バケツ頭のオッサン提督の日常   作:ジト民逆脚屋

9 / 130
どうも、逆脚屋です。「バケツ頭のオッサン提督の日常」第8話です。今回はオッサンがなにか考えるようです。
時系列が前後しており、分かりづらくなってるかも知れません。

それでは始まります!「バケツ頭のオッサン提督の日常」お楽しみください

それと、今回から少しシリアスなお話が続きます。
作者の正気はシリアスが終わるまで持つのか?デッドレースの開催です!

追記
設定集、加筆修正しました。オッサンと吹雪の項目です



オッサン、考える

家の吹雪君は、努力家だ。仕事の合間によく訓練をしている。俺もよく付き合うが結構ハードだ、オッサンの体力ではなかなかにキツイ。それをほぼ毎日行うのだ、だからまあ、あの食欲も納得できる、いや、ゴメン、やっぱ納得できないわ。

 

話が逸れたが、俺が何を言いたいかと言うと、吹雪君が無理をしてないか心配な訳よ。吹雪君の訓練を見ていると、何かを振り払おうとしているとしか見えない時がある。

 

それがなんなのかは俺には判らないが、それが吹雪君の抱える問題の原因、いや、トラウマと言った方が正確だろう。なぜなら射撃訓練時、的に狙いを定めるまではとてもスムーズな動きなのだが、引き金を弾くときに一瞬、本当に一瞬だが躊躇うのだ、躊躇うだけなら良かったが撃てない、引き金を弾けないのだ。何度も繰り返し弾こうとするが、引き金に添えられた指は動かない、何度も引き金を弾こうと指に力を込めるが、それでも指は動いてくれない。そのたびに、唇を噛み締めている。

 

前回、撃ちまくってただろって?ありゃぁ、例外だからノーカウントだよノーカウント、なあ、分かるだろ同じリンクry・・じゃなかった、同じ提督じゃないか

 

そんな吹雪君になにか出来ないかと、いろいろやってみたが、大した効果は無かった。トラウマを克服できなくても何か支えになるものがあればいいのだが。

 

そんな時、アノマロカリス事件が起きた。実を言うとこの事件が吹雪君の新たな武器を手に入れる大きなきっかけになる。

 

事件時、漁船の護衛をしていた時だ。突然吹雪君が海中から何かが接近するのを察知したのだ。船の魚群探知機にも反応は無いし、俺のチェルノ・アルファはレーダー系が弱い、吹雪君の装備だってそれほど探査能力が優れているわけでもない、この場合、吹雪君の勘違いか吹雪君自身の探査能力がずば抜けて高いか、この2つに絞られる。俺は後者を選んだ。その結果がアノマロカリス事件の最大の報酬だ。

 

吹雪君は凄い武器を手に入れた、いや、持っていたというのが正しいだろう。探査装備を使わずに、海中にあるものの動きや形が分かる程の高い探査能力を持っていたのだ。

 

吹雪君はこの事を聞いて驚いていた。どうやら無自覚だったようだ。

それからは、お祝いだ、吹雪君の新しい力に、新たな門出に、洋さんも呼んで吹雪君のためのフルコースを拵えてやると笑った、笑ってくれた。それからだな、あの食欲が俺に牙を剥いてきたのは、

 

その夜、吹雪君が寝静まるのを待って、新米ちゃんに連絡し、必要な物を準備してもらう。

吹雪君の専用装備を造るための資材を

そのあと、起きてきた吹雪君につまみを容赦無く奪われた。

 

しばらくして、吹雪君に専用装備を渡すために、彼女をドックに呼び出し、装備を渡したら、泣かれた。めっちゃ泣かれた。もし、あの光景を洋さんに見られていたら、俺は殺されていただろう。

泣きながら、お礼を言われた。当たり前のことをしただけだが嬉しかった。

 

専用装備と言っても基本は変わらない、ステルス機能のある外套を追加し、背中に背負っている作動機にレドーム状のアンテナを取り付け、ヘッドフォンを追加しただけだ。まぁ、ヘッドフォンには少しこだわりがある、新米ちゃんの案だがスピーカーカバーの部分にちょっとしたものをあしらってみたのだ。両の拳を打ち合わせるデフォルメされたチェルノ・アルファ、その腕の中に風に吹かれる雪の結晶が描かれたエンブレムだ。

どうやら気に入ってくれたようだ、花が咲くような笑顔を見せてくれた。

 

今、思えばこの時からだろう、この子を守ろうと本気で決めたのは。それがこの図体の使い道なのだろう

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?やっぱりシリアスはしんどい、オッサンにシリアスさせるつもり無かったんだけどなぁ

作者の残り正気度:99→80

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。