やはり心は叫びたい   作:ツユカ

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思ったより好評なのかな?と思いながら二話投稿です。

これはわがままというか出来れば、程度なのですが評価を読者の皆様につけていただきたいです。正直、このままのスタイルでいいのかかなり悩んでいます。なかなか同じ場面を違うキャラでやるというスタイルはないのでどうするか悩んでいます。そのため、評価を付けていただいてそれによってこれからの作品のスタイルを決めようかと思います。皆様、どうか宜しくお願い致します。


Another world ver修学旅行 二話 八幡サイド

新幹線が止まり、俺達は京都の地へ降り立った。順が人の多さに圧倒され手を繋いでくる。

(みんないんのにいいのか……?)

俺は基本されるがままなのだが今回は流石に状況が状況なだけに順に小声で訪ねてしまう。

「おい、みんな見てるけどいいのか?」

順はなぜか赤くなり、質問へ答える。

「いいの!順がこうしたい時にこうするんだからお兄ちゃんは黙ってされてて!」

……そですか。我が妹、いや我がお姫様は見事な独裁政治を展開していた。

(まあ、俺は全然いいんだが……)

俺はやはり順が好きな時にこうしてやりたい。出会った時に約束したように。

「そか、ならそろそろ追いかけないと置いてかれちまうぞ。」

順は今初めて自分たちがおくれていることに気づいたようで急いでいこうとする。しかし、俺は走りたくなかったのでその順を引き止めるように歩く。

「お兄ちゃん!少しは走ってよ!置いてかれるんだよ!?」

順はそう叫ぶが、俺は歩くことをやめない。確かに、知らない地で小学校六年生が置いてかれたりしたら大変だろう。しかし、それは誰も見てない時、という制約がつく。

「大丈夫だろ、ちゃんとした先生が俺達のこと見てるからな、ね?平塚先生?」

声をかけ後ろを振り向くと、髪を腰まで伸ばし、白衣を着た女教師が苦笑いしながら二人に笑いかける。

「やはり君には気付かれていたか。これでも私が来ることは内緒のはずだったんだがな。」

意味深な登場をする小学校五年生の時の担任、平塚静はタバコを口に咥えさらにぼやく。

「しかし、君たちは相変わらず仲がいいな。出来れば先生にもその仲良しの秘訣を教えてくれないか?また彼氏に振られてね。」

自虐気味に答える先生に俺は正直に答える。

「とりあえず、生徒の前ではタバコを止める努力はした方がいいですよ。」

さらに順は追い打ちをかけるように聞こえるか聞こえないかの声でつぶやく。

「先生、タバコ臭い……」

先生はそのつぶやきも聞こえたようでタバコを携帯灰皿に捨てる。そして、思い出したように話し出す。

「さて、それでどうするのかね?君たちは完全にこれではぐれてしまったが……」

わざとらしくいう先生に順は単純に引っかかり「えぇ!?」と声を上げる。しかし、俺は答えを口にする。

「どうせ、また平塚先生に俺達の面倒が回ってきたんでしょ?俺達はこれからどうすればいいです?」

すると、先生は楽しそうに笑いながら否定する。

「おいおい、回ってきてなんて言い方をするな、私はこれでも君たちを見ているのが好きなんだ。自ら名乗り出たのさ。君たちのことをよく思わない輩は沢山いるわけだしね。」

実際そうなんだろう、平塚静という教師はそういう人だ、そういうところがイケメンである。そして、そういうところに順は懐くのだろう。順は、基本教師が嫌いだ。しかし平塚静だけは例外だった。小学校五年生の一番困っていた時期に俺達兄妹を救おうとしてくれたのはこの女教師だけだった。しかし、それは教師にはどうしようも出来ない問題で、この先生は歯を食いしばりながら、謝ってきた。俺は初めて、家族以外の信用できる人ができた気がした。

順は唐突に先生にこう切り出す、

「順は先生のおすすめのラーメン食べたいなぁ……」

その言葉を待っていたかのように先生は反応しそれに同意する。

「お、成瀬は流石だな。そう、ここ、京都はラーメン激戦区で有名だ。その為、うまいラーメン屋は山ほどある。まあ他の先生には清水寺にでも連れていくように言われていたが、そんなのでっち上げればなんとでもなる。よし、成瀬の意向を汲んでこれからラーメンでも食べに行くか。」

と、教師らしからぬセリフを吐きながら地下鉄の切符を人数分買い、俺達に渡してくれる。

「もちろん、ほかの先生には内緒だぞ。それと、今日は私の奢りだ。」

俺と順は顔を見合わせるとその切符を受け取り、先生について行く。この先生はこういう時に男前だ。お願いだから。誰か早くもらってあげて!




これにて二話終了です。
ずっと出したかった平塚先生をこのような形で出せてとても嬉しいです。
そして、作者本人、用事というのは高校の修学旅行なのでこの作品でストレスの発散などをさせていただいてます。これは負担などはなく、むしろ精神安定剤のようなものなので、作者の体を心配して下さった方、ありがとうございます。むしろ、移動中なども書けるので結果オーライです。北海道なのでたまに圏外になることが辛いですが…
ちなみに順は八幡のことにだけ計算高くなっております。なので今回、はぐれ時にかなり焦っていました。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。順サイドは今夜投稿予定なのでそちらもよろしくお願い致します。

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