バケツ頭のオッサン提督の日常   作:ジト民逆脚屋

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どうも、逆脚屋です。
今回のお話ですが、本来ならもっと早くに投稿する予定でした。ですが、投稿する際に操作を誤り消去してしまうというミスを犯してしまい、一から書き直す事になってしまいこの様なことになりました。
尚、今回のお話は修復が完全に終わっておらず、修復が完了した部分までの尻切れ蜻蛉のような終わりとなっています。
理由は、これ以上投稿期間を空けることは出来ないと考え
、投稿しました。

それでは始まります!「バケツ頭のオッサン提督の日常」お楽しみください。


オッサン、真相を知る 2

横須賀鎮守府正門にて二人の艦娘が、これから来る客人を待ち構えていた。

一人は茶髪を短く切り揃え快活そうな印象の比叡、一人は黒髪で眼鏡をかけた理知的な印象の霧島である。

だが、その内心はまるで逆であった。

 

「霧島、少し落ち着きなさい」

「しかし、姉様」

 

比叡は思う、我が妹ながら直情的にすぎると、しかしそれも仕方ない事。

自らの姪である少女が危機的状況なのだ、直情的にもなるというもの、だがそれでも、自分達金剛型はこの横須賀鎮守府の要であり、霧島はその要の金剛型で横須賀鎮守府における武力の象徴たる役職『副長』に就いている。

その副長たる霧島がこれでは、横須賀の品位が疑われる。

 

「霧島、貴女の気持ちは分かります。だから、気を鎮めなさい」

「姉様は何故、その様に落ち着いていられるのですか?」

「私が落ち着いている?」

 

だとするなら、相当頭に血が上っている。私は落ち着いて等いない。

 

「私は、落ち着いて等いない。今すぐにでも事の発端である連中を、皆殺しにしてやりたい」

「姉様」

「だが、それでは金剛お姉さまの、ひいては司令の顔に泥を塗ることになる。分かりますか霧島?」

「は、はい!」

 

分かれば宜しい。大体、霧島は一つ忘れていることがある。彼女、吹雪と一番付き合いが長いあの人のことを。

我々で、これではあの人は・・・

 

『霧島副長、比叡秘書艦。お客様がそちらに到着します。準備を』

 

来たようだ。さて、鬼が出るか蛇が出るか、それとも、そこにあるのは希望も絶望も入っていない空の匣なのか。

それは、あの二人次第か。

 

 

 

 

 

 

 

 

車内には、二人の女性がいた。二人共に同じ巫女服に似た衣装に身を包み、今にも消えてしまいそうな儚げな印象の二人の艦娘。呉鎮守府旗艦『扶桑』と副艦『山城』である。

二人が横須賀鎮守府を訪れたのには理由がある。

 

「姉様、そろそろ横須賀鎮守府の正門です」

「ええ、そうね山城」

「姉様、大丈夫ですか?」

「大丈夫よ、山城」

 

ここでしくじる訳にはいかない。もし私達がしくじれば呉鎮守府が終わる。それだけは何としても阻止しなければならない。

 

「山城、私達の目的は」

「呉の無実の証明、そして彼女を救うことです」

 

その通り、呉はあの事件の被害者であり無実であると証明し、彼女を救う。若しくは、その手助けを行う。それが私達の目的だ。

 

「アレは私達の責、私達があの場にいれば止められた筈なのに・・・」

「姉様、起こってしまった事はどうしようもありません。ですが、まだ希望はあります」

「そうね、山城」

 

そうだ、まだ希望はあるのだ。それを彼女に伝えなくてはならない。

 

「見えてきました、正門です」

 

正門の前に二人立っているのが見える。横須賀の金剛型の二人だろう。

 

「お待ちしておりました。呉鎮守府旗艦『扶桑』様、副艦『山城』様」

「磯谷司令と五百蔵司令が、執務室にてお待ちです」

 

完全に臨戦態勢の二人に導かれ、横須賀鎮守府執務室に向かう。

そこに何があるのか、それは分からない。だが、あの御方に所縁のある人物なのだ。尋常の人物ではあるまい。

それでも、伝えなくてはならない。

あの人が調べた情報を、命懸けで私達に伝えてくれた情報。彼女、吹雪は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「磯谷司令、五百蔵司令。お客様をお連れしました」

「どうぞ」

 

比叡さんと霧島君が、客人を連れてきてくれた。

やっと来たのか、待ちくたびれたよ。さて、どんな話を聞かせてくれるのか。

 

「お初にお目にかかります。私は呉鎮守府旗艦扶桑と申します。こちらは副艦の山城です」

「山城です」

「横須賀鎮守府提督、磯谷穂波です」

「北海鎮守府提督、五百蔵冬悟です」

 

自己紹介も終わったことだ。早速、本題に入ろう。

 

「それで?今日はどの様な御用件で」

「単刀直入に申し上げます。五百蔵冬悟提督、貴方の秘書艦吹雪に関することです」

 

いきなりか、だが、余計な手間が省けたと考えよう。心理戦とか頭脳戦は苦手なんだ。

 

「それは、どのようなことで?」

「彼女の過去、呉でとある事件が起きました。その事件で、彼女は・・・」

 

扶桑が、ゆっくりと絞り出す様に言葉を吐き出す。その内容は、想像を越えるものだった。

 

「彼女、吹雪は親友とも言える同僚をその手にかけました」




男は真相を知る、少女は過去に苛まれる。痛みを分け合うことは出来ず、ただひたすらにそれは軋みを上げ続ける。
愛する者が持つ過去の傷は、何時までも残る。

軋みを上げ続ける少女、その心を救おうとする者達。だが、無慈悲に不条理に過去は歪に歪み曲げられ、襲い来る。

嵐の中振るわれる白刃と鉄鎚、愛する者を守る為に鉄鎚は唸りを上げ、歪に歪んだ白刃に迫る。

だが、世界は残酷である。

鉄鎚は少女の目の前で白刃に砕かれる。

その時、少女は・・・


次回「バケツ頭のオッサン提督の日常」 
「砕けし鉄鎚」お楽しみに!
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