バケツ頭のオッサン提督の日常   作:ジト民逆脚屋

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さあ読むんだ。激突のヘクセンナハトを!
川上稔氏作の魔法少女ものだ!

あ、後、皆様思い出してください。
オッサンがこの世界に来る時に何を言っていたか。

鉄桶男¦『俺、あんまりハードな世界嫌だよ』

難易度激烈ハードだよ!


秋津よ秋津、空羽ばたけ

若様

 

御嬢様

 

全員揃ったのね

 

はい

 

・・・ねぇ、良いの?

 

何?

 

もしかしたら、もう・・・

 

うん、良いんだ

 

・・・そう

 

僕はもう決めたから

 

分かったわ。それじゃあ始めましょう

 

私達の抵抗を

 

 

 

 

 

 

〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃

 

 

 

 

 

 

仁田善人と名乗る近衛隊士、霧島はその足運びを観察していた。

今回の婚姻、狙いは篁啓生と神宮三笠の暗殺だけが目的ではない。霧島はそう踏んでいた。

 

何故なら、単純に二人の暗殺が目的なら二人が会した時を狙えば良い。しかし、今回は婚姻の場でその計画があるというのだ。

明らかに狙いは他にもある。それが霧島を始めとした全員の考えだ。

 

ーーしかし、流石は近衛と言ったところですかーー

 

先程から五百蔵と話ながら歩いている仁田だが、その歩幅と重心が崩れる事が無い。

一定の歩幅、安定した重心。巨躯を持つ五百蔵と移動をしながら話せば、どちらかにズレが出る。

しかし仁田にはそれが無い。

五百蔵の移動に合わせつつ、此方にも合わせている。

霧島はチラリと隣を歩く比叡を見る。

 

ーー御姉様ーー

ーー分かっています。霧島ーー

 

どうやら比叡も同意見の様だ。

霧島は厄介を感じつつ、ふと前を行く二人の足元に目をやり、違和を覚えた。

 

ーー歩調が義兄さんと同じ? 否、似ているーー

 

仁田の足運びは五百蔵のそれと酷似していた。

しかしそれはおかしい事だ。仁田と五百蔵とでは体格が違いすぎる。

仁田は長身でよく鍛えられているが、自分より頭一つ低い。だが五百蔵は、自分達の中でも最も長身だ。

その彼に歩調が酷似しているという事は答えは一つしかない。

 

ーーイェーガー。いえ、〝機動殻〟ーー

 

歩兵用戦術機動外殻 通称〝機動殻〟

 

歩兵の動きを補助し、身体を保護する最新の技術で造られる機械の鎧。型式は二種類あり、体の各所にフレームのみを取り付ける補助型、フレームに装甲や他機能を搭載して乗り込む様に使用する全身装甲型。

五百蔵達のイェーガーは全身装甲型に該当し、軍等で一般的なものはこの全身装甲型に当たり、補助型は医療や災害救助等の場で広く使用されている。

 

仁田は恐らく機動殻乗り。しかも、かなり腕が立つ。

これで一般隊士であるなら、団長格となればどれ程か。

霧島は全身に疼きを覚えたが

 

ーー控えなさい霧島ーー

 

隣の比叡が怖いので大人しくする事にした。

 

 

 

 

 

 

〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃

 

 

 

 

 

 

仁田善人は一般隊士である。可もなく不可もなく、特にこれと言って飛び抜けた技能も無い、近衛では珍しくもない一般隊士であると、考えている。

 

さて、その只の一般隊士が何故かは解らないが、篁と神宮の婚姻の場での警護に任命されてしまった。

参った。大いに参った。

確かに仁田は配属されている隊の関係上今回の主役の二人、篁啓生と神宮三笠とは顔見知りである。

その上、年が近いからか割りと親しく話す事もある。

だが、それだけだ。

それだけで今回のトンデモ現場に放り込まれて内心テンパっていたら、斑鳩当主からVIP待遇で迎える様に指示を受けていた五百蔵達を見付けて、更に焦った。

正直な話、勘弁してくれと思った。思ったが、仕事と割り切り話し掛ける事にした。

 

ーー仕事放棄したとか知られたら、団長になにされるか分からないしーー

 

団長は怖い、兎に角怖い。何て言うか〝死神〟とか呼ばれている時点で、護衛を主とする近衛隊士としてはアウト一発役満の満塁ホームランではないだろうか?

