Was yea ra sonwe infel en yor…   作:ルシエド

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「物語は終わりを迎えるけど、無限の明日に咲き誇ろう」



エピローグ

 キャロルは未来に、ジュードを迎えに行くと決めた。

 そして錬金術の申し子たる彼女が開発したのが、人の肉体から人造躯体への精神移行技術……人工生命体『ホムンクルス』の製造と、それへの自身の記憶の転送複写である。

 途中までは上手く行っていたが、魂の紐付けによる自己の連続性の保持という問題がネックになった。

 

 例えばキャロルが自分の複製を作り、髪の色や黒子などが完全に複製されなかった失敗作に、自分の記憶をダウンロードさせたとする。

 だがその失敗作は、キャロルの記憶を自分の記憶として認識しながら、自分のことをキャロルであると誤認することはない。

 "自己の連続性"とは、そういうことだ。

 

 自分がキャロル・マールス・ディーンハイムであるという認識の下地がなければ、記憶をダウンロードしただけでは『新しいキャロル』を生み出すことはできない。

 ホムンクルスに関しては父由来の錬金術の知識という基礎がある。記憶を用いる技術はジュード由来の知識という基礎があり、かつキャロルの得意分野である。

 だが魂に関する技術は完全に専門外だった。

 

 一から研究し、彼女が最初の躯体に意識の転送を果たした時、既に長い年月が経っていた。

 年老いたイザークが、天寿を全うしようとしていたくらいに。

 

「パパ」

 

「……おお、キャロル。その姿は、懐かしいな……」

 

 ベッドに横になっている、年老いたイザークの手を幼い容姿のキャロルが握る。

 

「キャロル、世界を知るんだ……それが……」

 

「うん、分かってる」

 

 容姿こそ子供だが、子供らしくない柔らかく穏やかな笑みを浮かべて、キャロルはイザークに微笑みかける。

 

「わたしは世界の全てを知ることを目指すよ。

 人が人と分かり合うためにはとても大切なことだから、でしょ?」

 

 先史の時代、人はバベルの塔の崩壊と共に相互理解を失った。

 その日より、人は"相手のことを理解できない"という理由から、互いを傷付け合うようになってしまった。

 その果てに人類の相互理解、失われた統一言語を取り戻すために創造されたもの。

 それが錬金術である。

 ゆえに本懐を忘れていない錬金術師が目指すものは、皆同じ。

 

 『人と人が分かり合える未来』だ。

 

「パパが果たせなかった夢は、わたしが叶えてみせるから」

 

「……ああ」

 

 イザークはそれを『夢』として追った。

 されどそれは彼の人生を丸ごと費やす程度では届かない、高い頂。

 

 イザークはその『夢』に手を届かせることはできなかった。

 されど彼の夢を継ぐ者が居る。

 

 イザークの『夢』は儚く散った。

 されどその夢は、キャロルの手によっていつの日か果たされるだろう。

 

「ありがとう、キャロル。私は、いい娘を持った……」

 

 夢を継いでくれた娘の声に、イザークは本当に安心したような表情を浮かべ、目を閉じる。

 そして二度と、目を開けることはなかった。

 

「おやすみ、パパ」

 

 ジュードは去った。

 ガリィは止まった。

 イザークも逝った。

 

 がらんどうになった家の中を、キャロルは歩く。

 誰も居なくなった家の光景を、キャロルは想い出の中に刻んでいく。

 父と母が居た頃の記憶を思い返しながら。

 ジュードとガリィが居て四人揃っていた頃の記憶を思い返しながら。

 時を越えて来た少年のおかげで、最期まで共に過ごせた父との記憶を思い返しながら。

 

 家の中から本当に大切な思い出の品だけを持ち出して、キャロルは家に火をつける。

 彼女が生まれた時からずっと過ごしていた家。

 そして残しておくには、錬金術という危険な技術があまりにも刻まれていた家だった。

 

 焼却されていく想い出の家を、キャロルは一人、ずっと見続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界を渡り、知識を求めた。

 世界を渡り、聖遺物も確保した。

 彼女は体を何度も何度も乗り換えて、ジュードとイザークに言われた『世界』を知った。

 そして世界を巡る度、世界と人の美しさと汚さを知っていった。

 

 子供が大人になる過程で一人称や話し方が変わっていくように、17世紀から21世紀の数百年を生きたキャロルもまた、一人称や話し方が変わり果てていく。

 

「そうだ、もう一度、わたしはあの人に会いたくて。

 この世界に一人ぼっちになってしまった寂しさを、終わらせたくて」

 

「ボクは世界を知りながら、目指すものを見据えて錬金術を練り上げて」

 

「ただオレは、流れ行く長い月日を乗り越えた」

 

 寂しい。そう思うけど、諦めない。

 悲しい。そう思うけど、諦めない。

 つらい。そう思うけど、諦めない。

 だって"未来にまた会おう"と、彼と約束したのだから。

 

