バケツ頭のオッサン提督の日常   作:ジト民逆脚屋

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どうも、逆脚屋です。「バケツ頭のオッサン提督の日常」第34話です。今回から、じわじわと伏線を回収していきます!出来るかって?やるしかねぇんだよ!

それでは始まります!「バケツ頭のオッサン提督の日常」お楽しみください!




ちょっとした裏話

この世界の神様は、上のランクになればなるほど感情が希薄です。
反対に、ランクが低ければその分、感情が豊かになります。ですが、ランクが低い=能力が低い、という訳ではありません。
管理者である神に余計な感情は不要と考えているため、ランクが上の神はシステムの様に物事を決定していきます。



オッサン、問題続発する 前編

あ、どうも、皆様お久し振りです。五百蔵冬悟です。我が北海鎮守府は色々と問題が発生してますが、何とかやってます。

只今私は、久々に連絡してきた新米土下座神と電話中です。

 

「んで、どうしたのよ?新米ちゃん」

『五百蔵さん・・・ えっと、ですね・・・』

 

あれ? いつもの勢いがない。どうしたのかね、いつもなら、耳が痛くなるような勢いと声で捲し立ててくるのに。

何か、嫌な予感がする。

 

『あの・・・ その・・・』

「先ずは落ち着きなさい。はい、深呼吸、1、2、3」

『すー、はー、すー、はー・・・ 』

「落ち着いたかい?」

『はい・・・ 』

 

さて、鬼が出るか蛇が出るか。出来ることなら、何も無ければ良いんだが

 

『実は、先輩が死んだ。いえ、殺されたんです・・・』

 

は?先輩?殺された?いやいや、待て待て!新米ちゃんは神の筈、ならば、その先輩も神だ

 

「新米ちゃん、心中、お察しする。しかし、どういうことだ?神が殺された?」

『はい・・・ 殺されました・・・ 良い人だったのに、どうして、あんな・・・!』

 

この様子から察するに、余程の殺され方だったのだろうな。新米ちゃんは見た目が幼い分、余計に痛々しく思える。

あれ?どうして、新米ちゃんは俺に連絡してきたんだ?

まさか・・・

 

「新米ちゃん、まさかとは思うが・・・」

『はい・・・そのまさかです・・・』

 

くそが、鬼も蛇も、何もかもが同時に出てきやがった!

 

「そいつは、この世界に居るのか」

『その世界に居ます・・・ 先輩の所に遺された資料から、何とか分かりました・・・』

 

なんてこった、畜生が!神殺しとか最悪じゃねぇか!

唯でさえ、色々問題が発生してるのに、その上神殺しのイカレ野郎とか、勘弁してくれ!

 

「はあ・・・ 新米ちゃん取敢えず、今日の所は休んだ方がいい」

『はい・・・ お気遣いありがとうございます。でも、まだ伝えなきゃいけないことがあるんです』

 

伝えなきゃいけないこと? また嫌な予感がする・・・

 

『先輩が殺された時に、イェーガーが数体と『あるもの』が奪われました』

 

神殺しに盗難とはな、しかもイェーガー。となると・・・

 

「横須賀に現れた『ロミオ・ブルー』は、そいつの差し金か?」

『はい、その通りです。その上、何体奪われたのかが分からないのです』

 

分からない?どういうことだ

 

「分からないって、どうしてだ?」

『イェーガーに関する権利は、私と先輩で管理してました。ですが、先輩が管理していた資料の大半が紛失、残ったイェーガーも完全に破壊されていて、調査が難航しているのです・・・』

 

おいおい、それってかなり計画的な行動じゃないか!時間も掛かっている筈だ、なのに

 

「誰も気付かなかったのか?」

『お恥ずかしい話、私達神は横の連絡を取り合う事があまり無くて、先輩が殺されたのも、誰も気付かなかったのです・・・』

 

私も含めてと、心底、口惜しそうに呟く新米ちゃん。俺も大分きつくなってきたが、問題はまだある。

 

「新米ちゃん・・・ 遣りきれんだろうが、聞かせてくれ。イェーガーと一緒に奪われた『あるもの』とは、いったいなんだ?」

 

正直な話、この『あるもの』というのが一番嫌な予感がする。

出来ることなら、この予感が外れていてほしいものだが、世の中そうはいかんらしい。

 

『人工の細胞です。その世界とは別の世界を滅ぼしかけて、私達が強制介入して回収、封印しました』

 

アハハハ、もうヤダ・・・ 胃が痛い・・・ 心当たりが有りすぎる・・・

 

『キメラ細胞といって、無機物有機物問わず、癒着融合し、別の生物に変えるというものです』

「因みに、その新生物。体液が黄緑だったりする?」

『はい、その通りです』

 

胃が痛い、胃が痛いよ・・・ 

 

「横須賀、大丈夫かな?」

『磯谷さんには、伝えてあります。一定以上の熱もしくは、脳に当たる部分を破壊すれば、活動を停止するように存在を書き換えてますから、そちらでも対処は可能です』

 

それならいいが、最悪の気分だ・・・ ホント

 

『以上で報告は終わりです』

「うん・・・わかった。新米ちゃん、暫く仕事を休んで養生しなさい。これから、何があるかわからん」

『はい・・・ では、失礼します・・・』

 

新米ちゃんからの電話が切れると、辺りに誰も居ないのを確認してから近くにある塀を殴る。

 

「クソッタレが、何処のイカレ野郎だ!」

 

最悪だ最悪だ最悪だ・・・ こうも問題が続発するとは、チクショウ!

なんだよキメラ細胞って!無機物有機物問わず癒着融合だぁ?何処のゾンダーだ!誰か勇者王呼んでこい!

 

「はあ、此処に居ても始まらん。家に帰るか」

 

ああ、胃が痛い、辛い・・・ しかし、そうも言ってられん、新米ちゃんはもっと辛い筈だ。

鎮守府へ帰ろうと、足を向けた時だ

 

「ポ、トーゴイタ!」

「ヲ、トーゴイタ!」

 

ヲガタとほっぽが、息を切らして現れた。

 

「どうした?二人とも」

 

我ながら、白々しいにも程がある。分かりきってる事だろうに

 

「ポ、フブキガサガシテル!」

「ヲ、フブキガサガシテル!」

 

ああ、やっぱりか・・・ 

 

「分かった、済まんな、二人とも世話をかける」

「ポ、キニスルナ、トーゴ!」

「ヲ、キニスルナ、トーゴ!」

「本当に世話をかける」

 

最近の我が鎮守府、最大の問題が吹雪君だ。最近の吹雪君は様子がおかしい、何をするにも、何処に行くにも、俺と一緒に居たがる。

 

それだけならまだ良い、俺が周辺海域の警備に出ようとすると、それを停めたがったり、訓練のために装備を装着するのも怖がってる。食欲も普段に比べ格段に落ちている。

吹雪君、いったい君に何があったんだ?

兎に角、今は家に帰ろう。此処では何も出来ん





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