 

しかし、仁田は助かったとも同時に思っている。

 

「やっぱりトマトは水切りの時期に迷いますよね」

「確かに、早くに切りすぎると枯れますしねぇ」

 

この巨漢、五百蔵冬悟とは趣味が合う。

仁田の趣味は園芸だ。と言っても、自宅のベランダでプランターを使ってではあるが。

あまり話の合う人が近衛隊士には居なかったので、正直話が弾む。

篁啓生とも話は合うが、相手は上司というか警護対象、そう簡単に話す事は出来ない。

話をしているところを団長に見られたらなにされるか分からない。

 

「いや、随分話し込んでしまいました。申し訳無い」

「いやいや、こちらこそ話の合う人で助かりました。実のところ、こういった場には慣れてませんので」

「それは良かったです。では、皆様此方へ。此方が本日の式場となっております」

 

 

 

 

 

 

〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃

 

 

 

 

 

いやぁ~、参った。

磯谷穂波はものの見事に迷っていた。

招待状を受付に見せて播磨に乗り込み、式場近くまで来たまでは良かったのだが、そこでトラブルが起きた。

 

ーー流石、御三家。エロバニーで私を釣るなんてーー

 

式場近くに〝そういった店〟を見付けて突入し楽しんでいたら、周囲に誰も居なくなっていた。

困った。式場の近くだという事は分かっているのだが、肝心の式場が何処なのかが分からない。

 

ーーなんか、地図と立地が違うね~ーー

 

事前に確認した地図と現在の播磨の立地が微妙に違う。

よく見るか、地図を覚えて迷わないと分からない程、巧妙に建屋の位置が変わっている。

播磨は御三家と国が管理している。だから建屋の位置を変更する等、手を加える事も容易だろう。

だが、播磨は商業利用等はされていない筈、利益の発生しない鉄の塊に大金を投じて立地を変更する意味は無い。

 

ーー老朽化で建て直しって感じじゃないよね、これーー

 

あっちへフラフラ、こっちへフラフラ、式場に近付いているのかいないのか、定かでない動きで磯谷は播磨の街並みを歩き、立地を見聞していく。

明らかに建て増しした事が分かるビルに、無理矢理建て替えた平屋。

そして

 

「なんだろうね~? 何を運んだんだろうね~?」

 

中心地から離れた場所。地図上は避難民用の集合住宅が建っている筈の場所には何もなく、大きく拓けた道となっていた。

計測をしようと、磯谷は表示枠を開こうとするが、表示枠が開かない。

 

「あっれ?」

 

否、開きはするがノイズが酷く使い物にならない。

どうした事かと、なんとかして使える様にしようと設定を弄るが、どうにもならない。

まだ横須賀ネットワークの範囲内に播磨は居る筈。

なのに、表示枠が機能していない。

夕石屋に連絡も出来ない。

磯谷は頭を悩ませるが、サポートが無いのでは磯谷には何も出来ない。

 

ーーどうしよっかな~? ・・・脱ぐか・・・!ーー

 

何をどうしてそうなるのか。

着飾ったドレスを見ながら磯谷は広い道の真ん中で立ち尽くす。

 

「横須賀鎮守府提督磯谷穂波殿ですね」

「ん~? そうですけど、何か用ですか。美人さん」

「失礼を。私は近衛師団団長の神通と申します」

 

式場へは私が案内致します。

 

 

 

 

 

〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃

 

 

 

 

 

〝死神〟

 

どうした? 〝魔王〟

 

奴らがそうなのか?

 

そうだ

 

ふぅむ。あの大男と霧島に天龍はやりそうだが、他はそうでもなさそうだが

 

油断するなよ。奴らはあの〝閣下〟の配下だ。やらぬ筈が無い

 

分かっている。戦場で容赦は不要だ

 

流石だ〝魔王〟 

 

では往くか?

 

ああ、若様と御嬢様の抵抗を成就させるぞ

 




次回?

徐々に姿を現してきた近衛師団。

現在判明しているメンバー

団長 荒谷芳泉
団長 神通
一般隊士 仁田善人

Unknown 〝死神〟〝魔王〟

さあ、篁啓生と神宮三笠の抵抗とは?
播磨は何故、改築された?

裏切り者は居るのか?
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