「キャロルさん」

 

 パパなら助ける。ジュードなら助ける。

 ピンチの人を見るたびにそう思ってしまうキャロルは、数百年の間、色んな場所で色んな人を助けていた。

 錬金術で手を貸してやったこともあった。

 小さな子供が自立するまで育ててやったこともあった。

 ちょっとしたことで聖遺物が暴走し、国家の危機になっていた時もあった。

 家庭の問題に参戦した時もあった。

 気付けばキャロルの周りには、人との繋がりがいくつもあった。

 

「キャロルの姐さん」

 

 皆が彼女の名を呼ぶ。親愛を、友情を、信頼を込めて。

 

「ミス・キャロル」

 

 味方だけでなく、敵も彼女の名を呼んだ。

 助けた見返りに罵倒が返って来た時もあった。

 それでも彼女は「パパなら」「ジュードなら」と思い、数百年を生き続けた。

 数百年の生が、彼女の中から"綺麗だから世界が好き"という考え方を消す。

 数百年の生が、彼女の中から"汚いから世界が嫌い"という考え方を消す。

 結果、彼女の中には出来の悪い家族を見るような『世界への愛』が残った。

 

 綺麗な部分があって、汚い部分がある。それが世界。

 父の「世界を知るんだ」という言葉に隠された意味を、数百年を経て彼女はようやく理解する。

 世界を知るから、世界を愛せる。

 世界を愛しているから、世界を許せる。

 あの魔女狩りの日からちょっとだけあったキャロルの中の人間不信も、世界とその一部である人というものを知る過程で、いつの間にか消え失せていた。

 

「私達、結婚することになりました」

 

 キャロルはその生涯の中で、何度か子供を助けた。

 その子供達の中の二人、ラクウェルとアルノーが合縁奇縁で巡り合い、なんかいい感じになって結婚すると聞かされた時、キャロルは笑顔で祝福した。

 特にラクウェルの方は『アップルゲイト』というファミリーネームが琴線に触れ、病気になったらアルニムを取って来てやるなど、特に面倒を見てやった覚えがあるからなおさらに。

 生を転じて姿を変える親の下で育ったというのに、その子らは健やかに育ってくれたものだ。

 

 夫婦の幸せを喜ぶキャロル……だが、いかな運命か。

 キャロルがジュードとガリィの言葉から計算していたジュードの生年月日に、ラクウェルとアルノーの間に『ジュード』という子が生まれると、彼女は感慨深く息を吐く。

 

(……ああ、そうか、そういう繋がりになるのか)

 

 卵が先か、鶏が先か。

 キャロルは惚れた男が生まれ落ちる時に立ち会ってしまったらしい。

 ……こうまで運命的に引き合っているのを見ると、時空を超えて二人の愛が互いを引き寄せているんだとか、そういう理屈まで頭によぎってくる。

 が、帽子を深く被り直して顔を隠し、キャロルは赤くなった顔とその思考を隠した。

 

 やがてキャロルは、詳細は伏せてラクウェルとアルノーに頼み込む。

 ある時期になればジュードを預からせて欲しい、と。

 キャロルを信じるラクウェルとアルノーは、彼女を信じてその頼みを了承した。

 

 ジュードと父以外はどうでもいい人間だと、そう思っていたはずだったのに。

 また出会うためなら、世界だって犠牲にしていいと思っていたのに。

 キャロルは自分を信じて愛する子を預けるラクウェルとアルノーを見て、両腕が使い物にならなくなるジュードの運命を思い出し、胸が締め付けられるような気持ちになってしまう。

 それはキャロルが、この数百年で大人になったということでもあった。

 この時代において"ジュードが惚れるキャロル"になったということでもあった。

 

 昔日の少女の恋心は、幼さの抜けた愛へと変わる。

 

 キャロルは変わるが、その恋心が消え失せることはない。

 

 彼女の中に、あの日々の想い出がある限り。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最初は短い間しか生きられなかったホムンクルスの躯体の寿命も徐々に伸び、10番目の躯体を使う今となっては、80~100年の時を保たせることも難しいことではなくなっていた。

 キャロルは"あの日の続き"を始めるために、ジュードと別れた日の体を再現した躯体を使う。

 

「えと、はじめまして?」

 

「……ああ、はじめまして」

 

 それでも、『今』のジュードはキャロルのことを知りもしない。

 キャロルのことを好きどころか、興味すらも持っていない。

 ただの"はじめまして"に、彼女の胸はやたらと痛んだ。

 

「お前の名前は?」

 

「ジュード。『ジュード・アップルゲイト』」

 

 それでも、ここから始まるものがある。

 

「君の名前は?」

 

「オレは『キャロル・マールス・ディーンハイム』」

 

 キャロルに取っては道半ば、ジュードにとっては道の始まり。

 

「奇跡を届けるために、お前を迎えに来た」

 

