あ、後ですね。今回は前回の半分程です。
「それで? 一体全体、何があったって言うのよ?」
瑞鶴が苛立ちを隠さずに磯谷に問う。
それに磯谷は迷っている様に口ごもる。
「ん~とねぇ? 何て言えばいいのかなぁ?」
磯谷本人も何があったのか分かっていないのか、要領を得ない発言を口の中でボソボソと転がすだけ。
恐らく、当事者であろうあきつ丸も沈黙を貫いている。
ーー呑気に茶飲みやがって!ーー
瑞鶴の内心はそれだった。
なんか意味深な発言をして、次の日反応が無いから心配してみれば、当事者たるあきつ丸は執務室で呑気に茶を飲んでいた。
ーん? ちょっと待って?ーー
おかしい。あきつ丸は普段、憲兵隊の詰所か総長の金剛に付き従っていて、執務室には来ない。
来るとすれば、金剛の付き添いか
約全員¦『お前何した?』
ほなみん¦『私?!』
磯谷が何かしでかして、憲兵として鎮圧に来たかだ。
ほなみん¦『信頼! 信用! 私違う!』
ズーやん¦『信頼も信用もしてるよ?』
邪気目¦『だから、正直に話せ。な?』
元ヤン¦『今なら、怒らねえから。な?』
船長¦『ほら、早く話せよ。な?』
流石の横須賀悪ガキ隊である。
真っ先に、磯谷を疑い追及を始めた。
磯谷は懸命に抵抗しているが、追及の手は緩む事無く続いていく。
邪気目¦『ほんと、怒らねえから』
船長¦『今ならな』
元ヤン¦『おら、早く話せ』
ズーやん¦『ほなみん、正直に言おう』
空腹娘¦『何したんですか?』
にゃしぃ¦『え? また何かしたんですか?』
ほなみん¦『くっそー! 何なんだよ、チックショーメー!』
七面鳥¦『あ~、もういいから。緊急事態とか言うのを言いなさいよ』
『横須賀で何かあったら、大体磯谷のせい』の法則に従い白状させようと、悪ガキ隊&北海娘組が更なる追及を行うが話が進まないと、瑞鶴が強制的に話題を打ち切り、磯谷に話をするよう促す。
ほなみん¦『瑞鶴ちゃん、ありがとう!』
七面鳥¦『いいから、早く話す』
ほなみん¦『うっす。で、話なんだけどね? 何て言えばいいのか・・・ あぁもう!』
鉄桶男¦『なんだい? 磯谷嬢が珍しい』
鉄桶嫁¦『何か事情でも?』
何か様子のおかしい。否、いつもおかしいが今回は普段とベクトルが違う方向でおかしい磯谷を、何人かが心配する横で、瑞鶴はちらりとあきつ丸に目をやる。
すまし顔で茶を啜っていた。
七面鳥¦『おいコラ、あります女』
蜻蛉玉¦『なんでありますかな? ぺったん女』
七面鳥¦『あ゛?』
蜻蛉玉¦『おやおや、どうしたでありますか? 自分の胸部装甲が気になるでありますか?』
七面鳥¦『この、あります女がぁ! そのデッドウェイトもぐぞテメェ!』
蜻蛉玉¦『プハーッ! 負け犬ならぬ負け鶴の遠吠えでありますぅ!』
キレる瑞鶴に煽るあきつ丸、持つ者持たざる者、両者の間には決定的かつ確定的な溝があった。
しかし、瑞鶴には気に入らない事が他にある。
ーーキレが無いわよ、あきつ丸ーー
普段のあきつ丸なら、もっとキレのある煽り方をしてくる。
しかし、今はそのキレが無い。
明らかに何か隠している。今の状況に関係があるのか、これが原因なのかは分からない。
七面鳥¦『よしよ~し、だったら、こっちからいってやろうじゃないの』
蜻蛉玉¦『はい?』
だから、瑞鶴は打って出た。
「あきつ丸、何時まで黙ってんのよ?」
「何がであります」
「はぁ、いいわ。今回のこれ、アンタでしょ?」
「何を証拠に言っているでありますかな?」
え、何言ってんのコイツ?という視線を向けられながら、瑞鶴はあきつ丸を真っ直ぐに見据える。
ーー悪いけどね、あきつ丸。私はアンタ以上の鉄面皮を相手に訓練してんのよーー
鳳洋との訓練で培った観察眼は確かにあきつ丸の手、湯飲みを持つ右手に力が入ったのを見逃さなかった。
瑞鶴は心の中で弓を構え矢をつがえる。
放つ矢は三射、確実に当てる。
「手紙」
「っ!」
「アンタが昨日、食堂で読んでいた手紙、それとあの時に言った決心がついた。そして、今回のこれ。タイミングが良すぎるのよ」
「・・・・・・」
「あきつ丸、アンタが何を隠しているのかは知らないし、今回のこれに関係があるのかも分からない。けどね、皆がこうして集まってんのよ? とっとと、言いなさいよ!」
ほなみん¦『・・・・・・』
ズーやん¦『・・・・・・』
元ヤン¦『・・・・・・』
邪気目¦『・・・・・・』
船長¦『・・・・・・』
空腹娘¦『・・・・・・』
にゃしぃ¦『・・・・・・』
鉄桶男¦『・・・・・・』
鉄桶嫁¦『・・・・・・』
約全員¦『え、何この展開?』
ズーやん¦『え、何? え?』
邪気目¦『待て待て、何? あきつ丸関連か?』
船長¦『いやいや、まだ答えは出てないぞ』
元ヤン¦『いやでもよ、瑞鶴が』
空腹娘¦『え? 瑞鶴さんが犯人なんです?』
にゃしぃ¦『吹雪ちゃん、違う』
鉄桶嫁¦『あの、冬悟さん。これって?』
鉄桶男¦『う~ん、話を待ってみようか?』
ほなみん¦『あ~、瑞鶴ちゃん? えっとね、今回は非常に複雑かつ面倒な事情が絡みまくっててね?』
約全員¦『お前知ってんだったら早く言えよ!』
表示枠が騒がしくなり、瑞鶴は顔横に出していた表示枠を叩き割った。
あきつ丸のすまし顔は崩れ、苦悶にも似た表情を浮かべている。
ーー何があったっていうのよーー
その様子に瑞鶴は疑問を覚えるが、非常に複雑かつ面倒な事情、磯谷はそう言った。
だとすれば、あきつ丸が口をつぐんでいる事にも納得は出来る。
だが、その事情は何だ?
「あきつ丸ちゃん」
「提督殿、いいのであります。自分から言うのでありますよ」
「うん」
「瑞鶴殿、皆様。自分、不肖このあきつ丸は」
恋をしよう。そう想ったのでありますよ。
次回からのネタ?
「ダメだって! あきつ丸、これ犯罪だよ!?」
「ギルティ」
「あっれ? 何か、俺に飛び火した?!」
「「お、おおおお! これぞまさにAMIDA神とAMIDA王のお導き!」」
「なんじゃあれぇぇぇぇ?!」
ラブストーリー?