

「そうだよ!」

「提督、この魚びっくりする味ですよ。」

「マジで!」

「おかわりください!」

「レ~レレ!」

 

次!

 

「『ジラのステーキ』になります。」

「ジラ!?あのトカゲの?!」

「こないだ、団体で湧いて来てな」

「また、あんたか!」

「見た目より凄く柔らかいですね、ステーキなのにホロホロした食感です。」

「ホントだ、やわらけー!」

「おかわりください!」

 

つ!

 

「『北海カボチャのサラダ』になります。」

「北海カボチャ?」

「砲弾の代わりになる位硬いカボチャだ。割ろうとしたら死ぬかと思った・・・」

「それカボチャ?」

「提督、これ凄く甘いですよ。」

「うわ!マジだ、凄く甘い!」

「おかわりください!」

「レッレッレ!」

 

そんなこんなで昼食は終了、デザートのドラム缶パフェ×5は吹雪君が綺麗に平らげました。おかわり付きで・・・

何処に入ってるんだろうね?

因みに、この日の売り上げはとんでもない額になったそうだよ。




いかがでしたでしょうか?
ダイジェストになりましたが、これには理由がありまして、出てきたスープやステーキは実際に逆脚屋が作ったんですが、レシピを書くと一万字を軽く越えましてこのような形となりました。

それではまた次回お会いしましょう!

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