 導かれるように、引き合うように、彼は運命(かのじょ)と出会った。

 

 

 

 

 

 何かを思い出すというわけでもないのに、何かそれが形を結ぶというわけでもないというのに、キャロルはジュードに色々なことをした。

 あの日のように、料理を作ってご馳走した。

 料理の味の感想を聞いた時、キャロルは何を思っていたのだろうか。

 

「他人に料理を作ったのは久方ぶりだが……オレの料理に変な癖はついてないか?」

 

 歌を聞かせたら、二人で一緒に世界を回る。

 その約束もここで果たした。その約束を、『今』のジュードは知らないというのに。

 世界で一番美しい海。世界で一番荘厳な山。世界で一番綺麗な町。世界で一番大きな塔。

 それが自己満足と知りつつも、キャロルはジュードを連れて世界を回り、彼にこの世界の美しさを見せ続けた。

 

「お前と共に世界を回るのも、オレの役目だ」

 

 一緒に暮らし続ける内に、キャロルは目の前のジュードが、自分の知るジュードでないことを知る。彼女に告白した時の彼とはあまりにも違うことを知る。

 過去に飛んだジュードが、過去のキャロルに対して思ったのと同じように。

 それでもいつか、奇術を手に入れたジュードは、幼いキャロルが一目惚れする様になる。

 

「お前はオレを笑わせる以外にやりたいことはないのか?」

 

 何故ならば、キャロルがこう問えば、ジュードは"ない"と断言するほどの男だったから。

 この頃からずっと、彼はブレていなかったから。

 キャロルを笑顔にするために、勝手に奇術を磨き始めるような少年だったから。

 

 そんなジュードが、キャロルに腕と共に失われた奇術を見せる。

 キャロルがそれで笑顔にならないなんてこと、あるわけがなかった。

 

 

 

 

 

 キャロルはジュードを引き取って、ガリィの復活の大詰めに入る。

 一度再起動してしまえば、ガリィは自分の体の大部分を再錬成し、それなりに動けるくらいには元に戻ってくれる。

 だからキャロルは、ガリィの再起動に関わる部分、ガリィが自分で直せない部分だけを直していけばいい。

 

「時計の砂が逆巻くなら、あの日、オレが奪ったあいつの両手を、戻してやりたい……!」

 

 キャロルは一つ工程を終えるたび、一つ願いを込める。

 

「ガリィに託すしかないとしても……運命が変わらないのだとしても……オレは……」

 

 あの運命だけ変わってくれればと、彼女はそう思わずにはいられない。

 たとえそれが絶対に不可能なことなのだとしても。

 徒労に終わると分かっていても。

 運命は変わらないと知っていても。

 それでも、彼女はあの日のジュードのために、何か手を尽くさずにはいられない。

 

「……頼むぞ、ガリィ」

 

 そうして、キャロルがガリィの体を作る。

 ジュードが手を貸して、ガリィが再起動する。

 キャロルが世界を回り確保した時を渡る聖遺物が組み込まれる。

 そしてガリィに拉致されるように、ジュードは時の壁を越える。

 

 数百年ぶりに見た光の柱は懐かしくて、嬉しくて、やり遂げたという達成感を感じさせて、キャロルの涙腺をちょっとだけ緩ませる。

 

「これは『終わり』を告げる『始まり』の光」

 

 キャロルはほうと、深く息を吐く。

 

「今でも信じてる。これは、あの時出逢った懐かしい光だから。……なあ、ジュード」

 

 そして帽子をかぶり直し、その場に背を向け、この場を去った。

 

 

 

 

 

 涙をこらえて、キャロルは家の前に出る。

 ガリィが首尾よくやってくれたならここに来るはずだと、そう考えるも"もし失敗していたら"という不安をどうしても抑えきれずに、彼女はそわそわと落ち着きのない様子を見せる。

 だがそれも、杞憂に終わったようだ。

 

 彼女の前に現れるは光の柱。

 そして光の柱の中から現れる、あの日別れた時のままの姿の少年。

 腕の痛々しい包帯と、ちょっとだけ伸びた身長がその証明だ。

 

 時を越える旅を終えたジュードが、キャロルに向かって口を開く。

 時を過ごす旅を終えたキャロルも、ジュードに向かって口を開く。

 互いの言葉は、ほぼ同時。

 

「ただいま」

「おかえり」

 

 そしてキャロルは、ジュードを正面からギュッと抱きしめた。

 彼女は"次に会った時絶対に言う"と決めていた言葉を口にする。

 短くも、数百年間揺らがなかった一途な愛を、言葉に変える。

 告白の返事に、ありったけの恋心を込める。

 

「愛してる。大好き」

 

 時は完結する。

 運命は完結する。

 ジュードとキャロルの時に阻まれた恋の物語は、ここに一つの結末を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから、七年の月日が経った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

611 名前:名無しさん[]投稿日:2027/06/17(木)23:50:26 ID:???

  未来と過去は、どちらが先にあると思う?

 

612 自分:名無しさん[sage]投稿日:2027/06/18(金)00:01:20 ID:???

  過去に決まってるでしょ

 

613 名前:名無しさん[sage]投稿日:2027/06/18(金)00:09:42 ID:???

  例えば時間を行き来できる人が居るとしよう。

  この際、平行世界というものは存在しないとする。

  未来から来た人間が過去を変えれば未来は変わる。

  なら、未来が変わったら? 未来から来た人間にその影響は出るだろ?

  過去を変えれば未来が変わる。

  でも未来が変われば、未来から過去に来た人間も変わり、過去も変わる。

  過去と未来は相互に変え合う関係にあるんだ。

 

614 自分:名無しさん[sage]投稿日:2027/06/18(金)00:13:01 ID:???

  そんなの時間を自由に行き来できるって仮定ありきじゃん

  人間は過去から未来にしか行けないんだから、そういうのはタイムマシン出来てからでしょ

 

615 名前:名無しさん[sage]投稿日:2027/06/18(金)00:15:59 ID:???

  かもしれない。

  ただ、時間を行き来できる存在が居たとしたら、過去と未来に前後関係はなくなる。

  そうは思わないか?

  本当は過去と未来にどちらが先か、なんて話はないんだ。

 

616 自分:名無しさん[sage]投稿日:2027/06/18(金)00:20:51 ID:???

  そういう話がしたいんならそういうスレ行けばいいのに

  第一、タイムパラドックスは?

  例えば未来の子供が過去の世界に行って両親に会う

  →子供が両親が自分を産む前に、両親を殺す

  →これでその子供は生まれなくなるのに子供が居なければ両親の死は起こりえない

  この矛盾は?

 

617 名前:名無しさん[sage]投稿日:2027/06/18(金)00:24:22 ID:???

  この世界に矛盾はない。

  それはそれを理解しようとする人間の解釈のどこかに矛盾があるだけだ。

  その両親は実は実の両親じゃなかったかもしれない。

  子供は両親を殺そうとしたけど運悪く殺せなかったのかもしれない。

  両親は最初から死ぬ人間と決まっていて、それを補完しただけなのかもしれない。

  時間を移動したくらいじゃこの世界に矛盾は生まれないのさ。

  それは万象を黙示録に刻むまでもなく、明らかになっていることなんだ。

 

618 自分:名無しさん[sage]投稿日:2027/06/18(金)00:26:33 ID:???

  つまりあれ?

  何をしようが未来も過去も変わらず可能性は収束するとかそういう理論?

  俺もそういうSF好きだけどさあ

 

619 名前:名無しさん[sage]投稿日:2027/06/18(金)00:31:19 ID:???

  それに近いかな。

  未来を変えれば過去が変わる。過去を変えれば未来が変わる。

  そして世界は、全ての人間の全ての意志による全ての変化を包括する。

  「未来を変える」と決断した人の行動の結果も含めて、今の未来があるんだ。

  人はそれぞれ、自分の意思を持っている。自分らしさを持っている。

  ハチャメチャな人も、型にはまった人もね。

  同じ時間、同じ世界、同じ状況の中でなら、人の心は必ず同じ選択を選ぶ。

  未来を変えようとする行動でさえも、既定の明日を作り上げるための要素ということなんだ。

 

620 自分:名無しさん[sage]投稿日:2027/06/18(金)00:32:40 ID:???

  人が未来を変えようとして、実際変えるから、最終的な未来は変わらない的な?

  この手の話は、未来を変えようとする行動が徒労っぽくてそこが嫌だねえ

 

621 名前:名無しさん[sage]投稿日:2027/06/18(金)00:33:01 ID:???

  そういうものなんだからしょうがない。

  未来が変えた過去も、また未来を変える。未来も過去も変わる。

  でもさっき言った通り、世界の形はタイムパラドックスを起こすほど変わりはしない。

  何故だと思う?

 

622 自分:名無しさん[sage]投稿日:2027/06/18(金)00:34:46 ID:???

  知らね

 

623 名前:名無しさん[sage]投稿日:2027/06/18(金)00:37:58 ID:???

  過去と未来の時間移動による影響を、最終的に包括した世界の流れ。

  最終的に決定された『あらゆる物事はこう流れる』と決められた世界の形。

  それを『運命』と言うんだ。

  普通の人に運命は変えられない。

  変えられるのは、選ばれた一部の人間だけだっていう話さ。

 

624 自分:名無しさん[sage]投稿日:2027/06/18(金)00:39:17 ID:???

  急にロマンチストな単語が出て来て笑っちまったよ

 

625 名前:名無しさん[sage]投稿日:2027/06/18(金)0:55:55 ID:???

  『運命』にようこそ。そこで、素敵な夢が君を待っている

 

626 名前:名無しさん[sage]投稿日:2027/06/18(金)01:11:11 ID:???

  奇跡を、頼むよ

 

 

 

 ジュードは掲示板に最後の書き込みを終え、背筋を伸ばす。

 今彼が居る日本ではない家には複数人の居住者が居るが、パソコンも回線も一つしかないため、家族でよくパソコンの取り合いになっていた。

 そしてようやく、この時間になってから書き込めた、というわけである。

 "この時間"とは言うが、掲示板に表示されている時間は日本時間だ。

 ジュードが書き込んだ時刻は、彼の国基準なら真っ昼間である。

 

 椅子から立ち上がるジュードは、今年ようやく20歳の青年となっていた。

 背は伸び、体格は細身だが身長も170半ばを超えている。

 10番目の躯体に成長するものをチョイスしたキャロルの肉体も成長し、今ではジュードの一つか二つ下くらいの年齢の容姿となっていた。

 七年の月日が流れれば、彼らの容姿もそうも変わるだろう。

 

「さて、ちょっとしたヒントを与えて……あ」

 

 過去の自分、最初の人生の自分にアドバイスして満足したところで、ジュードは気付く。

 

「いや待てよ、僕がここでこの書き込みをして、ちょっとだけ夜更かしさせたから……

 あの時の僕が起きる時間がズレて、あの時間に車に轢かれたとかあるのか……?」

 

 "あの日自分を死なせた要因の一つは、今自分がここでした書き込みなんじゃないか?"と。

 たらり、と一筋冷や汗が垂れた。

 すぐさま何か掲示板に書き込もうかとも思うが、この時間帯には既に過去の自分が寝ていたことを思い出し、無駄だということを悟る。

 

「いやいや、まさか……まさか?」

 

 彼が死んだのは、今のジュードから見ればちょうど20年前であり、明日だ。

 記憶が多少曖昧になっても仕方あるまい。

 最初の書き込みで『sage忘れ』したことも、地味に彼にとってはショックなことであった。

 どうしようかなあ、と考えつつ、ジュードは部屋を出て廊下を歩く。

 

「あ、お兄様」

 

「ん? ああ、エルフナインか」

 

 そこに現れたのは、キャロルと似た容姿を持ちながらも、黒子がなく金髪にならなかった若草色の髪を持つなど、明確な容姿の違いを持つ『エルフナイン・ディーンハイム』という少女だった。

 ネットの変な文化にかぶれたディーンハイム一家の皆に何を吹きこまれたのか、ジュードを"お兄様"と呼ぶのが何ともちぐはぐな印象を与えてくる。

 キャロルの妹か何かなのだろうか?

 

「今日も"ガリィ"を?」

 

「ああ。とはいっても、僕の手じゃいつも通り大したことはできないんだけどね」

 

「お共します。ボクの手を使ってください!」

 

「ありがとう。助かるよ」

 

 エルフナインは張り切った様子を見せ、微笑むジュードの一歩先を移動しながら、ドアを開けたり機材を集めるなどの手助けを甲斐甲斐しく行っていく。

 ジュードの動かない手の代わりとしては、十分過ぎるほどだった。

 そして二人は準備を終えて、台の上に横たえられた人形を挟むように立つ。

 

 その人形は、『ガリィ・トゥーマーン』の姿を寸分違わず再現していた。

 

「さて、始めようか」

 

「はいっ!」

 

 この人形は昔に見たガリィを参考にしてキャロルが作り上げた、何体ものオートスコアラーの開発で得られた技術、及び聖遺物の解析から得られた技術をフィードバックし、キャロルがかつてのガリィを極限まで再現したものだ。

 されど同時に、細かいところを弄るだけでもそれなりに大変な精密機械でもある。

 ジュードは文字通りにエルフナインの手を借り、紋章(クレスト)で手を使わず調整を繰り返していたが、それでも汗と疲労が目に見えていた。

 懸命にジュードに尽くすエルフナインは、一息つくタイミングを見計らって彼にその理由を聞いてみた。

 

「何故、そんなに頑張るんですか?」

 

「友達を、取り戻したいんだ。……いや、そう思ってるのは僕だけかもしれないんだけど」

 

 ジュードは眼前の"ガリィを模した新造人形"を見て、その向こうに昔日のガリィを見ながら、今でも色褪せていない友情を語る。

 

「時間に矛盾はない。世界に矛盾はない。

 時の中に輪が出来ていても、輪の外に始点と終点があることはある」

 

 ジュードは時を遡って来た人間だ。

 そんな彼だからこそ体感した世界の真理があり、だからこそ立てられる理論があった。

 彼だからこそ理論建てて道筋を考えられる、技術で成される奇跡があった。

 

「今なら分かる。彼女の旅の始まりはここで、彼女の旅の終わりもここなんだ」

 

 それはキャロルのためではなく、ガリィのためだけに捧げられようとしている奇跡。

 

「誰も作っていない人形はループの中には入れない。

 那由多の彼方に壊れる人形である以上、ガリィは永遠のループを構築できない。

 その矛盾を解消する最後のピースがこれだ。

 このガリィと、ループの中に居るガリィを時間移動で『交換する』。

 ガリィという存在はここに始まり、ここに役目を終え、ここに帰って来るんだ」

 

 過去から未来への時間の流れは、一本線だ。世界線も時間軸も一つしかない。

 にもかかわらず、時の一本線に時の輪が接続されることで、ガリィのループは無限回数繰り返したとしても時の流れに矛盾が発生することはない。

 時が一度流れる間に、彼女は壊れるまで理論上無限回数時を繰り返すことが出来る。

 

 例えば彼女が仮に一週間を繰り返す人形だったとしよう。

 彼女は一週間を無限回数繰り返すことができる。

 一週間という限りある時間の中で、無限の経年を重ねるという矛盾を成立させることができる。

 

「"ガリィを必ず迎えに行く"と思い立ってから、七年も経っちゃったけどね」

 

 だから一つの時間軸の中で、ガリィが作られ助けられるという行為が一度づつ行われるのだということと、ガリィが何度も時間を繰り返していたことは矛盾しない。

 彼女のループの始点と終点の形だけは、絶対に変わらないからだ。

 ガリィが何度もキャロルとジュードと出会うことと、一度だけ助けられることは矛盾しない。

 

 奇妙な話だが、矛盾しないのだ。

 

「友達思いなんですね」

 

「友達に会いたいだけだよ」

 

 ジュードは13歳から20歳、つまり日本で言うところの中学1年生から大学3年生になるまでの時間を、ガリィという一人の友達を助けるために費やしていた。

 彼自身はそれを誇らしいことだと思っていないのか、恥ずかしそうに苦笑している。

 だがエルフナインが彼を見る目は、情けない男を見る目ではなく、もっと違う何かだった。

 

「あの、お兄さ―――」

 

「……何を楽しそうに話し込んでいる」

 

「あ、キャロル」

 

「よーすジュード」

 

「やあ、ミカ。今日も元気だね」

 

「……うぅ」

 

 何かを言おうとしたエルフナインだが、そこに現れたキャロルと赤い髪の人形に遮られてしまった。赤い髪の人形の名は『ミカ・ジャウカーン』。

 ガリィと同じ、自動人形(オートスコアラー)である。

 そしてキャロルが作った中で、現存する最古のオートスコアラーでもある。

 

「みゃはは、エルフナインも言いたかったこと遮られちゃってかわいそうだゾ」

 

「え? ぼ、ボクは別に……大したことでもありませんでしたし……」

 

「マスターとエルフナインは性格の基礎の部分が同じで同じ趣味嗜好。

 だからマスターはエルフナインにジュードが取られないか心配なんだゾ」

 

「……そんなわけがないだろう」

 

「なのでマスターはジュードがガリィとやらにお熱なのも気に入ってないんだゾ」

 

「ミカ」

 

「オートスコアラーの想い出吸収機能を口から移したのもそういうことだゾ?

 色々試してれば、我々が想い出無制限のジュードから補給するようになるのは当然。

 でもそうするとオートスコアラーとジュードがキスしないといけないわけで―――」

 

「ミカ!」

 

「マスター、うるさいゾ」

 

「……これだから調整不足の初期型は……!」

 

 ミカの自由奔放ぶりに翻弄されるキャロルの様子には、普段キャロルがジュードにしか見せないような彼女の地の性格が透けて見える。

 キャロルは基本的にいい子なのだ。

 そしていい子はいじられても本気で怒りにくいため、人が集まるコミュニティの中では、必然的にいじられ役になりやすい。

 

「『ファラ・スユーフ』、入室しますわ」

 

「『レイア・ダラーヒム』、地味にファラの手伝いで入るぞ」

 

 そこに新たに現れた二体の自動人形。

 ファラとレイアと名乗った二人は、機械のパーツが大量に入ったダンボールを抱え、部屋の中に入ってくる。

 キャロル、エルフナイン、ファラ、レイア、ミカ、そしてジュード。

 今はこの六人――三人と三体――が揃ってディーンハイム一家である。

 ファラとレイアは、ジュードの左右に彼が必要としていた細かなパーツを置いた。

 

「旦那様、パーツを持って来ました」

 

「今日もご苦労様だな、旦那様」

 

「ああ、ありがとう。ファラ、レイア」

 

「お前らもジュードを旦那様と呼ぶのはやめろ!」

 

 そしてファラとレイアも隙あらばお茶目さを見せていく。

 二人がジュードを"旦那様"と呼ぶと、キャロルが顔を赤らめて叫んだ。

 叫ばれた途端、顔を見合わせるレイアンドファラ。

 

「だって、ねえ?」

 

「だって、なあ?」

 

 そこにミカまで加わって、なんか止められない流れが出来上がる。

 

「旦那様でいいんじゃないですか、奥方様」

「旦那様でいいだろう、奥方様」

「奥方様は照れてるんだゾ」

 

「クソこいつら、自由行動権を与えたらネットで変な知識と想い出ばっか身に付けて……!」

 

 想い出の補給もできるからと、オートスコアラーにもネットを開示したのが間違いだった。

 オートスコアラーのAIは、キャロルとジュードの精神構造構成要素をシェイキングして、それに個性としての方向性を持たせたものである。

 言い換えるなら、二人の子供達とでも言うべきものだ。

 ……なのだが、そこにネットで得た知識などの余計なものが加わった結果、オートスコアラーズはキャロルの従者というより友人に近いものになってしまっていた。

 

 キャロル、エルフナイン、ファラ、レイア、ミカ、そしてジュード。

 今はこの六人――三人と三体――が揃ってディーンハイム一家である。

 ここにガリィが加われば、キャロルが憤死する虹色のフリューゲルが完成しかねない。

 

 オートスコアラー自体、キャロルの"一人が寂しい"という気持ちから生み出された『寂しさのマリオネット』であるので、ある意味これは想定以上の完成度であると言えるのかもしれない。

 ……いじられているキャロルの精神状態を鑑みなければ、の話だが。

 ジュードが割って入って三体を止め、キャロルがその隙に特大の溜め息を吐くと、部屋の時計が食事時だと皆に知らせる音を鳴らした。

 

「そろそろ飯にするか」

 

「あれ、もうそんな時間?」

 

 ジュードが部屋を出ようとすると、エルフナインがすかさずドアを開けて彼を通す。

 甲斐甲斐しいエルフナインにジュードが笑顔を見せて礼を言うと、キャロルがエルフナインと目を合わせる。鷹のような目であった。

 エルフナインはキャロルへの好意からか、キャロルへの恐怖からか、その場でオロオロしながら右往左往。そして最終的にジュードの影に隠れた。

 目つき鋭いキャロルを見て、ジュードは苦笑をして彼女をなだめる。

 

「キャロルももう少しエルフナインに優しくしてやりなよ」

 

「……お前が頼むから、一人の人間として生かしてやっているだけだ。

 お前と再会できた以上、廃棄予定だった11番目の躯体(エルフナイン)を残す必要はない。

 ジュードのたっての頼みだから、ディーンハイムの人間として認めているにすぎない」

 

 エルフナインの体は、キャロルの交換用躯体の一つだったものだ。

 キャロルはジュードと再び会うために、体を何度も取り替えながら生き長らえてきた。

 結果、ジュードと会えた時点で"次に転生する予定だった体が一つ余ってしまった"のである。

 それを捨てず、人として生きる道を与えたものが、エルフナインという少女だった。

 七年前に九歳くらいの肉体年齢でロールアウトされたエルフナインもまた、キャロルの肉体と同じように歳をとっていたが、その精神年齢はキャロルのそれよりはるかに幼い。

 

 キャロルと同じ体に、常識レベルの記憶はキャロルのそれをダウンロードしたエルフナイン。

 ミカが性格の基礎は同じ、と言ったのはそういうことだ。

 エルフナインは生まれ落ちたその時から、ジュードを信じ頼る心を持っている。

 なので追い込まれると、習性的に彼の影に隠れるのである。

 

「マスターはジュードの好みの顔が自分だと知ってるからエルフナインに妬いてるだけだゾ」

「あらやだミカちゃん、本当のこと言っちゃダメよ」

「そうだぞミカ。こういう時は地味に事態が動くのを待つんだ」

 

「黙ってろこのハゲタカドールズ!」

 

 隙あらばいじりに来るハゲタカ人形達を蹴散らして、キャロルはジュードの横に並ぶ。

 ジュードはキャロルとエルフナインにもっと仲良くして欲しいようで、何度目かも分からない仲裁の言葉をまた口にした。

 

「キャロルはエルフナインのお姉さんなんだから、優しくしてやりなよ」

 

「……オレとあいつが姉妹というのは、決定事項なのか」

 

 はぁ、と溜め息をつくキャロル。

 溜め息吐きたいのはこっちだゾ、とミカは呟いた。

 ジュードがマスター以外に惚れるわけないんだからその頓珍漢な嫉妬と不安をすぐに投げ捨てるべきなんだゾ、とファラも呟いた。

 ゾ、とレイアも呟いた。

 そして全員聞こえるように呟いていたため、キャロルは盛大にブチギレるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから、三ヶ月の後。

 

「ジュード、ここはどこなのかしら?」

 

「ファラは来たことがないかもしれないけど、ここが日本って場所さ。僕の……故郷かな」

 

「知っているぞ。この地味な石の配列は、日本の墓だろう?」

 

「そ。レイアの言う通り」

 

 ディーンハイム一家は、皆揃って日本の墓の前に居た。

 

「この墓は、僕の両親の墓なんだ。結局、一度も墓参りには来なかったんだけどね」

 

「? お兄様のご両親はまだご存命のはずでは……」

 

「いや、この人達も、確かに僕の両親なんだ。」

 

 "日本の両親"の墓の前で、ジュードは両の手を合わせる。

 他の者達も、日本の作法など知りもしなかったが、彼を真似して両手を合わせた。

 彼の主観では30年以上、ずっと来ていなかった墓だった。

 そうでなくとも、彼が一度も来ていなかった墓だった。

 彼の視点では自分を愛していたのかも分からない、両親の墓だった。

 手を合わせるジュードだったが、そこで突然キャロルが彼の目の前に写真を差し出す。

 

「キャロル、これは?」

 

「お前の境遇は聞いていた。……だから、お前の両親が死ぬ前に、お前の両親に会ってきた」

 

「―――!」

 

「お前の両親は、お前を確かに愛していた。それはオレが保証する」

 

 そこに写っていたのは、幼い日本人の子供を愛おしげに抱える夫婦とキャロルだった。

 一緒に写真を撮って欲しい、とでも言ったのだろうか?

 その写真に写っている両親の顔は、最初の人生で鏡の向こうに何度も見た顔とよく似ていて、ジュードに紛れも無く自分の両親なのだということを、突き付けていて。

 愛おしげに幼い自分を抱えている姿が、まごうことなく彼が愛されていたことを証明していて。

 

「ありがとう」

 

 ジュードは泣きそうな声で、キャロルに礼を言った。

 

「ありがとう、キャロル」

 

「……公衆の面前だ、離せ」

 

 そして彼女をギュッと抱きしめる。ありったけの愛をこめて。

 ジュードに抱き締められているキャロルの表情は見えないが、口では拒絶しているものの行動で拒絶はしていない。

 そしてジュードは彼女を離す気がまるでなかった。

 このままずっと存在忘れられたまま放置されるのはやだゾ、でも邪魔するのもやだゾ、後でからかうゾ、とミカが思った、まさにその時。

 

 地面が、地震とは違う異常な揺れ方をした。

 

「!」

 

「なに!?」

 

「あれは……」

 

 その場の全員が緩んでいた気を一瞬で引き締めて、空を見上げる。

 否。地面に立っているのに、あまりにも大きすぎて、空を見上げるようにしないと見れない巨大な怪物を見上げる。

 そこには、最悪に凶悪そうな黒色の大怪獣が咆哮を発していた。

 

「『ネフィリム』だな。……50mはありそうだ」

 

 聖遺物に詳しいキャロルが正確に分析するが、分析している場合ではない。

 

「マスター、ジュード。戦闘か逃走かの選択を」

 

「いや、待つんだレイア。特異災害対策機動部の人と、ここで合流する手筈になってる」

 

「例の組織と? 何故?」

 

「技術協力の見返りに、古時計の聖遺物を譲り受ける契約なんだ。

 あの聖遺物がないとガリィを時間の檻の中から引っ張り出せないから……」

 

「成程。探してもなかったあれが、まさか日本の組織の倉庫にあったとは」

 

 そろそろ時間だ、とジュードが口にしてから数秒後。

 墓場の前に、十人ほど乗れそうな車両がドリフトしながら停止した。

 

「皆さん、急いでこちらに!」

 

 一課のロゴマークがなされたその車を見て、ディーンハイム一家はすぐさま乗り込んでいく。

 

「ディーンハイムさん達ですよね?

 林田悠里と申します。一課の人間で、友達や同僚にはユウリィって呼ばれてます」

 

「お迎えありがとう。さて、合流しようか、キャロル」

 

「ああ。行こう、ジュード」

 

 これにて、彼らの物語は終わり。

 外伝は終わり、そして本編へと合流する。

 世界のいたるところで繰り広げられていた物語は、最後の結末へと収束していく。

 

 迫り来る世界の危機。

 

 引き寄せ合い、絆を紡ぎ、手を取り合う力ある者達。

 

 そして、錬金術師達は世界を救い、本懐を果たす。

 

 それは遠い日のことではなく、近く訪れる必然の未来の日であった。

 

 

 

 




シンフォギア世界では異端技術のことをブラックアートとも呼びますが、日本発祥のブラックアートという奇術もあったりします。そんな無駄知識にて〆て、この物語は完結となります
彼らの物語はここで終わりますが、この世界の物語は本編にてまだ続いていきます

時間がありましたら、ワイルドアームズ5のEDであり、翼さんの中の人が歌っている曲であり、作詞の人の名前がヒビキというこれでもかと運命的な要素が詰め込まれた『Crystal Letter』なる曲をどうぞ
歌詞を読むだけでも感慨深くなる歌でございます

それではここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!

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